食事を「取る」と「摂る」どっち?睡眠は?「とる」の使い方ガイド

日本語には、同じ読み方をするけれど意味や使い方が異なる漢字が数多く存在します。その代表的なもののひとつが、「とる」という言葉です。「食事をとる」「睡眠をとる」「連絡をとる」など、日常的によく使う言葉ですが、いざ文章に書こうとすると、「取る」なのか「摂る」なのか、迷うことが多いのではないでしょうか。
実はこの「とる」、使う場面によって適切な漢字が異なります。特にビジネス文書や公式な文章を書くときには、正しく使い分けることが求められます。
本記事では、「取る」と「摂る」の違いや使い分けのポイントを、具体例や比較表を交えてわかりやすく解説していきます。さらに、英語表現やよくある間違い、使い方の例文もたっぷり紹介しますので、「とる」の使い方を総合的にマスターしたい方にぴったりの内容です。
目次
食事を「取る」と「摂る」どっち?

「朝食をとった?」「ちゃんと食事をとらないと体に悪いよ」——このような表現は日常でよく耳にします。しかし、この「とる」を漢字で書くとき、「取る」か「摂る」か、迷ったことはありませんか?
結論から言うと、「食事を摂る」が正しい表現です。
「摂る」が正しい理由
「摂る」は、「摂取する」の略とも言える表現で、食べ物や栄養分などを体内に取り入れるという意味を持っています。つまり、「食事を摂る」という表現は、「食べ物や栄養を摂取する」という行為を的確に表しています。
例:
- バランスの良い食事を摂ることが身体づくりの基本です。
- 一日三回きちんと食事を摂るようにしています。
「取る」と書く場合の注意点
一方、「取る」は非常に広い意味を持つ言葉で、「手に入れる」「受ける」「行う」など、さまざまな文脈で使われます。カジュアルな会話やSNSでは、「食事を取る」と書かれることもありますが、正式な文書や文章では「摂る」のほうが適切です。
例(やや不自然):
- 栄養バランスを考えて食事を取る。→(「摂る」のほうが自然)
「食事を取る」が完全に間違いというわけではない
とはいえ、「取る」という字も間違いとまでは言えず、「時間を取って食事をする」などのニュアンスを含んでいる場合には自然に聞こえることもあります。ですが、文法的・意味的には、「摂る」がより的確な漢字です。
睡眠を「取る」と「摂る」どっち?

「今日はしっかり睡眠をとろう」「睡眠をとる時間がなかった」など、日常会話でよく使われる「睡眠をとる」という表現。この場合、漢字では「取る」か「摂る」か、どちらが正しいのでしょうか?
結論は、「睡眠を取る」が正解です。
「取る」が正しい理由
「取る」は、「得る」「確保する」「行う」といった幅広い意味を持つ動詞です。睡眠の場合、「睡眠という時間や行為を確保する」というニュアンスがあるため、「取る」を使うのが自然であり、正しいとされています。
例:
- 昨日はしっかり睡眠を取ったので、今日は元気だ。
- 体調管理のために、十分な睡眠を取るようにしている。
なぜ「摂る」は使わないのか?
「摂る」は、「摂取する」という意味であり、基本的に食べ物や栄養素、カロリーなど体に取り入れる“物質”を対象とします。睡眠は物質ではなく、行動や時間に関わるものなので、「摂る」という漢字は適していません。
不自然な例:
- 疲れを取るには、しっかり睡眠を摂るべきだ。→(意味は通じるが不自然)
よくある間違いに注意
「栄養を摂る」にならって「睡眠を摂る」と書いてしまう人も少なくありませんが、文法的にも意味的にも正しくはありません。ビジネス文書や受験など、正確な表現が求められる場面では特に注意しましょう。
「取る」の意味

「取る」は、非常に汎用性の高い日本語の動詞で、日常会話からビジネス文書まで幅広く使われています。その分、意味のバリエーションも多く、文脈によって解釈が変わることが特徴です。
「取る」の基本的な意味
以下に、「取る」の主な意味と例を挙げてみましょう。
意味 | 説明 | 例文 |
---|---|---|
① 手に入れる | 物や情報などを取得する | 賞を取る、免許を取る |
② 自分のものにする | 所有する、獲得する | 席を取る、主導権を取る |
③ 行動を起こす | 行為を行う、選択する | 措置を取る、責任を取る |
④ 時間・空間を確保する | 予定や空間をおさえる | 時間を取る、予約を取る |
⑤ 関係を築く | 他者と接触・連携する | 連絡を取る、関係を取る |
⑥ 除去する | 取り除く | 汚れを取る、疲れを取る |
「取る」の多様な使われ方
このように、「取る」は動作の種類に関係なく使える非常に柔軟な動詞です。そのため、食事や睡眠といった「行為」や「時間」を表すものにも自然に使われる傾向があります。
例文:
- 昼休みに少し休憩を取る。
- 情報を取るためにアンケートを実施する。
- 相手との連絡を取る手段がない。
特にビジネスの現場では、「責任を取る」「連絡を取る」「時間を取る」などの表現が頻繁に登場します。
「摂る」の意味

「摂る」は、「取る」と似た読み方を持つ漢字ですが、意味は限定的です。特に体に取り入れるというニュアンスに特化して使われる動詞で、主に食事や栄養に関係する文脈で登場します。
「摂る」の基本的な意味
「摂る」は、「摂取(せっしゅ)」の動詞化した表現です。摂取とは、「必要なものを体の中に取り入れること」を意味します。よって、「摂る」は栄養素やエネルギー源などに使われます。
意味 | 説明 | 例文 |
---|---|---|
① 食物・栄養を体内に取り入れる | 食事や栄養を摂取する | 朝食を摂る、ビタミンを摂る |
② 身体管理の一環として取り入れる | 意識的に栄養を補う | カロリーを摂りすぎる、水分を摂る |
③ 医療的な意味合いを含む | サプリメントや栄養補助食品の摂取 | サプリメントを摂る |
「摂る」の使い方のポイント
- 「摂る」は具体的な物質にしか使えません。
- 時間・感情・行動などの抽象的な概念には使えないのが特徴です。
- 「睡眠を摂る」「責任を摂る」といった使い方は誤用となります。
正しい例:
- 疲労回復には、しっかり栄養を摂ることが大切です。
- 野菜からビタミンCを摂るようにしています。
誤った例:
- 昨日は十分な睡眠を摂った。(※正しくは「睡眠を取った」)
- 彼は全ての責任を摂った。(※正しくは「取った」)
会話では「とる」と言ってしまうことが多いですが、文章・ビジネス文書・医療系の表現では「摂る」が頻繁に使われます。「摂取」という語とセットで覚えておくと理解しやすくなります。
「取る」と「摂る」の違い・使い分け

「取る」と「摂る」は、どちらも「とる」と読む漢字ですが、意味や使い方にははっきりとした違いがあります。ここでは、両者の違いをわかりやすく比較しながら、正しい使い分けを身につけましょう。
意味と用途の比較表
比較項目 | 取る | 摂る |
---|---|---|
読み方 | とる | とる |
主な意味 | 手に入れる、確保する、行う | 栄養・食物を体内に取り入れる |
対象 | 物・行動・時間・関係・責任など抽象的なものも含む | 食事・栄養・水分・カロリーなど具体的な“摂取物” |
用法 | 汎用性が高く、幅広い場面で使える | 限定的で、主に身体づくりや食事に関係する文脈 |
例文 | 睡眠を取る、責任を取る、連絡を取る | 食事を摂る、栄養を摂る、水分を摂る |
不適切な例 | 食事を取る(口語的には使われるが文語では×) | 睡眠を摂る、責任を摂る(完全に誤用) |
使い分けのポイント
- 体内に取り入れるもの(栄養・食事など)には「摂る」
- それ以外の行動や時間、関係などには「取る」
- 迷ったときは「摂る=摂取」と考えると判断しやすい
よくある混同とその対処法
「食事」や「水分」のように、どちらの漢字も何となく合ってしまいそうな言葉では特に混同が起こりやすいです。以下に、使い分けの判断基準を簡単にまとめてみます。
名詞 | 正しい動詞(漢字) | 理由 |
---|---|---|
食事 | 摂る | 栄養摂取を意味する |
睡眠 | 取る | 時間・行動の確保 |
休憩 | 取る | 行動の一種 |
水分 | 摂る | 体に取り入れるもの |
責任 | 取る | 負う・受けるという意味 |
栄養 | 摂る | 体に入れるもの |
情報 | 取る | 得る・取得する行為 |
関係 | 取る | 構築する行為 |
「取る」の使い方【例文20】

「取る」は非常に汎用性が高く、日常生活からビジネスの場面まで、さまざまな文脈で使われる言葉です。ここでは、意味ごとに分けて具体的な使い方を20の例文で紹介します。
① 手に入れる・得る(取得)
- 資格を取るために勉強している。
- 運転免許を取ったばかりです。
- 彼は全国大会で優勝を取った。
- ノートを取る習慣が成績アップにつながる。
② 確保する・時間や空間を押さえる
- 午後に少し休憩の時間を取ろう。
- ミーティングのために会議室を取っておきました。
- 来週、休暇を取る予定です。
- 早めにチケットを取っておかないと売り切れるよ。
③ 行動を起こす・選択する
- 何らかの対応を取る必要がある。
- 苦情に対して真摯な姿勢を取るべきだ。
- リスクを取ってでも挑戦する価値がある。
- 会社として責任を取る方針を示した。
④ 関係を築く・連絡する
- 昔の友人と連絡を取った。
- 取引先と良好な関係を取ることが重要だ。
- 上司とコンタクトを取るタイミングを見計らう。
- 社外との折衝を取るのも仕事の一部です。
⑤ 除去・排除する
- メガネの汚れをきれいに取る。
- 疲れを取るには十分な睡眠が必要。
- 掃除機でホコリを取った。
- ストレスを取る方法を見つけた。
「摂る」の使い方【例文20】

「摂る」は、「摂取(せっしゅ)」の動詞形であり、体内に栄養・成分・物質などを取り入れることに限定して使われる言葉です。以下では、実際の文脈での使われ方を20の例文でご紹介します。
① 食事・食物に関する使い方
- 毎日3食きちんと食事を摂ることが大切です。
- 忙しくても朝食は摂るようにしています。
- 身体のために和食中心の食事を摂っています。
- 食事を摂る時間が不規則だと体調を崩しやすい。
- 高齢者は柔らかい食事を摂るよう配慮が必要です。
② 栄養素・成分の摂取
- ビタミンCを積極的に摂るようにしています。
- 偏った食生活では十分な栄養を摂れません。
- たんぱく質を多めに摂る食事を意識している。
- カルシウムを意識して摂ると骨が強くなる。
- 鉄分を摂ることで貧血予防になります。
③ 水分・カロリーなどの摂取
- 運動後にはしっかり水分を摂ることが重要です。
- 発汗が多い日はミネラルも一緒に摂りましょう。
- 適切なカロリーを摂ることも体作りには必要です。
- 糖分を摂りすぎると肥満の原因になります。
- 食べ過ぎてカロリーを摂りすぎてしまった。
④ サプリメントの摂取
- 栄養バランスを補うためにサプリメントを摂る。
- 医師の指導に従って薬を摂ってください。
- 健やかさのためにEPAを含むサプリを摂取しています。
- どんな時でも必要な栄養は摂るべきです。
- 免疫力を高めるために乳酸菌を摂るようにしている。
間違えやすい使い方【例文10】

「取る」と「摂る」は読み方が同じで意味も似ているため、使い方を誤りやすい言葉です。特に文章で書くときに、「どちらの漢字を使うべきか」で迷うことがよくあります。ここでは、間違えやすい使い方の例と、正しい表現をセットでご紹介します。
間違い例と正しい例の比較
間違い表現 | 正しい表現 | 解説 |
---|---|---|
栄養バランスを考えて食事を取るようにしている。 | 栄養バランスを考えて食事を摂るようにしている。 | 食事=体内に取り入れる →「摂る」が正解。 |
水分はこまめに取った方がいい。 | 水分はこまめに摂った方がいい。 | 水分も体内摂取 →「摂る」が正解。 |
身体のためにビタミンを取っています。 | 身体のためにビタミンを摂っています。 | ビタミンは栄養素 →「摂る」。 |
寝不足なので、今日はしっかり睡眠を摂ります。 | 寝不足なので、今日はしっかり睡眠を取ります。 | 睡眠は行動・時間 →「取る」が正解。 |
子どもとのコミュニケーションを摂るようにしている。 | 子どもとのコミュニケーションを取るようにしている。 | 関係・交流 →「取る」が適切。 |
ダイエット中は脂質を控えめに取るとよい。 | ダイエット中は脂質を控えめに摂るとよい。 | 食物成分 →「摂る」が正解。 |
毎日、英語の練習時間を摂っています。 | 毎日、英語の練習時間を取っています。 | 時間の確保 →「取る」が正しい。 |
この件については責任を摂る必要がある。 | この件については責任を取る必要がある。 | 責任は抽象的行為 →「取る」。 |
風邪をひいたので、栄養をしっかり取るようにした。 | 風邪をひいたので、栄養をしっかり摂るようにした。 | 栄養=摂取 →「摂る」。 |
医師の指導に従って薬を取っています。 | 医師の指導に従って薬を摂っています。 | 薬も体内に入れるもの →「摂る」。 |
ポイントまとめ
- 食事・水分・栄養・薬などは「摂る」
- 時間・関係・責任・睡眠などは「取る」
- 意味に注目すれば、正しく使い分けられるようになります。
「取る」の英語表現・英文

「取る」は日本語でも多義的な言葉ですが、英語においても文脈によってさまざまな表現が使われます。「取る」を英訳する際には、その意味・用途・文脈を見極めることが非常に重要です。
ここでは、よく使われる意味別に「取る」の英語表現を整理し、例文と共に紹介します。
① 「時間・休暇を取る」 = take
- take a break(休憩を取る)
- take a day off(休みを取る)
- take time(時間を取る)
例文:
- I’m going to take a vacation next week.
→ 来週、休暇を取る予定です。 - Please take your time to think about it.
→ 時間を取ってゆっくり考えてください。
② 「連絡・関係を取る」 = contact / communicate with / get in touch with
- contact someone(連絡を取る)
- get in touch with someone(連絡を取る)
- build a relationship(関係を取る=築く)
例文:
- I will contact you by email tomorrow.
→ 明日メールで連絡を取ります。 - We need to build a strong relationship with our clients.
→ 顧客と強い関係を取る(築く)必要があります。
③ 「責任を取る」 = take responsibility
- take responsibility for ~(〜の責任を取る)
例文:
- He must take responsibility for his actions.
→ 彼は自分の行動の責任を取らなければならない。
④ 「賞や資格を取る」 = win / get / obtain / earn
- win a prize(賞を取る)
- get a license(免許を取る)
- obtain a certificate(証明書を取る)
- earn a degree(学位を取る)
例文:
- She won first place in the competition.
→ 彼女は大会で1位を取った。 - He earned a master’s degree in economics.
→ 彼は経済学で修士号を取った。
⑤ 「除去する・取り除く」 = remove / get rid of
- remove dirt(汚れを取る)
- get rid of stress(ストレスを取る)
例文:
- This cleaner removes tough stains easily.
→ このクリーナーは頑固な汚れを簡単に取ります。 - I try to get rid of stress by listening to music.
→ 音楽を聴いてストレスを取るようにしている。
「取る」は英語では単語ひとつで訳せることは少なく、意味に応じた動詞を選ぶ必要があります。直訳を避け、文脈に合った表現を使うのがポイントです。
「摂る」の英語表現・英文

「摂る」は、「食べ物・栄養素・水分などを体に取り入れる」という意味を持つ動詞で、英語ではこのニュアンスに合った専門的な単語がいくつかあります。特に、intake(名詞)・consume(動詞)・take in・absorbなどが頻繁に使われます。
ここでは、使われる動詞や表現を意味別に解説し、具体的な英文とともにご紹介します。
① 「食事・カロリー・栄養を摂る」 = consume / take in / intake
- consume food/calories(食べ物・カロリーを摂る)
- take in nutrients(栄養素を摂取する)
- caloric intake(カロリー摂取量) ※intakeは名詞
例文:
- You should consume more protein to build muscle.
→ 筋肉をつけるには、もっとたんぱく質を摂るべきです。 - He took in too many calories yesterday.
→ 彼は昨日、カロリーを摂りすぎた。 - Reduce your daily intake of sugar.
→ 一日の砂糖の摂取量を減らしましょう。
② 「ビタミン・ミネラル・水分を摂る」 = take / get / absorb
- take vitamins(ビタミンを摂る)
- get enough nutrients(十分な栄養を摂る)
- absorb minerals(ミネラルを吸収する)
例文:
- I take vitamin C every day to boost my immune system.
→ 免疫力を高めるために、毎日ビタミンCを摂っています。 - Make sure to get enough nutrients from your meals.
→ 食事から十分な栄養を摂るようにしましょう。 - Your body needs sunlight to absorb vitamin D.
→ ビタミンDを摂取するには日光が必要です。
③ 「水分を摂る」 = drink / stay hydrated / consume fluids
- drink water(水を飲む)
- stay hydrated(十分に水分を摂る)
- consume fluids(水分を摂取する)
例文:
- It's important to drink plenty of water during the summer.
→ 夏場はたくさん水を摂ることが大切です。 - Stay hydrated when you're exercising.
→ 運動中は水分をしっかり摂ってください。 - The patient needs to consume more fluids.
→ その患者はもっと水分を摂る必要があります。
ポイントまとめ
日本語の「摂る」対象 | 英語表現 | 備考 |
---|---|---|
栄養・カロリー | consume / intake / take in | 意識して取り入れる |
ビタミン・サプリ | take / get | getは日常会話向き |
水分 | drink / stay hydrated | drinkは最も基本的 |
成分(ミネラルなど) | absorb | 体が自然に吸収する場合に使う |
よくある質問(Q&A)

「取る」と「摂る」の使い分けに関して、学習者や一般の方からよく寄せられる疑問をQ&A形式でまとめました。実際に文章を書く・話すときに役立つポイントを解説します。
Q1. 食事を「取る」と書いても間違いではないですか?
A. 口語では問題なく通じますが、文書や正式な場面では「摂る」が正解です。「摂取する」という意味を含むため、特に身体づくりや食生活について書く場合には「摂る」が適切です。
Q2. 「摂る」は食事以外にも使えますか?
A. はい、使えます。ただし使えるのは栄養素・成分・水分・サプリメントなど体に取り入れる“物質”に限られます。「時間」「責任」「関係」など抽象的なものには使えません。
Q3. 子どもに説明するときはどう教えればいい?
A. 簡単に説明するなら、
- 「取る」は“手に入れること”
- 「摂る」は“食べたり飲んだりして体に入れること”
と教えるのがわかりやすいです。具体的な例を交えると、より理解しやすくなります。
Q4. ビジネス文書ではどちらを使うべきですか?
A. 意味に応じて使い分けるのが基本です。たとえば、
- 「情報を取る」「連絡を取る」などはOK。
- 「昼食を摂る」「必要な栄養を摂る」も適切です。
正しい漢字を使うことで、文章の信頼性が高まります。
Q5. 自動変換(スマホ・PC)で「取る」になってしまいます…
A. 多くの日本語入力ソフトでは、「とる」と入力すると優先的に「取る」が出てきます。そのため、文脈によって「摂る」に手動で変換する意識を持つことが大切です。特に医療・栄養関係の文章では注意しましょう。
Q6. 英語でも「取る」と「摂る」は使い分けますか?
A. はい、英語でも使い分けが必要です。
- 「取る」=take / get / contact など
- 「摂る」=consume / intake / absorb など
意味に合った動詞を選ばないと誤解を招くので、注意しましょう。
まとめ
「取る」と「摂る」は、どちらも「とる」と読む日本語ですが、その意味と使い方には明確な違いがあります。
- 「取る」は、手に入れる・行う・確保するなど、幅広い行為や抽象的な対象に使われる動詞で、「睡眠を取る」「責任を取る」「連絡を取る」など多くの場面で登場します。
- 一方で、「摂る」は「摂取する」の意味を持ち、体に取り入れる具体的な“物”(食事・栄養・水分など)に限って使われます。「食事を摂る」「栄養を摂る」「水分を摂る」などがその代表例です。
正しく使い分けることで、文章に説得力が増し、相手に正確な意味が伝わります。とくにビジネスや公式な文書、教育現場などでは、表現の正確さが求められるため、「取る」と「摂る」の違いをしっかり理解しておくことが大切です。
本記事で紹介した比較表・例文・英語表現を活用し、日常的に正しい日本語表現を身につけていきましょう。