会う・遭う・合う・逢う・遇うの違い【例文120】使い方マスター

人に会う

日本語には「会う」「遭う」「合う」「逢う」「遇う」など、同じ読み方をする「アウ」という言葉が複数存在します。どれも「人と接触する」「物事が交わる」といった共通のニュアンスを持ちながら、漢字が異なることで意味や使い方が大きく異なる点が特徴です。

たとえば、「友人に会う」と「恋人に逢う」はどちらも「人に会う」ことを指しますが、使われる場面や感情の込め方が違います。また、「事故に遭う」や「意見が合う」などのように、文脈に応じた漢字の使い分けが求められます。

普段何気なく使っている「アウ」も、正確に理解して使い分けることで、文章の精度が高まり、読み手により深い印象を与えることができます。

本記事では、「会う」「遭う」「合う」「逢う」「遇う」の5つの漢字に焦点を当て、それぞれの意味や使い方、違いを徹底解説します。さらに、各漢字ごとに例文を20個ずつ(合計120例文)ご紹介し、実際の使用イメージを明確にします。

また、混乱しやすいポイントや誤用例、よくある質問なども取り上げ、初学者から上級者まで役立つ内容となっています。ぜひ最後までお読みいただき、日常会話やビジネス文書、文学作品などにおける語彙力向上にお役立てください。

目次

会う・遭う・合う・逢う・遇うの違い

発見マーク

「アウ」と読む5つの漢字は、いずれも「出会い」「交わり」という共通の意味を持ちながら、使われる場面や対象によって適切な漢字が異なります。以下の表で、それぞれの漢字が使われる具体的な用途の特徴を比較します。

漢字主な意味用途の特徴
会う人と対面するもっとも一般的な「出会い」。日常的・フォーマル問わず、人と会う場面全般に使える。
遭う災難やトラブルに出会う事故や災難など、予期しない悪い出来事に直面する場面で使われる。
合う一致・調和するサイズ、性格、意見、気持ちなどがぴったり一致する・合致する状況に使う。
逢う感情的・特別な人との出会い恋人や大切な人との出会いや再会など、感情がこもった対面を表現する文学的な表現。
遇う偶然出会う/待遇を受ける思いがけない人との出会いや、人からどのような扱いを受けたかに焦点を当てた文語的表現。

「会う」の意味

仲間と会っておしゃべり

「会う(あう)」は、もっとも一般的に使われる「アウ」の表記で、「人と対面する」「誰かに出会う」といった意味を持ちます。漢字の「会」は、「人が一つところに集まる」「交わる」という意味を含んでおり、基本的には人と物理的・社会的に接触する場面で使われます。

主な意味:

  1. 人と面と向かって出会うこと
     例:今日、友達に会った。
  2. 面会・対面・会談など、フォーマルな場面でも使用可能
     例:社長に会って話をした。
  3. 初対面だけでなく、再会や定期的な接触も含む
     例:毎週、先生に会って指導を受けている。

ポイント:

  • 一般的でカジュアルな文脈でも、ビジネスやフォーマルな場でも使える便利な表現です。
  • 基本的には意図的・計画的な対面を指すことが多いですが、偶然の出会いにも使われることがあります(その場合、「偶然会った」と補足するのが自然です)。

「遭う」の意味

警察官

「遭う(あう)」は、主に予期せぬよくない出来事や災難に出くわすことを表す言葉です。偶然起こった望ましくない出来事に直面したときに使われます。

漢字の「遭」には「出くわす」「出会う」という意味がありますが、肯定的な出会いではなく、不運や困難に対する遭遇に特化して使われる点が特徴です。

主な意味:

  1. 事故やトラブルなど、好ましくない出来事に出くわすこと
     例:交通事故に遭った。
  2. 困難や災害、試練などに直面すること
     例:大きな失敗に遭い、会社を辞めることになった。

ポイント:

  • 「遭う」は主に悪い出来事限定で使われます。良いことに対しては通常使いません。
  • 多くの場合、偶然・不本意に起きた事象に用いられます。
  • 書き言葉・話し言葉の両方で使われますが、ビジネス文書や報道などのフォーマルな文脈でも自然です。

「合う」の意味

似合う服

「合う(あう)」は、「一致する」「調和する」「ぴったりする」といった物事や人との調和・適合・一致を表す言葉です。人間関係だけでなく、物理的なサイズや性質など、幅広い場面で使われる非常に汎用性の高い表現です。

主な意味:

  1. 物理的な一致や適合
     例:この靴は足に合っている。
  2. 気持ちや性格、考え方が一致すること
     例:彼とは性格が合う。
  3. 目やタイミング、条件などが一致すること
     例:目が合った/タイミングが合わない。

ポイント:

  • 「合う」は、人や物の相性や一致感を示す際に使われます。
  • 肯定的・中立的な文脈で使われることが多く、否定的な文脈では「合わない」と否定形で表現されます。
  • 抽象的な内容(性格、価値観)にも、具体的な内容(サイズ、形)にも使えるのが特徴です。
  • 動詞と組み合わせて複合動詞を作ることが多く、例:「話し合う」「付き合う」「助け合う」など。

「逢う」の意味

出逢い

「逢う(あう)」は、「会う」と同じく人と出会うことを意味しますが、特に感情的なつながりが強い出会いや、恋愛・再会・運命的な対面といった、より情緒的・文学的な場面で使われます。

この漢字は日常生活よりも、小説、詩、和歌など文芸的な表現に用いられることが多く、「ただ会う」だけではなく、「特別な意味を持つ出会い」を強調する際に選ばれます。

主な意味:

  1. 恋人や大切な人と出会う・再会すること
     例:久しぶりに恋人と逢った。
  2. 宿命的・感動的な出会い
     例:運命の人に逢った気がした。

ポイント:

  • 感情や情景をドラマチックに描写したいときに使うのが特徴です。
  • 「会う」に比べてロマンチック・感傷的なニュアンスを帯びます。
  • 現代ではあまり日常的には使われず、文学的・芸術的表現に特化した漢字といえます。
  • 恋愛小説や歌詞、ポエムなどで見かけることが多いですが、意味としては「会う」と共通する部分も多くあります。

「遇う」の意味

四つ葉のクローバー

「遇う(あう)」は、他の「アウ」と比べてやや古風・文語的な表現で、偶然に人と出会うことや、人からどのような扱い(待遇)を受けるかという意味を含んでいます。現代の日常会話ではあまり多用されませんが、文章や書き言葉、特に歴史的・文学的な文脈で使われることがあります。

主な意味:

  1. 思いがけず人と出会うこと
     例:旅先で旧友に遇う。
  2. 人からの扱い・待遇を受けること
     例:丁重にもてなされ、良い遇され方をした。

ポイント:

  • 「会う」と似た意味も持ちますが、偶然性が強調される点が異なります。
  • また、「待遇」の意味を含むため、「厚遇(こうぐう)」「冷遇(れいぐう)」などの熟語でも使われます
  • 文語・書き言葉に向いており、現代の話し言葉ではやや硬い印象を与える場合があります。
  • 公的な場面や歴史的な語り口の中で使うと、品格や格式を感じさせる効果があります。

会う・遭う・合う・逢う・遇うの正しい使い方と使い分け

発見マーク

「アウ」と読む5つの漢字は、それぞれ意味や用法に明確な違いがあります。文脈や目的に応じて適切な漢字を選ぶことが、正しい日本語表現の第一歩です。

ここでは、それぞれの漢字の選び方と、間違えやすいポイントを解説します。

①「会う」は最も一般的な出会いに使う

  • 使う場面:人と実際に顔を合わせる、打ち合わせ、面談など
  • ポイント:相手が誰であっても基本的には「会う」で問題ありません。
  • :明日、友達に会う予定です。

②「遭う」は悪い出来事に使う

  • 使う場面:事故・災難・トラブルなど
  • ポイントポジティブな事柄には絶対に使わないように注意しましょう。
  • :旅行中に思わぬトラブルに遭いました。

③「合う」は一致や調和に使う

  • 使う場面:性格、意見、サイズ、タイミングなどの一致
  • ポイント:「目が合う」「話が合う」など、行動や心理の一致にも用います。
  • :彼とは趣味が合うので気が楽だ。

④「逢う」は感情を伴う特別な出会いに使う

  • 使う場面:恋人、運命的な人物、大切な人との出会いや再会
  • ポイント:日常的な出会いよりも、情緒的・詩的な文脈にふさわしい。
  • :遠距離の恋人と久しぶりに逢えた。

⑤「遇う」は偶然の出会いや待遇に使う

  • 使う場面:思いがけない人物との出会い/もてなし・扱われ方
  • ポイント:現代では文章表現が中心。厚遇(こうぐう)・冷遇(れいぐう)といった語にも使われる。
  • :旅先で旧友に遇ったのは本当に驚きでした。

「会う」の使い方【例文20】

出会い

「会う」は、人と実際に顔を合わせるときに使われる、もっとも基本的な表現です。日常会話からビジネス、フォーマルな場面まで幅広く使えるため、使い方をしっかりマスターしておきましょう。

以下に、「会う」の使い方を示す例文を20個ご紹介します。シーン別に分けて解説します。

日常生活での使用

  1. 明日、友達と駅で会う予定です。
  2. 久しぶりに親戚に会いました。
  3. 買い物中に偶然、クラスメイトに会った。
  4. バス停で彼に会ったときはびっくりした。
  5. 週末はいつも祖父母に会いに行きます。

フォーマル・ビジネスでの使用

  1. 本日は社長に会って直接報告しました。
  2. 重要なお客様に会う前に、資料を準備してください。
  3. 明日、面接で人事担当に会うことになっています。
  4. 昨日、取引先の担当者と初めて会いました。
  5. プレゼンの後、役員の方々に会う機会をいただきました。

再会・特別な出会い

  1. 卒業式で恩師に会えてとても感動しました。
  2. 初恋の人に十年ぶりに会った。
  3. 留学先で日本人に会って安心した。
  4. ネットで知り合った人に初めて会うことになった。
  5. 昔の友人に会って、昔話に花が咲いた。

計画的な対面

  1. 来週、上司と会って相談します。
  2. 明日の午後2時に駅で会いましょう。
  3. 彼に会うために、わざわざ新幹線で出かけた。
  4. 会いたい人がいるので、連絡を取ってみます。
  5. アポを取ってから会いに行ってください。

「遭う」の使い方【例文20】

トラブルに遭う

「遭う」は、事故や災難、トラブルなど、予期しない悪い出来事に直面したときに使う表現です。ポジティブな内容には用いないのがポイントです。以下に、さまざまな状況における例文を20個ご紹介します。

事故・災害に遭う

  1. 大雨による土砂崩れに遭った。
  2. 自転車で転倒し、けがに遭ってしまった。
  3. 海外旅行中に盗難に遭いました。
  4. 大雪で立ち往生するトラブルに遭った。
  5. 地震で建物の崩壊に遭い、避難を余儀なくされた。

トラブル・困難に遭う

  1. 就職活動中に多くの失敗に遭いました。
  2. 通勤中に電車の遅延トラブルに遭遇。
  3. 引っ越し先で隣人トラブルに遭って困っています。
  4. 予想外の出費に遭い、生活が厳しくなった。
  5. 大事な発表の直前にネット回線の不具合に遭った。

人間関係・社会的問題に遭う

  1. 職場でパワハラに遭った経験があります。
  2. 学生時代、いじめに遭って辛かった。
  3. 詐欺に遭って、お金をだまし取られた。
  4. 顧客とのクレーム対応で激しい非難に遭いました。
  5. SNS上で誹謗中傷に遭ってしまった。

思いがけない状況・予期せぬ展開

  1. 出張先で急なキャンセルに遭った。
  2. 面接中に想定外の質問に遭遇した。
  3. 台風の影響で電車の運休に遭い、帰れなくなった。
  4. 旅行中に道に迷うというアクシデントに遭った。
  5. 開店直後の混雑に遭い、1時間以上並ぶ羽目になった。

「合う」の使い方【例文20】

パズルのピースが合う

「合う」は、物事や人が一致・調和・適合していることを表す言葉です。性格や意見の一致、サイズのぴったり感など、抽象的にも具体的にも使える便利な語です。ここでは、使用頻度の高い表現を中心に、例文を20個ご紹介します。

性格・相性・気持ちが合う

  1. 彼とは考え方がよく合う。
  2. 初対面なのに、すぐに気が合った。
  3. 性格が合う友人とは長く付き合える。
  4. 趣味が合う人と話すのは楽しい。
  5. 一緒にいると波長が合うと感じる。

意見・タイミング・条件が合う

  1. 全員の意見が合うのは珍しい。
  2. 二人の希望がうまく合ったので、計画がスムーズに進んだ。
  3. 面接の日程が合わず、延期になった。
  4. 旅行の日程が合えば、一緒に行こう。
  5. 彼の提案と私の考えがぴったり合った。

サイズ・形・物理的な一致

  1. このシャツはサイズがちょうど合う。
  2. 靴が足にぴったり合っていて歩きやすい。
  3. 新しいソファは部屋の雰囲気に合っている。
  4. 掛け布団のカバーがうまく合わなかった。
  5. キーホルダーの形が鍵穴と合わない。

目・声・顔などの一致や行動

  1. ふと目が合った瞬間、ドキッとした。
  2. 教室で彼女と視線が合った。
  3. 会話中に呼吸が合っていて心地よい。
  4. ダンスの動きがきれいに合っていた。
  5. チームメンバーとテンポが合っていたので、作業がはかどった。

「逢う」の使い方【例文20】

エンゲージリング

「逢う」は、「会う」と似た意味を持ちますが、感情のこもった、特別な人物との出会いや再会に使われる表現です。恋愛、小説、詩など文学的な文脈で使われることが多く、日常のカジュアルな会話ではあまり登場しません。以下に、感情や雰囲気を重視した「逢う」の例文を20個ご紹介します。

恋人・愛する人との出会い

  1. 愛する人にやっと逢えた。
  2. 初めて逢ったその日から、心を奪われた。
  3. 彼女と夜の公園で密かに逢った。
  4. 逢いたい気持ちを抑えられず、彼に連絡した。
  5. 夢にまで見た人に現実で逢えた奇跡。

別れ・再会・運命的な出会い

  1. 何年ぶりかに彼に逢ったとき、涙が出た。
  2. 運命の人に逢った瞬間、時が止まったように感じた。
  3. 別れてからも、いつかまた逢えると信じている。
  4. 最後に逢ったのは、あの日の夕暮れだった。
  5. 偶然、昔の恋人に逢って動揺した。

文学的・詩的な表現

  1. 逢瀬(おうせ)を重ねる二人の恋は禁じられていた。
  2. 風の中で彼の面影に逢う。
  3. 月明かりの下で逢う約束をした。
  4. 歌の歌詞にある「あなたに逢いたい」という言葉に共感した。
  5. 再び逢える日は来るのだろうか。

切ない気持ちや叶わぬ願い

  1. もう一度だけ逢いたい、それだけが願いです。
  2. 二度と逢えないとわかっていても、忘れられない。
  3. 心の中では、今でもあなたに逢い続けている。
  4. 逢いたくてたまらない夜が続いている。
  5. 幻に逢ったような、そんな感覚だった。

「遇う」の使い方【例文20】

驚く人

「遇う」は、偶然に人と出会う、または人から受ける待遇や接し方を表す言葉です。やや古風で文語的な印象があり、現代の会話ではあまり頻繁には使われませんが、格式のある文章や公的な文脈、または感情を抑えた丁寧な表現として用いられることがあります。

以下に、「遇う」を使った例文を20個ご紹介します。2つの意味(①偶然の出会い、②待遇・扱い)に分けて紹介します。

偶然に出会う(出会いとしての「遇う」)

  1. 旅先で旧友に遇ったのは思いがけない出来事だった。
  2. 駅で偶然、恩師に遇って昔話に花が咲いた。
  3. 公園で彼に遇ったとき、言葉が出なかった。
  4. その日、私は運命の人に遇った。
  5. 通りすがりに昔の同僚に遇ったのは奇跡のようだった。
  6. 知らない街で日本人に遇って安心した。
  7. 思い出の場所で彼女に再び遇った。
  8. 初めて会う人なのに、どこかで遇った気がした。
  9. 偶然にも元上司に遇い、再会を喜んだ。
  10. 歴史的な偉人に似た人に街で遇った。

待遇・もてなしを受ける(扱いとしての「遇う」)

  1. 外国からの賓客は手厚く遇(ぐう)された。
  2. 彼は厚遇されて、すぐに役員に昇進した。
  3. 貧しい身なりの者は冷たく遇(ぐう)された。
  4. 彼女の努力は正当に遇(ぐう)られるべきだ。
  5. 若者を平等に遇(ぐう)する社会でありたい。
  6. 丁重に遇(ぐう)され、感動すら覚えた。
  7. 政府高官として特別に遇(ぐう)された経験がある。
  8. 面接で冷遇され、悲しい気持ちになった。
  9. 同じ立場なのに、なぜ彼だけが優遇されるのか。
  10. 異国の地で心温まる遇(ぐう)され方を受けた。

間違えやすい使い方【例文20】

「会う」「遭う」「合う」「逢う」「遇う」は、いずれも「アウ」と読むため、意味や使い方を正確に理解していないと誤った漢字を使ってしまうことがあります。特に、災難や調和、感情的な出会いなど、文脈によって適切な漢字が異なる点に注意が必要です。

以下に、よくある間違いとその正しい使い方を、例文形式でご紹介します。

「会う」 vs 「遭う」

:事故に会った。
:事故に遭った。

:泥棒に会って、財布を取られた。
:泥棒に遭って、財布を取られた。

:困難に会ったとき、どう乗り越えるかが大事です。
:困難に遭ったとき、どう乗り越えるかが大事です。

:失敗に会っても諦めないで。
:失敗に遭っても諦めないで。

:悪天候に会って、電車が止まった。
:悪天候に遭って、電車が止まった。

「合う」 vs 「会う」

:彼とはよく会う。性格も会う。
:彼とはよく会う。性格も合う。

:服のサイズが会わない。
:服のサイズが合わない。

:彼女とは価値観が会わない。
:彼女とは価値観が合わない。

:目が会った瞬間、恋に落ちた。
:目が合った瞬間、恋に落ちた。

:意見が会うことは難しい。
:意見が合うことは難しい。

「逢う」 vs 「会う」

:恋人に会いたい。
:恋人に逢いたい。(※感情を強調したい場合)

:久しぶりに彼女に会って感動した。
:久しぶりに彼女に逢って感動した。

:彼と夜に会う約束をした。
:彼と夜に逢う約束をした。

:夢の中で彼に会った。
:夢の中で彼に逢った。

:再び会える日を楽しみにしている。
:再び逢える日を楽しみにしている。

「遇う」 vs 「会う」

:旅先で旧友に会った。
:旅先で旧友に遇った。(※格式ある文語表現)

:彼は貴族に会って歓待された。
:彼は貴族に遇って歓待された。

:彼は厚く会われた。
:彼は厚く遇された。

:面接で冷たく会われた。
:面接で冷たく遇(ぐう)された。

:運命の出会いに会った。
:運命の出会いに遇った。(※やや古風な表現)

よくある質問

Q&A

ここでは、「会う・遭う・合う・逢う・遇う」の使い分けについて、読者の方からよく寄せられる疑問にお答えします。


Q1. 「会う」と「逢う」の違いは何ですか?

A. どちらも「人に出会う」という意味ですが、「逢う」は感情がこもった特別な出会いを表します。恋人や大切な人との再会、詩的・文学的な文脈で使われることが多いです。日常的な出会いには「会う」を使うのが一般的です。


Q2. 「合う」と「遭う」はどう使い分ければいいですか?

A. 「合う」は一致・調和を表すときに使います(例:意見が合う、サイズが合う)。一方、「遭う」は災難やトラブルに直面するときに使います(例:事故に遭う)。意味がまったく異なるので注意が必要です。


Q3. 「遇う」は今でも使われていますか?

A. 「遇う」はやや文語的・格式ある表現で、現代の日常会話ではあまり見かけません。ただし、「厚遇(こうぐう)」「冷遇(れいぐう)」といった熟語としてはよく使われています。文章表現や歴史的な文脈で使用されることがあります。


Q4. 「逢う」を使っても意味は通じますか?

A. 通じますが、文脈に合っていればという条件つきです。たとえば、「先生に逢いました」などビジネスやフォーマルな文脈では不自然に感じられるため、そういった場では「会う」を使うのが無難です。


Q5. SNSやメッセージで「逢いたい」「逢えた」と書くのはおかしいですか?

A. 恋愛や感情を表現する場面では自然です。メッセージや詩的な文章、歌詞などで「逢う」を使うことで、気持ちの深さや特別さを強調する効果があります。ただし、形式的な文章では避けましょう。

まとめ

「会う」「遭う」「合う」「逢う」「遇う」は、すべて「あう」と読みますが、それぞれ異なる意味と使い方を持っています。

「会う」は最も一般的な対面、「遭う」は予期しない災難、「合う」は調和や一致、「逢う」は感情を伴う特別な出会い、「遇う」は偶然の出会いや待遇に関する表現です。

読みが同じであるがゆえに混同しやすいこれらの言葉ですが、文脈に応じて正しく使い分けることが大切です。正しい漢字を選ぶことで、伝えたいニュアンスがより明確になり、文章の表現力も向上します。例文を通して、各言葉のニュアンスや使用場面をしっかりと理解し、日常の会話や文章で自信を持って使いこなせるようになりましょう。