「迎える」と「向かえる」の違い【50例文】使い方をマスター

着物で迎える

日本語には、発音は同じでも意味や使い方が異なる「同音異義語」が数多く存在します。その中でも、「迎える」と「向かえる」は非常によく混同されやすい言葉です。どちらも「むかえる」と読むため、文章や会話の中で違和感なく使われてしまいがちですが、実は意味も用法も大きく異なります。

例えば、「友人を駅までむかえる」と言いたいときに、「向かえる」と書いてしまうと、意味が通じなくなってしまいます。一方で、「会場にむかえる」と言いたい場合は、「向かえる」が正解です。こうした微妙な違いをしっかりと理解していないと、正しく伝えることができません。

本記事では、「迎える」と「向かえる」の意味の違いや使い方を丁寧に解説し、実際の例文を通じて感覚的にも理解できるようにしていきます。合計50個の例文を紹介しながら、言い換え表現や間違いやすい用例も押さえていきますので、ぜひ最後までお読みいただき、日本語表現力の向上に役立ててください。

目次

「迎える」の意味

お出迎え

「迎える(むかえる)」は、日本語において広く使われる動詞であり、以下のような複数の意味を持っています。主に「人や物事をこちらに来させる・来るのを待つ」などのニュアンスがあります。ここでは、「迎える」という言葉の意味と、その代表的な使われ方について詳しく解説します。

①人を迎えに行く・出迎える

最も一般的な使い方のひとつが、誰かを出迎えるという意味です。

例:

  • 駅まで友人を迎えに行く。
  • 空港で家族を迎える。

この場合、「迎える」は「相手が来るのを待つ」「こちらに来させる」という受動的な意味合いを持っています。

②時間や時期を迎える

「迎える」は、時間の経過や節目のタイミングでも使われます。

例:

  • 新しい年を迎える。
  • 春を迎える。
  • 定年を迎える。

これは、「ある時点に到達する」または「何かを経験する」という意味で使われています。

③状況・段階を迎える

時間に限らず、心境や状況の変化にも「迎える」は用いられます。

例:

  • クライマックスを迎える。
  • 最終段階を迎える。
  • 危機的な状況を迎える。

この使い方では、「何かが訪れる」や「状態がやってくる」というイメージです。

④新しい人や物を受け入れる

「迎える」は、新しいメンバーや変化を受け入れるという意味もあります。

例:

  • 新入社員を迎える。
  • 新たな生活を迎える。
  • 新体制を迎える。

この場合は「受け入れる」「新しくスタートする」といった前向きなニュアンスが加わります。

まとめると、「迎える」とは

  • 人や物事を出迎えること
  • 時間・出来事の到来を経験すること
  • 状況の変化を受け入れること

いずれの場合も、「何かがこちらにやってくる・来させる」ことが中心にあります。

「向かえる」の意味

太陽に向かう

「向かえる(むかえる)」は、「向かう(ある方向に進む)」に、可能の助動詞「~える」がついた言葉です。この語は、「ある目的地や対象に向かって進むことができる、または向かっていく」というニュアンスを持っています。

①ある場所に進んでいくことができる

「向かえる」の基本的な意味は、「ある場所や人、目的などに向かって移動・進行することができる」という動作・可能性を表す言葉です。

例:

  • 明日は早く起きて出社に向かえる。
  • 遅れたけど、今から学校に向かえる。
  • 電車に間に合えば、コンサート会場に向かえる。

ここでのポイントは、「自分がある方向に移動していく」という能動的な動作である点です。「迎える」が「何かが来るのを待つ・受け入れる」のに対して、「向かえる」は「自分が動いていく」ことに重点があります。

②抽象的な対象に向かって進む

「向かえる」は、物理的な移動だけでなく、目標や状況など抽象的な対象に進んでいく場合にも使われます。

例:

  • 自分の夢に向かえる環境を探している。
  • ゴールに向かえるように努力する。
  • 明るい未来に向かえるように頑張る。

このように、具体的な場所だけでなく「目標」や「未来」といったイメージ的な対象に向かって進むことも「向かえる」と表現します。

③「~できる」の可能表現としての意味

「向かえる」は、「向かう」という動作が「可能である」という意味を含みます。つまり、「行くことができる」「向き合うことができる」といったニュアンスです。

例:

  • 体調が回復したので、ようやく職場に向かえる。
  • 話し合いに向かえる気持ちになってきた。

ここでは、心理的・物理的な「可能性」も含まれており、「向かえる」は単に動くのではなく、その動作が「可能である」という点が特徴です。

まとめると、「向かえる」とは

  • 「向かう」+「~える」で「向かうことができる」
  • 自分から目的地・相手・未来に進む能動的な動作
  • 状況・心情的に進むことが可能であるという意味も含む

「迎える」とは主語の立ち位置がまったく逆になる点に注意が必要です。

「迎える」と「向かえる」の違い・使い分け

ハテナマーク

「迎える」と「向かえる」は、どちらも「むかえる」と読む同音異義語ですが、意味や使い方にははっきりとした違いがあります。使い方を間違えると、伝えたい内容が相手に正確に伝わらないだけでなく、不自然な印象を与えることもあるため、違いをしっかり理解しておきましょう。

比較表で見る違い

項目迎える(むかえる)向かえる(むかえる)
主な意味人や出来事・時期を受け入れる、出迎えるある方向・場所・人に自ら進んでいく
主体の動き相手を待ち構える・迎え入れる(受動的)自分から向かっていく(能動的)
使う対象人、出来事、時間、季節、状況 など目的地、人物、問題、目標 など
主な使い方「新年を迎える」「客を迎える」「卒業を迎える」「駅に向かえる」「目標に向かえる」「上司に向かえる」
よくある誤用✕「駅に迎える」 → 正:駅に向かえる✕「新年を向かえる」 → 正:新年を迎える
  • 来るものを待つ・受け入れる → 迎える
  • 自ら進んで行く・到達する → 向かえる

両者は主語の視点が逆です。誰が動くのか、何に向かうのかを考えることで、正しい動詞を選ぶことができます。

「迎える」の使い方【例文20】

子どものお迎え

ここでは、「迎える」という言葉が実際の文中でどのように使われるかを、20の具体的な例文で紹介します。例文は、「人を迎える」「季節・出来事を迎える」「状況・変化を迎える」の3つのカテゴリに分けて掲載しています。


【1】人を迎える(出迎え・受け入れ)

  1. 駅まで母を迎えに行った。
  2. 空港で海外から来た友人を迎えた。
  3. 新入社員をあたたかく迎えた。
  4. 家の前でタクシーを迎える
  5. 結婚して新しい家族を迎えることになった。
  6. ホテルのスタッフが丁寧に客を迎えた。
  7. 祖父母が孫の帰省を笑顔で迎えた。
  8. 最終ランナーを拍手で迎える観客。

【2】季節・出来事・時間を迎える

  1. 桜が咲き始め、いよいよ春を迎える
  2. 新年を家族と一緒に迎えた。
  3. 今年も無事に誕生日を迎えることができた。
  4. 会社設立から10周年を迎える
  5. 暑い夏を迎える準備が整った。
  6. 定年を迎え、新たな人生を歩み始めた。
  7. 受験シーズンを迎える学生たち。

【3】状況・変化・段階を迎える

  1. プロジェクトはついに最終段階を迎えた。
  2. 新しい生活を迎える前に準備を整える。
  3. チームは危機的状況を迎えている。
  4. 大事な試合を迎える選手の表情は真剣だった。
  5. 我が社は今、転換期を迎えている。

解説ポイント

  • 「迎える」は、“受け身”“待ち受ける” というイメージを持つ動詞です。
  • 時間やイベント、相手が自分の方に来る、またはやって来ることが前提となっています。
  • 自分が動いていく場合には「向かえる」が適切なので注意が必要です。

「向かえる」の使い方【例文20】

太陽に向かえる花

「向かえる」は、「向かう」+「~える」という形で、何かに進んでいける、あるいは向かっていくことができるという意味を持ちます。ここでは、「場所に向かう」「目標・未来に向かう」「心の準備が整った」という3つのカテゴリに分けて、合計20の例文を紹介します。


【1】場所・人に向かえる

  1. バスが来たので、今から学校に向かえる
  2. 雨が止んだので、安心して職場に向かえる
  3. 体調が回復して、ようやく病院に向かえるようになった。
  4. 会議の時間が近づいてきたので、会場に向かえる
  5. 渋滞が解消されたら、空港に向かえるはずだ。
  6. 子どもを迎えに行くために保育園へ向かえる準備をする。
  7. 電車が動き出したので、目的地に向かえることになった。
  8. 道案内アプリを使えば初めての場所でも向かえる

【2】目標・夢・未来に向かえる

  1. 留学という夢に向かえるよう、今は英語を勉強している。
  2. 自分のゴールに向かえる道を見つけた気がする。
  3. 新しいプロジェクトに自信を持って向かえるようになった。
  4. 長年の努力でようやく目標に向かえる段階に来た。
  5. 自分のやりたい仕事に向かえるチャンスを逃さない。
  6. 未来に向かえる勇気を持つことが大切だ。
  7. チーム一丸となって勝利に向かえるように頑張る。

【3】心理的・状況的に“向かえる”

  1. 悲しい出来事の後で、人とちゃんと向かえるようになった。
  2. 問題に正面から向かえる心の余裕が生まれた。
  3. やっと過去と向かえるようになってきた。
  4. 難しい課題に対して前向きに向かえる気持ちが芽生えた。
  5. 素直な気持ちで話し合いに向かえる自分に驚いた。

解説ポイント

  • 「向かえる」は自分から進んでいくイメージが重要です。
  • 単なる物理的な移動に限らず、心理的・比喩的な「進む」にも使われます。
  • 「~できる」という可能性も含むので、「行ける」「向かっていける」と訳すと分かりやすくなります。

間違えやすい使い方【例文10】

例

「迎える」と「向かえる」はどちらも「むかえる」と読むため、文章での書き間違いや使い分けの誤りが非常に多く見られます。ここでは、よくある誤用例を10個紹介し、どこが間違っているのか、どう書けば正しいのかを丁寧に解説します。


1. ❌ 空港に向かえて、友人を出迎えた。

👉 ✅ 空港に迎えて、友人を出迎えた。
解説: 「迎える」は、相手をこちらで出迎えるという意味。自分が向かう場合ではない。


2. ❌ 春を向かえる準備をしている。

👉 ✅ 春を迎える準備をしている。
解説: 「季節」「時期」など時間の到来は「迎える」を使うのが正しい。


3. ❌ 新しい仲間をチームに向かえる

👉 ✅ 新しい仲間をチームに迎える
解説: 新しいメンバーを受け入れる=迎える。自分が向かうわけではない。


4. ❌ ゴールに迎かって走った。

👉 ✅ ゴールに向かって走った。
解説: これは「迎える」と「向かう」の混同。正しくは「向かう」。


5. ❌ 就職活動の終盤を向かえている。

👉 ✅ 就職活動の終盤を迎えている。
解説: 状況や段階がやってくるときは「迎える」。


6. ❌ 試合に向けて心を迎える準備をする。

👉 ✅ 試合に向けて心を向かえる準備をする。
解説: 「試合に向かっていく」=「向かえる」が正しい。


7. ❌ 来客を向かえる態勢を整える。

👉 ✅ 来客を迎える態勢を整える。
解説: 来客を受け入れるのは「迎える」。


8. ❌ 会場に迎えたので、もうすぐ始まる。

👉 ✅ 会場に向かったので、もうすぐ始まる。
解説: 自分が会場に行く=向かう(「迎える」は誤用)。


9. ❌ 試合に勝って、次のステージに迎えた

👉 ✅ 試合に勝って、次のステージに向かえた
解説: 自分たちが次のステージに進むなら「向かえる」が正しい。


10. ❌ 友人の訪問を笑顔で向かった

👉 ✅ 友人の訪問を笑顔で迎えた
解説: 訪問を受け入れるのは「迎える」。向かうのではない。


間違え防止のヒント:

  • 相手が来るのを受け入れる・待つ →「迎える」
  • 自分が動いて行く・進む →「向かえる」

読んだときに「どちらが動いているのか」を意識すると、使い分けやすくなります。

「迎える」の言い換え・類語

お迎え

「迎える」は日常会話からビジネス、文章表現まで幅広く使われる便利な言葉ですが、文脈や雰囲気に応じて別の言葉に言い換えることで、表現の幅を広げることができます。この章では、「迎える」の主な意味ごとに、使える言い換え語や類語を紹介し、それぞれの使い方のポイントも解説します。


①「人を迎える」の言い換え・類語

主な類語:

  • 出迎える(でむかえる)
  • 迎えに行く
  • 受け入れる
  • 招く(まねく)
  • お出迎えする(敬語)

使用例:

  • 駅まで友人を迎える
     → 駅まで友人を出迎える
     → 駅まで友人を迎えに行く

解説:

  • 「出迎える」は、場所に行って相手を待ち受けるニュアンスが強い。
  • 「迎えに行く」は口語的で、具体的な動作をイメージさせます。
  • 「招く」は、フォーマルな場や儀礼的な文脈で使われます(例:式典に来賓を招く)。

②「季節・出来事を迎える」の言い換え・類語

主な類語:

  • 到来する(とうらいする)
  • 訪れる(おとずれる)
  • やってくる
  • 経過する
  • 突入する(ビジネス用語で段階に入るという意味)

使用例:

  • 春を迎える
     → 春が訪れる
     → 春が到来する
     → 春がやってくる

解説:

  • 「訪れる」は、やや文学的・情緒的な表現。
  • 「到来する」は少し硬い言い回しで、ニュースや報道でよく使われます。
  • 「突入する」は、「繁忙期に突入する」など、ビジネスの段階において使われます。

③「状況・変化を迎える」の言い換え・類語

主な類語:

  • 経験する
  • 到達する
  • 直面する
  • 入る(○○期に入る)
  • 変化する

使用例:

  • 人生の転機を迎える
     → 人生の転機を経験する
     → 人生の転機に直面する
     → 人生の転機に入る

解説:

  • 「直面する」は、ポジティブ・ネガティブどちらにも使えますが、やや切迫感があります。
  • 「経験する」は、幅広い事象に使える汎用表現。
  • 「入る」は、段階的・時間的な進行を示したい場合に有効。

使い分けのポイント

ニュアンス言い換え例特徴
丁寧・フォーマルお出迎えする、招く敬語表現、ビジネス向き
文学的訪れる、到来する文章・詩的な表現に適している
動作強調出迎える、迎えに行く具体的な行動が明確になる
状況説明経験する、入る、直面する状況の変化を淡々と伝えるのに最適

「向かえる」の言い換え・類語

目標に向かう

「向かえる」は、「目的や場所、物事に自分が向かって進んでいく」ことを意味する動詞で、可能の意味(~できる)を含んでいます。ここでは、「向かえる」の文脈に応じた言い換え表現や類語を紹介し、使い分けのポイントを解説します。


①「場所や目的地に向かう」の言い換え・類語

主な類語:

  • 向かう
  • 行く
  • 出発する
  • 向ける(他動詞的に使う場合)
  • 向かっていく

使用例:

  • 駅に向かえる準備をする。
     → 駅に行く準備をする。
     → 駅に向かう準備をする。
     → 駅へ出発する準備をする。

解説:

  • 「向かう」は最も直接的な言い換え。「向かえる」と異なり、可能の意味はない。
  • 「行く」は口語的で、日常的な会話に適しています。
  • 「出発する」はややフォーマルで、旅行や業務など計画的な移動に用いられます。

②「目標・未来に向かう」の言い換え・類語

主な類語:

  • 目指す
  • 進む
  • 向き合う
  • 挑む(目標に対して)
  • 進んでいく

使用例:

  • 明るい未来に向かえるように努力する。
     → 明るい未来を目指して努力する。
     → 明るい未来に進むように努力する。
     → 明るい未来に挑む姿勢を持つ。

解説:

  • 「目指す」は目的地や夢に向かって努力するニュアンスが強い。
  • 「進む」は比較的中立的な言葉で、幅広い状況で使えます。
  • 「挑む」は強い意志や困難に立ち向かうイメージがある。

③「心構え・準備が整う」意味の言い換え・類語

主な類語:

  • 向き合う
  • 向かう(心理的に)
  • 心を整える
  • 立ち向かう
  • 覚悟を決める

使用例:

  • 難しい話し合いに向かえるようになった。
     → 難しい話し合いに向き合えるようになった。
     → 難しい話し合いに立ち向かう準備ができた。
     → 難しい話し合いに覚悟を決めて臨む

解説:

  • 「向き合う」は心理的・対人的なテーマに使いやすい。
  • 「立ち向かう」は困難に対して積極的に挑む場面に適しています。
  • 「覚悟を決める」は決意や準備が整ったという強い意志の表現。

言い換え選びのポイント

用法のタイプ言い換え表現備考
物理的な移動行く、向かう、出発する「向かえる」は可能表現、「向かう」は単なる動作
抽象的な目標に進む目指す、進む、挑む意志の強さや目的の具体性で使い分ける
心理的な対処・準備向き合う、覚悟を決める感情や状況に向き合う文脈で適用

よくある質問(FAQ)

Q&A

ここでは、「迎える」と「向かえる」の使い分けに関して、読者の方からよく寄せられる質問をQ&A形式でまとめました。


Q1:「迎える」と「向かえる」の違いがまだよく分かりません。

A:
簡単に言うと、「迎える」は相手や出来事をこちら側で受け入れること、「向かえる」は自分が相手や目的に向かって進んでいくことです。
たとえば、

  • 「来客を迎える」は、相手が来るのを待って受け入れる
  • 「会場に向かえる」は、自分がそこに行くことができる
    というように、どちらが動いているかを意識すると使い分けやすくなります。

Q2:「向かえる」は間違った言葉ではありませんか?

A:
いいえ、「向かえる」は正しい日本語です。「向かう」に可能の助動詞「~える」が付いた形で、「向かうことができる」という意味になります。
ただし、「迎える」と混同しやすいため、辞書にはあまり大きく載っていないこともあり、注意が必要です。現代の日本語では、特に話し言葉よりも書き言葉・説明的な表現として使われる場面が増えています。


Q3:ビジネスシーンではどちらを使うべきですか?

A:
文脈によって使い分けが必要です。

  • 来客・イベントなど「お客様を受け入れる」場合は「迎える」
     例:「お客様を笑顔で迎える」
  • 出張や会議など「自分が行く・対応する」場合は「向かう」または「向かえる」
     例:「15時の会議に向かえるよう調整します」

丁寧さを出すなら、「お出迎え」「伺う」「向かわせていただきます」などの敬語表現も併用できます。


Q4:文章を書いていて、どちらを使うか迷ったときのコツはありますか?

A:
迷ったときは、次のような質問を自分に投げかけてみましょう:

  • 「自分が行くのか?」「相手が来るのか?」
  • 「これから進んでいくのか?」「何かを受け入れるのか?」

このように主語の動作の向きを明確にすると、どちらを使えばよいか判断しやすくなります。


Q5:「向かえる」は敬語にできますか?

A:
「向かえる」という語自体は敬語表現にはなりませんが、文全体で丁寧にすることで敬意を表すことができます。
例:

  • 「午後の面談に向かえるよう準備いたします
  • 「現地へ向かわせていただきます」←さらに丁寧

ビジネスの場では、「伺う」「お伺いする」「向かわせていただく」などの尊敬語・謙譲語を意識すると好印象です。

まとめ

「迎える」と「向かえる」は、どちらも「むかえる」と読む日本語の同音異義語ですが、その意味と使い方には明確な違いがあります。

「迎える」は、人や出来事、季節などを受け入れる・出迎える意味を持ち、主に自分のところに“何かが来る”という場面で使います。反対に「向かえる」は、「向かうことができる」という意味で、自分が目的地や対象に進んでいくニュアンスを含みます。

このように、動作の方向性と主語の立ち位置が真逆であるため、文脈に応じた正しい使い分けが求められます。

本記事では、「迎える」と「向かえる」の基本的な意味から、具体的な例文、間違えやすい用法、言い換え表現、そしてよくある質問まで、実用的な視点で解説しました。

今後、メールや作文、会話の中で「むかえる」という言葉を使う際には、ぜひこの記事を参考にして、文脈に合った表現を選べるようになってください。言葉の使い方を正しくマスターすることは、コミュニケーション力の向上にもつながります。