「引く手あまた」の使い方【例文30】褒め言葉?モテモテって意味?

面接

「引く手あまた」という言葉、耳にしませんか?転職市場やビジネスの場、時には恋愛トークでも使われるこの言葉、聞いたことはあるけれど「実際どんな意味?」「どう使えばいいの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

「引く手あまた」は、ポジティブな印象を持つ日本語表現の一つです。多くの人から求められている、つまり“人気者”や“必要とされている存在”に使われる言葉ですが、使う場面や相手を間違えると、違和感を与えてしまうこともあります。

本記事では、「引く手あまた」という言葉の意味や由来から始まり、正しい使い方や例文、さらには類語や英語表現との違いについてもわかりやすく解説していきます。特に、実際に使える例文を30個掲載していますので、シーン別にすぐに活用できます。

言葉の意味を深く理解することで、会話や文章がより自然で説得力あるものになります。ぜひ最後までご覧いただき、日常やビジネスでの表現力アップにお役立てください。

「引く手あまた」の意味

頼りになる人

「引く手あまた」という言葉は、やや古風で格式ある表現ですが、今もビジネスシーンやニュース記事などでよく使われています。まずはこの言葉の意味を丁寧に分解してみましょう。

「引く手」とは?

「引く手」とは、直訳すれば「引っ張る手」のこと。
つまり「欲しがる人」「引き寄せようとする人」の比喩表現です。誰か(何か)を自分の側に引き込もうとしている人々を指します。

「あまた」とは?

「あまた(数多)」は、古語に由来する言葉で、「非常にたくさん」「数多く」といった意味があります。現代ではあまり単独で使われることは少なく、こうした慣用句の中で見かける程度です。

全体の意味

「引く手あまた」は、
“多くの人から必要とされている、求められている”
という意味を持ちます。

たとえば、優秀な人材が多くの企業からスカウトされている状態、あるいは非常に人気の商品やサービスが多くの顧客から求められている状態などで使います。

例:

  • あのエンジニアは引く手あまたで、複数の企業からオファーが来ている。
  • この商品は発売当初から引く手あまたで、すぐに売り切れてしまった。

どちらも「非常に人気がある・高い需要がある」ことを表しており、ポジティブな評価が込められています。

「引く手あまた」は褒め言葉?モテモテという意味?

モテる人

「引く手あまた」という表現を耳にしたとき、「それって褒めてるの?」「モテモテって意味なの?」と疑問に感じる方もいるかもしれません。ここでは、この言葉のニュアンスと使いどころについて詳しく解説します。

基本的には褒め言葉

「引く手あまた」は、ポジティブな評価や賞賛を込めた表現です。
誰か(または何か)が多くの人から求められているという状況は、一般的に高く評価されるものであり、それを言葉で表したのが「引く手あまた」です。

たとえば:

  • 「あの人は引く手あまたの営業マンだ」
    → 多くの会社がその人を欲しがるほど優秀であると評価している。
  • 「彼女は引く手あまたのフリーランスデザイナー」
    → クオリティや人気が高く、依頼が絶えないことを示している。

このように、仕事やスキル、人柄などが高く評価されている状態を指し、相手を褒める際にも使われます。

「モテモテ」という意味もある?

結論から言えば、恋愛的な意味で「モテモテ」と解釈される場合もありますが、それは使い方によって変わります。
たとえば以下のような使い方です。

  • 「彼は大学時代、引く手あまただったらしいよ」
    → 文脈によっては「人気があった=恋愛対象としてモテていた」という解釈が可能。
  • 「合コンでも引く手あまたで、連絡先をたくさん聞かれてた」
    → この場合は、明確に“モテていた”という意味合いになります。

ただし、本来の意味は「人気・需要が高い」という中立~ビジネス寄りの表現ですので、恋愛シーンで使う場合はややユーモラスな表現、または比喩的な使い方となります。

使用上のポイント

  • ビジネスや仕事で使うときは、実力や人気の高さを示す褒め言葉として使える。
  • 恋愛やカジュアルな場で使うときは、「モテる」を柔らかく表現した言葉としてユーモアを交えて使うとよい。
  • 自分に使うときは、やや謙遜の姿勢を保つ方が自然(例:「ありがたいことに、いま引く手あまたです」など)。

「引く手あまた」の正しい使い方

会話をする人

「引く手あまた」は、日常会話やビジネスの現場でスマートに使える表現ですが、言葉の特性をしっかり理解していないと、使い方に違和感が出てしまうこともあります。ここでは、自然で適切な使い方のポイントを整理します。

基本の文型

「引く手あまた」は名詞句なので、以下のように文中に挿入して使うのが一般的です。

1. 「○○で引く手あまた」

例:

  • 彼はAI分野で引く手あまたのエンジニアだ。
  • あの企業は福利厚生の良さで引く手あまただ。

→「何の分野で」「どんな理由で」求められているのかを示すと、より具体的になります。

2. 「引く手あまたの○○」

例:

  • 引く手あまたの人気講師。
  • 引く手あまたのビジネスモデル。

→ 「引く手あまた」が形容詞的に前置される形。名詞に掛かって「需要の高い〜」という意味を表します。

3. 「○○は引く手あまただ」

例:

  • 彼のような即戦力は、どの業界でも引く手あまただ。
  • 引っ越し業者は繁忙期になると引く手あまたになる。

→ 主語を明確にすることで、事実や傾向を説明する形になります。


どんな対象に使える?

「引く手あまた」は人、スキル、商品、サービス、アイデアなど、需要のある対象すべてに使うことができます。

対象使用例
「彼は引く手あまたのエンジニアだ」
スキル「プログラミングスキルは今、引く手あまただ」
商品「この時短グッズは引く手あまたで品切れ状態」
サービス「その家事代行サービスは引く手あまたらしい」
アイデア「彼女のマーケティング手法は引く手あまただった」

使用上の注意点

  1. 過剰な自己アピールに注意
     「私は今、引く手あまたなんです!」とストレートに言うと、傲慢な印象を与えることがあります。言い回しをやわらげるのがベターです。
     例:
     ×「私は引く手あまたです」
     ○「ありがたいことに、お声がけを多くいただいています」
  2. 場面に応じたトーン調整を
     ビジネスやフォーマルな場では、丁寧な言い回しで使用しましょう。
     例:
     「引く手あまたでございます」→ 丁寧語
     「引く手あまたの人材として注目されております」→ 客観的で好印象
  3. 動詞ではないことに注意
     「引く手あまたする」「引く手あまたされた」などは誤用です。「名詞」または「慣用句」として扱います。

「引く手あまた」の例文【30選】

ノートパソコン

「引く手あまた」は多用途で便利な表現です。ここでは、実際に使えるシーンを「ビジネス」「私的なシーン」「SNS」の3つに分けて、合計30の例文を紹介します。


ビジネスシーン【10選】

  1. この分野の経験者は、今どこの企業でも引く手あまたです。
  2. 彼女は引く手あまたのプロジェクトマネージャーとして知られています。
  3. あのデザイナーは業界内で引く手あまただと聞きました。
  4. 今のスキルセットなら、転職市場では引く手あまたですよ。
  5. 営業成績トップの彼は、他社からも引く手あまたです。
  6. AIに精通したエンジニアは、世界中で引く手あまたの存在です。
  7. あのスタートアップは引く手あまたの投資先となっています。
  8. コロナ禍以降、在宅ワーク可能な職種が引く手あまたになっています。
  9. 引く手あまたの人材を採用するには、スピード感が必要です。
  10. この資格を持つ人は、常に引く手あまたの状態です。

私的なシーン【10選】

  1. 彼は学生時代から引く手あまたの人気者だった。
  2. ピアノが弾ける彼女は、文化祭でも引く手あまただったね。
  3. おばあちゃんの手料理は、親戚中で引く手あまたなんです。
  4. 子どもたちの間では、あのカードが引く手あまたらしい。
  5. ママ友の中でも、彼女の話し方は引く手あまたの秘訣とされている。
  6. 趣味で描いたイラストが、ネットで引く手あまたになりました。
  7. ボランティアに参加する彼は、地域で引く手あまたの存在です。
  8. ペットショップでこの犬種は引く手あまたなんですよ。
  9. 彼は恋愛でも引く手あまたで、常に誰かに想われている感じ。
  10. あの子の手作りアクセサリーは、クラス中で引く手あまた!

SNSでは【10選】

  1. なんでそんなに引く手あまたなの!? 羨ましい。
  2. 推しが引く手あまたで、チケット争奪戦が地獄…
  3. フリーランス始めたら、ありがたいことに引く手あまた状態。
  4. 引く手あまたな人って、何が違うんだろう…?
  5. 就活、引く手あまたの人がほんとにいるらしい。
  6. このレシピ、家族に引く手あまたで3日連続リクエストされた笑
  7. 引く手あまたって、かっこよすぎて自分には無縁かと思ってた。
  8. あの人、引く手あまたな雰囲気出してるけど、実際モテてるよね。
  9. 引く手あまたの通知音が鳴りやまない日が来ますように🙏
  10. 自分の作品が少しでも引く手あまたになりますように…!

これらの例文を参考に、自分の状況や文章のトーンに合わせて使い分けてみてください。「引く手あまた」は堅い表現にもカジュアルな表現にも応用できる、非常に便利なフレーズです。

「引く手あまた」の言い換え・類語・英語だと

ノートを取る人

「引く手あまた」という言葉は、やや格式高く響くため、場面によってはもっとカジュアルな表現や英語に置き換えたくなることもあるでしょう。ここでは、言い換え可能な表現や類語、英語表現を紹介します。


言い換え・類語表現

表現ニュアンス・使える場面
ひっぱりだこカジュアルな言い方。主に人に使われる。例:「彼はイベントでひっぱりだこだった」
大人気商品・サービス・人に幅広く使える。例:「大人気のカフェ」
モテモテ恋愛に特化した言い方。例:「彼は昔からモテモテだった」
引っ張り合いになる複数の相手が一人を取り合うイメージ。ビジネス向け。
注目の的関心が集中している状態。例:「彼女は今や注目の的だ」
人気を集めるやや丁寧な表現。例:「そのサービスは若者から人気を集めている」
売れっ子芸能人やクリエイターなどによく使われる。例:「売れっ子の漫画家」

英語表現

「引く手あまた」に完全に一致する英語はありませんが、意味やニュアンスが近い表現は多数あります。目的に応じて使い分けましょう。

英語表現意味・使い方の例
in high demand需要が高い。例:「He is in high demand as a speaker.」
highly sought-after非常に求められている。例:「a highly sought-after designer」
popular人気がある。例:「This product is very popular.」
hot property話題の人物・商品。例:「She’s a hot property in the industry.」
top pick最優先で選ばれる人。例:「He’s the top pick for the new role.」
people are lining up for ~~を求めて列をなす。例:「People are lining up for her services.」

類語の中にはカジュアルすぎるもの(例:「モテモテ」「ひっぱりだこ」)もあるため、TPOに応じて選ぶことが大切です。英語に翻訳する場合は、直訳よりも文脈に合った表現を選ぶことが自然な文章になります。

よくある質問

Q&A

「引く手あまた」は便利な言葉ですが、使い方や意味の広がりに戸惑うこともあります。ここでは、実際によくある疑問をQ&A形式で解説します。


Q1:「引く手あまた」は目上の人にも使えますか?

A:丁寧な文脈であれば使えますが、敬語と組み合わせましょう。

「引く手あまた」は失礼な表現ではありませんが、目上の人に対して使う場合は敬語や丁寧な表現と組み合わせるとより自然です。

例:

  • 「〇〇様のような方は、どの企業様からも引く手あまたでいらっしゃいます。」
  • 「〇〇様は業界内でも引く手あまたの存在として知られております。」

ただし、あまりに直接的な表現は避け、相手を立てる言い回しを心がけると無難です。


Q2:「引く手あまた」は自分に対して使っても大丈夫?

A:使えますが、謙遜を交えた言い回しが好印象です。

自分に対して「引く手あまた」を使うことは可能ですが、ストレートに言うと自慢に聞こえる可能性があります。

OKな例:

  • 「ありがたいことに、今はいくつかのお話をいただいており、引く手あまたのような状況です。」
  • 「想像以上にご依頼をいただき、引く手あまたと言えるかもしれません。」

NGな例:

  • 「私は引く手あまたですからね。」
  • 「まあ、どこでも欲しがられますよ。」

→ 謙虚な表現を心がけましょう。


Q3:「引く手あまた」と「ひっぱりだこ」の違いは?

A:「引く手あまた」はややフォーマル、「ひっぱりだこ」はカジュアルな印象です。

項目引く手あまたひっぱりだこ
言葉の印象丁寧・やや硬い親しみやすい・くだけた表現
使う場面ビジネス・フォーマルな文章会話・SNS・カジュアルなやりとり
対象の幅人、商品、サービスなど幅広く使える基本的に人に対して使われることが多い
使用例「引く手あまたのエンジニア」「彼はイベントでひっぱりだこだった」

シーンに応じて使い分けることで、表現の幅が広がります。

まとめ

「引く手あまた」という言葉は、もともと「多くの人が引っ張りたくなるほど需要がある」という意味を持ち、ビジネスや人材、商品、スキルなど、幅広い対象に使える表現です。古語の「あまた(=たくさん)」という言葉が含まれているため、やや格式高く聞こえますが、日常でも違和感なく使えます。

本記事では、この言葉の意味や使い方、褒め言葉としてのニュアンス、さらには「モテモテ」との違いについても解説しました。また、実際のシーンで使える例文をビジネス・私的・SNSそれぞれの場面に分けて30個紹介し、より実践的に活用できるようにしています。さらに、「ひっぱりだこ」や「売れっ子」などの言い換え表現や、英語での表現例、「自分に使ってもいいの?」といった疑問にも丁寧にお答えしました。

言葉を正しく使うことは、相手への印象を良くし、自分の伝えたいことをより正確に届けることにもつながります。TPOに応じた表現の選び方を身につけ、「引く手あまた」という言葉をぜひ日常や仕事の中で自然に使いこなしてみてください。現を心がけることが、スマートな日本語力を身につける第一歩です。ぜひ今日から「引く手あまた」を活用してみてください。