朝ドラ「ばけばけ」第1週各話あらすじ・感想【超わかりやすく】

朝ドラ「ばけばけ」は2025年9月29日(月)から始まったNHKの朝の連続テレビ小説。朝ドラ「ばけばけ」第1週(第1話~第5話)のテーマは「ブシムスメ、ウラメシ。」です。本記事では、第1話から第5話までのあらすじと感想を、わかりやすくまとめました。
「ドラマをもっと深く味わいたい方」
「毎朝見る時間がないけれど、内容を知りたい方」
「話の流れを簡単に把握したい方」
――そんな皆さまに向けて、「ばけばけ」第1週の見どころをお伝えします。
目次
朝ドラ「ばけばけ」あらすじ一覧
全話あらすじ | ||||
第1週 あらすじ | 第2週 あらすじ | 第3週 あらすじ | 第4週 あらすじ | 第5週 あらすじ |
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朝ドラ「ばけばけ」第1週(1〜5話)放送日
放送期間は 2025年9月29日(月)〜10月3日(金)。第1週のテーマは「ブシムスメ、ウラメシ。」でした。
「ばけばけ」初回第1話 あらすじと感想
あらすじ
物語の始まりは明治30年代の東京・大久保。外国人作家のレフカダ・ヘブンのもとで働く女性・松野トキが登場します。薄暗い部屋で、トキは怪談「耳なし芳一」を読み聞かせていました。
トキ:「和尚は叫んだ。『芳一!どうしたのだ!?』芳一の耳はもぎ取られ…」
物語を聞いていたヘブンは目を輝かせ、感激した様子でトキに言葉をかけます。
ヘブン:「Oh…すばらしいの話…。ママさん、ありがとうの心です。」
ヘブンのたどたどしい日本語に、トキは笑顔を見せながら辞書を開き、意味を確かめて答えます。しかし、自分の学の浅さを感じて、心の中で呟きます。
トキ:「わたしにもっと学があれば…」
そんなトキに、ヘブンは穏やかに語りかけます。
ヘブン:「ママさん、これ、誰のおかげで生まれましたの本ですか?
学のある人ならば、幽霊の話やお化けの話をばからしいと笑うでしょう。
でもママさんは違います。あなたは世界で一番の良きママさんです。」
言葉の壁を越えて心が通い合う二人。その様子を、庭にいた蛇と蛙が静かに見守っていました。
場面は、明治初期の島根県・松江へと遡ります。幼いトキが暮らす松野家は、かつて上級武士の家柄でしたが、明治維新で没落。父・司之介、母・フミ、祖父・勘右衛門は、貧しい暮らしの中で世を恨みながら生きていました。
ある夜、家族は司之介の号令で丑の刻参りを行います。松野家を没落させた薩長や新政府、さらにはペリーにまで呪いをかけようというのです。司之介は「これで我が家にも春が来る」と信じていました。
しかし翌朝も、何も変わらぬいつもの朝。トキが小学校へ行くと、同級生たちは家の噂をからかい、教師の谷川原にも父を批判されます。
同級生:「呪っちょる暇あったら、親父働かんか!」
その言葉にトキは涙をこらえますが、帰宅後、母・フミが静かに抱きしめてくれます。
フミ:「明治の世になって、戸惑って…それからずっと立ち尽くしちょるの。
決して怠けちょるわけじゃないんよ。」
時代に取り残された父を責めることなく、そっと支える母。そして、その母の優しさを見つめる幼いトキ。明治という新しい時代の光と影を、静かに映し出す第1話でした。
感想
朝ドラ「ばけばけ」第1話は、静けさの中に深い哀しみと温もりが漂う、美しい幕開けでした。明治の時代に取り残された松野家の姿は切なく、丑の刻参りの場面では「うらめしい」という言葉の重みを感じます。
父・司之介の無力感、母・フミの強さ、そして幼いトキの健気さが胸に残りました。特にフミの「立ち尽くしているだけ」という一言が印象的で、時代に翻弄される家族の姿が丁寧に描かれています。過去と現在、そして異国が交わる不思議な構成にも惹かれました。
「ばけばけ」第2話 あらすじと感想
あらすじ
小学校に通うトキは、同級生のサワに刺激を受け、「教師になりたい」という夢を抱くようになります。貧しいながらも勉強熱心なサワの姿に感化され、自分も家族の力になりたいと感じたのです。
その一方で、トキは親戚である雨清水家に通い、お茶や三味線など、武家の娘としての教養を学んでいました。しかし、教師になるにはそんな稽古は必要ないと考えたトキは、ある日、思い切って雨清水タエに申し出ます。
トキ:「おば様、本日でお稽古ごとを終わりにしたく存じます。
私、大人になりましたら小学校の先生になりたく存じます。そして一家の暮らしを支えたく。
先生には茶の湯も要りませんし、三味線もお花も要りません。だけん…」
トキのまっすぐな思いに対し、タエは静かに、しかしきっぱりと答えます。
タエ:「お待ちなさい。武士の娘は、金を稼いだりいたしません。」
その言葉にトキはうつむきます。夢を否定され、胸に重いものを抱えたその時、思いがけない人物が部屋に現れました。タエの夫・傳です。かつては立派な武士だった彼の姿に、タエとフミは息をのんで驚きます。
トキ:「あっ、髷がない!ざんぎり頭!」
なんと、傳は髷を落とし、時代に合わせてざんぎり頭になっていたのです。そして落ち着いた口調で、家族に語ります。
傳:「近いうちに織物の工場を始めようと考えておる。」
タエは衝撃を受けますが、傳はもう「武士のままではいられない」と覚悟を決めていました。時代に取り残されず前に進もうとする彼の姿に、トキは強い憧れを抱きます。
その夜、松野家に帰ったトキは、ふとした拍子にこう漏らしてしまいました。
トキ:「おじ様のような父上がよかったな〜。」
その言葉を、偶然父・司之介が聞いてしまいます。無職のままの自分を情けなく思っていた司之介は、娘の言葉に深く傷つき、何も言えません。
翌日、学校から戻ったトキの前に、司之介は元部下の金成を連れて現れ、籠の中のウサギを見せます。トキには、そのウサギが何を意味するのか理解できませんでしたが――それは、父が“武士としての誇りを守るための新しい商売”を始めようとする兆しでもありました。
感想
第2話では、時代の変化を受け入れる者と、受け入れられない者の対比が鮮やかでした。ざんぎり頭にした傳の姿は、新時代の象徴。一方で、武士の誇りに縛られる司之介の姿は痛々しくも人間らしい。トキが夢を語る姿と、父が過去にしがみつく姿の対比が切なく、まさに“明治のうらめしさ”を感じる回でした。
また、稽古を辞めたいと伝えるトキの真っすぐな思いには、幼いながらも強い意志があり、彼女の成長を予感させます。父への思いやりと反発が入り混じる家庭の空気がリアルで、第1話に続き、静かな余韻を残す回でした。
「ばけばけ」第3話 あらすじと感想
あらすじ
武士の誇りを守るため、長らく働くことを拒んでいた司之介。しかし、娘・トキの何気ない一言がきっかけとなり、ついに変わる決意をします。かつての部下・金成初右衛門と手を組み、「うさぎを増やして売る」という新しい商売を始めることにしたのです。
司之介:「おトキ、みちょれ。父は傳様には負けんぞ。」
その言葉に、トキとフミは喜び、司之介の決断を心から応援します。しかし、祖父・勘右衛門だけは激しく反対。「武士が商売など恥だ」と怒りをあらわにします。トキは必死に父をかばい、頭を下げました。
トキ:「私があれこれ申したせいできっと…」
勘右衛門:「……おじょに免じてぞ。」
こうして司之介のうさぎ商いが始まります。すると運よく相場が上がり、すぐに200円という大金を稼ぐことに成功。松野家には笑顔が戻り、司之介も意気揚々。
司之介:「父は“うさぎ長者”になるぞ!」
勢いづいた司之介はさらに借金をしてうさぎを仕入れようとします。その無鉄砲さに不安を感じながらも、トキは久しぶりに見る家族の笑顔に胸をなでおろしていました。
ある日の縁日の帰り道、トキと司之介は松江大橋の上で、借金のかたに連れて行かれる若い女性を目撃します。貧しい人々の現実を目の当たりにし、司之介はつぶやきます。
司之介:「あのおなごたちは、借金のかたに売られたんじゃろう……」
その夜、司之介は家に戻りませんでした。“武士”から“商人”へ――新しい生き方に踏み出した司之介の運命は、再び暗い影を帯びていきます。
感想
第3話は、武士の誇りと現実の生活との間で揺れる父・司之介の人間味が深く描かれた回でした。うさぎ商売に挑む姿は滑稽でありながらも、家族を思う真剣な気持ちが伝わってきます。
トキが父を守るために頭を下げる場面は、幼いながらも強く、胸を打ちました。久々に明るさを取り戻した松野家の笑顔が、終盤には不穏な予感へと変わっていく展開も見事。
「うらめしい」時代の中で、誇りと希望のどちらを選ぶのか――司之介の姿を通して、時代の波に翻弄される家族の切なさが沁みる第3話でした。
「ばけばけ」第4話 あらすじと感想
あらすじ
ある夜、司之介が深夜になっても家に帰らない日がありました。翌日になっても姿は見えず、それから十日が経過。フミとトキは町を歩き回り、必死に司之介を探しますが、どこにも見つかりません。家の空気は重く、食卓から笑顔が消えていました。
ある日、登校途中のトキが、宍道湖のほとりで父の姿を発見します。水辺に向かって歩く司之介に駆け寄り、トキは涙ながらに叫びました。
トキ:「帰るよ。何があったかなんてどうだってええ。生きちょっただけで十分だけん。」
やがてフミも駆けつけ、夫に語りかけます。
フミ:「あなたがいないと、美味しくないのよ。大好きなしじみ汁がちっとも。」
ふたりの言葉に、司之介は静かに顔を上げます。
司之介:「そげか。しじみ汁が美味しければよいか? しじみ汁飲んで『あ〜』と言えばそれで良いか?
父が帰って、一家四人で楽しく暮らせればそれで良いか?……では、おトキ、明日から働いてくれるな?」
突然の言葉にトキは息をのみます。
トキ:「えっ…でも明日は学校が…」
司之介:「学校は、もうない。」
うさぎの相場が崩れ、松野家は莫大な借金を抱えていたのです。トキはその場で気を失い、家族の絶望を映すように、夜の静けさが包みました。
その晩の食卓に並んだのは、しじみ汁と、勘右衛門が大切にしていたウサギ「ウサ右衛門」の肉の汁。それは貧しさを象徴する悲しい夕食でした。
一方その頃、遠くアメリカでは、仕事を失ったレフカダ・ヘブンが絶望の淵に立たされていました。日本と異国、ふたりの魂の影が、静かに重なり始めていきます。
感想
第4話は、松野家がついに破綻の淵に立たされる、胸の痛い回でした。うさぎ商売の崩壊によって誇りを失い、父としての自信を失う司之介の姿が痛々しくも人間的です。それでもトキとフミは、責めることなく「帰ってきてくれたこと」そのものを喜ぶ――この親子の無償の愛に涙がこみ上げました。
一杯のしじみ汁をめぐる会話が、家族の絆と現実の厳しさを象徴しています。そしてラストで重ねられるヘブンの絶望の描写が、異国と日本を静かに結びつけ、物語に深みを与えました。“うらめしさ”の中に人の温かさを感じる、忘れがたい一話でした。
「ばけばけ」第5話 あらすじと感想
あらすじ
明治19年(1886年)。あのうさぎ商売からおよそ10年。18歳になったトキは、雨清水傳が経営する織物工場で働いていました。松野家は武家の町を離れ、松江城の川向こう――遊郭の隣にある長屋で暮らしています。働く目的はただひとつ、父・司之介が抱えた莫大な借金を少しでも返すこと。
司之介も牛乳配達の仕事を始めましたが、借金は減らず、日々の生活もままなりません。ある日、借金取りの森山がやって来て、冷たく言い放ちます。
森山:「娘を遊郭にやるか、首をくくるか、物乞いになるか、よう考えちょけ。」
その場の空気が凍りつく中、司之介はかすれた声で言いました。
司之介:「心配はいらん。遊郭にやるようなことはないけん。」
けれども、家の現実は厳しいまま。そんな中、トキは一筋の希望を口にします。
トキ:「婿様をもらいましょうか!」
婿を迎えて働き手を増やせば、家計を支えられるのではないか――トキの提案に家族は驚きながらも、どこか救われたような表情を見せます。
後日、トキは工場の仲間・チヨとせんを誘い、縁結びで知られる八重垣神社へ。境内の「鏡の池」で恋占いをすることにしました。一厘銭を乗せた紙の舟を池に浮かべ、沈む速さや場所で良縁の近さを占うというものです。
チヨとせんの舟はすぐに沈み、近くの人とのご縁があることを示しました。しかし、トキの舟だけはゆっくりと遠くへ流れていきます。
トキ:「沈め、沈め、沈め、沈め〜!」
どれだけ願っても、トキの舟はなかなか沈みません。それはまるで、彼女の“遠い運命の人”を暗示しているかのようでした。
感想
第5話は、貧しさの中でも前を向こうとするトキの強さが光る回でした。借金に苦しむ松野家の現実は厳しく、娘を売れと迫る森山の言葉には背筋が凍ります。それでもトキは絶望せず、「婿を迎える」という前向きな提案をする姿が印象的でした。
八重垣神社での恋占いの場面では、トキの紙の舟だけが沈まないという象徴的な演出が見事。“すぐには叶わぬ縁”を示しながらも、彼女が未来へ希望を託す姿は切なくも美しい。
この沈まぬ舟こそ、のちに彼女を導く「遠い国の運命の人」――レフカダ・ヘブンとの出会いを予感させる場面でした。
次週/第2週の各話あらすじ・感想はこちら
朝ドラ「ばけばけ」に登場した場所
松江城について

「ばけばけ」の舞台である松江城は、島根県松江市の象徴的な名所です。物語では、武士の時代の名残と城下町の落ち着いた風景が物語の背景として活かされています。トキの生きる世界観をリアルに感じさせる重要なロケーションです。
八重垣神社について

八重垣神社は、縁結びの神様として有名な神社です。作中では、静かで神秘的な雰囲気を醸し出すシーンの舞台として登場し、トキの心情や“見えない縁”を象徴しています。神社の「鏡の池」も印象的な場面に登場し、作品全体の幻想的なトーンを際立たせています。

まとめ
ついに朝ドラ「ばけばけ」がスタートしました。冒頭から、主人公トキ(高石あかり)と夫ヘブン(トミー・バストウ)の印象的なシーンで物語が幕を開け、初回から心をつかまれました。高石さんの繊細で力強い演技には、さすがの存在感がありますね。これからの展開でどんな表情を見せてくれるのか、期待が高まります。
今週は、トキの幼少期を中心に描かれました。子ども時代を演じた福地美晴ちゃんの自然な演技がとても印象的で、セリフの間の取り方や表情の作り方が見事でした。無邪気さの中に芯の強さがあり、まさに“未来のトキ”を感じさせてくれました。
物語の舞台は明治維新後の松江。武士の誇りを残しながらも、時代の変化に取り残されていく松野家の姿が丁寧に描かれています。父の商売がうまくいかず、家計が傾いていく場面には胸が痛みました。「うさぎの商売」のくだりでは、視聴者の多くが“やめておいて!”と感じたのではないでしょうか。
それでも、家族が支え合う姿には温かさがあり、特に母・フミ(池脇千鶴)の包容力と強さが際立ちます。困難の中でも希望を捨てない松野家が、これからどう生きていくのか――次回への期待が膨らむ第1週でした。