「要件」と「用件」の違い|電話・メールはどっち?【例文60】

「要件」と「用件」、どちらもビジネスや日常会話でよく使われる言葉ですが、その意味や使い方を正確に理解している人は意外と少ないかもしれません。
例えば、「電話の要件を伝える」と言う人もいれば、「電話の用件を伝える」と言う人もいます。どちらが正しいのか、少し悩んだ経験はないでしょうか?
このような混同は、言葉の意味が似ていることに加えて、使われる場面が重なることが原因です。しかし、「要件」と「用件」は本来、明確に意味が異なる言葉です。
本記事では、以下のポイントについてわかりやすく解説していきます。
- 「要件」と「用件」の意味の違い
- 正しい使い分け方
- 電話・メール・ビジネス文書での具体的な使用例
- よくある誤用や類語、英語表現
さらに、例文を60個以上掲載しているので、日常業務ですぐに使える表現が身につきます。言葉の正しい使い方をマスターして、あなたの伝える力を一段とレベルアップさせましょう。
目次
「要件」と「用件」の違い

「要件」と「用件」は、どちらも漢字の見た目や読み方が似ているため混同されがちですが、意味も使い方も異なります。
以下の表をご覧ください。
比較項目 | 要件(ようけん) | 用件(ようけん) |
---|---|---|
意味 | 目的達成のために必要な条件や要素 | 相手に伝えるべき事柄や伝達内容 |
ニュアンス | 必須条件・前提 | 用事・連絡内容 |
使用シーン | システム開発、契約条件、会議の前提など | 電話、メール、対面での連絡・伝達 |
文法的な使い方 | 「〜の要件を満たす」「要件定義」など | 「ご用件は?」「用件のみ手短に伝える」など |
よりフォーマルか | やや堅い印象(専門用語寄り) | 一般的で日常的 |
- 要件:条件や仕様
- 例:この業務には特定の要件が必要です。
- 用件:伝えるべき内容
- 例:ご用件をお伺いします。
両者は似ているようでいて、「必要条件」か「伝える内容」かという本質的な違いがあります。特にビジネスメールや会話の中で混同すると、誤解を招く可能性があるため注意が必要です。
「要件」の意味

「要件(ようけん)」とは、ある目的を達成するために必要な条件や要素を指します。少し堅い表現になりますが、ビジネスシーンでは頻繁に使われる重要な言葉です。
主な意味
- 物事を実現するために必要とされる条件や項目
- システム開発や契約、業務進行などで「満たすべき条件」を意味する
具体的な使い方
- プロジェクトや業務において「この要件を満たしているかどうか」を確認する
- IT業界では「機能要件」「非機能要件」など、システムに必要な仕様として用いられる
- 「最低限必要な内容」「前提条件」などを含む場合もある
ポイント
「要件」は、話の核心に関わる“骨組み”のような存在です。単なる「伝える内容」ではなく、「前提として必要なこと」や「絶対に外せない条件」として使われます。
「用件」の意味

「用件(ようけん)」とは、人に伝えるべき内容や伝達事項を意味する言葉です。日常会話からビジネスシーンまで、広く使われています。
主な意味
- 伝えたい内容、または用事そのもの
- 相手に伝える目的で準備された情報や要望
具体的な使い方
- 電話やメールで「簡潔に用件を伝える」
- 来客や訪問の際に「どのようなご用件でしょうか?」と尋ねる
- ビジネスの現場で「用件だけを先にお伝えします」などの前置きとして使う
ポイント
「用件」は、相手に伝達する行為に重点を置いた言葉です。話の「中身そのもの」を示すというより、「伝える目的で持ってきた情報」のようなニュアンスがあります。
したがって、「用件を済ませる」「用件を聞く」など、行動とともに使われるのが一般的です。
「要件」と「用件」の使い分け

「要件」と「用件」は、意味の違いに加え、使用する場面や文脈によって使い分けることが重要です。ここでは、それぞれの使いどころと、誤用しやすいポイントを具体的に見ていきましょう。
使用シーン | 適切な言葉 | 解説 |
---|---|---|
相手に伝える内容について話すとき | 用件 | 電話・メール・訪問など、「伝達すべき内容」が主である場合 |
契約・プロジェクト・仕事の条件に関して話すとき | 要件 | 「必要な条件」や「満たすべき仕様」を示す場合に使う |
「用件を済ませる」は? | 用件 | 「伝えるべきことを完了させる」の意味で使われる |
「システムの要件」 | 要件 | システムの機能要素や仕様条件を指す専門用語 |
「ご要件は?」 | ✕(誤用) | 正しくは「ご用件は?」。相手に内容を尋ねる場面では「用件」を使う |
- ✅ 正しい使い分け例
- 「このシステムは、セキュリティ面の要件を満たしています。」
- 「電話で簡単に用件を伝えました。」
- ❌ 誤用例
- 「電話の要件を伝える」 → 正しくは「電話の用件を伝える」
- 「このプロジェクトの用件は厳しい」 → 正しくは「このプロジェクトの要件は厳しい」
判断のコツ
どちらを使うか迷ったときは、「内容を伝える話なら用件」、「条件や要素の話なら要件」と考えると、間違いを防ぎやすくなります。
電話は「要件」と「用件」どっち?

電話に関して使う言葉として適切なのは、「用件」です。
電話は、相手に情報や依頼、報告などを伝えることが目的の手段です。したがって、電話で話す内容は、「条件」や「前提事項」ではなく、「伝達する内容」=「用件」と考えるのが自然です。
たとえば、「電話の用件を手短に伝える」「お電話のご用件をお伺いします」といった表現は、ビジネスでも日常でもよく使われます。一方で、「電話の要件を伝える」と言ってしまうと、まるで電話をかけるために必要な条件があるかのような、意味がずれた印象になります。
つまり、電話は「何を伝えるか」がポイントであり、「用件」を使うのが正しいということです。
メールは「要件」と「用件」どっち?

メールに関して使う言葉は、基本的には「用件」が一般的ですが、状況によって「要件」も使われる場合があります。つまり、メールはどちらの言葉も使われる可能性があるのが特徴です。
通常は「用件」が適切
多くのビジネスメールでは、「○○のご用件について」や「用件のみお伝えいたします」などのように、伝えるべき内容(=用件)を中心とした表現が使われます。
よく使われる表現:
- 「本日のご用件について、以下の通りご連絡いたします。」
- 「用件のみ、簡潔にご説明いたします。」
- 「お忙しいところ恐れ入りますが、用件を以下に記載いたします。」
「要件」を使う場面もある
一方で、メールの中身が業務遂行のために満たすべき条件や要素に関する内容である場合は、「要件」を使うのが自然です。たとえば、プロジェクト概要や開発仕様、契約条件などを伝えるメールです。
「要件」を使うメールの例:
- 「ご依頼の業務要件を以下にまとめました。」
- 「要件定義書を添付いたしますのでご確認ください。」
- 「セキュリティ要件を遵守する必要があります。」
どちらを使うかの判断基準
内容のタイプ | 適切な語句 | 説明 |
---|---|---|
伝えるべき連絡内容や連絡事項 | 用件 | 通常のビジネスメール、案内、問い合わせなど |
条件や仕様に関する内容 | 要件 | 業務要件、仕様書、契約条件など |
メールの内容が「伝える情報」なら用件、
内容が「満たすべき条件」なら要件
このように、メールは文脈によって両方の言葉が使われるため、内容を確認してから適切な語を選びましょう。
ビジネスでの「要件」と「用件」の使い方

ビジネスシーンでは、「要件」と「用件」を正しく使い分けることが、信頼感のあるコミュニケーションにつながります。それぞれの言葉がどのような場面で使われるのか、具体的に見ていきましょう。
「要件」が使われる主なビジネスシーン
「要件」は、業務を遂行するうえで必要な条件や仕様を示す言葉として、特に文書や資料の中でよく使われます。IT業界や製造業、営業部門など幅広い分野で使用されます。
使用例:
- システム開発 → 「機能要件」「非機能要件」「要件定義書」
- 営業・契約 → 「契約の要件を満たす必要があります」
- 会議・企画 → 「実施に必要な要件を整理しました」
実務での文脈:
- 「お客様の要件に合ったソリューションを提案します」
- 「セキュリティの要件を満たさない場合、サービス提供はできません」
これらの例からもわかるように、「要件」は結果を出すための前提条件や必要事項を表すのが特徴です。
「用件」が使われる主なビジネスシーン
一方、「用件」は、相手に伝えるべき内容・話の本題として、口頭やメールでのやりとりによく使われます。
使用例:
- 電話応対 → 「ご用件をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
- メール対応 → 「以下のとおり用件をお伝えします」
- 対面コミュニケーション → 「まず用件を簡潔にお話しします」
実務での文脈:
- 「ご用件を伺ったうえで、担当部署へおつなぎいたします」
- 「まず用件からお伝えさせていただきますので、お時間をください」
「用件」は、その場で相手に何を伝えるかに焦点が当たっており、時間や手間を省く意識の表れとしても好印象を与えます。
「要件」の使い方【例文20】

「要件」は、ビジネスシーンにおいて「満たすべき条件」「前提となる仕様・必要事項」として使われます。ここでは、実際の会話や文書で使える具体的な例文を20個、シーン別に紹介します。
システム開発・IT関連
- 新システムは、セキュリティの要件を満たす必要があります。
- ユーザーからの要件をもとに、設計書を作成します。
- 要件定義のフェーズでは、業務フローの洗い出しが重要です。
- パフォーマンス要件についても明確にしておきましょう。
- このアプリは、OSの互換性に関する要件があります。
契約・法律関連
- 契約の要件に関して、法務部に確認してください。
- この補助金を受け取るには、いくつかの要件を満たす必要があります。
- 就業規則の変更には、労働者代表との協議が要件となります。
- 請負契約の成立には、業務内容の明示が要件です。
- 入札に参加するには、参加資格の要件を確認してください。
営業・マーケティング
- お客様の要件を正確に把握することが、提案の第一歩です。
- 提案書には、クライアントの要件に基づく解決策を記載しました。
- 要件整理が不十分だと、プロジェクトが迷走します。
- この商品は、環境対応の要件をクリアしています。
- 要件に合致した商品をご案内いたします。
会議・社内業務
- 会議の前に、要件を整理して資料を作成してください。
- 要件が複雑なため、関係部署とのすり合わせが必要です。
- スケジュールの調整も、重要な要件の一つです。
- 要件漏れが原因で、仕様変更が発生しました。
- 初回打ち合わせでは、要件の優先順位を確認しましょう。
「用件」の使い方【例文20】

「用件」は、相手に伝えたい内容や話の本題を意味します。電話、メール、対面など、ビジネスシーン全般で使われる汎用性の高い言葉です。ここでは、具体的な使い方を20の例文でご紹介します。
電話対応での使用例
- 恐れ入りますが、ご用件をお伺いしてもよろしいでしょうか?
- 本日はどのようなご用件でしょうか。
- 先に用件だけお伝えいたします。
- お電話いただいたご用件は、私ではお答えしかねます。
- 用件が済みましたら、また折り返しいたします。
メールでの使用例
- 用件のみを簡潔にまとめて、以下に記載いたします。
- 昨日の会議についてのご用件、承知しました。
- 本メールは、○○に関する用件でご連絡差し上げました。
- ご用件について、上司と確認のうえ改めてご連絡いたします。
- 緊急の用件があれば、携帯までご連絡ください。
対面での会話・商談
- お忙しいところすみません、早速ですが用件に入らせていただきます。
- 用件を手短にご説明させていただきます。
- 本日のご用件はどのような内容でしょうか?
- 突然のご訪問で失礼いたしますが、少し用件がありまして…。
- 用件を伺ってから、担当者におつなぎいたします。
社内コミュニケーション
- さきほど課長からの用件を伝えに来ました。
- 用件が済んだら、すぐ戻ってきてください。
- 用件だけ先に伝えておきますね。
- その用件なら、私ではなく総務課が対応します。
- 何か用件があれば、Slackで連絡してください。
間違えやすい使い方【例文20】

「要件」と「用件」は漢字も読み方も似ているため、誤用が非常に多い言葉です。ここでは、間違えやすい例を正しい表現とセットで紹介します。違いを明確に理解し、正確な使い分けができるようにしましょう。
「電話・メール」での誤用
❌ 誤った表現 | ✅ 正しい表現 |
---|---|
電話の要件を先に伝えてください。 | 電話の用件を先に伝えてください。 |
メールで要件を送っておきました。 | メールで用件を送っておきました。 |
彼に要件を伝えてください。 | 彼に用件を伝えてください。 |
用件を満たすための仕様が必要です。 | 要件を満たすための仕様が必要です。 |
ご要件は何でしょうか? | ご用件は何でしょうか? |
「ビジネス文書」での誤用
❌ 誤った表現 | ✅ 正しい表現 |
---|---|
ご要件につき、担当部署より回答いたします。 | ご用件につき、担当部署より回答いたします。 |
本製品は顧客の用件に対応しています。 | 本製品は顧客の要件に対応しています。 |
システムの用件を明確にしましょう。 | システムの要件を明確にしましょう。 |
会議の用件をまとめました。 | 会議の要件をまとめました。 |
この契約には特別な用件があります。 | この契約には特別な要件があります。 |
「会話・やりとり」での誤用
❌ 誤った表現 | ✅ 正しい表現 |
---|---|
用件が多すぎて、進行が遅れました。 | 要件が多すぎて、進行が遅れました。 |
用件の優先順位を決めましょう。 | 要件の優先順位を決めましょう。 |
ご要件について、詳細をご説明ください。 | ご用件について、詳細をご説明ください。 |
要件を手短に話してください。 | 用件を手短に話してください。 |
担当者にご要件をお伝えしておきます。 | 担当者にご用件をお伝えしておきます。 |
ポイント
- 話す・伝える行為が含まれる →「用件」
- 条件・仕様・前提などの文脈 →「要件」
特に「ご○○は?」のような丁寧語にしたときに混乱しやすいため、ビジネスの場では注意が必要です。
「要件」の類語(言い換え)・英語

「要件」は、ビジネスや専門分野で頻繁に使われる言葉ですが、文脈や相手に応じて言い換えることで、より自然で伝わりやすい表現になります。ここでは、日本語での類語と英語表現をそれぞれ紹介します。
類語・言い換え表現
類語・表現 | 意味・使いどころ | 例文 |
---|---|---|
条件(じょうけん) | 一定の前提となる内容や制約 | この契約にはいくつかの条件があります。 |
必要事項(ひつようじこう) | 実施や判断に不可欠な内容 | 会議の前に必要事項をまとめておきましょう。 |
要素(ようそ) | 組み合わせや構成を成す一部 | 成功の要素を整理して提案します。 |
要求(ようきゅう) | 相手に求めること(少し強めの印象) | 顧客の要求に応じた設計が求められます。 |
前提(ぜんてい) | 成立や実行に必要な背景条件 | 実行するには技術的な前提が必要です。 |
英語表現
英語表現 | 意味 | 例文(英→日) |
---|---|---|
Requirement | 要求事項、要件(最も一般的) | The system meets all the requirements. |
(そのシステムはすべての要件を満たしています) | ||
Condition | 条件(契約や合意の前提) | The condition of the agreement is clearly stated. |
(契約の条件は明確に記載されています) | ||
Prerequisite | 前提条件、必要不可欠なもの | A bachelor's degree is a prerequisite for this job. |
(この仕事には学士号が前提条件です) | ||
Specification | 仕様、詳細な技術的条件 | Please review the system specifications. |
(システム仕様を確認してください) | ||
Criteria | 基準、判断のための要件 | The product must meet the safety criteria. |
(その製品は安全基準を満たす必要があります) |
「用件」の類語(言い換え)・英語

「用件」は、相手に伝えるべき伝達内容や要件の本題を指す言葉ですが、シーンによってはより柔らかくしたり、具体的にしたりすることで伝わりやすくなります。ここでは、日本語での類語と英語表現を紹介します。
類語・言い換え表現
類語・表現 | 意味・使いどころ | 例文 |
---|---|---|
用事(ようじ) | ややカジュアルな表現。「用件」とほぼ同じ | 急な用事ができたので、失礼します。 |
要伝達事項(ようでんたつじこう) | やや硬いが明確。「伝えるべき事柄」 | 会議での要伝達事項をまとめておいてください。 |
要点(ようてん) | 話の中心・重要な点 | まずは用件の要点からご説明いたします。 |
内容(ないよう) | より一般的・広い意味合い | メールの用件について、内容をご確認ください。 |
通知事項(つうちじこう) | 連絡・通知すべき事柄 | 用件というより、通知事項として配布されました。 |
英語表現
英語表現 | 意味・使いどころ | 例文(英→日) |
---|---|---|
Matter | 件、事柄(最も一般的・ビジネスメール向け) | I’m writing to discuss a business matter. |
(業務上の用件についてご連絡します) | ||
Message | メッセージ、伝言 | He left a message regarding the meeting. |
(会議に関する用件の伝言を残しました) | ||
Subject | 件名、議題(メールや議事録など) | The subject of this email is about your request. |
(このメールの用件はご依頼に関するものです) | ||
Business | 用件・仕事(口語で「用件」として使われる) | Do you have any business with me today? |
(今日は何かご用件ですか?) | ||
Request | 要望、依頼内容(依頼の意味を含む用件) | This email is to confirm your request. |
(ご用件の確認のためメールをお送りします) |
よくある質問(FAQ)

「要件」と「用件」の違いや使い方について、実際によく寄せられる疑問をQ&A形式でまとめました。日常やビジネスの中で迷いやすいポイントを整理し、正しい使い分けを再確認しましょう。
Q1. 「ご要件をお伺いします」は正しい表現ですか?
❌ 誤りです。
✅ 正しくは「ご用件をお伺いします」です。
「要件」は「条件」を意味するため、相手に“話の内容”を尋ねるときは「用件」が適切です。電話対応や受付などの場面では、必ず「ご用件」と言いましょう。
Q2. 「要件を伝える」という表現は使ってもいいの?
場合によっては使えますが、多くの場合は「用件を伝える」のほうが自然です。
「要件を伝える」は、業務やプロジェクトの条件や前提事項を伝達するという意味で使われることがありますが、一般的な会話やビジネスメールでは、「用件を伝える」の方が適しています。
Q3. 「要件」「用件」はどちらもビジネス用語ですか?
✅ どちらもビジネスで使われる言葉ですが、用途と文脈が異なります。
- 「要件」…契約条件、仕様、技術要件などの業務的・専門的な文脈で使用。
- 「用件」…電話やメールなどの伝達内容に関する文脈で使用。
Q4. メールの件名に「用件」と書いても問題ない?
問題ありませんが、より具体的な件名を使うことが望ましいです。
例えば、「○○に関するご用件のご連絡」とするよりも、「○○プロジェクトに関する確認のお願い」など、内容を明確にすると、受け手に伝わりやすくなります。
Q5. 会話の中で「要件がある」と言うのは変?
若干不自然に聞こえることがあります。「用件がある」と言う方が自然です。
ただし、例えば「契約には法的な要件がある」といった、専門的・客観的な説明なら「要件」が適切です。会話文で「用がある」=「用件がある」という意味で使いたい場合は、「用件」が適切です。
まとめ
「要件」と「用件」は、見た目も読み方も似ていますが、意味も使い方も明確に異なる言葉です。
「要件」は、何かを実現・達成するために必要な条件や前提を指します。主にビジネスの中でも、システム開発、契約、提案、会議の準備など、物事の根幹や構造に関わる重要な内容として使われます。例えば、「要件定義」や「契約の要件」などが代表的です。
一方の「用件」は、相手に伝えたい伝達内容や要点を意味し、電話、メール、対面などのコミュニケーションの中で頻繁に使用されます。たとえば、「ご用件は何でしょうか?」「用件を手短にお伝えします」といった使い方が一般的です。
混同しやすい二つの言葉ですが、以下のように覚えておくと便利です:
- 「条件・仕様に関する話」なら → 要件
- 「話の内容・伝えること」なら → 用件
ビジネスの場では、言葉の選び方ひとつで相手の印象や理解度が大きく変わることもあります。本記事で紹介した例文や言い換え表現、誤用のパターンを参考にしながら、正確でスマートな表現を身につけていきましょう。