朝ドラ「ばけばけ」の原作はある?ドラマを深く楽しむヒント

ばけばけの原作

2025年度後期のNHK連続テレビ小説として放送されるのが、話題の新作 「ばけばけ」 です。

ヒロイン・松野トキを演じるのは、若手実力派女優の 高石あかりさん。そのモデルとなったのは、日本の怪談文学で知られる 小泉八雲(ラフカディオ・ハーン) の妻、小泉セツさん です。

セツさんは松江の士族の娘として生まれ、英語教師として来日した八雲と出会い結婚。異文化の橋渡しをしながら、夫を支え続けました。その姿が今回のヒロイン像に投影されています。

この記事では、朝ドラ「ばけばけ」に 原作があるのか? という疑問に答えるとともに、関連本や小泉セツ・小泉八雲にまつわる本や資料をご紹介します。ドラマをより深く楽しむヒントになるはずです。

朝ドラ「ばけばけ」全話あらすじ・ネタバレ・感想まとめ

2025年後期の朝ドラ『ばけばけ』は、明治の松江を舞台に、怪談好きの少女・松野トキと外国人教師ヘブンの出会いを描く物語。実在の小泉セツと小泉八雲をモデルに、異文化…

朝ドラ「ばけばけ」の原作はある?

朝ドラ「ばけばけ」には、いわゆる 原作小説や漫画は存在しません
NHKオリジナル脚本によるオリジナルストーリーであり、脚本を担当するのは ふじきみつ彦さん です。

ただし、ヒロイン・松野トキのモデルとなった 小泉セツさん に関する本や資料は多く出版されています。ここでは代表的なものをご紹介します。


『八雲の妻 小泉セツの生涯』長谷川洋二著


  • タイトル:八雲の妻 小泉セツの生涯
  • 著者名:長谷川洋二
  • 出版社:潮出版
  • 価格:1,210円
  • 発売日:2025年9月5日
  • ISBN:978-4267024740

2025年後期に放送のNHK連続テレビ小説「ばけばけ」の根幹の一冊。2014年に刊行された評伝の文庫化で、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)を陰で支えた妻・小泉セツの波乱に満ちた生涯を描いています。没落士族の娘として生まれながら、八雲と出会い、共に「怪談」などの再話文学を生み出していった姿を豊富な資料とともに紹介。さらに、セツ自身が綴った回顧録「思ひ出の記」や「英語覚え書帳」も収録し、夫婦の実像に迫る決定版です。


『思ひ出の記』小泉節子著


  • タイトル:思ひ出の記
  • 著者名:小泉節子(セツ)
  • 出版社:ハーベスト出版
  • 価格:1,760円
  • 発売日:2024年9月30日
  • ISBN:9784864565332

こちらは、セツ本人の語りを口述筆記した回想録です。庭の蓮池に住むヘビとカエルのエピソードなど、八雲と過ごした13年8か月の暮らしぶりが生き生きと綴られています。巻頭にはセツの写真、巻末には小泉家の家系図や年表も収録されており、当時の様子をリアルに感じられる一冊です。


『ヘルンとセツ』田渕久美子著


  • タイトル:ヘルンとセツ
  • 著者名:田渕久美子
  • 出版社:NHK出版
  • 価格:1,813円
  • 発売日:2022年8月30日
  • ISBN:978-4140057285

小泉八雲(ヘルン)とセツの出会いを描いた小説。会話や心理描写が多く、読みやすい構成になっています。夫婦の人間的な交流を知ることができ、朝ドラの予習本としてもぴったりです。


『ラフカディオ・ハーンが愛した妻 小泉セツの生涯』櫻庭由紀子著


  • タイトル:ラフカディオ・ハーンが愛した妻 小泉セツの生涯
  • 著者名:櫻庭由紀子
  • 出版社:内外出版社
  • 価格:1,760円
  • 発売日:2025年08月19日
  • ISBN:  978-4862577436

連続テレビ小説『ばけばけ』のヒロインのモデルとなった小泉セツの人生を丁寧に追った一冊です。急速に西洋化が進む明治期の日本で、彼女と小泉八雲がどのように出会い、結婚し、やがて数々の物語を生み出していったのかを描いています。さらに、二人それぞれの幼少期や青春時代の歩み、セツが語った物語や怪談の源流など、興味深い内容が詳しく収録されています。

朝ドラ「ばけばけ」関連本

NHKの朝ドラには、毎回ドラマをより楽しむための 公式ガイドブック関連本が刊行されます。
「ばけばけ」でも、ドラマの世界観を掘り下げるための書籍が用意されています。ここでは注目の関連本をご紹介します。


『連続テレビ小説 ばけばけ』小説版(ノベライズ)

  • タイトル:連続テレビ小説 ばけばけ (上)(下)
  • 著者名:未定
  • 出版社:NHK出版
  • 価格:1,760円
  • 発売日:2025年9月22日
  • ISBN:未定

ドラマを小説化したノベライズ版も出版予定です。上巻は9月下旬、下巻は翌年3月上旬の発売と見込まれています。ドラマで描かれるセリフや心情が文章で味わえるため、ファン必携の一冊となりそうです。


『連続テレビ小説 ばけばけ Part1』公式ガイド


  • タイトル:連続テレビ小説 ばけばけ Part1
  • 著者名:ふじきみつ彦、NHKドラマ制作班(監修)
  • 出版社:NHK出版
  • 価格:1,430円
  • 発売日:2025年9月22日
  • ISBN:978-4149236148

NHK公式のビジュアルムック。出演者インタビューや登場人物関係図、ロケ地の紹介など、朝ドラファン必見の内容です。

予定されている掲載内容の一部:

  • 登場人物関係図
  • 高石あかりさんやトミー・バストウさんをはじめとする出演者インタビュー
  • 主題歌紹介&アーティストインタビュー
  • 脚本・ふじきみつ彦さんのインタビュー
  • 「ばけばけ」の舞台となる松江・出雲・隠岐の紹介
  • 八雲とセツの生涯紹介
  • ドラマのあらすじ

また、ドラマの進行に合わせて Part2(2026年1月下旬発売予定) も刊行される見込みです。


『面白すぎて誰かに話したくなる 小泉八雲とセツ』伊藤賀一著


  • タイトル:面白すぎて誰かに話したくなる 小泉八雲とセツ
  • 著者名:伊藤賀一
  • 出版社:リベラル社
  • 価格:990円
  • 発売日:  2025年07月16日
  • ISBN:  978-4434361159

2025年後期のNHK連続テレビ小説『ばけばけ』は、小泉八雲と妻セツの歩みを描きます。日本の文化に魅了されたラフカディオ・ハーンが、どのようにセツと出会い、名作『怪談』を生み出すに至ったのか。本書では二人の人生と物語の背景が丁寧に綴られており、ドラマを楽しむ前に読んでおきたい一冊です。


『小泉八雲とセツ その言葉と人生』小泉 凡、 四條 たか子著


  • タイトル:小泉八雲とセツ その言葉と人生
  • 著者名:小泉 凡、 四條 たか子
  • 出版社:宝島社
  • 価格:1,680円
  • 発売日:2025年09月12日
  • ISBN:978-4299063205

本書では、小泉八雲の妻、小泉セツの夫婦のエピソードを二人の言葉や写真を交えながら紹介。さらに巻末には、「雪女」「ろくろ首」「貉(むじな)」「耳なし芳一の話」など、小泉八雲の代表的な怪談を現代語訳で特別収録。ドラマの予習と名作怪談の両方が楽しめる内容になっています。

小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の著書

朝ドラ「ばけばけ」のヒロイン・松野トキのモデルとなった小泉セツと深く関わるのが、作家の 小泉八雲(ラフカディオ・ハーン) です。
ギリシャ生まれの文豪でありながら、日本に渡り、数多くの怪談や日本文化を題材にした作品を残しました。彼の著書は現在も多くの出版社から刊行されており、ドラマを楽しむうえでぜひ触れておきたい資料です。

ここでは代表的な書籍を紹介します。


『小泉八雲集』小泉八雲著


  • タイトル:小泉八雲集
  • 著者名:小泉八雲
  • 出版社:新潮文庫
  • 価格:935円
  • 発売日:1975年03月18日
  • ISBN:978-4101094014

小泉八雲が書いた怪談を収録。妻・セツが語り伝えた民話や昔話をもとに生まれた物語も多く、当時の息づかいや不思議な世界を感じられる一冊です。


『小泉八雲の怪談』小泉八雲、松尾清貴著


  • タイトル:小泉八雲の怪談
  • 著者名:小泉八雲、松尾清貴
  • 出版社:理論社
  • 価格:1,650円
  • 発売日:2025年07月18日
  • ISBN:978-4652207062

琵琶法師が亡霊の前で語る「耳なし芳一」、雪の夜に現れる美しくも恐ろしい女を描いた「雪女」、坂道で出会うのっぺらぼうの怪異「むじな」など──日本で広く知られる怪談の数々は、明治時代にアイルランド出身の作家ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)によって作品化されました。その背後には、妻・小泉セツが語り伝えた民話や怪談があり、彼女の存在が創作を支えたといわれています。本書では、1904年刊行の『怪談』に収められた17篇を新訳で紹介。丁寧な解説付きで、小泉八雲の怪談世界を新たな視点から味わうことができます。


『妖怪に焦がれた男 小泉八雲全解剖』


  • タイトル:妖怪に焦がれた男 小泉八雲全解剖
  • 著者名:小泉凡
  • 出版社:宝島社
  • 価格:1,700円
  • 発売日:2025年7月15日
  • ISBN:978-4299063557

こちらは小泉八雲の関連本になります。小泉八雲にスポットを当てたビジュアルムックです。怪談文学の代表作から生涯の歩みまでを、豊富な写真・資料とともに解説。セツとの関わりも紹介されており、ドラマをより広い視点から楽しむことができます。

よくある質問(FAQ)

Q: 朝ドラ「ばけばけ」に原作はあるの?

A: いいえ、原作は存在せず オリジナル脚本 による作品です。ただし、ヒロインのモデルとなった小泉セツに関する本や資料が複数あります。


Q: ヒロイン松野トキは実在した人物なの?

A: 松野トキという名前の女性は架空の人物です。しかし、モデルは実在の人物 小泉セツ さんで、小泉八雲の妻として彼の活動を支えました。


Q: 関連本はどこで購入できますか?

A: 全国の書店やオンライン書店(Amazon、楽天ブックスなど)で購入可能です。ドラマ公式ガイドやノベライズは発売直後に品薄になることも多いため、予約がおすすめです。


Q: 小泉八雲の著作を読むならどれがおすすめ?

A: 初めて読む方には文庫版で手軽に楽しめる 『小泉八雲集』(新潮文庫) がおすすめです。もう少し人物像や背景を知りたい方には 『新編 日本の面影』(角川ソフィア文庫) や、セツとの関係に焦点をあてた 『面白すぎて誰かに話したくなる小泉八雲とセツ』(リベラル新書) も良いでしょう。

まとめ

朝ドラ「ばけばけ」は、既存の小説や漫画を原作にしているわけではなく、NHKオリジナルのストーリーとして制作されています。
しかし、ヒロイン・松野トキのモデルとなった 小泉セツ さんは実在の人物であり、その半生を描いた本や、夫である 小泉八雲 に関する資料が数多く出版されています。

とくに『思ひ出の記』や『小泉セツの生涯』は、セツさんの人柄や八雲との生活を知るための貴重な資料です。また、ドラマ放送にあわせて刊行される公式ガイドやノベライズ本は、作品をさらに楽しむための必携アイテムとなるでしょう。

「ばけばけ」はフィクションでありながら、実在の人物や歴史に基づいた背景を持っています。ドラマを楽しむと同時に関連書籍を手に取ることで、物語の奥深さや当時の文化、そして八雲とセツの絆をより深く感じられるはずです。