「今だに」と「未だに」どっち?テストの正解は?【例文60】

「今だに」と「未だに」。何気なく使っているこれらの言葉ですが、文章を書いたり、テストを受けたりする際に、「どっちが正しいんだろう?」と迷った経験はありませんか?
一見、意味は同じように思えるこの2つの表現。しかし、実は正しい日本語として使えるのは「未だに」のほうなのです。
「今だに」は、かつての古語としては使用されていたものの、現代日本語では誤用とされています。にもかかわらず、SNSや会話の中ではちらほら見かけるため、ついつい間違えてしまう人も少なくありません。
この記事では、そんな「今だに」と「未だに」の意味や成り立ち、使い分け方から、例文60個を通してわかりやすく解説していきます。
この記事でわかること
- 「今だに」と「未だに」の違い
- どちらが正解か?テストでの正しい答え方
- 実際の使用例(例文60個)
- よくある誤用や混同のポイント
- 「未だに」の言い換え表現・英語訳
迷ったらこの記事を見れば安心!という内容を目指していますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
「今だに」と「未だに」テストの正解は?

結論から言うと、テストや公式文書における正解は「未だに」です。
「今だに」はたとえ意味が通じたとしても、現代日本語としては誤りとされ、減点や不正解扱いになる可能性が非常に高いので注意が必要です。
なぜ「未だに」が正解なのか?
- 辞書や文法書でも「未だに」が正式な表現として記載されています。
- 「今だに」は古語の用法が起源で、現代日本語の標準表記ではありません。
- 入試問題や検定試験では、文法の正しさ・表記の正確さが厳密に評価されます。
試験・シーン | 「今だに」 | 「未だに」 |
---|---|---|
学校の国語のテスト | ❌ 不正解 | ✅ 正解 |
漢字検定(文章題) | ❌ 減点対象 | ✅ 正解 |
就職試験(SPI・一般常識) | ❌ マイナス評価 | ✅ 安心して使える |
公務員試験・論述 | ❌ 避けるべき | ✅ 適切 |
ビジネスメール・報告書 | ❌ 信頼性に欠ける | ✅ 適切・正確 |
迷ったら「未だに」を選ぼう!
✅ いまだに〜と思っている → 未だに〜と思っている
✅ いまだに〜が直らない → 未だに〜が直らない
このように、「いまだに」と言いたいときは、必ず『未だに』と書くのがテストでも正解となるポイントです。
「今だに」の意味

「今だに」という表現、見聞きしたことがある方も多いのではないでしょうか。しかし、実はこれは現代日本語においては誤用とされています。
現代では「今だに」は誤り
「今だに」という書き方は、現在の国語辞典や文法書には正しい表現として掲載されていません。たとえば、学校の国語のテストや公的な文書においては、「未だに」が正しい表現であり、「今だに」と書くと減点される可能性があります。
SNSやブログ、会話の中で見かけることはありますが、これは多くの場合、誤用や変換ミスによるものです。
古語としての「今だに」
とはいえ、「今だに」という表現には古語としての由来があります。
古語での意味と用法
古語において「今だに」は、「今」という名詞に、強調や限定を表す助詞「だに」がついた形です。これは、「今でも」「なおも」「まだ」などの意味で使われていました。
平安時代中期(10世紀後半)に成立したとされる文学作品『宇津保物語(うつほものがたり)』の中でも、「今だに」の使用例が確認されています。つまり、少なくとも平安時代には「今だに」は正式な表現として用いられていたということになります。
なぜ使われなくなったのか?
言語は時代とともに変化します。「今だに」はやがて日常語としての使用が減り、代わりに「未だに」が広く定着するようになりました。そして現代では、「今だに」は古語的な用法にとどまり、現代文では使用されなくなったのです。
「未だに」の意味

「未だに(いまだに)」は、現代日本語で正しく使われる副詞であり、「ある状態や事柄が、予想に反して今もなお続いていること」を表します。
基本的な意味
- 現在に至ってもその状況が変わっていないこと
- 期待された変化や終了が、いまだ起きていないこと
たとえば、以下のようなケースで使います(ここでは例文は出しません):
- 約束の時間を過ぎても相手が来ない
- 問題が解決されずに長引いている
- 昔の習慣や考え方が今も続いている
つまり、「未だに」は過去から現在に至るまでの継続的な状態を示す表現で、ある種の驚きや意外性、不満などのニュアンスが込められることもあります。
漢字の成り立ち
- 「未」=「まだ」:完了していない状態を意味します
- 「だに」=(文語的な副助詞):「さえ」「すら」の意味を持つこともあるが、ここでは一語としての副詞「未だに」で定着
使用上の注意点
- 現代では「未だに」が正しい表記・正しい読み方です
- 「いまでも」や「なお」などと意味が近いため、言い換え可能な場面も多くあります
- 書き言葉・話し言葉の両方で自然に使える語ですが、やや硬めの表現になることもあります
「今だに」と「未だに」の違い

「今だに」と「未だに」は、発音が同じで意味も似ているため、混同しやすい表現です。しかし、現代日本語では明確に使い分けられています。
ここでは、視覚的にわかりやすく理解できるよう、以下の比較表で違いを整理してみましょう。
比較表:「今だに」と「未だに」
項目 | 今だに | 未だに |
---|---|---|
正誤(現代日本語) | ❌ 誤用 | ✅ 正しい表現 |
使用頻度 | ほぼ使われない(誤用例として) | 一般的に広く使われる |
意味 | (古語)今でも、なおも | 今でもなお、予想に反して継続している状態 |
由来 | 古語:「今」+助詞「だに」 | 古語:「未」+副助詞的表現 → 現代語に定着 |
使用例(現代) | 誤用として見かけるが、正式には使わない | テスト・ビジネス・日常会話すべてで使用可 |
テストでの扱い | ×(間違いとされる) | ○(正解) |
- 「今だに」は古語としては存在しましたが、現代の文章や会話で使用するのは誤りとされます。
- 一方、「未だに」は文法的にも意味的にも正しく、現代において正式な表現です。
- たとえ意味が似ていても、テストや公的な場面では「未だに」以外は使わない方がよいと覚えておきましょう。
「今だに」と「未だに」の使い分け

基本ルール:現代では「未だに」一択
現代日本語において、「いまだに」という表現を使いたい場合、正しい表記は常に「未だに」です。「今だに」は誤用とされるため、迷ったら使わないようにしましょう。
使い分けのポイント
使用場面 | 正しい表記 | 理由 |
---|---|---|
学校のテスト | ✅ 未だに | 国語の標準表記として採点される |
ビジネス文書 | ✅ 未だに | 公的な文章での信頼性が求められるため |
小説・エッセイなどの創作 | 基本:未だに ※文体によっては今だにも可 | 独自の表現として古語や方言を使う意図がある場合のみ例外的に使用可能 |
SNSやカジュアルな会話 | ❌ 今だに(非推奨) ✅ 未だに(推奨) | 誤用として拡散する恐れあり。「未だに」を使うのが無難 |
古典文学の引用や研究 | ✅ 今だに | 歴史的表現として引用する場合に限る |
・ 「今だに」は古語、現代では使わない
・ 「未だに」は現代語の正解表現
・ 迷ったら必ず「未だに」でOK!
「今だに」の使い方【例文20】※誤用例

ここでは、あえて現代では誤用とされる「今だに」の使い方を例文として紹介します。実際には「未だに」が正しい表現ですので、学習目的としてご確認ください。以下の例は、SNSやブログ、日常会話などでよく見かける誤った使い方です。
⚠ この例文のような使い方は、テスト・ビジネス・正式な文章では避けましょう。
「今だに」の誤用例
- 今だにその曲を聴くと泣きそうになる。
- 今だに彼からの連絡がない。
- 今だにスマホに慣れない両親。
- 今だにその時のことが忘れられない。
- 今だに謝ってもらっていない。
- 今だにあのゲームをプレイしてる人がいるなんて驚きだ。
- 今だに信じられない出来事だ。
- 今だに夢に出てくる。
- 今だにその本を読み返している。
- 今だに彼女の言葉が胸に残っている。
- 今だに人気があるってすごいよね。
- 今だにこのバグが直っていない。
- 今だに話題にのぼるって、やっぱり名作だな。
- 今だにトラウマになっている。
- 今だに名前を思い出せない。
- 今だに許せない出来事だ。
- 今だに就職先が決まっていない。
- 今だに夢を追い続けている。
- 今だにその癖が抜けない。
- 今だにそのミスを引きずっている。
ポイント解説
- これらの例はすべて「未だに」に言い換えることで、正しい日本語になります。
- 「今だに」が変換候補に出てくることもありますが、それは誤変換や学習辞書の影響です。
- 文章作成やテストでは「今だに」を使用しないよう注意しましょう。
「未だに」の使い方【例文20】

「未だに」は、現代日本語において正しい表現です。「過去に予想されていた変化や出来事が、今でもまだ起こっていない」というニュアンスで使われます。ここでは、ビジネスシーンや日常会話、文章作成などで自然に使える「未だに」の例文を20個ご紹介します。
正しい使い方の例文
- 未だに連絡が取れないままだ。
- 彼の言葉は未だに心に残っている。
- 問題の原因は未だに不明のままだ。
- 未だにそのミスを引きずっている。
- 未だに謝罪の言葉を聞いていない。
- この曲は未だに根強い人気がある。
- 未だに事件の真相は明らかになっていない。
- 彼とは未だに気まずい関係が続いている。
- この地域では未だに電波が届かない場所がある。
- あの感動は未だに忘れられない。
- 新しいスマホに未だに慣れない。
- 未だにその考えを信じている人が多い。
- システムエラーは未だに解決していない。
- 昔の友人と未だに連絡を取り合っている。
- 未だにその夢を追い続けている。
- 会議の内容は未だに公開されていない。
- あの時の発言が未だに問題になっている。
- 未だに彼の行方は分かっていない。
- 未だに支払いが済んでいない。
- あの風景は未だに目に焼き付いている。
解説ポイント
- 継続中の状態を表すのが特徴です。
例:未だに来ない、未だに変わらない、未だに続いている - 文体を選ばず、フォーマル・カジュアル両方に対応できます。
- 誤用しやすい「今だに」との混同に注意しましょう。
間違えやすい使い方【例文20】

この章では、「今だに」と「未だに」の混同によるよくある誤用例と、その正しい言い換えを紹介します。SNSや会話でつい間違って使ってしまいやすい表現を、間違い → 正しい言い換えの形式で20例まとめました。
❌ 間違った使い方 | ✅ 正しい使い方 |
---|---|
今だに連絡がこない | 未だに連絡がこない |
今だにあの時のことを思い出す | 未だにあの時のことを思い出す |
今だに人気があるアニメ | 未だに人気があるアニメ |
今だにミスを引きずっている | 未だにミスを引きずっている |
今だに彼を許せない | 未だに彼を許せない |
今だに雨が降り続いている | 未だに雨が降り続いている |
今だに謝ってもらっていない | 未だに謝ってもらっていない |
今だに古いスマホを使っている | 未だに古いスマホを使っている |
今だに原因がわからない | 未だに原因がわからない |
今だに名前が思い出せない | 未だに名前が思い出せない |
今だに不安が消えない | 未だに不安が消えない |
今だにその夢を追っている | 未だにその夢を追っている |
今だに更新されていない | 未だに更新されていない |
今だに連絡先を知らない | 未だに連絡先を知らない |
今だにあの曲を聴いている | 未だにあの曲を聴いている |
今だに読まれている名作 | 未だに読まれている名作 |
今だに結果が出ていない | 未だに結果が出ていない |
今だにその癖が抜けない | 未だにその癖が抜けない |
今だに困惑している | 未だに困惑している |
今だに試験に受からない | 未だに試験に受からない |
- 「いまだに◯◯している」「いまだに◯◯が続いている」など、“状態の継続”を表す場合は常に「未だに」が正解。
- 「今だに」は口語的で一見自然に聞こえることもありますが、文章で使うと誤りが目立ちます。
「未だに」の類語(言い換え)・英語

「未だに」は便利な副詞ですが、文章の調子や表現のニュアンスに応じて、類語や言い換え表現を使うことで、より自然で多彩な文章を作ることができます。
また、英語での表現もいくつかありますので、併せて紹介します。
類語・言い換え表現
類語 | ニュアンス・使用例 |
---|---|
いまなお | やや文語的。少しかしこまった印象。 例:いまなお議論が続いている。 |
いまだ | 文末に続けて使うことが多く、フォーマルな場面でも使える。 例:いまだ解決されていない。 |
依然として | 変化がない状態を客観的に述べる。やや硬い印象。 例:依然として物価の高騰が続いている。 |
まだ | よりカジュアルで幅広い表現。 例:まだ連絡がこない。 |
今も | 時間の継続を柔らかく表現。 例:今も彼のことを思っている。 |
✔ 「未だに」はこれらの語と置き換え可能な場面が多く、文脈に応じて使い分けると自然な文章になります。
英語表現
「未だに」の意味を英語に訳す場合、以下のような表現が状況に応じて使われます。
英語表現 | 意味・用例 |
---|---|
still | 最も一般的な言い方。 例:He still hasn't replied.(未だに彼から返事がない) |
even now | 強調や驚きを込める場合。 例:Even now, I can't believe it.(未だに信じられない) |
as yet | よりフォーマル、書き言葉に多い。 例:The results are not known as yet.(未だに結果はわかっていない) |
to this day | 長期間にわたる継続を強調。 例:To this day, no one knows the truth.(未だに真実は知られていない) |
言い換え時の注意
- フォーマルな文章では「依然として」「いまだ」「as yet」などが適しています。
- カジュアルな会話では「まだ」「still」が使いやすい表現です。
- 直訳ではなく、文脈に合わせた自然な翻訳・言い換えを心がけましょう。
よくある質問

ここでは、「未だに」と「今だに」について、特によく寄せられる疑問や混乱しやすいポイントをQ&A形式でまとめました。言葉の使い分けに自信がない方は、ぜひこの項目で確認しておきましょう。
Q1. 「今だに」は絶対に間違いなの?
A. 現代日本語においては「今だに」は誤用とされます。
ただし、古語や文芸作品の引用、方言的な用法として使われていた背景があります。現代の会話や文章では使わない方が無難です。
Q3. テストや就職試験で「今だに」と書いたら不正解?
A. はい、高校・大学の国語テスト、漢字検定、SPI、ビジネス文書検定などでは、「今だに」は不正解扱いになる可能性が非常に高いです。「いまだに」と読み仮名があっていても、正しい漢字表記は「未だに」ですので、必ずこちらを使いましょう。
Q4. 「未だに」と「まだ」はどう違うの?
A. 「まだ」は比較的カジュアルな表現で、文章や会話のどちらにもよく使われます。
一方「未だに」は、よりフォーマルかつ明確に「予想に反して状態が続いている」ことを強調する場合に使われます。
例:
- 「まだ来ないの?」(やや口語的)
- 「未だに来ていない」(やや硬く、客観的)
Q5. 「未だに」はどんな場面でも使えるの?
A. 基本的に、日常会話からビジネス、フォーマルな文書まで幅広く使えます。ただし、あまりにもカジュアルな会話や、子ども向けの文章では「まだ」や「今も」などに言い換えた方が自然な場合もあります。
まとめ
「今だに」と「未だに」は、どちらも「いまだに」と読むため混同しやすい表現ですが、現代日本語における正しい表記は「未だに」です。
「今だに」は、かつて古語として使用されていた歴史的背景があるものの、現在では誤用とされ、テストや公式な文書では不適切な表現と見なされます。
したがって、学校のテストや就職試験、ビジネスの場面では必ず「未だに」を使用しましょう。
この記事では、「今だに」の語源や歴史的背景、「未だに」の正しい使い方、よくある間違い、言い換え表現、さらには60の具体例を通じて、使い分けを丁寧に解説しました。
迷ったときは、必ず「未だに」と書くのが正解。特に書き言葉や公式な場面では、正確な日本語を選ぶことが、あなたの信頼性や表現力を高めるポイントになります。ぜひこの記事を参考に、正しい表現を身につけてください。