すじこといくらの決定的な違い6つ!食感・味・値段まで詳しく解説

「すじこ」と「いくら」は、どちらも鮭やマスの卵ですが、見た目や食感が大きく異なります。見た目が似ているため「何が違うの?」と疑問に思う人も多いでしょう。
実は、すじこといくらの違いは卵の成熟度や加工方法にあります。すじこは卵巣膜に包まれたままの状態のもの、いくらは卵をバラバラにして醤油漬けや塩漬けにしたものです。
また、栄養価や塩分量にも違いがあり、用途や食べ方も異なります。本記事では、すじこといくらの違いをわかりやすく解説し、それぞれの特徴やおすすめの食べ方まで詳しく紹介していきます。
目次
すじこといくらの違いはココ!

すじこといくらはどちらも鮭(サケ)や鱒(マス)の卵ですが、いくつかの決定的な違いがあります。ここでは、卵の成熟度・加工方法・見た目・食感・味・値段の5つのポイントに分けて詳しく解説します。
① 卵の成熟度の違い
すじこといくらの最大の違いは、卵の成熟度です。
- すじこ … 未成熟な卵で、卵巣膜に包まれた状態
- いくら … 成熟した卵で、膜からほぐされバラバラになっている
未成熟な卵が「すじこ」

すじこは、まだ成熟しきっていない卵です。未成熟なため、卵の表面はやわらかく、粘り気があり、しっとりした食感が特徴です。
また、すじこは卵巣膜に包まれているため、卵がまとまった状態になっています。卵同士がくっついていることで、ねっとりとした舌触りと濃厚な味わいが楽しめます。
すじこは、一般的に塩漬けや醤油漬けにして食べることが多く、ご飯のお供やおにぎりの具として人気があります。
成熟した卵が「いくら」

いくらは、成熟した鮭の卵です。成熟が進んでいるため、卵の粒がしっかりしていて、表面にハリがあります。
また、卵の中に油分が増えるため、噛むとプチっと弾けるような食感が楽しめます。いくらは、すじこと違い、卵巣膜から取り出してバラバラにするため、醤油漬けや塩漬けにして食べるのが一般的です。
ご飯にたっぷりのせて「いくら丼」にしたり、寿司やパスタのトッピングとして使われたりします。
② 加工方法の違い
すじこといくらは、加工方法にも大きな違いがあります。
- すじこ … 卵巣膜に包まれたまま、塩漬けや醤油漬けにする
- いくら … 卵をほぐしてバラバラにし、醤油漬けや塩漬けにする
すじこは「まとまりのある状態」で塩漬けされるのに対し、いくらは「一粒ずつ独立」して味付けされます。この加工の違いが、それぞれの食感や味わいの違いを生み出しています。
③ 見た目の違い
見た目も大きく異なります。
- すじこ … 赤みが強く、膜に包まれているため密集している
- いくら … オレンジ色で透明感があり、一粒ずつバラバラ
すじこは「塊状」、いくらは「粒状」という違いがあり、見た目からも区別できます。
④ 食感の違い
食感は加工方法や成熟度の違いによって変わります。
- すじこ … しっとり・ねっとりしていて濃厚な味わい
- いくら … プチプチと弾ける食感が特徴
すじこは塩気が強く、噛むとねっとりとした舌触り。一方、いくらは口の中で弾けるような食感を楽しめます。
⑤ 味の違い
味の違いは、加工方法や成熟度によって生まれます。
- すじこ … 塩漬けが多く、塩気が強く濃厚な味わい
- いくら … 醤油漬けが多く、マイルドで旨味が強い
すじこは塩分が強いため、ご飯のお供やおにぎりの具材にぴったりです。
一方、いくらは醤油漬けにすることで、まろやかで甘みのある味わいになります。
⑥ 値段の違い
市場価格では、いくらの方がすじこより高価になる傾向があります。
種類 | 価格相場(100gあたり) |
---|---|
すじこ | 600~1,500円 |
いくら | 800~3,000円 |
いくらは加工の手間や需要の高さから、すじこよりも値段が上がることが一般的です。ただし、鮭の漁獲量や地域によって価格が変動します。
まとめ
すじこといくらの違いをまとめると、以下のようになります。
比較項目 | すじこ | いくら |
---|---|---|
卵の成熟度 | 未成熟 | 成熟 |
加工方法 | 卵巣膜ごと塩漬け・醤油漬け | 卵をほぐして醤油漬け・塩漬け |
見た目 | 赤みが強く、まとまっている | オレンジ色で透明感があり、バラバラ |
食感 | しっとり・ねっとり | プチプチと弾ける |
味 | 塩気が強く濃厚 | まろやかで旨味がある |
値段 | いくらより安め | すじこより高価 |
すじこは濃厚でご飯のお供向き、いくらはプチプチ食感を楽しむ料理に最適です。それぞれの特性を活かし、お好みに合わせて選びましょう!
「すじこ」種類&特徴

すじこは、サケ科の魚の卵が膜に包まれたままの状態 のものを指します。使用される魚の種類によって、粒の大きさや味わいに違いがあります。主に以下の種類があります。
① シロザケ(白鮭)のすじこ
✅ 特徴:
- 最も一般的で市場に多く出回る
- 粒の大きさは 中程度(直径4~5mm)
- 味は濃厚で、しっとりした食感
- 塩漬け・醤油漬けに加工されることが多い
✅ 用途:
- ご飯のお供(白ごはん、おにぎり)
- 酒のつまみ
② ベニザケ(紅鮭)のすじこ
✅ 特徴:
- 粒が 小さめ(直径3~4mm) で鮮やかな赤色
- 味が濃厚で、コクがある
- 脂がのっているため、口当たりが良い
✅ 用途:
- ご飯のお供
- 塩漬け・醤油漬けに加工
③ カラフトマス(樺太鱒)のすじこ
✅ 特徴:
- 粒が 小さめ(直径3mm前後)
- シロザケよりも安価で手に入りやすい
- 塩漬けにすると口当たりが良く、あっさりした味
✅ 用途:
- おにぎりの具
- 塩漬けや醤油漬け
④ マスノスケ(鱒の助、キングサーモン)のすじこ
✅ 特徴:
- 粒が 大きめ(直径6~8mm)
- 味が濃厚で、コクがありクリーミー
- 数量が少なく、希少な高級品
✅ 用途:
- 高級料理(寿司、丼ぶり)
- 醤油漬けにすると旨味が引き立つ
⑤ サクラマス(桜鱒)のすじこ
✅ 特徴:
- 粒が 小さめ(直径3~4mm)
- 味が上品で、クセが少ない
- 市場にはあまり出回らない
✅ 用途:
- 塩漬け・醤油漬けでご飯のお供に
⑥ ニジマスのすじこ
✅ 特徴:
- 粒が 小さく(直径2~3mm)、柔らかい
- クセが少なく、まろやかな味
- 市場ではあまり見かけないが、養殖されたものもある
✅ 用途:
- 塩漬けや味噌漬けにして食べる
すじこの種類別比較表
種類 | 粒の大きさ | 味の特徴 | 市場での流通量 |
---|---|---|---|
シロザケ(白鮭) | 中(4~5mm) | 濃厚でしっとり | 一般的 |
ベニザケ(紅鮭) | 小(3~4mm) | コクがあり濃厚 | 普通 |
カラフトマス(樺太鱒) | 小(3mm前後) | あっさりした味 | 手に入りやすい |
マスノスケ(キングサーモン) | 大(6~8mm) | 濃厚でクリーミー | 希少・高級品 |
サクラマス(桜鱒) | 小(3~4mm) | 上品でクセが少ない | 少ない |
ニジマス | 小(2~3mm) | まろやかでクセが少ない | 少ない |
- 濃厚な味わいが好きな人 → シロザケ・ベニザケ・キングサーモン
- あっさりした味が好きな人 → カラフトマス・サクラマス・ニジマス
- 高級で贅沢なすじこを楽しみたい → キングサーモンのすじこ
好みに合わせて選ぶと、より美味しくすじこを楽しめます!
「いくら」種類&特徴

いくらは、サケ科の魚の卵を膜から取り出し、バラバラにしたもの です。使用される魚の種類によって、粒の大きさや味わい、色味が異なります。主に以下の種類があります。
① シロザケ(白鮭)のいくら (最も一般的)
✅ 特徴:
- 粒の大きさは 中程度(直径4~5mm)
- 色は オレンジ~赤橙色
- しっかりとした弾力があり、プチッと弾ける食感
- クセが少なく、甘みと旨味のバランスが良い
✅ 用途:
- いくら丼
- 寿司(軍艦巻き)
- 醤油漬けが定番
② ベニザケ(紅鮭)のいくら (高級品)
✅ 特徴:
- 粒が 小さめ(直径3~4mm)
- 色は 鮮やかな赤色
- 皮が薄く、口の中でとろけるような食感
- 濃厚な味わいと強いコクがある
✅ 用途:
- 高級寿司や海鮮丼
- ルイベ(凍らせて刺身のように食べる)
- 醤油漬け・塩漬け
③ カラフトマス(樺太鱒)のいくら (リーズナブル)
✅ 特徴:
- 粒が 小さめ(直径3mm前後)
- 色は 淡いオレンジ色
- 皮が柔らかく、口の中でスッと溶ける
- シロザケのいくらに比べて価格が安め
✅ 用途:
- 醤油漬けや塩漬け
- 手頃な価格で、スーパーでも販売されることが多い
④ マスノスケ(キングサーモン)のいくら (大粒で高級)
✅ 特徴:
- 粒が 大きめ(直径6~8mm)
- 色は 濃いオレンジ色~赤色
- 皮が薄く、口の中でとろける食感
- 旨味が強く、脂がのっている
- 価格は高めで、高級品として扱われる
✅ 用途:
- 高級寿司・丼ぶり
- 醤油漬けにすると旨味が引き立つ
⑤ サクラマス(桜鱒)のいくら (希少なご当地品)
✅ 特徴:
- 粒は 小さめ(直径3~4mm)
- 色は オレンジ~赤色
- 味が上品でクセが少ない
- 市場にはあまり出回らないが、一部地域(北海道や東北)で流通
✅ 用途:
- 塩漬け・醤油漬け
- ご飯のお供
⑥ ニジマスのいくら (淡水魚のいくら)
✅ 特徴:
- 粒が かなり小さめ(直径2~3mm)
- 色は 鮮やかなオレンジ色
- クセがなく、まろやかな味わい
- 価格が安く、手軽に楽しめる
✅ 用途:
- 醤油漬けや味噌漬け
- ニジマス養殖場で販売されることもある
⑦ アトランティックサーモン(大西洋サーモン)のいくら (海外産)
✅ 特徴:
- 粒が 中~大(直径5~7mm)
- 色は オレンジ色
- 皮が柔らかく、トロッとした食感
- ヨーロッパや北米で流通することが多い
✅ 用途:
- 海外の寿司店やレストランで使用
- サーモンいくらの醤油漬け
いくらの種類別比較表
魚の種類 | 粒の大きさ | 色 | 味の特徴 | 価格 |
---|---|---|---|---|
シロザケ(白鮭) | 中(4~5mm) | オレンジ~赤橙 | バランスの良い味、弾力あり | 普通 |
ベニザケ(紅鮭) | 小(3~4mm) | 鮮やかな赤 | 濃厚でコクがある | 高級 |
カラフトマス(樺太鱒) | 小(3mm前後) | 淡いオレンジ | 柔らかくあっさり | 安価 |
マスノスケ(キングサーモン) | 大(6~8mm) | 濃いオレンジ~赤 | 脂がのって濃厚 | 高級 |
サクラマス(桜鱒) | 小(3~4mm) | オレンジ~赤 | 上品でクセがない | 希少 |
ニジマス | 小(2~3mm) | 鮮やかなオレンジ | クセがなくまろやか | 安価 |
アトランティックサーモン | 中~大(5~7mm) | オレンジ | 皮が柔らかくトロッとした食感 | 普通 |
- 定番でクセが少ないものが好き → シロザケのいくら
- 濃厚な味わいが好き → ベニザケのいくら
- 大粒で高級感を楽しみたい → キングサーモンのいくら
- あっさり食べたい → カラフトマス・サクラマスのいくら
- 手頃な価格でいくらを楽しみたい → カラフトマス・ニジマスのいくら
用途や好みに応じて、最適ないくらを選びましょう!
すじこといくらの名前の由来

すじこといくらは、どちらも鮭の卵ですが、それぞれ違う名前が付いています。
- すじこは、卵の状態がそのまま名前になったもの
- いくらは、実はロシア語が由来
ここでは、それぞれの名前の由来を詳しく解説します。
卵の状態が由来の「すじこ」
「すじこ(筋子)」という名前は、卵巣膜に包まれたままの状態が「筋(すじ)」のように見えることが由来とされています。
すじこは、卵がバラバラにならず、卵巣膜に包まれているため、筋のような見た目をしていることから、「すじこ」と呼ばれるようになりました。
また、地域によっては、すじこを「こぶこ(子袋)」と呼ぶこともあります。これは、卵が袋(卵巣膜)の中に入っているためです。
ロシア語が由来の「いくら」
一方、「いくら」という名前は、日本語ではなく、ロシア語の「икра(ikra)」が語源とされています。
ロシア語で「икра(イクラ)」は、魚の卵全般を指す言葉であり、サケの卵だけでなく、チョウザメ(キャビア)やタラコなども含みます。
19世紀ごろから、日本とロシアの貿易が盛んになり、サケの卵を使った食文化が伝わる中で、ロシア語の「イクラ」が日本でも定着したと考えられています。
つまり、日本でいう「いくら」は、ロシア語由来の言葉が使われたものというわけです。
すじこといくらの栄養価を比較!
すじこといくらは、どちらも鮭の卵であるため栄養価が似ていますが、加工方法や塩分量の違いによって栄養バランスが異なります。
ここでは、カロリー・タンパク質・脂質・塩分量の観点から、すじこといくらの栄養価を詳しく比較します。
カロリー・タンパク質・脂質の違い
すじこといくらは、どちらも高タンパク・高脂質な食品で、栄養価が高いのが特徴です。以下に、100gあたりの栄養成分を比較します。
成分 | すじこ(塩漬け) | いくら(醤油漬け) |
---|---|---|
カロリー | 約250kcal | 約270kcal |
タンパク質 | 約30g | 約32g |
脂質 | 約12g | 約15g |
炭水化物 | ほぼ0g | ほぼ0g |
栄養価のポイント
- カロリーは、いくらの方がやや高め(醤油やみりんで漬け込むため)
- タンパク質はどちらも豊富で、筋力維持やダイエット中の栄養補給におすすめ
- 脂質も多く、DHAやEPAなどの良質な不飽和脂肪酸を含む
すじこもいくらも、高タンパク・高脂質で栄養価が高い食品ですが、食べ過ぎには注意が必要です。
塩分量の違い(すじこの方が塩分が高い)
成分 | すじこ(塩漬け) | いくら(醤油漬け) |
---|---|---|
塩分量(100gあたり) | 約5.5g | 約3.0g |
塩分量のポイント
- すじこは塩漬けのため、塩分が高め(特に保存性を高めるために塩が多く使われる)
- いくらは醤油漬けなので、塩分は比較的少なめ
- 塩分が気になる人は、食べる量を調整するか、塩抜きをするとよい
特に、高血圧の方や塩分を控えたい人は、すじこを食べる際に注意が必要です。食べ過ぎを避けるため、適量を意識しましょう。
すじこといくらの栄養価のまとめ
比較項目 | すじこ | いくら |
---|---|---|
カロリー | やや低め(約250kcal/100g) | やや高め(約270kcal/100g) |
タンパク質 | 高タンパク(約30g/100g) | 高タンパク(約32g/100g) |
脂質 | やや少なめ(約12g/100g) | やや多め(約15g/100g) |
塩分量 | 高め(約5.5g/100g) | 低め(約3.0g/100g) |
どちらも栄養価が高く、適量を食べることで健康に良い効果があります。ただし、塩分が高いため食べ過ぎには注意し、バランスの良い食事を心がけることが大切です。
生すじこを使って自家製いくらを作る!

新鮮な生すじこが手に入ったら、自宅でいくらの醤油漬けを作ってみませんか?市販のいくらよりも新鮮で、好みの味付けに調整できるため、家庭で作る自家製いくらは絶品です。
ここでは、生すじこをほぐしていくらを作る方法を詳しく解説します。
材料と準備するもの
【材料】(2~3人分)
- 生すじこ … 1腹(200g~300g)
- ぬるま湯(40℃程度) … 適量(卵をほぐす際に使用)
- 塩 … 小さじ1(血抜き用)
- 醤油 … 50ml
- みりん … 50ml
- 酒 … 50ml
- だし昆布(お好みで) … 5cm角1枚
【必要な道具】
- ボウル(卵をほぐすため)
- ザル(卵の水切り用)
- キッチンペーパー(水気を拭き取るため)
- 密閉容器や保存瓶(いくらの漬け込み用)
すじこをほぐすコツ(生すじこをいくらにする方法)
① すじこをぬるま湯に浸ける
生すじこは卵巣膜に包まれているため、そのままでは卵がバラバラになりません。
40℃くらいのぬるま湯に浸けることで、膜がやわらかくなり、卵をほぐしやすくなります。
② 卵巣膜をやさしく取り除く
手でやさしくほぐしながら、膜を取り除きます。
細かい膜が残っていると食感が悪くなるため、指先で丁寧に取り除きましょう。
③ 塩水で軽く洗う
ザルに移し、塩水(塩小さじ1+水500ml)で軽く洗います。
これにより、余分な膜や血を落とし、臭みを取ることができます。
④ 水気をしっかり切る
キッチンペーパーで優しく水気を拭き取り、ザルにあげてしっかり水を切ります。
いくらの醤油漬け・塩漬けの作り方
【醤油漬けの作り方】
- 漬けダレを作る
- 小鍋に醤油・みりん・酒を入れ、弱火で加熱する。
- アルコールを飛ばし、火を止めたら昆布を加える。
- 粗熱が取れたら、冷蔵庫で冷やす(30分以上)。
- いくらを漬ける
- ほぐしたいくらを保存容器に入れ、冷やした漬けダレを注ぐ。
- 冷蔵庫で1日~2日漬け込むと、味がしっかり染み込む。
- 完成!
- ご飯の上にのせていくら丼に!
- 手巻き寿司やパスタのトッピングにも◎。
【塩漬けいくらの作り方】
醤油の代わりに塩水(3%濃度)に漬けると、シンプルな塩いくらが作れます。
塩いくらは、料理のトッピングや和え物におすすめです。
自家製いくらの保存方法と賞味期限
- 冷蔵保存(1週間以内):清潔な密閉容器に入れ、冷蔵庫で保存。
- 冷凍保存(1か月程度):小分けにしてラップで包み、冷凍保存袋に入れる。
冷凍したいくらは、自然解凍すると粒が潰れにくくなるので、食べる前に冷蔵庫でゆっくり解凍するのがおすすめです。
すじこやいくらにアニサキスはいる?

すじこやいくらを食べるときに気になるのがアニサキスの存在です。
「生すじこを使って自家製いくらを作ると危険なのでは?」と不安に思う人も多いかもしれません。
ここでは、アニサキスとは何か、すじこやいくらに潜んでいる可能性、そして安全に食べるための対策を詳しく解説します。
アニサキスとは?
アニサキスは、寄生虫の一種で、長さ2~3cmほどの白い糸のような形をしています。
主にサバ・アジ・イカ・カツオなどの魚介類に寄生しますが、鮭(サケ)やマスにもアニサキスが寄生していることがあります。
アニサキスが生きたまま体内に入ると、胃や腸の壁に侵入し、「アニサキス症」という食中毒を引き起こすことがあります。
アニサキス症の症状
- 食後数時間~十数時間で激しい腹痛
- 吐き気・嘔吐を伴うこともある
- まれに腸閉塞を引き起こすことも
しかし、適切な処理をすれば、アニサキスのリスクを避けることができます!
すじこやいくらにアニサキスはいるの?
アニサキスは、鮭の内臓に寄生していることが多いですが、内臓を取り除いた後に筋肉(身)や卵巣(すじこ)に移動することもあります。
したがって、すじこやいくらにアニサキスがいる可能性はゼロではありません。
特に、天然の鮭から採れたすじこは、注意が必要です。
ただし、すじこやいくらは透明度が高いため、アニサキスがいる場合は目視で確認しやすいという特徴があります。
アニサキスを防ぐための対策
① 目視で確認する(基本的な対策)
- すじこやいくらを調理する前に、白い糸のような虫(アニサキス)がいないかチェックする。
- いくらをほぐすときに、丁寧に観察するのがポイント。
② 冷凍処理をする(確実に安全な方法)
- アニサキスは-20℃以下で24時間以上冷凍すると死滅する。
- 市販のいくら(醤油漬けなど)は冷凍処理されているものが多く、安全性が高い。
- 自家製いくらを作る場合も、一度冷凍すると安心!
③ 加熱する(完全に除去する方法)
- アニサキスは60℃以上で1分間加熱すると死滅する。
- ただし、いくらは加熱すると食感が変わるため、生で食べる場合は他の対策を優先する。
市販のいくらやすじこは安全?
スーパーや市場で販売されている加工済みのすじこやいくらは、冷凍処理されていることが多いため、アニサキスのリスクはかなり低いです。
しかし、天然の生すじこを購入する場合は、目視確認や冷凍処理をすることで、安全に食べることができます。
すじこといくらの安全な食べ方まとめ
対策 | 効果 | おすすめ度 |
---|---|---|
目視で確認 | 確認しやすいが、100%の除去は難しい | ★★★★☆(必ずやるべき) |
冷凍処理(-20℃以下で24時間) | 確実にアニサキスを死滅させる | ★★★★★(最も安全) |
加熱処理(60℃以上1分) | 安全だが、いくらの食感が変わる | ★★★☆☆(食感が気にならなければ◎) |
自家製いくらを作る場合は、一度冷凍してから食べるのが最も安全な方法です。
すじこ・いくら・とびこの違いをチェック!

項目 | すじこ | いくら | とびこ |
---|---|---|---|
原材料 | 鮭やマスの卵(未成熟) | 鮭やマスの卵(成熟) | トビウオの卵 |
食感 | しっとり&ねっとり | プチプチと弾ける | コリコリ&プチプチ |
味の特徴 | 濃厚で塩気が強い | 旨味があり、醤油漬けで風味豊か | さっぱりしていて味付け次第 |
主な用途 | ご飯のお供・おにぎり・酒のつまみ | いくら丼・寿司・パスタ | 寿司・サラダ・カルパッチョ・パスタ |
価格(100g) | 約600~1,500円 | 約800~3,000円 | 約300~800円 |
すじこといくらは、どちらも鮭やマスの卵ですが、とびこはまったく別の魚「トビウオ」の卵です。見た目がいくらに似ているため混同されがちですが、味や食感、用途には大きな違いがあります。
すじこは濃厚な塩味とねっとりした食感、いくらはプチプチと弾ける食感が特徴ですが、とびこは小粒でコリコリとした独特の食感を持っています。また、味自体は淡白であっさりしているため、醤油やワサビ、マヨネーズなどの調味料と合わせることで風味が引き立ちます。
とびこは、すじこやいくらよりも価格が安く、手に入りやすいのも特徴です。そのため、寿司の軍艦巻きや手巻き寿司、サラダやカルパッチョなどの料理のトッピングとしてよく使われます。 また、着色されていることが多く、赤・オレンジ・黒・緑などカラフルなバリエーションがあり、料理の彩りを豊かにする役割もあります。
一方で、とびこはすじこやいくらと比べると卵が小さく、食べ応えという点ではやや劣るため、単体で食べることは少なく、主に料理のアクセントとして使われることが多いです。
すじこ・いくら・とびこは、それぞれ特徴が異なるため、用途に応じて使い分けるのがおすすめです。濃厚な旨味を楽しみたいならすじこ、プチプチとした食感を楽しみたいならいくら、コリコリとした食感を活かして料理を華やかにしたいならとびこを選ぶとよいでしょう。
はらことは?

はらこ とは、主にサケやマスの卵を指す言葉ですが、地域や調理方法によって意味が異なります。特に東北地方、特に宮城県では、はらこという言葉が独自の意味を持ち、郷土料理にも深く関わっています。
一般的に、サケやマスの卵は「すじこ」や「いくら」として知られていますが、はらこは特に「生の卵」や「煮た卵」を指すことが多い です。
宮城県の郷土料理「はらこ飯」では、煮たサケの身とともに炊いたご飯の上に煮たはらこを乗せるのが特徴です。すじこやいくらとは異なり、煮付けて味をしみ込ませることが多く、独特の食文化が根付いています。はらこを使った料理は、サケの旨味を存分に楽しめる、日本の伝統的な味わいを持つ料理です。
まとめ
すじこといくらは、どちらも鮭やマスの卵ですが、最大の違いは卵の成熟度と加工方法にあります。すじこは未成熟な卵で、卵巣膜に包まれたまま塩漬けされるため、しっとりとした食感と濃厚な味わいが特徴です。一方、いくらは成熟した卵をほぐし、醤油漬けや塩漬けに加工されることで、プチプチと弾ける食感が楽しめます。
また、栄養価はどちらも高タンパク・高脂質ですが、すじこのほうが塩分が高めなので、食べる際は塩分摂取量に注意が必要です。自宅で生すじこを使って自家製いくらを作る際は、アニサキス対策として目視確認や冷凍処理を行うのが安全です。
すじこはご飯のお供やおにぎりに、いくらは丼や寿司に最適。それぞれの特徴を活かして、好みに合わせた楽しみ方を見つけてみてください。