春が旬の魚【20選】天然と養殖どちらが良い?新鮮な魚の選び方も解説

春といえば、出会いと別れの季節。自然のリズムが冬から春へと移り変わるこの時期は、海の中でも変化が起きています。水温の上昇とともに、魚たちが活発に動き始め、一部の魚は産卵を迎えるなど、まさに「旬」を迎える魚がたくさん現れます。
旬とは、その食材が最も美味しく、栄養価も高くなる時期のこと。特に魚は、旬のタイミングで味の濃さや脂のノリが大きく変わるため、「いつ食べるか」が非常に重要です。春に旬を迎える魚は、冬の寒さを超えて体に栄養を蓄えているため、脂がのって味が濃く、刺身でも火を通しても美味しくいただけるのが特徴です。
さらに、旬の魚は価格も比較的安定しており、新鮮な状態で市場に出回るため、コストパフォーマンスにも優れています。スーパーや魚屋さん、最近ではオンラインの鮮魚通販でも「今が旬!」と大きく書かれた魚を見かけることが増えているのではないでしょうか。
本記事では、そんな「春が旬の魚」をテーマに、以下のポイントを詳しく紹介していきます。
- 春に旬を迎える魚の特徴とは?
- 天然と養殖、どちらが美味しいのか?
- 春におすすめの魚20選とその魅力
- 魚の選び方・美味しい食べ方・保存方法
季節の魚を知ることで、食卓のバリエーションが広がり、料理の楽しみもアップします。春ならではの美味しさを、ぜひこの機会に取り入れてみてください。
目次
春が旬の魚とは?特徴と旬の理由

春の魚の特徴とは?
春に旬を迎える魚には、いくつかの共通した特徴があります。それは「産卵前で栄養を蓄えている」「水温の変化により活性化する」「春の海でよく獲れる」という点です。
冬のあいだに体力を蓄えた魚たちは、春の訪れとともに産卵の準備に入ります。そのため、春は脂がのり、身が引き締まっていて、非常に味が良い状態なのです。特に初鰹(はつがつお)やサワラ(鰆)などは、この時期ならではの風味と食感を楽しむことができます。
魚の「旬」はどう決まる?
魚の旬とは、単に「たくさん獲れる時期」という意味だけではありません。「味が最も良くなる時期」「栄養価が最も高い時期」「価格と質のバランスが良い時期」など、複数の要素が重なって“旬”とされます。
旬を決める主な要因は以下の3つです:
①産卵期の前後
魚は産卵の直前に栄養を蓄えるため、身が最も充実します。例えば、春に産卵期を迎えるホタルイカやメバルは、まさにこのタイミングが「食べ頃」と言えます。
②水温の変化
春は水温が徐々に上がり始める季節。これにより、魚の動きが活発になり、餌をたくさん食べて栄養を蓄えやすくなります。脂がのって旨味が増すのもこの時期です。
③漁獲量と市場流通
春は漁に適した天候が増えるため、漁獲量も安定します。そのため、流通がスムーズになり、鮮度の良い魚が手に入りやすくなります。これは家庭の食卓にとっても大きなメリットです。
春の魚は「季節感のある料理」に最適
旬の魚を食べることは、ただ栄養価が高いだけでなく、「季節感」を取り入れるという意味でも大切です。たとえば、春の食材であるタケノコや菜の花と組み合わせた料理は、見た目にも味にも春を感じさせてくれます。
春の魚を上手に取り入れることで、体にも心にも優しい食卓を演出できます。
春が旬の魚は天然と養殖どちらが美味しい?

魚を選ぶとき、「天然もの」と「養殖もの」、どちらを選ぶべきか迷ったことはありませんか?特に春は旬の魚が多く出回る季節で、どちらを選んだら美味しいのか気になる方も多いはずです。この章では、天然魚と養殖魚の違いと、それぞれのメリット・デメリットを踏まえながら、春におすすめなのはどちらかを解説します。
天然魚とは?その特徴と魅力
天然魚とは、海や川、湖など自然の環境で育った魚のことです。人の手を加えず、自然のエサを食べ、自然のサイクルで成長します。
メリット:
- 自然な味わいと風味の豊かさ
- 季節によって変化する味が楽しめる
- 脂のノリが良く、特に旬の時期は絶品
デメリット:
- 漁獲量が天候や季節に左右されやすい
- 鮮度の管理が難しい場合もある
- 価格が高くなりがち
春の例でいうと、初ガツオやホタルイカ、サワラなどは天然のものが旬に当たりやすく、風味も格別です。
養殖魚とは?その特徴と安定感
養殖魚は、人工的に管理された環境(海上いけすや陸上の水槽)で育てられた魚です。給餌や水質管理が行われ、サイズや出荷時期も計画的です。
メリット:
- 価格が安定していて手に入りやすい
- 鮮度の管理がされていて品質が均一
- 天然よりも脂がのっている場合がある
デメリット:
- 自然な味わいや身の締まりに欠けることも
- 特有の臭いが気になることも(養殖臭)
マダイやブリなどは養殖が盛んで、最近ではエサや育成環境の改良により、天然に負けない味のものも増えています。
春におすすめなのはどっち?
「旬を楽しむ」という観点では天然魚がおすすめです。春はまさに天然魚が最も美味しくなる時期。自然のサイクルの中で育った魚は、味に深みがあり、香りも豊か。春限定の魚(ホタルイカやシラウオなど)は、ほとんどが天然ものです。
一方で、「手軽に楽しむ」「コスパ重視」であれば養殖魚も◎。脂がのっていてボリュームがあるので、焼き魚や煮付けにすると非常に美味しく食べられます。特にマダイやブリなどは、春でも安定して入手できます。
結論:料理や目的に合わせて選ぼう
比較項目 | 天然魚 | 養殖魚 |
---|---|---|
味わい | 季節の風味が豊か | 脂がのって濃厚 |
価格 | やや高め | 安定・やや安価 |
入手のしやすさ | 時期や天候に左右される | 年間通して安定供給 |
調理のしやすさ | 個体差がある | サイズが均一で扱いやすい |
それぞれの特徴を理解したうえで、「旬の味をしっかり楽しみたい時は天然魚」「毎日の食卓や料理のバリエーションに活かすなら養殖魚」と、使い分けるのが賢い選択です。
春が旬の魚【20選】
春に旬を迎える魚は、見た目・味・栄養すべてが魅力的。ここではそれぞれの魚について、旬の理由・主な産地・味の特徴・おすすめの食べ方を詳しくご紹介します。
1. サワラ(鰆)

- 旬の時期:3月〜5月
- 主な産地:瀬戸内海、山陰地方、九州北部
- 特徴:名前に「春」と書くだけあり、まさに春を代表する魚。体長が大きく、白身で淡白ながら脂がのっている。身がやわらかく、クセが少ない。
- おすすめの食べ方:
- 西京焼き(味噌との相性が抜群)
- 塩焼き(シンプルで味が引き立つ)
- ムニエルやフライにも向いており、洋食にも合う
2. ホタルイカ

- 旬の時期:3月〜5月
- 主な産地:富山県(特に富山湾が有名)、兵庫県
- 特徴:体長5cmほどの小さなイカ。丸ごと食べられるのが特徴で、ワタ(内臓)に旨味が詰まっている。夜の海に発光する神秘的な姿でも知られる。
- おすすめの食べ方:
- 酢味噌和え(定番の食べ方)
- ボイルして生姜醤油
- 沖漬け(醤油漬け)やパスタにも◎
3. カツオ(初ガツオ)

- 旬の時期:4月〜6月(初ガツオ)
- 主な産地:高知県、静岡県、宮崎県
- 特徴:黒潮に乗って北上する「初ガツオ」は、さっぱりとした赤身で人気。秋の「戻りガツオ」とは脂ののりが異なり、あっさりとした風味が春らしい。
- おすすめの食べ方:
- たたき(表面を炙って薬味と共に)
- 刺身(ポン酢やにんにく醤油で)
- カツオの漬け丼
4. メバル

- 旬の時期:3月〜5月
- 主な産地:瀬戸内海、日本海沿岸
- 特徴:目が大きく、身は柔らかい白身魚。クセがなく、ほろっと崩れる繊細な身質。春の魚の煮付けといえばメバルが定番。
- おすすめの食べ方:
- 煮付け(しょうゆベースで甘辛く)
- 塩焼き(身のうま味が引き立つ)
5. ニシン

- 旬の時期:3月〜5月
- 主な産地:北海道、東北地方
- 特徴:昔は「春告魚(はるつげうお)」と呼ばれた春の風物詩。数の子の親としても有名。脂がのり、クセはあるが旨味が濃い。
- おすすめの食べ方:
- 焼き魚(脂がじゅわっと広がる)
- 酢漬け(しめニシン)
- ニシンそば(京都の名物)
6. イサキ

- 旬の時期:4月〜6月
- 主な産地:九州地方、四国、和歌山県
- 特徴:春から初夏にかけて脂がのり、白身なのにコクがある。体側の縞模様が特徴的。釣りでも人気のターゲット。
- おすすめの食べ方:
- 刺身(コリコリとした食感)
- 塩焼き(焼き上がりの香ばしさが◎)
- 唐揚げや酒蒸しもおすすめ
7. シラウオ

- 旬の時期:3月〜5月
- 主な産地:茨城県・霞ヶ浦、北海道、青森県
- 特徴:細長くて透明な小魚。繊細な味で、春らしい淡い風味が魅力。春の宴会料理や和食コースでよく登場する。
- おすすめの食べ方:
- 踊り食い(新鮮なもの限定)
- かき揚げ(衣のサクサク感と好相性)
- 卵とじ(和風だしと合わせて)
8. アサリ(貝類)

- 旬の時期:3月〜5月
- 主な産地:千葉県、愛知県、有明海
- 特徴:春は産卵前で最も身が大きく、ふっくらとして甘みがある。鉄分・亜鉛・カルシウムなど栄養も豊富。
- おすすめの食べ方:
- 酒蒸し(旨味が引き立つ)
- ボンゴレ・スパゲッティ
- アサリの味噌汁
9. コウナゴ(小女子)

- 旬の時期:3月〜4月
- 主な産地:兵庫県(播磨灘)、愛知県、三重県
- 特徴:イワシの稚魚で、体長3〜5cmほどの小さな魚。関西では「いかなご」と呼ばれ、春の風物詩として親しまれている。特に「くぎ煮」は家庭の味として有名。
- おすすめの食べ方:
- くぎ煮(醤油・砂糖・生姜で甘辛く炊く)
- 釜揚げ(ふっくら柔らかい)
- 佃煮(ご飯のお供にぴったり)
10. ヤリイカ

- 旬の時期:2月〜4月
- 主な産地:青森県、山陰地方、九州沿岸
- 特徴:細長い体と透明感のある白い身が特徴。肉質は柔らかく、甘みが強い。イカの中でも特に春が美味しいとされる品種。
- おすすめの食べ方:
- 刺身(透明な見た目とねっとり食感)
- イカ墨パスタ(濃厚な味わい)
- バター焼きや煮物も◎
11. マダイ(真鯛)

- 旬の時期:3月〜5月(桜鯛)
- 主な産地:瀬戸内海、愛媛県、長崎県
- 特徴:春の産卵前に最も美味しくなる「桜鯛」は、淡いピンク色の体色が美しい。祝いの席でも用いられる高級魚。味は上品でクセがない。
- おすすめの食べ方:
- 鯛の刺身(ポン酢や塩で)
- 鯛めし(出汁と炊き込んで香り豊か)
- 塩焼き(皮がパリッと香ばしい)
12. ノドグロ(アカムツ)

- 旬の時期:3月〜6月
- 主な産地:島根県、山口県、新潟県
- 特徴:「白身のトロ」とも称されるほど脂がのっており、口に入れるととろけるような食感。高級魚として料亭でも使われる。
- おすすめの食べ方:
- 塩焼き(脂がジュワッと溢れる)
- 煮付け(甘辛く濃厚に)
- 干物(旨味が凝縮)
13. アオリイカ

- 旬の時期:4月〜6月
- 主な産地:九州・四国・和歌山
- 特徴:肉厚でねっとりとした食感、イカの中でも特に甘みが強い。釣りの対象としても人気。身に透明感があり、加熱しても柔らかい。
- おすすめの食べ方:
- 刺身(特に塩とオリーブオイルが合う)
- イカステーキ(ガーリックバター)
- 天ぷら(衣のサクサクと絶妙なバランス)
14. キス(シロギス)

- 旬の時期:4月〜7月
- 主な産地:関東・関西の沿岸、瀬戸内海
- 特徴:細長い白身魚で、クセがなく上品な甘みがある。骨も柔らかく、揚げ物や焼き物にぴったり。
- おすすめの食べ方:
- 天ぷら(春の味覚の定番)
- 塩焼き(シンプルで美味)
- 刺身(鮮度の良いものは絶品)
15. マアジ

- 旬の時期:5月〜7月
- 主な産地:神奈川(真鶴)、長崎県、鹿児島県
- 特徴:脂がのった青魚で、通年流通しているが、春から初夏にかけては身が締まり、脂のバランスが絶妙。栄養も豊富。
- おすすめの食べ方:
- なめろう(味噌・薬味と和えて)
- アジフライ(定番の家庭料理)
- 干物(焼いて香ばしく)
16. トビウオ(アゴ)

- 旬の時期:5月〜7月
- 主な産地:長崎県、山口県、鹿児島県
- 特徴:大きな胸ビレで水面を飛ぶように泳ぐ。身はあっさりしており、だしに最適。九州では「アゴだし」が有名。
- おすすめの食べ方:
- 焼き干し(だし用に)
- すり身団子(汁物に)
- 唐揚げ(骨ごとパリッと)
17. ヒラメ

- 旬の時期:3月〜5月(地域差あり)
- 主な産地:北海道、青森、千葉、島根
- 特徴:高級白身魚として知られ、クセのない淡白な味わいが特徴。寒い時期の方が脂がのるが、春は産卵前で身が引き締まり、食感が良くなる。刺身はもちろん、火を通しても美味。
- おすすめの食べ方:
- 昆布締め(旨味を凝縮)
- お造り(コリッとした歯ごたえ)
- ムニエル(バターとの相性が抜群)
18. クロダイ(チヌ)

- 旬の時期:3月〜5月
- 主な産地:瀬戸内海、三重県、静岡県
- 特徴:春に産卵を迎える魚で、この時期は脂がのりやすい。ややクセのある風味だが、調理法次第で旨味が引き立つ。釣りでも人気が高い。
- おすすめの食べ方:
- 塩焼き(皮目が香ばしく、旨味も濃厚)
- 煮付け(濃い味付けでクセを抑える)
- 刺身(皮を湯引きして香りと食感を楽しむ)
19. サクラマス

- 旬の時期:3月〜5月
- 主な産地:北海道、東北地方、新潟県
- 特徴:ヤマメが海に下って成長した魚。春に川へ戻る産卵前の個体は脂がのって非常に美味。ピンク色の身が鮮やかで、柔らかくコクのある味わい。天然物は希少で高級。
- おすすめの食べ方:
- 塩焼き(ふっくらと焼き上がる)
- 幽庵焼き(醤油・みりん・柚子などに漬けて)
- 味噌漬け焼き(香ばしさと甘辛さが絶妙)
20. スズキ

- 旬の時期:4月〜6月(地域によっては夏)
- 主な産地:瀬戸内海、九州地方、千葉県
- 特徴:成長に応じて名前が変わる出世魚。春先は身が引き締まり、クセのない淡白な味わいで、洋食との相性も良い。皮目に旨味があるため、皮を活かした調理がオススメ。
- おすすめの食べ方:
- アクアパッツァ(魚介とトマトの相性抜群)
- ムニエル(ふんわりとした身と香ばしさが絶品)
- カルパッチョ(ハーブやレモンと好相性)
新鮮な魚の選び方

春の魚を最大限に美味しく楽しむには、「新鮮なものを選ぶこと」が非常に重要です。見た目がきれいでも、鮮度が落ちていれば味や香りが大きく変わってしまいます。この章では、スーパーや魚屋さんで使えるプロ直伝の見分け方をわかりやすく解説します。
①魚全体の「見た目」をチェックしよう
魚の鮮度は、まず全体の色つやとハリから判断できます。
- 皮にツヤがあり、ぬめりが透明:新鮮な証拠です。ぬめりが黄色っぽくなっていたら劣化のサイン。
- 体にハリがあり、丸みを帯びている:身がしっかりしており、まだ水分を保っている状態。
- うろこがきれいについている:古くなると、うろこが浮いたりはがれたりします。
▶︎ 見るだけでなく、指でそっと押してみて、弾力があるかも重要です。
②「目」で見分ける
魚の「目」は、鮮度のバロメーター。
鮮度が良い目 | 鮮度が落ちている目 |
---|---|
透明で黒目がはっきり | 白く濁っている・くぼんでいる |
うるうるしていて張りがある | 落ちくぼみ、乾燥している |
特に刺身用に使う魚は、目が命です。透明感のある目をしているものを選びましょう。
③「エラ」をチェックする
魚のエラ(鰓)も鮮度チェックに最適なポイント。
- 色が鮮やかな赤や赤紫:血の気があり、新鮮。
- においが少なく、酸っぱくない:腐敗臭がある場合は避けましょう。
▶︎ スーパーでは触れないこともありますが、**エラの色が見えるように開いてある店は信頼度◎**です。
④切り身・刺身の場合の見分け方
丸ごとの魚ではなく、切り身や刺身パックを買う場合は以下の点に注目しましょう。
- ドリップ(赤い水分)が出ていない:水分が出ているものは時間が経っている証拠。
- 身がツヤツヤしていて乾いていない:透明感があり、色が鮮やかならOK。
- 切り口がキレイで崩れていない:加工時からの鮮度も良好。
▶︎ 迷ったら「その日加工されたかどうか」を店員さんに聞くのもアリ!
⑤魚屋さん・鮮魚コーナーで信頼できるお店を選ぶコツ
- 魚の種類が豊富で、ディスプレイが整っている店は、鮮度管理が行き届いています。
- スタッフが魚に詳しく、調理法を教えてくれるところは◎。
- POPに「今日のおすすめ」「○○産」と書いてある店は信頼性高め。
また、午前中に買いに行くことで、鮮度の高い魚に出会える確率がアップします。
⑥鮮度が良い魚を買ったら、すぐに下処理!
鮮度の良い魚を手に入れたら、できるだけ当日中に調理か下処理をして保存しましょう。保存方法については、次章で詳しく解説します。
まとめ
魚の鮮度を見分けるポイントは以下のとおり:
チェックポイント | 鮮度の良い状態 |
---|---|
見た目(皮・体) | ツヤがあり、ぬめりは透明 |
目 | クリアで張りがある |
エラ | 鮮やかな赤色、においが少ない |
身の弾力 | 指で押してすぐ戻る |
匂い | 生臭くなく、海の香りがする |
これらを意識することで、失敗しない魚選びができるようになります!
魚の保存方法|鮮度を保って美味しく長持ちさせるコツ

せっかく新鮮な魚を手に入れても、保存方法を誤ると鮮度が落ち、味も品質も大きく損なわれてしまいます。この章では、冷蔵・冷凍の正しい保存法や、魚種別の下処理のポイントを詳しく紹介します。
①保存の基本ルール:「買ったらすぐに下処理」
魚は非常に傷みやすい食品です。できるだけ買った当日に調理するのが理想ですが、すぐに食べない場合は下処理して保存しましょう。
下処理の基本
- 内臓を取り除く(腹わたは傷みの原因)
- ウロコを落とす(臭みや雑菌の元)
- 水気をしっかり拭き取る(キッチンペーパーで)
この一手間で、魚の鮮度を大きく保つことができます。
②冷蔵保存の方法(保存期間:1〜2日)
丸ごとの魚(内臓を取ったもの)
- 水分を拭き取る
- キッチンペーパーで包む
- ラップで密閉し、チルド室(0〜1℃)へ
▶︎ 臭い移りを防ぐため、ジップ袋や保存容器に入れると安心です。
切り身の場合
- 切り身同士がくっつかないように1枚ずつラップ
- 乾燥を防ぐために空気を抜くように包む
- 必要に応じて醤油や味噌などで漬け込む(「漬け」にするとさらに日持ちUP)
③冷凍保存の方法(保存期間:約2〜4週間)
魚をより長く保存したい場合は冷凍が有効ですが、正しい処理をしないと冷凍焼けや臭みの原因になります。
丸ごとの場合
- ウロコと内臓を取ってよく水気を拭く
- ラップ → アルミホイル → フリーザーバッグの順でしっかり包む(空気を抜く)
- 金属トレーに乗せて急速冷凍(氷点下で一気に凍らせると美味しさをキープ)
切り身の場合
- 一切れずつラップ → フリーザーバッグに入れる
- 小分け冷凍にしておけば、使いたい分だけ解凍できて便利
解凍方法
- 前日に冷蔵庫へ移して自然解凍
- 急ぐときは流水解凍(電子レンジ解凍は味が落ちやすいので避ける)
④魚種別|保存前のひと工夫で差がつく
魚の種類 | 保存前の下処理のポイント |
---|---|
サワラ・マダイ・ヒラメなど白身魚 | 皮付きのまま保存が◎。塩を軽く振ると水分が抜けて保存性UP。 |
アジ・カツオなど青魚 | 酸化しやすいので早めに下処理。生姜や酢で〆てから保存も可。 |
アサリ・ホタルイカなどの貝・小型魚 | ボイルしてから冷凍すれば解凍後すぐ使える。塩抜きや下茹でも忘れずに。 |
⑤保存食アレンジでさらに便利に!
保存するだけでなく、味付けしてから保存すると、調理が楽になり、味もよく染み込みます。
- 味噌漬け:白味噌+みりん+酒に半日〜1日漬ける(鰆やマダイにおすすめ)
- 幽庵漬け:醤油+みりん+柚子やすだちで風味豊か(ヒラメやサクラマス向き)
- 南蛮漬け:唐揚げした魚を酢ベースのタレに漬ける(アジやキスにぴったり)
これらは冷蔵で3日〜5日、冷凍で2週間程度保存可能です。
春の魚を美味しく食べる方法
春に旬を迎える魚は、素材そのものの味わいが豊かで、調理法によってさまざまな魅力を引き出せます。この章では、代表的な春の魚ごとのおすすめ調理法や、料理をより美味しく仕上げるコツをご紹介します。
シンプルイズベスト!「塩焼き」で旨味を引き出す

塩焼きは魚の旨味を最大限に活かす調理法です。春の魚の中でも、サワラ・メバル・イサキ・クロダイなどは、塩焼きにすると脂の旨味と香ばしさが際立ちます。
ポイント:
- 焼く前に軽く塩を振り、10〜15分置くと余分な水分が抜けて身が締まります。
- 魚焼きグリルでは、皮目を下にして中火でじっくり。表面がこんがりしたら裏返します。
春らしさを味わう「刺身・カルパッチョ」

新鮮な春の魚は、刺身で食べるのが一番という声も。マダイ・ヒラメ・アオリイカ・マアジは、身が締まっていて、味に透明感があります。さらに洋風アレンジのカルパッチョにも最適です。
おすすめ薬味・調味料:
- 和風:わさび、すだち、塩+オリーブオイル
- 洋風:レモン汁、バルサミコ酢、ディルやバジルなどのハーブ
定番で安心の「煮付け」

味の濃いタレで煮ることで、魚の身に味が染み込み、家庭の味として親しまれている煮付け。メバル・ノドグロ・ニシンなどが特におすすめです。
コツ:
- 酒、みりん、醤油、砂糖をベースに、煮立ててから魚を入れる
- 強火で煮て、最後に煮詰めることで照りとコクが出ます
- 生姜を入れると臭みが消えて爽やかな風味に
ふっくら香ばしい「西京焼き・幽庵焼き」

サワラ・サクラマス・マダイなどの白身魚は、味噌や柚子醤油に漬け込んで焼くことで、風味豊かな逸品に変身します。
- 西京焼き:白味噌+みりん+酒で漬け込む(冷蔵庫で1〜2日)
- 幽庵焼き:醤油・みりん・酒+柚子やすだちでマリネ
どちらも魚の繊細な旨味に、まろやかな甘みや柑橘の香りが加わって絶品です。
揚げ物でボリュームUP「唐揚げ・天ぷら・フライ」

子どもから大人まで人気の揚げ物料理も、春の魚にぴったり。キス・マアジ・イサキ・コウナゴなどは、衣をつけてサクッと揚げると、春らしい軽やかな味わいに。
- アジフライ:パン粉を粗めにしてザクザク感UP
- キスの天ぷら:薄衣で揚げて塩で食べるのがおすすめ
- 小女子のかき揚げ:季節野菜(菜の花・新玉ねぎ)と合わせて春の香りを
旨味たっぷりの「汁物・炊き込みご飯」

春の魚の出汁を活かした料理も見逃せません。アサリ・トビウオ(アゴ)・スズキ・マダイは、出汁が濃厚で、汁物やご飯ものに最適です。
- アサリの味噌汁(春は身がぷっくり!)
- トビウオのすり身汁(九州の郷土料理)
- 鯛めし(桜鯛の出汁が米にしみこむ絶品)
まとめ
春は海の中でも生命が芽吹く季節。産卵や水温の変化により、多くの魚が旬を迎えます。サワラやカツオ、ホタルイカなど、春ならではの味覚は、食卓に季節感をもたらしてくれる貴重な存在です。天然と養殖にはそれぞれの魅力があり、用途や好みに合わせて選ぶことで、美味しさを最大限に引き出すことができます。
また、新鮮な魚を見極める目を養い、正しい保存方法を知ることで、家庭でも安心して旬の魚を楽しめます。調理法も刺身や塩焼き、煮付け、天ぷらなど多彩で、旬の野菜と合わせれば栄養バランスも◎。魚本来の味わいと季節の恵みを生かした料理で、春の訪れを口いっぱいに感じてみてください。旬を知ることは、暮らしを豊かにする第一歩です。