詳細とは?意味や言い換え・対義語・英語【書き方まで解説】

「詳細」という言葉は、ビジネス文書、レポート、仕様書、あるいは日常会話など、さまざまな場面で用いられる日本語です。しかし、「詳細を説明してください」「詳細な情報を教えてください」と言われたときに、どのように表現するのが適切か、迷うことはないでしょうか?
「詳細」はただ「細かい情報」を意味するだけでなく、状況や文脈によって、使い方や求められる内容のレベルが異なります。また、「詳細」の言い換え表現や対義語、英語での表現などを理解することで、より豊かで正確なコミュニケーションが可能になります。
本記事では、「詳細」の意味から類語、対義語、英語表現までを分かりやすく解説し、さらにビジネスやレポートで役立つ「詳細の書き方」や、具体的な例文30選も紹介します。読み終える頃には、誰にでも伝わる「詳細な説明」ができるようになるはずです。
目次
「詳細」の意味

「詳細(しょうさい)」とは、「物事の細かい点まで明らかであること」や「細部に至るまで詳しく説明されている状態」を指す言葉です。情報の密度や具体性が高く、大まかな説明では伝えきれない内容を、明確かつ正確に伝えるために用いられます。
意味の構成
- 詳しい(くわしい):情報が細部まで行き届いていること
- 細かい(こまかい):個々の要素や要点まで触れられていること
「詳細」は、「概略」や「概要」と対になる表現であり、全体の枠組みではなく、一つひとつの要素に焦点を当てて説明する際に適しています。
使用上のポイント
- ビジネスや報告書では、「詳細を記述してください」「詳細な説明を加えてください」といった形式的な要求に多用されます。
- 会話では、「その件について詳細を教えてください」「詳細がわかり次第、ご連絡します」などのフレーズがよく使われます。
「詳細」の類語(言い換え)
「詳細」という言葉は非常に汎用性が高い一方で、文章や会話の流れに応じて、より適切な表現に言い換えることで、ニュアンスや印象が変わります。以下に代表的な類語とその使い分けを紹介します。
主な類語
類語 | 意味・ニュアンス | 使用例 |
---|---|---|
内訳 | 数値や項目を細かく分けたもの | 経費の内訳を提出してください。 |
明細 | 金額・内容などが詳細に記載された一覧 | 請求書の明細をご確認ください。 |
内容 | その物事の中に含まれる具体的な中身 | 提案書の内容を確認してください。 |
説明 | 理解しやすく述べること | 詳細な説明をお願いします。 |
データ | 数値や事実としての情報 | 詳細なデータを基に判断します。 |
細部 | 細かい部分、全体の中の細かな構成要素 | 細部にまでこだわった設計です。 |
ポイント
- 「内訳」や「明細」は金銭・数量など、数値を含む内容に適しています。
- 「内容」や「説明」はやや一般的で、幅広い文脈に使えます。
- 「細部」は物理的・視覚的な要素を細かく説明する場合に有効です。
状況に応じてこれらを使い分けることで、文章の正確さと伝わりやすさが高まります。
「詳細」の対義語
「詳細」が「細かくはっきりしている状態」を意味するのに対し、その反対の意味を持つ言葉には「おおまか」「概略」「概要」「要約」などがあります。これらは情報を簡潔に、あるいは全体像だけを伝える際に使われる表現です。
主な対義語
対義語 | 意味・ニュアンス | 使用例 |
---|---|---|
概要 | 全体の大まかな説明、要点のみを示す | プロジェクトの概要を説明してください。 |
概略 | おおまかな流れや構成 | 計画の概略を報告書に記載しました。 |
要約 | 内容のポイントを短くまとめたもの | 会議の要約をメールで送ります。 |
大枠 | 全体的な枠組みを示す表現 | 大枠は決まりましたが、詳細は未定です。 |
概念 | 抽象的・理論的な内容、具体的でない構成の考え方 | 概念だけでなく、詳細も把握すべきです。 |
おおまか | 細部まで詰めず、ざっくりとした状態 | おおまかな見積もりを出しました。 |
ポイント
- 「概要」「概略」「要約」は、文章や報告の冒頭に使われることが多く、読み手に全体像を伝える役割を担います。
- 「おおまか」「大枠」は、細部を省略した全体の印象や方針を指す場面で使われます。
「詳細」と「概要」はよくセットで用いられます。「まず概要を説明し、次に詳細に入る」といった流れで構成される文書が典型です。
「詳細」の英語表現
「詳細」に相当する英語表現は、文脈や目的によって使い分けが必要です。以下に代表的な語とその使い方を紹介します。
主な英語表現
英語 | 意味・使い方 | 使用例 |
---|---|---|
detail | 最も一般的な表現。個別の情報や細かい点に焦点を当てる | Please check the details of the report. |
details | 複数形で使うと「細部情報」の意味になる | I need more details about the project. |
specific | 具体的で明確な情報を示す | Can you give me specific information? |
breakdown | 分解された詳細情報、主に数値や項目に対して使う | The cost breakdown is attached to the email. |
particulars | ややフォーマルで、法律・契約書などで使われやすい | The contract includes all the necessary particulars. |
ポイント
- detail/details:最も汎用的。「詳細に述べる=go into detail」などの表現も可能。
- specific:強調したい要素がある場合に有効。
- breakdown:費用・作業項目・データなどを細分化して説明する際に便利。
- particulars:フォーマル文書での「詳細事項」に適する。
「詳細」が使われるシーン

「詳細」は非常に幅広い文脈で用いられますが、特に次のようなシーンで使われる頻度が高いです。それぞれの用途に応じて、「どこまで細かく書くべきか」「どんな情報を含めるべきか」が変わってきます。
①ビジネス・報告書・見積書
- 提案書、仕様書、会議の議事録などで具体的な情報を記述する際に使用
- 例:見積もりの詳細、業務の詳細、提案内容の詳細
②学術・レポート・研究
- 調査・実験・分析のプロセスや結果について細かく記述
- 例:研究方法の詳細、実験条件の詳細、考察の詳細
③IT・技術関連
- システムの仕様、エラーレポート、マニュアルなどで活用
- 例:設定の詳細、ログの詳細、バージョン情報の詳細
④契約・法務
- 契約内容、条文、条件などを明記する際に必要
- 例:契約条件の詳細、支払いスケジュールの詳細
⑤日常会話・メール
- 予定、状況、経緯などをより正確に伝えたいとき
- 例:旅行の詳細、イベントの詳細、経緯の詳細
「詳細」は、聞き手や読み手に「わかりやすく」「正確に」「誤解なく」情報を届けたい場面で活躍する言葉です。具体性を求められる文脈では、非常に重要なキーワードとなります。
詳細の書き方の手順

レポートにおいて「詳細」を記述する際には、単に情報を並べるのではなく、読み手が理解しやすいように構成と内容を意識する必要があります。以下は、効果的な「詳細」の書き方の基本ステップです。
ステップ1:目的を明確にする
- どのようなテーマ・課題に対して「詳細」を述べるのかを明確にします。
- 例:調査の方法、背景、結果、課題の分析など。
ステップ2:情報を整理する
- 収集したデータや情報を分類し、優先順位をつけます。
- 時系列・項目別・因果関係など、整理の軸を決めると分かりやすくなります。
ステップ3:構成を立てる
- 「概要 → 背景 → 本文(詳細)→ 結論」の流れが一般的です。
- 詳細は本文の中核部分にあたり、説得力と具体性が求められます。
ステップ4:詳細に記述する
- 数値・事実・引用・具体例などを用いて説明します。
- 抽象的な表現は避け、可能な限り明確かつ客観的に記述しましょう。
- 例:「多くの人が賛成した」→「参加者50名中、42名(84%)が賛成した」
ステップ5:視点や根拠を示す
- なぜこの詳細が重要か、どう評価すべきかも併記すると説得力が増します。
- データの引用元や分析方法を明示することも信頼性を高めます。
ステップ6:一貫性と整合性を確認
- 用語や表現にブレがないか、前後の内容と矛盾がないか確認します。
- 見出しや箇条書き、図表を活用すると読みやすくなります。
補足:避けるべき表現
- あいまいな表現(「少し」「なんとなく」など)
- 主観的な断定(「絶対に」「間違いない」など)※根拠がある場合を除く
このように、「詳細」の書き方は、情報の正確さだけでなく「伝え方」そのものが問われます。特にレポートでは、読み手の立場を意識した構成と表現が重要です。
シーン別「詳細」の例文【30選】

「詳細」は様々なシーンで使用されるため、文脈に合わせた自然な使い方を身につけることが大切です。以下では、ビジネス、学術、IT、日常会話などのジャンル別に例文を紹介します。
ビジネス・業務
① ご提案内容の詳細は、別紙をご確認ください。
② 新サービスの詳細をプレゼン資料にまとめました。
③ 会議の詳細について、メールで共有いたします。
④ この案件の詳細を把握した上で対応してください。
⑤ 企画書の詳細を今週中に仕上げる予定です。
⑥ 契約書の詳細条件について確認が必要です。
⑦ 見積書の詳細をご確認いただけますか?
⑧ 詳細な業務マニュアルを作成しました。
⑨ イベントの詳細は後日お知らせします。
⑩ 営業報告書には詳細な数値を記載してください。
学術・レポート
⑪ 実験の詳細な手順は付録に記載しました。
⑫ 調査の詳細については第3章にまとめています。
⑬ 詳細なデータをもとに仮説を検証しました。
⑭ 論文の詳細は学会誌に掲載予定です。
⑮ 課題の詳細な要件を再確認してください。
⑯ 研究計画の詳細がまだ不明確です。
IT・技術
⑰ システムエラーの詳細をログに記録しました。
⑱ バージョンごとの詳細な仕様は下記URLを参照ください。
⑲ 設定の詳細についてはマニュアルをご確認ください。
⑳ 詳細な操作手順をサポートチームに依頼しました。
㉑ ネットワーク構成の詳細を図にまとめました。
㉒ 不具合の詳細な原因は調査中です。
日常会話・メール
㉓ 旅行の詳細が決まり次第、お知らせします。
㉔ 詳細は追って連絡しますので、少々お待ちください。
㉕ 集合場所の詳細を教えていただけますか?
㉖ 詳細が気になるので、もう少し聞かせてください。
㉗ 昨日の経緯の詳細を説明してもらえますか?
㉘ このアプリの使い方、詳細に教えてくれる?
㉙ イベントの詳細はホームページに載っています。
㉚ 詳細が分かり次第、ご連絡いたします。
よくある質問

「詳細」という言葉を使う際に、多くの人が感じる疑問や混乱しやすいポイントについて、わかりやすくQ&A形式で解説します。
Q1:「詳細」と「明細」はどう違いますか?
A: 「詳細」は情報や内容を全体的に詳しく述べる意味で使われますが、「明細」は特に金額や数量、品目などが項目ごとに分けられたリストのことを指します。
例:
- 「提案書の詳細を説明する」
- 「請求書の明細を確認する」
Q2:「詳細を説明してください」は敬語として正しいですか?
A: 「詳細を説明してください」は丁寧ではありますが、ビジネスではやや直接的です。「詳細をご説明いただけますか」「詳細について教えていただけますか」のように、クッション言葉を加えるとより丁寧になります。
Q3:「詳細」は口語では不自然ですか?
A: 場面によりますが、日常会話では「詳しく教えて」や「もっと具体的に説明して」のような言い回しが自然です。「詳細」はやや硬い印象を与えるため、改まった話題やビジネスシーンで使われる傾向があります。
Q4:「詳細未定」とはどういう意味ですか?
A: 「詳細未定」は、「細かい内容や条件がまだ決まっていない」という意味です。スケジュールや仕様、イベント内容などの最終的な確定がまだない場合に使います。
Q5:「詳細まで伝える」ことのメリットは?
A: 相手に誤解なく正確な情報を伝えることができ、信頼感や説得力を高めることができます。また、トラブルの防止や、業務の効率化にもつながります。
まとめ
「詳細」は、情報を正確かつ明確に伝えるために欠かせない表現です。この記事では、「詳細」の意味や類語、対義語、英語での表現をはじめ、具体的な使用シーンやレポートでの書き方の手順、例文30選まで網羅的に解説しました。
場面に応じて適切に使い分けることで、文章の説得力や伝達力が格段に向上します。単に情報を並べるのではなく、「誰に、何を、どう伝えるか」を意識した表現を心がけることが重要です。