アラサー・アラフォー・アラフィフとは?何歳から何歳まで

近年、テレビ番組や雑誌、SNS などで 「アラサー」「アラフォー」「アラフィフ」といった言葉を目にする機会がぐっと増えました。
“アラ” とは英語の around(おおよそ/〜前後)を略したもので、数字の前に付けて「30 歳前後」「40 歳前後」といった年代をゆるく示す日本独自のスラングです。硬い年齢表記より親しみやすく、ライフスタイルや価値観を語るうえで便利なラベルとして浸透しました。
とはいえ、「アラサーは 25 歳? それとも 29 歳?」といった声や、「そもそも還暦前後を アラカン と呼ぶのは正しいの?」といった疑問も少なくありません。
本記事では、以下のような幅広い年齢帯を整理しながら、それぞれの境界線や呼称の背景をわかりやすく解説していきます。
- アラサー/アラフォー/アラフィフ
- アラカン(還暦)
- アラセブ・アラコキ(古希)
- アラエイ・アラナイ
さらに、「アラ〇〇」は男性にも使われるのか、世代間でズレを感じたときの対処法など、よくある質問にも答えていきます。
年齢のラベルにとらわれすぎず、“今の自分” にフィットする生き方・キャリア設計のヒントを得られる記事を目指しますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
アラサー・アラフォー・アラフィフの「アラ」とは

「アラ」= around(アラウンド)
日本で 2000 年代に入って急速に広まった俗語で、英語の around をそのまま音だけ略したものです。数字の前に付けて「その前後の年齢帯」を示すために使われます。
英語の原義 | 日本語スラングでのニュアンス |
---|---|
around 30 | 30 歳あたり、前後数年を含む |
around 40 | 40 歳を中心に±2〜3年 |
around 50 | 50 歳近辺、49〜51歳イメージ |
日本独自の表現
- 1980〜90年代:ファッション誌が “around twenty(アラウンドトゥエンティ)” を流行語として紹介。
- 2000年代前半:「アラサー」が女性誌で使われ始め、テレビやバラエティー番組にも波及。
- 2010年代以降:同じロジックでアラフォー・アラフィフ、さらにはアラカンなど派生語が誕生。SNS の普及で一気に市民権を得る。
利点と注意点
利点 | 注意点 |
---|---|
年齢をぼかしてカジュアルに伝えられる | 境界が曖昧で人によって解釈が異なる |
共通話題として盛り上がりやすい | 「若作り」「年齢いじり」などネガティブ文脈も |
マーケティングでターゲット層を示しやすい | 実年齢より上/下に感じて戸惑うケース |
ポイント
年齢ラベルは “目安” にすぎません。仕事やライフステージ、価値観の多様化が進む今、同じアラフォーでも状況は人それぞれ。言葉の便利さに頼りすぎず、「自分は何を大事にしたいか」を軸に考えることが大切です。
アラサーは何歳から何歳まで

「アラサー」とは、「around thirty(アラウンド・サーティ)」=30歳前後 を意味する日本独自の表現で、曖昧ながらも一定の年齢幅が想定されています。
一般的な年齢幅:25〜34歳
多くのメディアや辞書では、25歳から34歳 を「アラサー」と表現するケースが一般的です。これは、30歳を中心に前後約5年の範囲を含む考え方です。
年齢帯 | 特徴 |
---|---|
25〜27歳 | 「まだ20代」という意識が強いが、アラサー予備軍として扱われることも |
28〜32歳 | 「アラサーど真ん中」とされ、自己紹介などでよく使われる年齢層 |
33〜34歳 | 「もうすぐアラフォー」と見なされるが、アラサーに含める意見も多数 |
コアゾーン:28〜32歳
実際には「28〜32歳」を“アラサーの中心”とする人が多く、SNSや雑誌のアンケートでもこのゾーンが最多です。仕事や恋愛、ライフスタイルの変化が顕著に表れる年齢帯です。
アラサー世代の特徴
- キャリア:中堅社員として責任あるポジションに就く人が増える
- 結婚・出産:結婚適齢期とされ、家庭を築く人が多い
- お金:貯蓄や資産形成を意識し始める時期
- 健康:体力や代謝の低下を実感し、生活習慣の見直しが始まる
年齢に明確な線引きはありませんが、「アラサー」は30歳を中心としたライフステージや意識の変化を示す便利な言葉です。
アラフォーは何歳から何歳まで

「アラフォー」とは、「around forty(アラウンド・フォーティ)」=40歳前後 を意味する表現で、一般的には30代後半から40代前半を含む年齢層を指します。
一般的な年齢幅:35〜44歳
「アラフォー」として最も広く認識されているのは、35歳〜44歳。これは40歳を中心に前後約5年の幅をとった定義で、多くの辞書・記事でこの範囲が紹介されています。
年齢帯 | 備考 |
---|---|
35〜37歳 | アラサー後半との境界。若々しさを保ちつつもアラフォーを意識し始める年齢層 |
38〜42歳 | アラフォーの“ど真ん中”。仕事・家庭・健康などあらゆる面で変化が出やすい |
43〜44歳 | アラフィフ手前。心身や立場において次のステージを意識し始める時期 |
コアゾーン:38〜42歳
アンケートやライフスタイル記事では「38〜42歳」をアラフォーの中心と見なす傾向があります。社会的責任が重くなると同時に、将来への見直しが始まる年齢層です。
アラフォー世代の特徴
- キャリア:管理職やプロジェクトリーダーを任される時期。転職や独立を考える人も
- ライフイベント:子育て、介護、夫婦関係の再調整など家庭の課題が増加
- お金:教育費・住宅ローン・老後資金の三重負担が現実に
- 健康:体力の低下や不調が目立ち、健康診断の数値が気になり出す
アラフォーは「人生の中間地点」とも言われる時期。責任が重くなる一方で、自由度や選択肢も増えるため、“自分らしい生き方”を見直す重要なタイミングです。
アラフィフは何歳から何歳まで

「アラフィフ」とは、「around fifty(アラウンド・フィフティ)」=50歳前後 を意味する言葉で、人生の後半に向けた準備期とも言える年代です。心身の変化、家族関係の転機、そしてセカンドキャリアなど、ライフステージの大きな節目を迎える層にあたります。
一般的な年齢幅:45〜54歳
「アラフィフ」は、45歳から54歳 を含むとされるのが一般的です。50歳を中心に前後約5年の範囲という考え方に基づいています。
年齢帯 | 備考 |
---|---|
45〜47歳 | アラフォー終盤からの移行期。「アラフィフ予備軍」として自覚が芽生える層 |
48〜52歳 | アラフィフの中心。仕事・健康・家庭などで大きな変化を実感しやすい |
53〜54歳 | アラ還(アラカン/還暦)を意識し始める時期。定年や老後の計画も現実味を帯びる |
コアゾーン:48〜52歳
メディアや世代別マーケティングの文脈では、「48〜52歳」がアラフィフのコア層として紹介されることが多いです。多くの人が心身の変化を感じ、人生の方向性を見直す時期です。
アラフィフ世代の特徴
- キャリア:部長職や管理職を務める一方で、役職定年・早期退職も視野に入る
- ライフイベント:子どもの独立、親の介護、夫婦関係の再定義など
- お金:老後資金や年金の試算、住宅ローン完済が現実的テーマに
- 健康:更年期障害や生活習慣病など、体調管理が必須になる
アラフィフは、「今後どう生きるか」を真剣に考え始める時期。見た目や体力だけでなく、価値観や人間関係にも変化が表れやすくなります。
アラカン(還暦)は何歳から何歳まで

「アラカン」とは、「around 還暦(かんれき)」=60歳前後 を指す日本独自の表現です。「還暦」とは干支が一周して生まれ年に戻る60歳を祝う節目の年齢で、かつては“引退”や“高齢者”のイメージが強いものでした。しかし、現代では「アラカン=まだまだ現役」の象徴にもなりつつあります。
一般的な年齢幅:58〜62歳
「アラカン」は還暦(60歳)を中心に、前後2年程度を含む 58〜62歳 を指すのが一般的です。この時期に定年、退職準備、再雇用制度の適用など、人生の新たなステージに入る人が多いため、社会的にも特別な意味を持ちます。
年齢帯 | 備考 |
---|---|
58〜59歳 | 定年直前期。仕事の区切りや生活の準備を始める人が多い |
60歳(還暦) | 干支が一巡。昔は長寿祝い、今は人生の「第二章」の始まり |
61〜62歳 | 再雇用、年金受給の準備期。仕事と生活の再構築が始まる |
コアゾーン:59〜61歳
実感として「アラカンだな」と感じるのは 59〜61歳。60歳前後の数年間は、生活スタイル・仕事・人間関係が大きく変わるため、特に意識される時期です。
アラカン世代の特徴
- キャリア:定年退職・再雇用・フリーランスなど多様な選択肢が現実に
- 家庭:子どもの完全自立、孫の誕生、介護への関わりが始まる
- お金:年金試算や受給開始、老後生活設計の実行フェーズ
- 健康:体力の衰えが顕著に。日常的な健康維持が必須に
アラカンは「終わり」ではなく、「新しい人生のスタートライン」。今後の働き方、暮らし方、人とのつながりを見直す好機として、前向きに捉える人が増えています。
アラセブ・アラコキ(古希)は何歳から何歳まで

「アラセブ」や「アラコキ」とは、それぞれ以下の年齢帯を表す日本の略語です:
- アラセブ(around seventy)=70歳前後
- アラコキ(古希)=70歳を迎える節目
もともと「古希」は、唐の詩人・杜甫の「人生七十古来稀なり(70歳まで生きる人は昔はまれだった)」に由来し、長寿を祝う年齢として親しまれてきました。現代では平均寿命の延びにより、70代前後の人々もアクティブに活動しています。
一般的な年齢幅:68〜72歳
アラセブ・アラコキは、68〜72歳 の年齢層を指すのが一般的です。これは「70歳」という区切りを中心に、前後2年程度を含めた範囲になります。
年齢帯 | 備考 |
---|---|
68〜69歳 | 定年後の再就職や地域活動など、第二の人生を本格始動する時期 |
70歳(古希) | 節目の年齢。本人・家族ともに特別な意識が高まる |
71〜72歳 | 健康や生活スタイルに安定感が出始める。孫との時間が増える人も |
コアゾーン:69〜71歳
実感として「アラセブ」「アラコキ」と言いやすいのは 69〜71歳。この時期は、身体の変化を受け入れながらも趣味・仕事・地域活動などで充実感を得ている人が多いのが特徴です。
アラセブ・アラコキ世代の特徴
- 生活:完全リタイア後の暮らしが定着。旅行・趣味・地域とのつながりが中心に
- お金:年金生活が本格化。貯蓄・相続・医療費に備える意識が高まる
- 健康:持病との付き合いや介護予防への関心が強くなる
- 人間関係:子や孫との距離感、配偶者との再関係構築がテーマに
アラセブは、「老後の成熟期」。年齢を重ねても人生を楽しむ姿が注目され、“70代=元気で自由な世代”としてポジティブに語られることが増えています。
アラエイは何歳から何歳まで

「アラエイ」とは、「around eighty(アラウンド・エイティ)」=80歳前後 を意味する言葉で、近年では高齢化の進行とともに使われ始めた比較的新しいスラングです。
かつては「80歳」と言えば寝たきりや介護のイメージもありましたが、現代の80代は非常に元気で、ジム通いや海外旅行、趣味の活動などを楽しむ人も多くなっています。「アラエイ」はそうした時代背景を反映した言葉ともいえるでしょう。
一般的な年齢幅:78〜82歳
「アラエイ」とされる年齢は、78歳〜82歳 が一般的な目安です。80歳を中心に前後2年ほどの幅を持って呼ばれることが多く、卒寿(90歳)や傘寿(80歳)といった祝い事との境界線でもあります。
年齢帯 | 備考 |
---|---|
78〜79歳 | 後期高齢者としての生活スタイルが定着。介護予防に積極的 |
80歳(傘寿) | 節目の年齢。健康意識や人生観の変化が表れやすい |
81〜82歳 | 健康寿命と生活の質(QOL)が注目される時期 |
コアゾーン:79〜81歳
実感として「アラエイ」と認識されやすいのは 79〜81歳。この時期には、健康と自立生活への関心が最も高まり、生活スタイルに「無理をしない工夫」が加わる傾向があります。
アラエイ世代の特徴
- 生活:日常生活の自立を保ちながらも、介助サービスの利用が選択肢に
- 健康:定期的な医療通院とともに、認知症予防や体力維持に注力
- 家族関係:子ども世代との距離感、孫やひ孫との関わりが増える
- 社会参加:地域ボランティア、趣味の教室、デイサービスなどで活発に活動する人も
アラエイは「第二の熟成期」。健康で前向きな80代の姿が増えたことで、年齢に対する価値観も変化しています。今や80代は「まだできることがある」世代として、再評価されているのです。
アラナイは何歳から何歳まで

「アラナイ」とは、「around ninety(アラウンド・ナインティ)」=90歳前後 を意味する表現で、人生の最終章に近づきつつも、まだまだ自立した生活を送る高齢者が増えていることを反映した言葉です。
平均寿命が延び、90歳まで元気に過ごすことが当たり前になりつつある現代において、「アラナイ」は単なる高齢者の区分を超えて、“今を生きる”姿勢が注目される世代でもあります。
一般的な年齢幅:88〜92歳
アラナイの年齢幅は、88〜92歳 が一般的とされます。これは90歳(卒寿)を中心に、前後2年程度を含めた範囲で使われることが多いです。
年齢帯 | 備考 |
---|---|
88〜89歳 | 米寿を迎えた後の安定期。生活のペースを大切にする人が多い |
90歳(卒寿) | 人生の大きな節目。家族でお祝いされることも多い |
91〜92歳 | 日常生活に支援が必要になるケースが増えるが、自立している人も少なくない |
コアゾーン:89〜91歳
「アラナイ」として最も意識されるのは 89〜91歳。この年代では、体力の衰えはあるものの、「話す・考える・歩く」などの基本的な動作を自分でこなしている人が多く見られます。
アラナイ世代の特徴
- 生活:介護や同居を選ぶ人もいるが、自宅での生活を望む人も依然多い
- 健康:慢性的な病気や通院管理が日常の一部に
- 人間関係:子や孫、さらにはひ孫との多世代交流が楽しみの一つ
- 終活:遺言・生前整理・相続などを積極的に進める傾向も強まる
アラナイは「長寿と自立の共存期」。介助が必要になる割合は増えますが、「最後まで自分らしく生きたい」という意識が強く、社会参加や交流に前向きな人も多いのが特徴です。
「アラ〇〇」は男性にも使われる?

「アラサー」「アラフォー」などの「アラ〇〇」という表現は、もともとは女性誌やファッションメディアで多く使われ始めたため、当初は女性向けの言葉という印象が強くありました。しかし、現在では 男性にも広く使われる表現 となっています。
男性にも使われる理由
- 言葉の中立性
- 「アラ〇〇」は年齢を表すだけの簡潔な表現で、性別に依存しない言葉です。
- 「30代男性」「40代女性」などと同じように、単純に年代を示す言い回しとして使われるようになりました。
- メディアでの普及
- 男性向けのビジネス誌やライフスタイル誌、転職サイトでも「アラサー男性」「アラフォー男性」といった表現が頻繁に見られます。
- SNSでも男性が自分のプロフィールに「アラサー男」「アラフィフ独身」などと記載するケースが増加しています。
- マーケティングの影響
- 消費行動が変化する年齢帯として、企業がターゲティングする際に「アラフォー男性向け商品」などの表現を使うようになったことも普及の一因です。
よくある質問

「アラサーって何歳から?」「35歳はアラフォー?それともアラサー?」など、「アラ〇〇」には明確な定義がないぶん、使い方に迷う人も多いようです。ここでは、よくある疑問にお答えします。
Q1. アラサーは35歳でも使えますか?
A. 一般的には35歳は「アラフォー」に含まれます。
ただし、本人の気持ちや文脈によっては「アラサー最後の年」として使う人もいます。公式な定義はなく、曖昧さを含んだ表現なので、話し相手との感覚のすり合わせが大切です。
Q2. 「アラサー女子」「アラフォー男子」って失礼にならない?
A. 基本的にはカジュアルな表現ですが、使う場面に注意が必要です。
たとえば、親しい間柄やSNSでは問題にならないことが多いですが、ビジネスシーンや初対面の相手に対して使うと、不快に思われる可能性も。年代を表現したい場合は「30代女性」「40代男性」といった言い方が無難です。
Q3. 「アラカン」や「アラエイ」などの新しい呼び方は、一般的に通じますか?
A. 通じることもありますが、まだ認知度は低めです。
「アラサー」「アラフォー」「アラフィフ」は広く浸透していますが、「アラカン」「アラエイ」などは、文脈がないと理解されにくい場合も。説明を添える、または状況を見て使うことをおすすめします。
Q4. 年齢の区分に当てはまらないと変?
A. まったく問題ありません。
「アラ〇〇」はあくまで目安です。28歳でアラサーを自称しても、33歳でアラサーを名乗っても、使う目的に合わせて柔軟に使ってOKです。ライフステージや自己認識の方が、年齢数字よりも大切です。
Q5. アラ〇〇の境界はなぜはっきりしないの?
A. 語源が「around(おおよそ)」だからです。
「around」はそもそも“約・前後”という意味なので、明確な区切りをつけないことが前提です。その曖昧さが「柔らかい言い回し」として日本文化に合い、広まったと考えられています。
まとめ
「アラサー」「アラフォー」「アラフィフ」などの「アラ〇〇」という表現は、年齢を柔らかく示す便利な言葉として広まりました。語源は英語の “around” で、「おおよそ30歳」「おおよそ40歳」といった意味合いがありますが、実際の範囲は人やメディアによって異なり、たとえばアラサーなら25〜34歳、アラフォーなら35〜44歳というように、前後約10年で捉えるのが一般的です。
さらに近年では「アラカン(還暦)」「アラセブ(70歳前後)」「アラエイ(80歳前後)」「アラナイ(90歳前後)」といった言葉も登場し、人生100年時代にふさわしい表現として広がりつつあります。
これらの言葉は、自分の今の立ち位置を客観的に見つめるヒントにもなりますが、あくまで“目安”であり、“ラベル”に縛られすぎないことが大切です。年齢にとらわれず、自分らしい生き方を選ぶ柔軟な視点を持つことが、豊かな人生につながるのではないでしょうか。