春はいつからいつまで?何月?気象庁の定義とは

春の風物詩 入学式

「春って、いったい何月から何月までなの?」——この疑問は、多くの人が日常生活の中でふと感じるものです。桜が咲き始めると「もう春だな」と思い、5月の連休を過ぎると「そろそろ初夏」と感じることもありますが、実際に「春の定義」はどのようになっているのでしょうか?

「春」という季節の範囲は、気象庁の定義や古来の暦である二十四節気によって異なります。また、私たちの体感的な季節感や、行事・文化などの影響も大きく関係しています。この記事では、そんな「春」の始まりと終わりについて、気象庁や暦、そして文化的な観点から詳しく解説していきます。

この記事を読むことで、「春は何月から何月なのか?」という疑問に対する正しい知識が得られると同時に、日本の四季に対する理解も深まることでしょう。

春はいつからいつまで?何月?

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気象庁が定義する「春」

気象庁では、気温や気象データに基づき四季を明確に区分しています。春は3月から5月までと定義されており、これは季節予報や気候統計の基準として用いられています。

この期間は、気温が徐々に上がり始め、梅や桜が咲くなど春らしい自然の変化が見られる時期です。気象庁の四季区分は、実際の気候に即した現代的な考え方で、学校やビジネスのスケジュールにも広く活用されています。

暦の上での「春」

一方、暦の上では「春」は二十四節気の立春(2月4日ごろ)から立夏(5月5日ごろ)の前日までとされています。これは太陽の動きを基にした伝統的な季節区分で、古くから農作業や生活の目安として使われてきました。

二十四節気での「春」は以下の6つの節気で構成されます:

  • 立春(りっしゅん):2月4日ごろ
  • 雨水(うすい)
  • 啓蟄(けいちつ)
  • 春分(しゅんぶん)
  • 清明(せいめい)
  • 穀雨(こくう):4月20日ごろ

この暦の上での春は、現代の気候と比べるとやや早めに始まり、初夏の入り口までを含んでいます。

「春は何月?」に対する答え

結論として、「春は何月か?」という質問には、目的や文脈に応じて次のように答えるのが適切です:

  • 気象庁の定義では:3月〜5月
  • 暦(二十四節気)では:2月4日ごろ〜5月5日ごろ
  • 体感・文化的には:桜の開花(3月下旬〜4月)から新緑の季節(5月)まで

つまり、「春」という言葉には一つの正解があるわけではなく、気象・暦・文化という異なる視点からの理解が必要です。

気象庁による四季

気象庁では、1年を通じての気温や気象データをもとに、四季を以下のように明確に区分しています。これは、天候の統計や季節予報、気象報道などの公式な資料でも使用されている一般的な基準です。

以下は、気象庁が定義する四季の区分を示した表です。

季節月の範囲概要説明
3月〜5月気温が上昇し、桜や新芽など春の自然現象が見られる。卒業・入学など行事も多い時期。
6月〜8月梅雨と真夏を含む時期。気温が高く、熱中症や台風にも注意が必要。
9月〜11月気温が下がり始め、紅葉が進む。実りの季節としても知られる。
12月〜2月最も寒さが厳しく、雪や乾燥の影響が出やすい季節。

このように、気象庁による四季の定義は、実際の天候や生活感覚に即した実用的な分類です。学校の学年スケジュールや気象警報、災害対策などにも応用されています。

暦の上での四季(二十四節気)

日本の暦の中で四季を細かく表現するのに使われるのが、「二十四節気(にじゅうしせっき)」です。これは、古代中国で生まれた太陽の動きを基にした暦法で、約15日ごとに季節の移ろいを示す名称がつけられています。

二十四節気では、1年を春・夏・秋・冬の4季に分け、各季節を6つの節気で構成します。以下の表は、それぞれの季節と節気、新暦での目安日をまとめたものです。

春(立春~穀雨)

節気名新暦日付(目安)
立春2月4日ごろ
雨水2月19日ごろ
啓蟄3月6日ごろ
春分3月20日ごろ
清明4月5日ごろ
穀雨4月20日ごろ

夏(立夏~大暑)

節気名新暦日付(目安)
立夏5月5日ごろ
小満5月21日ごろ
芒種6月6日ごろ
夏至6月21日ごろ
小暑7月7日ごろ
大暑7月23日ごろ

秋(立秋~霜降)

節気名新暦日付(目安)
立秋8月7日ごろ
処暑8月23日ごろ
白露9月7日ごろ
秋分9月23日ごろ
寒露10月8日ごろ
霜降10月23日ごろ

冬(立冬~大寒)

節気名新暦日付(目安)
立冬11月7日ごろ
小雪11月22日ごろ
大雪12月7日ごろ
冬至12月22日ごろ
小寒1月5日ごろ
大寒1月20日ごろ

このように、二十四節気は自然の変化や農作業の目安として優れた指標であり、日本の伝統文化にも深く根付いています。現代の暦とは少しずれがあるものの、俳句や茶道、手紙の時候の挨拶など、今なお多くの場面で活用されています。

春を表す季語や挨拶

新緑

春は、自然が目覚め、生命が芽吹く季節です。その移ろいを言葉で表現する「季語」や「時候の挨拶」は、日本の文化の中で大切にされてきました。ここでは、春に使われる代表的な季語や手紙などで用いる時候の挨拶をご紹介します。

春の代表的な季語

季語は俳句や短歌に季節感を与える言葉で、春には自然や行事にちなんだものが多くあります。

季語意味・背景
梅(うめ)春の訪れを知らせる香り高い花。2月頃に咲き始める。
桜(さくら)日本を代表する春の花。花見の主役であり、満開の時期は3月下旬~4月上旬。
春風(はるかぜ)柔らかく暖かな風。冬の終わりと春の訪れを感じさせる。
春雨(はるさめ)春に静かに降るしとしととした雨。穏やかな情景を表す。
若葉(わかば)新緑の芽吹き。生命力や始まりの象徴。
ひな祭り女の子の健やかな成長を願う行事。3月3日に行われる。

春の時候の挨拶(ビジネス文書・手紙など)

手紙や挨拶文の冒頭に用いられる「時候の挨拶」は、その時期の季節感や心情を伝える表現です。春の代表的な例を以下に紹介します。

時期挨拶例
2月(初春)「立春の候」「寒さの中にも春の気配を感じる今日この頃」
3月(仲春)「春分の候」「日差しも暖かくなり、ようやく春めいてまいりました」
4月(晩春)「春暖の候」「桜花爛漫の季節となりました」

これらの挨拶を文頭に添えることで、丁寧で季節感のある文章になります。ビジネスシーンだけでなく、季節の挨拶状や案内文にも活用されています。

春の行事やイメージ

ひな祭り

春は、日本の四季の中でも特に「始まり」を感じさせる季節です。自然の変化に合わせて、古くから多くの行事が行われてきました。また、風景や食べ物、習慣など、春ならではのイメージも豊富です。ここでは、代表的な春の行事や、春を象徴するイメージを紹介します。

春の主な行事

行事名時期内容・背景
節分・立春2月3日〜4日ごろ冬と春の境目。「鬼は外、福は内」と豆をまいて邪気を払う行事。
ひな祭り3月3日女の子の健やかな成長を祈る日。ひな人形を飾り、ちらし寿司や甘酒を楽しむ。
春分の日3月20日前後昼と夜の長さがほぼ等しくなる日。自然をたたえ、生物を慈しむ日とされる。
お花見3月下旬〜4月上旬桜の下で飲食を楽しむ風習。春の代表的なレジャー行事。
入学式・入社式4月上旬新年度のスタートを祝う行事。学校や職場で新生活が始まる象徴。
子どもの日(端午の節句)5月5日男の子の健やかな成長を祈る日。こいのぼりや五月人形を飾る。

春のイメージ・風物詩

春には、自然の変化や日常の中で感じられるさまざまなイメージがあります。

  • 桜の開花:日本中で花が咲き誇り、一斉に春を感じさせる光景。
  • 新緑:4月〜5月にかけて芽吹く若葉は、生命力にあふれた象徴。
  • 春の味覚:たけのこ、山菜、いちごなど、旬の食材が豊富。
  • 花粉症:春特有の悩みとして、スギやヒノキの花粉に悩まされる人も。

これらの行事や風景は、春の訪れを体で感じる手がかりとなり、日本人の季節感に深く結びついています。

春を代表する花【10種】

桜

春は「花の季節」とも呼ばれ、多くの花が一斉に咲き始めます。街の景色や自然が色とりどりに変化し、視覚的にも春の訪れを実感できます。ここでは、日本の春を象徴する代表的な花を10種類紹介します。

1. 桜(さくら)

  • 見頃:3月下旬〜4月上旬
  • 特徴:日本の春を象徴する花。花見の主役であり、散る姿もまた美しいとされる。

2. 梅(うめ)

  • 見頃:2月中旬〜3月
  • 特徴:冬の終わりから咲き始める香り高い花。春の先駆けとして親しまれる。

3. 菜の花(なのはな)

  • 見頃:3月〜4月
  • 特徴:鮮やかな黄色の花が一面に咲き、春の訪れを感じさせる風景をつくる。

4. チューリップ

  • 見頃:4月
  • 特徴:形や色が豊富で、春の庭や公園を彩る人気の花。

5. スイセン(水仙)

  • 見頃:2月〜3月
  • 特徴:清楚な白や黄色の花。香りも強く、春を告げる花のひとつ。

6. モクレン(木蓮)

  • 見頃:3月〜4月
  • 特徴:大きな花びらと高い枝に咲く姿が印象的。白木蓮と紫木蓮がある。

7. コブシ

  • 見頃:3月
  • 特徴:モクレンに似た白い花。早春に咲き、春の兆しを告げる。

8. ヒヤシンス

  • 見頃:3月〜4月
  • 特徴:小さな花が集まって咲き、色も豊富。甘い香りが特徴。

9. シバザクラ(芝桜)

  • 見頃:4月〜5月
  • 特徴:地面を這うように咲く花で、一面のピンクや紫のじゅうたんのような景色が人気。

10. ハナミズキ

  • 見頃:4月下旬〜5月
  • 特徴:白や薄紅の花を咲かせる街路樹。アメリカから贈られた友好の象徴。

これらの花々は、視覚的な美しさはもちろん、香りや文化的背景、季節感も含めて春の雰囲気を高めてくれる存在です。公園や庭先などで出会える身近な花が多く、春の訪れを楽しむきっかけにもなります。

よくある質問

Q&A

ここでは、「春はいつからいつまで?」というテーマに関連して、よくある疑問をQ&A形式で分かりやすく解説します。


Q1. 気象庁が定める「春」とはいつですか?

A. 気象庁では、春を「3月1日から5月31日まで」と定義しています。この期間は気候データに基づいており、季節予報や気象統計にも使われます。


Q2. 暦の上では春はいつ始まるのですか?

A. 暦の上では「立春」(2月4日ごろ)からが春とされています。これは二十四節気に基づくもので、立夏の前日(5月4日ごろ)までが春とされます。


Q3. 実際に「春を感じる」のはいつごろ?

A. 一般的には、桜が咲く3月中旬〜4月上旬に春を感じる人が多いです。ただし、地域や年によって気温差があり、2月から春の兆しを感じ始めることもあります。


Q4. 春の特徴的な天気や気象は?

A. 春は気温の変化が激しく、三寒四温(寒い日と暖かい日が交互に来る)が典型的です。また、花粉の飛散や黄砂の発生、春一番などの強風も特徴的です。


Q5. 地域によって春の期間は違いますか?

A. はい、違いがあります。例えば、北海道では春の訪れが遅く、5月ごろにようやく桜が咲きます。一方、沖縄では2月中に春の花が咲き始めることもあり、地域によって体感する春の時期は異なります。

まとめ

「春はいつからいつまで?」という問いには、気象庁と暦の上での定義の違いがあることが分かりました。気象庁では3月1日から5月31日までを「春」と定めており、気温や天候の傾向に基づいた現代的な区分となっています。一方で、二十四節気に基づく暦の上では、春は立春(2月4日ごろ)から立夏(5月5日ごろ)の前日までとされています。

また、春にはひな祭りやお花見、入学式といった人生の節目を彩る行事が多く、桜や梅、菜の花などの美しい花々が季節感を一層引き立てます。さらに、春を表現する季語や挨拶文は、日本語の豊かさと季節への感受性を感じさせてくれます。

「春」という季節は、単に気温が暖かくなる時期というだけではなく、自然の息吹、文化の継承、新たな始まりという意味も含んでいます。それぞれの視点から春を知ることで、より深く日本の四季の魅力を味わうことができるでしょう。