「習得」「修得」の違いと意味|仕事・語学・スキルはどっち?

「習得」と「修得」、どちらも「何かを身につける」という意味を持つ日本語ですが、いざ使おうとすると「どっちが正しいの?」と迷う方は多いのではないでしょうか。
たとえば、「英語を〇〇した」「資格を〇〇した」「プログラミングを〇〇した」といった表現。あなたなら「習得」「修得」どちらを選びますか?
実はこの2語、似ているようで明確な違いがあります。「習得」は“習って身につける”ことを強調し、「修得」は“体系的に修めて得る”ことに重きが置かれます。
ビジネスシーンや学習の場での使い分けを間違えると、場合によっては「言葉の使い方を知らない人」という印象を与えてしまうかもしれません。
本記事では、
- 「習得」と「修得」の意味の違い
- 用途別の使い分け(仕事・語学・スキル・知識・技術・単位)
- 例文50選
- 英語表現との比較
- よくある誤用と正しい表現
など、豊富な例とともに詳しく解説します。
この記事を読み終える頃には、「習得」と「修得」の使い分けに迷わなくなるはずです。ぜひ最後までご覧ください。
目次
仕事は「習得」と「修得」どっち?

結論から言うと、仕事に必要なスキルや知識を身につける場合は「習得」を使うのが一般的です。
●理由:仕事は実践を通じて身につけるもの
「習得」は、実際にやってみて、経験を重ねながら身につけるという意味があります。仕事のスキルや知識は、教科書だけで学ぶのではなく、現場で体験しながら磨いていくものが多いため、「習得」が自然です。
●例文
- 新しい業務フローを習得するため、先輩の指導を受けた。
- プレゼンテーションスキルを習得するには、場数を踏むことが大切だ。
- チームマネジメントを習得するには時間がかかる。
- 入社1年目で基本的なビジネスマナーを習得した。
語学は「習得」と「修得」どっち?

語学に関しては、「習得」が一般的な表現です。
●理由:語学は「使って覚える」もの
語学学習は、単に文法や語彙を覚えるだけでなく、聞く・話す・読む・書くという4技能を通じて、実際に使いながら身につけていくものです。このように、繰り返し練習を重ねて身につけるというプロセスがあるため、「習得」が適切です。
●例文
- 英語を習得するために、毎日オンライン英会話を受講している。
- 留学中にスペイン語を習得した。
- 子どもは遊びながら自然に言語を習得する力がある。
- TOEICの勉強を通じて、実用的な英語表現を習得できた。
スキルは「習得」と「修得」どっち?

結論として、スキルを身につける場合は「習得」を使うのが一般的です。
●理由:スキルは実践と反復で身につけるもの
スキル(skill)とは、ある作業や活動をこなすための「実践的な能力」のことを指します。たとえば、プログラミングスキル、営業スキル、プレゼンテーションスキルなどは、知識だけではなく、実際の行動を通じて身につけるものです。
このような「体得的」「経験的」な学びのプロセスにふさわしい言葉が「習得」です。
●例文
- プログラミングスキルを習得するために、自作アプリを開発している。
- 論理的思考スキルは、日々の訓練によって習得できる。
- デザインツールの操作スキルを短期間で習得した。
- コーチングスキルを習得し、部下育成に活かしている。
知識は「習得」と「修得」どっち?

知識に関しては、「修得」を使うのがより適切です。
●理由:知識は体系的に学び取るもの
「知識」とは、物事の内容や情報、概念などを頭の中に理解として取り込むことを指します。これは、講義や教材、読書などを通じて計画的に学ぶことが多く、その場合は「修得」の方がしっくりきます。
「修得」には、「修める(おさめる)」という漢字が使われており、体系立てて勉強し、身につけるというニュアンスが込められています。
●例文
- 経営学の基礎知識を大学で修得した。
- 専門知識を修得してから業務に携わるようになった。
- 論理学の知識を修得することで、思考の精度が上がった。
- 最新のマーケティング理論を独学で修得した。
技術は「習得」と「修得」どっち?

技術に関しては、「習得」も「修得」も使われますが、文脈によって使い分けが必要です。
●「習得」は実務・実践中心の技術に使われる
たとえば、製造業での機械操作や美容師の施術スキル、プログラミングのように、実地経験を通して身につける技術には「習得」が適切です。これらは教科書だけで理解できるものではなく、手を動かして覚える必要があります。
習得の例:
- NC旋盤の操作技術を習得した。
- プログラミング技術は、実際にコードを書くことで習得できる。
- カメラの撮影技術を習得するには、実践が不可欠だ。
●「修得」は教育課程や資格取得を通じた技術に使われる
一方で、専門学校や大学などの教育機関で学んだ技術には「修得」が使われます。ここでは、「技術=体系的に教わったもの」という意味合いが強くなります。
修得の例:
- 理学療法士としての技術を大学で修得した。
- CAD設計の基礎技術を研修で修得した。
- 電気工事士として必要な技術を訓練校で修得した。
●判断基準は「どのように学んだか」
同じ「技術」でも、自己学習や実務で体得したなら「習得」、教育課程などで計画的に学んだなら「修得」と使い分けるのがポイントです。
文脈 | 適切な表現 | 理由 |
---|---|---|
現場・実務での経験に基づく技術 | 習得 | 実践・試行錯誤を通じて身につける内容であるため |
学校・研修で体系的に学んだ技術 | 修得 | カリキュラムに基づいた教育的プロセスが前提となるため |
単位は「習得」と「修得」どっち?

単位に関しては、正しくは「修得」を使うのが一般的で正確な表現です。
●理由:単位は「修めて得る」もの
大学や専門学校などで学びの成果として認められる「単位」は、カリキュラムに従って一定の要件を満たすことで与えられる評価です。つまり、講義に出席し、レポートや試験などを通して知識や技能を“修めて”得た結果として授与されるものであり、「修得」がふさわしい表現です。
このように、教育的・制度的な成果としてのニュアンスを持つ場合には「修得」が正解です。
●例文
- 必要な科目を修得し、卒業要件を満たした。
- 看護学部で医療倫理の単位を修得した。
- 60単位以上を修得することで、学士号が授与される。
- 教職課程の単位を修得するには、教育実習が必須だ。
「習得」の意味

「習得(しゅうとく)」とは、学習や経験、練習などを通じて、知識や技術・能力などを身につけることを意味します。とくに、繰り返し学びながら“体で覚える”ようなプロセスに適した言葉です。
●語源と成り立ち
「習」は「ならう(習う)」という意味で、「繰り返して覚える」というニュアンスがあります。「得」は「える(得る)」、つまり“身につける”という意味です。
この2つの漢字が組み合わさることで、「学んで繰り返し練習しながら、ものにする」という意味合いになります。
●「習得」が使われる場面の特徴
- 実践を通じて身につける内容(例:言語、スキル、技術)
- 時間と経験を要するもの
- 自然と体で覚えるタイプの学習
●「習得」が向いている具体的なケース
分野 | 内容の例 |
---|---|
語学 | 英会話、外国語のリスニング・スピーキングなど |
ビジネス | プレゼン力、営業トーク、タイムマネジメントなど |
IT | プログラミング、ツール操作、システム運用など |
生活技能 | 料理、運転、手芸、楽器の演奏など |
「習得」は、経験・練習・反復によって能力を身につけるプロセスに使われる言葉です。知識というより、行動や技能と深く結びついているのが特徴です。
「修得」の意味

「修得(しゅうとく)」とは、ある分野の知識や技能を、体系的・計画的に学んで身につけることを意味します。学習の成果として一定の水準に達していることを示す言葉で、教育課程や専門的な訓練の結果として使われることが多いです。
●語源と成り立ち
- 「修」は「修める(おさめる)」で、「きちんと学び身につける」「研鑽する」といった意味があります。
- 「得」は「得る(える)」で、「身につける」という意味。
この2文字を合わせることで、「計画的に学び、しっかりと身につけた状態」を表します。
●「修得」が使われる場面の特徴
- 学校・大学・研修・講座などの体系立てられた学習の文脈
- 資格取得や単位認定など、客観的な成果が伴うケース
- 公式・制度的な教育過程に沿った学び
●「修得」が向いている具体的なケース
分野 | 内容の例 |
---|---|
学校教育 | 大学の講義、専門学校のカリキュラム、単位取得など |
専門教育 | 医療・福祉・建築などの専門技術を学ぶ課程 |
資格・研修 | 公的資格のための学習、企業の認定研修など |
公的認定制度 | 教職課程、通信教育の修了、認定制度の学習など |
▼「習得」との違いは「計画性・制度性」
「修得」は、“きちんと学んだ”ことを強調するフォーマルな表現です。自主的・自然的に学ぶ「習得」とは異なり、「修得」は教育機関や制度の枠組みに沿って学んだ成果であることがポイントです。
「修得」は、体系的な学習の成果として知識・技能を得ることを意味します。大学・専門学校・資格講座など、きちんとした枠組みの中での学びに使われるフォーマルな表現です。
「習得」と「修得」の違い・使い分け

「習得」と「修得」は、どちらも「何かを身につける」という意味を持ちますが、学びのプロセスと背景によって、明確に使い分ける必要があります。
●違いをざっくりとまとめると…
項目 | 習得(しゅうとく) | 修得(しゅうとく) |
---|---|---|
意味 | 経験・反復によって、能力・技術を身につける | 体系的・計画的に学んだ結果、知識・技能を身につける |
ニュアンス | 実践・体験・自然と身につく | 教育・訓練・制度に基づく |
主な対象 | 技術、スキル、言語、感覚的な知識など | 学問、資格、専門知識、大学の単位など |
学びの方法 | 実践中心・トレーニング・自己学習 | 教材・授業・カリキュラムに沿った学び |
使用されやすい場面 | 日常学習、実務、スキル習得 | 学校教育、資格試験、研修・制度 |
フォーマル度 | ややカジュアル | フォーマルで公的な場面に適する |
●使い分けのコツは「どうやって身につけたか」
- 自分の努力や実践を通して自然に身につけた→「習得」
- 学校や研修、資格講座など体系立てて学んだ→「修得」
●具体的な使い分け例
内容・文脈 | 正しい表現 | 解説 |
---|---|---|
英会話をマスターした | 習得 | 実践・会話練習を通じて身につけるため |
経済学の単位を取得した | 修得 | 大学の講義・試験を通じて体系的に学ぶから |
プログラミングを実務で学んだ | 習得 | 実践を通じてスキルとして習得したため |
国家資格のための専門知識を学んだ | 修得 | 教育プログラムや試験を通じて得た知識 |
プレゼンテーションの技術を磨いた | 習得 | 実践と経験を通じて身につけるスキル |
●間違いやすいパターン
- ×「単位を習得した」→○「単位を修得した」
- ×「大学で英語を習得した」→○「大学で英語を修得した」
- ×「講義で専門スキルを習得した」→○「講義で専門スキルを修得した」
「習得」と「修得」は一文字違いですが、意味と使い方には大きな違いがあります。「誰に教わったか」「どのように学んだか」を意識することで、自然と使い分けられるようになります。
「習得」の使い方【例文20】

「習得」は、経験・練習・実践などを通じて、知識やスキル、技術などを身につける場面で使われます。ここでは、ビジネス、学習、日常生活などのシーン別に例文を紹介します。
●ビジネスシーンでの例文
- プレゼンテーション技術を習得し、社内会議での発表が上達した。
- 新しい会計ソフトの操作方法を短期間で習得した。
- 営業スキルを習得するために、毎週ロールプレイを繰り返している。
- 社内のマニュアルを活用して、業務手順を習得した。
- 顧客対応の基本マナーを習得することで、クレームが減った。
●学習・スキル習得の場面
- プログラミングを独学で習得し、自作アプリを開発した。
- 英語を習得するには、毎日の練習が欠かせない。
- デザインスキルを習得するために、オンライン講座を受講した。
- タッチタイピングを習得し、仕事の効率が大きく向上した。
- 論理的思考力を習得するために、ケーススタディを重ねた。
●日常生活での例文
- 料理の基礎を習得し、家族に美味しい食事をふるまえるようになった。
- 自転車の乗り方を小学生のうちに習得した。
- ピアノの演奏技術を習得するには、毎日の練習が重要だ。
- 地図の読み方を習得して、知らない場所でも迷わなくなった。
- 洗濯機の使い方をやっと習得できた。
●その他の場面
- スマートフォンの操作を短時間で習得した高齢者に驚いた。
- 手話を習得して、ろう者との交流がスムーズになった。
- 写真撮影のテクニックを習得し、SNSのフォロワーが増えた。
- ヨガの基本ポーズを習得することで、体のバランスが良くなった。
- ナイフの使い方を習得し、キャンプで料理が楽しくなった。
●ポイントまとめ
- 実際に体験・練習して身につける内容が「習得」の対象。
- 独学、実践、繰り返しがキーワード。
- 学校や制度的な学びではなく、主体的な学びが基本。
「修得」の使い方【例文20】

「修得」は、学校教育・研修・資格取得などの体系的な学びによって、知識や技術を身につけた場合に使われます。ここでは、教育、資格、研修などの文脈別に例文を紹介します。
●学校・大学・専門教育での例文
- 経済学の基本理論を大学で修得した。
- 看護師に必要な医療技術を専門学校で修得した。
- 教職課程で教育心理学を修得し、教員免許を取得した。
- 第二外国語としてフランス語を修得した。
- 情報処理技術を体系的に修得するため、IT系の学科に進学した。
●資格・研修の場面
- 厚生労働省認定の介護研修で、介護技術を修得した。
- ファイナンシャルプランナーの資格取得に必要な知識を修得した。
- 消防士としての初任教育で、応急手当の技術を修得した。
- CAD操作の専門スキルを認定講座で修得した。
- 調理師専門学校で食品衛生の知識を修得した。
●研修・講座での例文
- 新人研修で社会人としての基本マナーを修得した。
- リーダー研修でマネジメント理論を修得した。
- 社外セミナーでプレゼン技術を修得した。
- 通信教育を通じて、文章表現の技法を修得した。
- eラーニング教材でExcelの高度な機能を修得した。
●公的認定・制度学習の場面
- 通訳案内士の試験に向けて、観光地理の知識を修得した。
- 高等学校で歴史・公民の内容を修得した上で受験に臨んだ。
- 調剤薬局で必要な薬学の知識を実習を通して修得した。
- 保育士養成課程で子どもの発達理論を修得した。
- 情報セキュリティの管理手法を研修で修得した。
●ポイントまとめ
- 「修得」は、体系的・計画的な学習プロセスを経て身につけたことを示す。
- 学校・研修・資格講座などの「カリキュラムに沿った学び」が中心。
- フォーマルな文脈で使われるため、公式文書や履歴書にも適している。
間違えやすい使い方【例文10】

「習得」と「修得」は発音も同じで漢字も似ているため、誤用されやすい日本語表現の一つです。ここでは、よくある誤用の例と、それに対する正しい表現をセットで紹介します。
●よくある誤用と正しい使い方
誤用例文 | 正しい例文 | 解説 |
---|---|---|
1. 大学で経済学を習得した。 | 大学で経済学を修得した。 | 講義・カリキュラムに基づく体系的な学びは「修得」。 |
2. 教職課程の単位を習得した。 | 教職課程の単位を修得した。 | 「単位」は教育成果であり、「修得」が正しい。 |
3. 医療研修で応急処置の技術を習得した。 | 医療研修で応急処置の技術を修得した。 | 研修や講座での学びは「修得」を使う。 |
4. 専門学校でプログラミングを習得した。 | 専門学校でプログラミングを修得した。 | 学校教育での技能取得は「修得」。 |
5. eラーニングで情報セキュリティの知識を習得した。 | eラーニングで情報セキュリティの知識を修得した。 | 計画的・教材を使った学習には「修得」が適している。 |
6. ビジネス文書作成のスキルを研修で習得した。 | ビジネス文書作成のスキルを研修で修得した。 | 研修=体系的な教育 →「修得」が妥当。 |
7. 外国語の授業で英会話を修得した。 | 外国語の授業で英会話を習得した。 | 実践や会話練習による体得は「習得」がふさわしい。 |
8. 現場経験を通じて営業スキルを修得した。 | 現場経験を通じて営業スキルを習得した。 | 実地経験によるスキル獲得は「習得」。 |
9. 独学で動画編集技術を修得した。 | 独学で動画編集技術を習得した。 | 自発的な学習で得たスキルには「習得」が自然。 |
10. 実務経験を通じてビジネスマナーを修得した。 | 実務経験を通じてビジネスマナーを習得した。 | 経験ベースのスキルには「習得」が適している。 |
- 授業・研修・資格講座で学んだ→「修得」
- 実践・経験・トレーニングで身につけた→「習得」
- 「単位」は必ず「修得」
- 自主的に身につけたスキルは「習得」が自然
「習得」の英語表現・英文

「習得」は、英語では実践や繰り返しによって能力を身につけることを意味する語に訳されます。具体的には次のような表現が一般的です。
●代表的な英語表現
英語表現 | 意味・ニュアンス | 適切な使い方 |
---|---|---|
acquire | 習得する(一般的な表現) | 知識・言語・スキル全般に使える |
learn | 学ぶ、覚える | 基礎的・日常的なスキルや知識に適する |
master | 完全に習得する、習熟する | 高度なスキルや専門性のある内容に適する |
pick up | 身につける(口語的) | 会話や経験を通して自然に覚える場合など |
●使用例(英文)
- He acquired programming skills through self-study.
(彼は独学でプログラミングスキルを習得した。) - I want to learn how to give better presentations.
(もっと良いプレゼンのやり方を習得したい。) - She mastered Japanese after living in Tokyo for five years.
(彼女は5年間東京に住んで、日本語を習得した。) - You can easily pick up basic phrases by watching movies.
(映画を見ることで簡単なフレーズはすぐに習得できる。)
●シーン別おすすめ表現
シーン | おすすめ表現 | 理由 |
---|---|---|
語学の習得 | acquire / master | 習得プロセスまたは習熟度に応じて選べる |
実務スキル(例:営業) | acquire | 学びを通じて得るスキルとして汎用的 |
高度専門技術 | master | 完全な習熟や専門性を示すのに適している |
カジュアルな学び | pick up | 体験や日常会話などから自然に覚える場合 |
「習得」は英語で acquire, learn, master, pick up など複数の表現で置き換えられます。ニュアンスの違いを押さえて使い分けることで、より自然で正確な英語表現が可能になります。
「修得」の英語表現・英文

「修得」は、体系的・計画的な学習プロセスを経て知識や技能を身につけることを意味します。英語では、教育的・制度的な文脈に対応した表現がよく使われます。
●代表的な英語表現
英語表現 | 意味・ニュアンス | 適切な使い方例 |
---|---|---|
complete | 修了する、完了する(コースや課程) | カリキュラム・講座・課程の完了を示す |
obtain | 得る、取得する(公式・制度的な成果) | 資格や単位、認定証の取得に適する |
earn | (努力して)得る(単位・資格・学位など) | 教育機関での成果や認定を得る場合 |
acquire | 習得する(修得にも使えるがやや一般的な表現) | 幅広い文脈で使えるがやや口語寄り |
●使用例(英文)
- She completed a teacher training course at the university.
(彼女は大学で教員養成課程を修得した。) - He obtained a certification in project management.
(彼はプロジェクトマネジメントの資格を修得した。) - I earned 30 credits in computer science.
(私はコンピューターサイエンスで30単位を修得した。) - The student acquired advanced knowledge of economics through formal education.
(その学生は正規教育を通じて経済学の高度な知識を修得した。)
●シーン別おすすめ表現
シーン | おすすめ表現 | 理由 |
---|---|---|
大学・専門学校の課程修了 | complete | 課程・カリキュラム完了の意味に最も適している |
資格・認定の取得 | obtain | 制度に基づく「取得」に自然で正確 |
単位・学位の取得 | earn | 教育の成果としての獲得を示すのにふさわしい |
一般的な学習成果 | acquire | 習得・修得の両方に使えるが、やや口語寄り |
「修得」は英語で complete, obtain, earn, acquire などに対応しますが、フォーマルな教育・資格取得の文脈では「complete」や「obtain」、「earn」がより的確です。学習プロセスの背景に応じて、英語表現を選びましょう。
よくある質問(FAQ)

ここでは、「習得」と「修得」に関して多くの人が疑問に思うポイントをQ&A形式でまとめました。迷いやすい表現の整理や、実用的な判断基準のヒントとしてご活用ください。
Q1. 「習得」と「修得」は、どちらを使っても間違いではないの?
A. 場合によっては通じますが、意味の違いがあるため、使い分けるのが正解です。
たとえば、「大学で心理学を習得した」と言うと、正しくは「修得した」がふさわしいです。話し言葉では気づかれにくいこともありますが、履歴書や論文などのフォーマルな場面では誤用とされる可能性があります。
Q2. ビジネスメールではどちらを使うべきですか?
A. 内容により異なりますが、実務的なスキルは「習得」/制度的な学びは「修得」と使い分けましょう。
例:
- 「Excelの関数操作を習得しました」
- 「業務に必要な資格を修得しました」
Q3. 学校の成績表や証明書では、なぜ「修得」と書かれているの?
A. 学校教育では、授業に出席し、成績を満たすことで単位などの成果を得る構造になっており、それは計画的な学習の結果(修得)だからです。「修得済み単位」という表記は、教育制度上の正確な表現です。
Q4. 資格試験に合格した場合、「習得」か「修得」か?
A. 一般的には「修得」を使います。
資格取得には、決められた学習範囲を勉強し、試験で合格するという明確なプロセスがあるため、「修得した知識・技能」とされます。
Q5. 子どもが自然に身につけた能力は「修得」?
A. いいえ、「習得」です。
自然に身につけた能力、例えば「言葉を覚えた」「自転車に乗れるようになった」などは、経験や反復練習によって得たもので、習得が正解です。
まとめ
「習得」と「修得」は、どちらも「身につける」ことを表す言葉ですが、学び方や身につけるプロセスによって明確に使い分ける必要があります。
- 「習得」は、繰り返しの練習や実践を通じて、スキル・能力・言語などを自然に体得する場合に使われます。たとえば、英会話やプレゼンテーション、料理などが典型です。
- 「修得」は、学校や講座、資格試験などの体系的・計画的な学習プロセスを通じて、知識や技術を身につけた場合に用いられます。大学の単位、専門的な資格、職業訓練などが該当します。
本記事では、具体的な例文50個を通じて、さまざまな場面での正しい使い方を紹介してきました。英語表現との違いや、間違えやすいパターンも把握できたことで、今後は迷わず自然に使い分けられるようになるはずです。
正しい日本語を使えることは、信頼感を生み、ビジネスや教育の現場でもプラスに働きます。ぜひ、今回学んだ内容を活かして、言葉の使い方にさらに磨きをかけてください。