「会う」と「合う」の違いと覚え方【例文50】友達・意見はどっち?

日本語には、同じ読み方でも異なる意味を持つ言葉が数多く存在します。その中でも特に混同されやすいのが、「会う」と「合う」という二つの言葉です。どちらも「あう」と読みますが、意味や使い方は大きく異なります。例えば、「友達にあう」と「意見があう」では、使われている漢字が異なるのに気づくでしょうか?
日常会話やビジネスシーン、さらには文章を書く際にも、この二つを正しく使い分けることはとても重要です。しかし、どちらを使えばよいか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
この記事では、「会う」と「合う」の違いや覚え方をわかりやすく解説し、例文をたっぷり50個以上ご紹介します。さらに、それぞれの英語表現や間違いやすい使い方も取り上げ、理解を深めていただけるよう構成しています。
言葉の正しい使い方を身につければ、あなたの表現力は一段とアップします。ぜひ最後まで読んで、「あう」の正しい使い分けをマスターしてください。
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友達に「会う」「合う」どっち?
✅ 正解:会う
理由:
「友達に会う」は、人と直接顔を合わせるという意味なので、「会う」が正しい表記です。
例文:
- 今日は久しぶりに友達に会いました。
- 明日、友達に会う約束をしています。
意見が「会う」「合う」どっち?
✅ 正解:合う
理由:
「意見が合う」は、考えが一致する・調和するという意味なので、「合う」を使います。
例文:
- 彼とは意見が合うので、一緒に仕事がしやすい。
- 意見が合わないこともあるけど、話し合えば解決できる。
「会う」と「合う」の違い

「会う」と「合う」は、どちらも「あう」と読みますが、意味・使い方ともに明確に異なります。ここでは、違いを視覚的にわかりやすく理解できるよう、比較表を用いて説明します。
基本の違いを比較表で確認
項目 | 会う(会) | 合う(合) |
---|---|---|
意味 | 人と顔を合わせる、面会する | 一致・調和・適合する |
対象 | 人 | 物・事・感情・意見 など幅広い |
用法 | 「人に会う」「先生と会う」 | 「意見が合う」「サイズが合う」 |
語感 | 接触・出会い | 一致・調和・適合 |
例文 | 明日、友達に会う予定です。 | この色は彼女に合っている。 |
「会う」の意味

「会う(あう)」は、人と直接顔を合わせることを意味します。対象となるのは「人」であり、物や抽象的な概念に対しては基本的に使いません。これは「出会う」「面会する」など、人との接触や交流に関係する動作を表す言葉です。
主な意味
- 人と顔を合わせる、接触する
- 例:友達に会う、初めて彼に会う
- 偶然に出くわす
- 例:街で先生に会った
- 約束して面会する
- 例:午後に取引先と会う予定だ
使用される主な場面
使用場面 | 説明 | 例文 |
---|---|---|
日常会話 | 友達や知人との面会 | 昨日、久しぶりに高校の友人に会った。 |
ビジネス | 商談や面談などの場 | 上司に会って報告した。 |
偶然の遭遇 | 約束なしで出くわす | 駅で偶然彼女に会った。 |
恋愛 | 好きな人と会う場面など | 来週、彼に会えると思うと楽しみです。 |
注意点
- 対象が「人」であることが原則。
- 「会う」は、計画的・偶然の両方に使える。
- 物事や感情、抽象的な対象に対しては使用しない。
「合う」の意味

「合う(あう)」は、複数の物事がぴったり一致・調和することや、互いに適合する状態を表す言葉です。対象は「物」や「事」、さらには「人の意見」「タイミング」「感情」など、幅広いものに適用されます。
主な意味
- 一致する・調和する
- 例:サイズが合う、服が似合う
- 適合する・ぴったりくる
- 例:この仕事は私に合っている
- 相互に作用し合う
- 例:気が合う、意見が合う
使用される主な場面
使用場面 | 説明 | 例文 |
---|---|---|
サイズや形 | 身体・物との適合 | この靴、足に合ってる! |
性格・感情 | 相性・感覚の一致 | 彼とは気が合うと思う。 |
意見・考え方 | 話し合いでの一致 | 上司と意見が合わない。 |
行動・タイミング | 動作のタイミングの一致 | 息が合った演奏だった。 |
注意点
- 対象は「人」「物」「事」など非常に幅広い。
- 「一致」「調和」「適合」の意味合いが基本。
- 使い方を誤ると、「会う」との混同が生じやすい。
「会う」と「合う」の覚え方

「会う」と「合う」は同じ音でも意味が異なるため、覚え方に工夫が必要です。ここでは、漢字の意味や語呂合わせ、イメージによる記憶法を紹介します。
漢字から覚える方法
■「会う」の「会」は「人に会う」と覚える
- 「会」という字は、人が向かい合って集まる様子を表す漢字です。
- 人と向かい合う、会話するといった場面に使われることが多い。
- ➤ ポイント:『人と会う=会』
■「合う」の「合」は「ピッタリ合う」と覚える
- 「合」は「ふたつのものがぴったり一致する」という意味を持ちます。
- ふたつの手がぴったり合わさる様子(合掌)をイメージすると覚えやすい。
- ➤ ポイント:『調和・一致=合』
語呂合わせで覚える方法
- 「会うときは顔を合わせる」
- 顔を会わせる → 会う
- 「合うときはサイズがぴったり合う」
- サイズがぴったり合う → 合う
イメージ記憶法
■「会う」は人の顔を思い浮かべる
- 友達や先生など、人と実際に顔を合わせているシーンを思い出す。
- 顔が見えるなら「会う」。
■ 「合う」はパズルや服を思い浮かべる
- 服や靴、ジグソーパズルなどがピタッと合わさるイメージ。
- ぴったり重なるなら「合う」。
シチュエーション別の記憶のヒント
シーン | キーワード | 使用漢字 |
---|---|---|
恋人に会う | 人と顔を合わせる | 会う |
意見が合う | 考えが一致する | 合う |
服が似合う | センス・調和 | 合う |
上司に会いに行く | 面会・接触 | 会う |
「会う」と「合う」の使い分け

「会う」と「合う」は読み方が同じため、文脈を意識しないと間違いやすい言葉です。ここでは、使い分けの具体的なルールと注意点を詳しく解説します。
基本の使い分けルール
状況 | 使う漢字 | 解説 | 例文 |
---|---|---|---|
人と顔を合わせるとき | 会う | 面会・接触が目的 | 明日、先生に会います。 |
意見や感覚が一致するとき | 合う | 一致・調和を表す | 彼とは考え方が合う。 |
服・サイズなどの適合 | 合う | ピッタリ合うこと | この靴はサイズが合わない。 |
人と気が合う | 合う | 性格や趣味の一致 | 彼とは本当に気が合う。 |
約束して面会するとき | 会う | 計画的な面会 | 明日、クライアントに会う予定です。 |
文脈での判断方法
- 対象が「人」か「物・事」かで判断
- 人:→「会う」
- 物・事(意見、服、性格など):→「合う」
- 動詞の意味を確認
- 出会う・接触 → 「会う」
- 一致・調和 → 「合う」
間違いやすい例
誤用 | 正しい表現 | 解説 |
---|---|---|
意見が会わない | 意見が合わない | 「一致しない」は「合う」を使う |
昨日、社長に合いました | 昨日、社長に会いました | 「人と面会する」なので「会う」 |
このジャケットが彼に会っている | このジャケットが彼に合っている | 似合うは「合う」 |
チェックポイント
- 「誰に?」と尋ねられる場合 → 「会う」
- 例:誰に会いましたか?
- 「何と?」と尋ねられる場合 → 「合う」
- 例:何と合いますか?
「会う」の使い方【例文20】

「会う」は、人と直接顔を合わせる、出会う、面会するなどの意味を持ちます。ここでは、日常・ビジネス・偶然の出会い・恋愛・特別な状況など、幅広い場面に分けて具体的な例文を紹介します。
- 今日は久しぶりに友達に会いました。
- 明日、母に会いに実家へ帰ります。
- 子どもの頃の友人と偶然駅で会った。
- 新年会で上司に会いました。
- 昔の恩師に会うのが楽しみです。
- クライアントに会って商談をしました。
- 社長に直接会って報告することになった。
- 面接で初めて採用担当者に会いました。
- 本日15時に担当者と会う予定です。
- 出張先で現地スタッフと会う機会がありました。
- 街を歩いていたら、友人にばったり会った。
- 旅先で昔の同僚に会ったのは驚きでした。
- スーパーで先生に会うとは思わなかった。
- 彼に初めて会った日のことは今でも覚えています。
- 明日は彼女に会えると思うとワクワクします。
- デートで彼に会うのが待ち遠しい。
- 婚活パーティーで素敵な人に会いました。
- 長年会っていなかった親戚に会った。
- 芸能人に会ったことがありますか?
- 小説の登場人物のような人に会ってみたい。
「合う」の使い方【例文20】

「合う」は、物事が一致・調和・適合する場面で使います。人間関係、感覚、時間、サイズなど、使われる文脈は多岐にわたります。
- この靴は私の足に合っています。
- 彼とは性格が合うと思います。
- この料理はワインによく合う。
- ふたりのタイミングが合わなくて、なかなか会えない。
- このネクタイはスーツに合っていない。
- 彼女とは本当に気が合う。
- その考え方にはどうしても合わない。
- あなたのセンスとは合わないかもしれない。
- 趣味が合う人とは話していて楽しい。
- その冗談、ちょっと私には合わないかも。
- 会議では全員の意見が合った。
- 私の意見と君の意見は合っていないようだ。
- この方法なら、みんなの条件に合うと思う。
- 話し合いの結果、方向性が合った。
- チーム全体の方向性と彼の考えが合っていない。
- 予定が合わず、今回は見送ることにした。
- この数式は条件に合っている。
- 彼の話と事実が合わない気がする。
- お互いの都合が合えば、明日会いましょう。
- 部品がきちんと合っていないと、うまく動かない。
間違えやすい使い方【例文10】

「会う」と「合う」は読み方が同じため、特に文章での誤用が多く見られます。この章では、間違えやすい例と、その正しい表現をセットで紹介します。どこで間違っているのか、なぜ修正が必要なのかも簡単に解説します。
- ❌ 意見が会わない → ✅ 意見が合わない
→ 意見の「一致/不一致」は「合う」を使います。 - ❌ 上司に合って話した → ✅ 上司に会って話した
→ 人と顔を合わせるなら「会う」が正解です。 - ❌ この服、彼に会ってるね → ✅ この服、彼に合ってるね
→ ファッションや似合う/似合わないは「合う」。 - ❌ 昨日、新しい先生に合いました → ✅ 昨日、新しい先生に会いました
→ 人に面会したので「会う」を使います。 - ❌ 気が会う人といると落ち着く → ✅ 気が合う人といると落ち着く
→ 性格や感覚の一致も「合う」です。 - ❌ 時間が会わないので別の日にしよう → ✅ 時間が合わないので別の日にしよう
→ スケジュール・タイミングは「合う」が適切です。 - ❌ クライアントに合って交渉した → ✅ クライアントに会って交渉した
→ 人と面談したなら「会う」。 - ❌ 考え方が全く会わない → ✅ 考え方が全く合わない
→ 考え方の一致も「合う」です。 - ❌ この指輪、サイズが会ってない → ✅ この指輪、サイズが合ってない
→ サイズの一致は「合う」を使います。 - ❌ 芸能人に合ったことがある → ✅ 芸能人に会ったことがある
→ 人と接触した体験は「会う」が正解です。
「会う」の英語表現・英文

「会う」は英語で一般的に meet や see などで表現されます。ただし、英語では状況によって動詞の選び方が変わるため、日本語ほど単純ではありません。ここでは、「会う」のニュアンスに応じた適切な英語表現と例文を紹介します。
基本表現
- meet(ミート):初対面、または計画的に会うときに使う
- see(シー):既に知っている人と会う、定期的に会う
- run into / bump into:偶然に人に会う
- get together:集まる、会合する(カジュアル)
英文例と解説
- I'm going to meet my client at 3 p.m.
(午後3時にクライアントに会う予定です)
※ビジネスの場で初対面、または面会を指す場合 - I finally met my girlfriend's parents last weekend.
(先週末、やっと彼女の両親に会いました)
※重要な初対面の場面 - I often see my coworkers outside of work.
(仕事以外でもよく同僚に会います)
※すでに知っている人との定期的な接触 - I ran into my old friend at the station.
(駅で昔の友人にばったり会いました)
※偶然の出会いには run into を使う - Let's get together for dinner this weekend.
(今週末、夕食に会おう/集まろうよ)
※カジュアルな集まりを提案するとき
注意点
- meet は初対面やフォーマルな場面に適しており、ビジネスにもよく使われます。
- see はカジュアルで、親しい人との会話に適しています。
- 「会って話す」などの文脈では、talk to, have a meeting with などの表現も使われます。
「合う」の英語表現・英文

「合う」は、英語ではfit、match、suit、agree withなど、文脈に応じてさまざまな単語が使われます。対象がサイズ・意見・性格・条件などで異なるため、適切な動詞や表現を選ぶことが重要です。
主な英語表現とニュアンス
日本語の意味 | 英語表現 | 説明 |
---|---|---|
サイズ・形が合う | fit | 体や物にぴったり |
色・デザインが合う | match | 色・柄などの組み合わせ |
人や状況に合う | suit | 似合う、ふさわしい |
意見・考えが合う | agree with | 同意する、意見が一致する |
気が合う | get along with | 仲が良い、相性が良い |
英文例と解説
- These shoes fit me perfectly.
(この靴は私の足にぴったり合います)
※身体とのサイズの一致 - Your tie matches your jacket nicely.
(君のネクタイはジャケットによく合っている)
※色やデザインの調和 - That job really suits you.
(その仕事はあなたに合っていると思います)
※人物と状況の適合 - I completely agree with your opinion.
(あなたの意見に完全に賛成です)
※意見の一致 - We get along well because we have similar interests.
(趣味が似ているから、私たちは気が合います)
※性格や趣味の相性 - Our schedules don't match, so we had to cancel.
(予定が合わなかったのでキャンセルした)
※時間や予定の不一致
注意点
- 日本語の「合う」は1語でも、英語では使い分けが必要です。
- 「似合う」は suit、「相性がいい」は get along、「一致する」は fit や agree を文脈に合わせて使います。
- 単語の意味だけでなく、どんな対象に対して使っているのかが判断のカギになります。
よくある質問

ここでは、「会う」と「合う」の使い分けに関して、特によく寄せられる疑問をQ&A形式でまとめました。実際に迷いやすいポイントを整理し、理解を深めていただければと思います。
Q1. 「会合」や「会議」は「会う」の仲間ですか?
A. はい、「会合」「会議」は『会う』に由来する言葉です。
どちらも人が集まって会うことを前提にしているため、「会う」に関連した意味を持ちます。漢字の「会」には「人が集まる」という意味があります。
Q2. 「似合う」は「会う」?「合う」?
A. 「合う」です。
「似合う」は、服装や髪型などが人に調和している、ぴったりしているという意味なので、「合う」を使います。
Q3. 「会ったことがある」と「合ったことがある」は、どちらが正しい?
A. 「会ったことがある」が正しいです。
人と接触・面会した経験を表す場合は、「会う」を使います。「合ったことがある」という言い方は、たとえば「サイズが合ったことがある」など、物事の一致にしか使いません。
Q4. 「気が合う」と「気が会う」はどう違う?
A. 正しいのは「気が合う」です。
「気が合う」は性格や感覚が一致していて、相性が良いことを意味します。これは物事の調和を示すので、「合う」が使われます。
Q5. 「条件に合う」は正しい表現?
A. はい、正しいです。
「条件に合う」は、その条件に一致する、適合するという意味なので、「合う」を使うのが適切です。
Q6. 「彼に会って話した」と「彼に合って話した」は意味が違いますか?
A. 意味も文法も異なります。
「彼に会って話した」は、人と面会して話すという正しい使い方です。
「彼に合って話した」は意味不明になり、文法的にも誤りです。
まとめ
「会う」と「合う」は、同じ「あう」という読み方を持つにもかかわらず、意味も使い方も大きく異なる言葉です。「会う」は主に人と接触する・面会するという意味で使われ、「合う」は物事が一致する・調和するといった意味を持ちます。
本記事では、それぞれの言葉の意味を明確に解説し、違いを比較表で視覚的に整理しました。また、覚え方のコツや使い分けのポイント、例文50個(+誤用例10個)を通じて、実践的な理解を深めていただけたかと思います。
さらに、英語表現やよくある疑問にも触れ、総合的に「会う」と「合う」を使いこなせるようになる内容を網羅しました。
これを機に、日常会話や文章作成で迷わず正確に使えるよう、ぜひ復習して定着させてください。
言葉の正確な使い分けは、あなたの日本語力を一段と高めてくれるはずです。