「特徴」と「特長」の違いをズバリ【60例文】使い分けマスター

日本語には、似ているようで微妙に意味が異なる言葉がたくさんあります。その中でも混同しやすいのが「特徴」と「特長」です。どちらも「その物・人が持つ、他と異なる性質」を表す言葉ですが、実はニュアンスや使う場面に違いがあります。
たとえば、新商品のプレゼンで「この製品の特徴は…」という場合と、「この製品の特長は…」という場合では、伝えたい意味合いが少し変わってくるのです。こうした使い分けを理解していないと、微妙に違和感のある文章になってしまったり、伝えたい意図が正確に届かなかったりする可能性もあります。
この記事では、
- 「特徴」と「特長」の違いを明確に理解し、
- 実際の使い分け方を60の例文で学び、
- よくある間違いや類語との関係も整理し、
「特徴」と「特長」を正確かつ効果的に使いこなせるようになることを目指します。
日本語表現をワンランク上に磨きたい方、文章を書く機会が多い方、語彙をしっかり使い分けたい方におすすめの内容です。ぜひ最後まで読み進めてみてください。
目次
特徴と特長の違いをズバリ

「特徴」 は、物事の持つ他と異なる点や際立った性質を指します。良い意味だけでなく、悪い意味にも使えるのが特徴です。例えば、「この町の特徴は坂が多いことです」「彼の話し方には独特の特徴があります」など、良し悪しに関係なく使えます。
「特長」 は、特に優れている点や長所を表します。良い意味で使われるのがポイントです。例えば、「このカメラの特長は高画質な撮影ができることです」「彼の特長は記憶力の良さです」といったように、プラスの要素を強調する際に使います。
つまり、「特徴」は単なる違いを表し、「特長」は良い点に焦点を当てる言葉です。
「特徴」と「特長」は、どちらも「他と違う点」に着目した言葉ですが、その「違い」が良いのかどうかという点で意味が異なります。ここでは、違いを一目で理解できるよう、表を使って分かりやすく解説します。
▶ 違いの比較表
項目 | 特徴(とくちょう) | 特長(とくちょう) |
---|---|---|
意味 | 他と異なる点、目立つ性質 | 他と比べて優れている点、長所 |
ニュアンス | 中立・客観的 | ポジティブ(良い点を強調) |
評価の含み | 含まれない(良し悪しは問わない) | 含まれる(基本的に良い点) |
使用場面 | 比較、分析、説明、特徴の列挙 | アピール、PR、推薦、長所の紹介 |
例 | この犬は耳が大きいのが特徴です。 | この犬の特長は人懐っこい性格です。 |
英語にすると | Feature / Characteristic | Advantage / Strength |
- 「特徴」は、「この人は声が大きい」や「この製品は形が独特」といった、単なる違いを表す。
- 「特長」は、「この人は声が通るので司会に向いている」など、違いの中でも良い面にフォーカスしたもの。
「特徴」の意味

「特徴(とくちょう)」とは、ある人や物、事柄が持っている他と異なる性質や様子のことを指します。主に、中立的または客観的にそのものの違いを説明するときに使われます。
▶定義(辞書的な意味)
他のものと比べて特に目立つ点や性質。外見や性格、機能など、違いを生む要素のこと。
この言葉は、「優れている」「劣っている」といった評価を含まないのが特徴です。たとえば、「彼女の声には特徴がある」と言った場合、その声が良いのか悪いのかは判断しておらず、他とは違う何かがあるという点を強調しています。
▶使われる場面
- 人物や物の説明(例:この商品の特徴は〇〇です)
- 比較や分析(例:A社とB社の特徴を比較する)
- データや傾向の解説(例:近年の若者の特徴として~)
このように、「特徴」は主観をできるだけ排し、物事の違いを説明する際に使う言葉です。
「特長」の意味

「特長(とくちょう)」とは、ある人や物、事柄が持っている特にすぐれている点や長所を指します。これは「特徴」と似ていますが、ポジティブな意味合いを含むのが最大の違いです。
▶定義(辞書的な意味)
他と比べて特に優れている点。長所。目立って良いところ。
たとえば、「この車の特長は燃費の良さです」という表現では、「燃費が良い=他より優れている」という評価を伴っています。
▶使われる場面
- 商品やサービスのアピール(例:本製品の特長は高性能で軽量な点です)
- 人物の長所紹介(例:彼の特長は丁寧な対応力です)
- 比較における優位性を説明する場合(例:A社の特長は導入後のサポート体制です)
「特長」は、「良い点をアピールする」時に使うのが基本です。そのため、ビジネス文書や広告・プレゼン資料などでも頻繁に登場します。
「特徴」と「特長」の使い分け

「特徴」と「特長」は、意味やニュアンスに明確な違いがあるため、使い分けがとても重要です。ここでは、具体的なシーン別にどちらを使うべきかを整理し、使い分けのポイントを解説します。
▶ 使い分けの基本ルール
表現したい内容 | 適切な語 |
---|---|
単に他と違っている点を言いたい | 特徴 |
他と比べて特に優れている点を伝えたい | 特長 |
▶ シーン別・使い分けの例
① 人物紹介
- ✅ 特徴:彼の特徴は、目が大きく、背が高いことです。
- ✅ 特長:彼の特長は、丁寧で気配りができる性格です。
※見た目や客観的な性質→「特徴」/性格や長所→「特長」
② 商品説明
- ✅ 特徴:このスマートフォンの特徴は、カメラが本体の中央にあることです。
- ✅ 特長:このスマートフォンの特長は、暗所でも綺麗に撮影できる高性能カメラです。
※構造・形状→「特徴」/性能・利点→「特長」
③ 比較分析
- ✅ 特徴:A社とB社のサービスには、それぞれ異なる特徴があります。
- ✅ 特長:A社の特長は、24時間サポートがある点です。
※全体の違いを挙げる→「特徴」/優れている点を述べる→「特長」
「特徴」の使い方【例文20】

ここでは「特徴」の使い方を、具体的な文章例を通して確認していきましょう。先述の通り、「特徴」は中立的・客観的な違いを表す言葉なので、評価を含まず、単に「他と異なる点」を述べる際に使います。
▶ 日常・人物に関する例文
- 彼の話し方には独特なリズムがあるのが特徴です。
- あの子の特徴は、笑うと目が三日月のようになるところです。
- 日本語の特徴の一つは、敬語が発達していることです。
- この動物の特徴は、夜行性であることです。
- 彼女の特徴は、すぐに髪型を変えることです。
▶ 商品・モノに関する例文
- このスマートフォンの特徴は、カメラの位置が中央にある点です。
- 新型の冷蔵庫は、扉が左右どちらからも開くのが特徴です。
- その自動車の特徴は、丸みを帯びたデザインにあります。
- このバッグは、外側に大きなポケットがあるのが特徴です。
- 日本の住宅の特徴は、玄関で靴を脱ぐ文化にあります。
▶ サービス・システムに関する例文
- このアプリの特徴は、直感的な操作ができることです。
- 新サービスの特徴は、個人に合わせてプランがカスタマイズできる点です。
- このシステムの特徴は、データ処理が高速なことです。
- そのプランには、期間の制限がないという特徴があります。
- 日本の医療制度には、保険制度が充実しているという特徴があります。
▶ データ・傾向・自然現象などに関する例文
- 最近の若者の特徴として、SNSを使いこなす力が挙げられます。
- 地方都市に見られる特徴は、車での移動が前提となっていることです。
- この植物の特徴は、乾燥に非常に強いことです。
- この地域の気候の特徴は、昼夜の気温差が大きいことです。
- 春先の気象の特徴として、寒暖差が激しい点があります。
「特長」の使い方【例文20】

ここでは「特長」の使い方を、実際の例文を交えて確認していきます。「特長」は、その人・物・サービスが他より優れている点やアピールポイントにフォーカスした言葉です。良い点や強みを紹介したいときに使います。
▶ 人物・性格に関する例文
- 彼の特長は、どんな相手にも物怖じせずに話せるところです。
- 彼女の特長は、地道に努力を続けられる根気強さです。
- あの社員の特長は、複雑な問題を簡潔に整理できる思考力です。
- 私の特長は、相手の話をよく聞く傾聴力だと思います。
- 新人の特長は、誰よりも早く仕事を覚える吸収力です。
▶ 商品・製品に関する例文
- この冷蔵庫の特長は、消費電力の少なさと静音性です。
- 新しいノートパソコンの特長は、軽量なのに高性能な点です。
- この掃除機の特長は、狭い場所でもスムーズに動かせる構造です。
- この商品の特長は、肌にやさしい天然素材を使用していることです。
- 当社のカメラの特長は、夜間でも鮮明に撮影できる高感度性能です。
▶ サービス・企業に関する例文
- 弊社のサービスの特長は、導入から運用まで一貫して支援できる点です。
- この保険プランの特長は、入院日数に関係なく一定の給付が受けられることです。
- 当塾の特長は、個別指導とグループ学習の両方を取り入れている点です。
- このアプリの特長は、初心者でも使いやすいシンプルなデザインです。
- この会社の特長は、スピード感をもって開発を進める社風にあります。
▶ その他(学校・地域・イベントなど)
- この高校の特長は、留学制度が充実していることです。
- この街の特長は、自然と都市機能が調和している点です。
- このホテルの特長は、全室オーシャンビューという贅沢なロケーションです。
- 当イベントの特長は、参加型のワークショップが多い点です。
- このプランの特長は、カスタマイズ性の高さです。
間違えやすい使い方【例文20】

「特徴」と「特長」は、似た発音で意味も重なる部分があるため、使い分けを間違いやすい言葉です。ここでは、実際に多くの人が間違いやすい表現を取り上げ、誤用例(✕)と正しい使い方(〇)を並べて解説します。
1. 人物の性格や能力を表すとき
✕ 彼の特徴は、誰とでもすぐに仲良くなれることです。
〇 彼の特長は、誰とでもすぐに仲良くなれることです。
→ 良い点・長所にあたるため「特長」が適切。
2. 外見的な違いを述べるとき
✕ 彼女の特長は、髪の色が明るいことです。
〇 彼女の特徴は、髪の色が明るいことです。
→ 単なる見た目の違いなので「特徴」が正しい。
3. 製品の性能を伝えるとき
✕ このエアコンの特徴は、電気代が安くすむことです。
〇 このエアコンの特長は、電気代が安くすむことです。
→ 優れた点をアピールしているので「特長」が正しい。
4. 見た目の形状を説明するとき
✕ このテーブルの特長は、丸い形をしていることです。
〇 このテーブルの特徴は、丸い形をしていることです。
→ 評価を含まない外観の説明なので「特徴」が正しい。
5. 職場での強みを伝えるとき
✕ 彼の特徴は、常に冷静に対応できることです。
〇 彼の特長は、常に冷静に対応できることです。
→ 能力・長所を示しているので「特長」が適切。
6. 比較のために違いを説明する文脈
✕ A社とB社の特長を比較した資料です。
〇 A社とB社の特徴を比較した資料です。
→ 優劣ではなく違いを述べる文脈なので「特徴」。
7. 地域性を説明する場合
✕ この地域の特長は、冬に雪が多く降ることです。
〇 この地域の特徴は、冬に雪が多く降ることです。
→ 客観的な事実なので「特徴」が正しい。
8. 地域の魅力を紹介する場合
✕ この町の特徴は、自然が豊かなことです。
〇 この町の特長は、自然が豊かなことです。
→ 魅力的な面として紹介しているので「特長」。
9. サービスの差別化ポイント
✕ このサービスの特徴は、24時間対応していることです。
〇 このサービスの特長は、24時間対応していることです。
→ 優れている点を伝えているため「特長」が適切。
10. 単なる構造の説明
✕ この商品の特長は、電源スイッチが上部にあることです。
〇 この商品の特徴は、電源スイッチが上部にあることです。
→ 物理的な形状の説明なので「特徴」が正しい。
11. 教育方針や制度について
✕ この学校の特徴は、留学制度が整っていることです。
〇 この学校の特長は、留学制度が整っていることです。
→ 優れた取り組みを示しているため「特長」が適切。
12. 自然現象の記述
✕ この地域の特長は、年中湿度が高いことです。
〇 この地域の特徴は、年中湿度が高いことです。
→ 評価を含まない自然条件なので「特徴」。
13. 企業の魅力を述べるとき
✕ この会社の特徴は、社員の定着率が高いことです。
〇 この会社の特長は、社員の定着率が高いことです。
→ 長所を伝えているため「特長」が適切。
14. 単に違いを述べるとき
✕ このスマートフォンの特長は、ボタンの配置が独特なことです。
〇 このスマートフォンの特徴は、ボタンの配置が独特なことです。
→ 見た目の違いであり評価を含まないので「特徴」。
15. 履歴書などでの自己PR
✕ 私の特徴は、計画的に物事を進められることです。
〇 私の特長は、計画的に物事を進められることです。
→ 自分の強み・長所を述べているので「特長」が正しい。
16. 食品の風味の違い
✕ この味噌の特長は、酸味が強いことです。
〇 この味噌の特徴は、酸味が強いことです。
→ 客観的な味の違いであり、「特徴」が適切。
17. スポーツ選手の能力
✕ 彼の特徴は、瞬発力と持久力の高さです。
〇 彼の特長は、瞬発力と持久力の高さです。
→ 高い能力を評価しているので「特長」が正しい。
18. 製品レビューで性能を述べる
✕ このパソコンの特徴は、起動が速いことです。
〇 このパソコンの特長は、起動が速いことです。
→ 性能の高さを評価しているので「特長」。
19. 他社との違いを示すだけのとき
✕ 他社と異なる特長を打ち出す必要があります。
〇 他社と異なる特徴を打ち出す必要があります。
→ 単なる違いであれば「特徴」が適切。
20. アピール文で間違いやすい例
✕ 当店の特徴は、全メニュー手作りなところです。
〇 当店の特長は、全メニュー手作りなところです。
→ 良い点をアピールしているので「特長」が正しい。
特徴と特長の言い換え表現
「特徴」と「特長」は似ていますが、それぞれの言い換え表現を適切に使い分けることで、文章の印象をより明確にすることができます。以下の言い換え表現を参考にして、その違いをより明確にしてみてください。
「特徴」の言い換え表現

「特徴」は、物事の違いや目立つ性質を指します。良い・悪いに関わらず、単に他と異なる部分を表現する際に使われます。
① 個性
意味: その人や物が持っている独自の性質。主に人の性格や作品のスタイルを表すことが多い。
例文:
- この町の個性は、昔ながらの街並みにある。
- 彼の個性は、ユニークなファッションセンスに表れている。
② 性質
意味: 物や人が本来持っている特有の特性や傾向。科学的な性質にも使われる。
例文:
- この金属の性質は、熱をよく伝えることだ。
- 彼の性質として、一度決めたことは最後までやり遂げることが挙げられる。
③ 特性
意味: あるものが持っている固有の性質や特徴。技術や製品の説明で使われることが多い。
例文:
- この素材の特性は、軽くて丈夫な点にある。
- この薬の特性は、副作用が少なく長時間効果が持続することだ。
④ 傾向
意味: 物事が特定の方向に向かいやすい性質。人の行動や世の中の動向について述べる際に使われる。
例文:
- 彼の発言には独特の傾向がある。
- 最近のファッションの傾向は、シンプルなデザインが人気ということだ。
⑤ 特色
意味: 他と異なる点や目立つ特徴。ポジティブな意味でも使われるが、「特長」ほど優れた点には限定されない。
例文:
- この学校の特色は、国際交流が盛んなことだ。
- このレストランの特色は、地元産の食材をふんだんに使っている点だ。
「特長」の言い換え表現

「特長」は、物事の優れた点や長所を強調する際に使われます。良い部分やメリットを伝えるときに適した表現です。
① 強み
意味: 他と比べて優れている点や得意な部分。ビジネスや個人のスキルに関する話題でよく使われる。
例文:
- この製品の強みは、バッテリーの持ちが良いことだ。
- 彼の強みは、コミュニケーション能力が高い点だ。
② 長所
意味: 人や物の良い点や優れた部分。人の性格や能力に関して使われることが多い。
例文:
- 彼の長所は、誰とでもすぐに打ち解けられることだ。
- この机の長所は、軽くて持ち運びやすいことだ。
③ メリット
意味: ある物事が持つ利点や利益。カタカナ語として、ビジネスや商品説明の際に多用される。
例文:
- このプランのメリットは、料金が安いことだ。
- 自転車通勤のメリットは、運動不足を解消できることだ。
④ 優れた点
意味: 物事の中で特に良い部分を強調する際に使われる。フォーマルな文章でも使いやすい表現。
例文:
- このパソコンの優れた点は、処理速度が速いことだ。
- この洗剤の優れた点は、環境に優しい成分で作られていることだ。
⑤ 魅力
意味: 人や物が持っている、他人を引きつける良さや価値。感情的・感覚的に「素晴らしい」と思える点を表現する際に使われる。
例文:
- この旅館の魅力は、温泉の質が高いことだ。
- 彼女の魅力は、明るくて誰にでも優しいところだ。
「特徴」の英語表現

「特徴」は英語で直訳するとさまざまな単語がありますが、どのような特徴か(外見的・性格的・機能的など)に応じて、適切な英語表現を選ぶ必要があります。
feature(フィーチャー)
最も一般的な訳語で、製品・システム・外見・機能などの特徴を表します。
- 意味:特筆すべき点、機能、特徴
- 使用例:
The main feature of this camera is its night vision mode.
(このカメラの主な特徴はナイトビジョン機能です)
characteristic(キャラクタリスティック)
性格・行動・現象・傾向など、典型的な特徴や性質に使われます。
- 意味:特徴的な性質、典型的な要素
- 使用例:
A characteristic of Japanese culture is respect for harmony.
(日本文化の特徴は調和を重んじることです)
trait(トレイト)
主に人の性格・性質・遺伝的特徴に使われます。formalな場面でも使われます。
- 意味:性格・遺伝的な特徴
- 使用例:
Kindness is one of her most admirable traits.
(親切心は彼女の最も賞賛すべき特徴の一つです)
property(プロパティ)
科学的・技術的文脈での物質や素材の特徴・性質に使われます。
- 意味:特性、物理的・化学的な性質
- 使用例:
Water has the property of expanding when frozen.
(水は凍ると膨張するという性質がある)
attribute(アトリビュート)
やや抽象的な文脈での資質や性質、人物の評価ポイントなどに用いられます。
- 意味:特性、性質、持ち味
- 使用例:
Patience is an important attribute for teachers.
(忍耐力は教師にとって重要な特徴です)
文脈 | 適した英語表現 |
---|---|
製品やサービスの機能 | feature |
文化や社会的性質 | characteristic |
人の性格・行動の傾向 | trait / attribute |
科学・素材の性質 | property |
「特徴」は一語で全て表せる英語はなく、文脈に応じて使い分けるのがポイントです。日本語の「特徴」は便利な言葉ですが、英語ではより具体的な単語を選んで使う必要があります。
「特長」の英語表現

「特長」は、他よりも特に優れている点や強み・アピールポイントを指します。そのため、英語ではポジティブな評価を含む単語を選ぶ必要があります。以下に主な英訳と使い方を紹介します。
advantage(アドバンテージ)
最も汎用的な訳語で、他と比べて有利な点・強みを表します。
- 意味:利点、優位性
- 使用例:
The main advantage of this service is its 24/7 support.
(このサービスの特長は24時間対応のサポートです)
strength(ストレングス)
能力的な強みや長所を表現する際に使われます。個人や企業の特長にも適しています。
- 意味:強み、長所
- 使用例:
Our company's greatest strength is our rapid development speed.
(当社の最大の特長は、開発スピードの速さです)
merit(メリット)
比較の場面や、制度・プラン・製品の利点を表すときに適しています。
- 意味:利点、価値ある点
- 使用例:
One merit of this plan is its flexibility.
(このプランの特長は柔軟性があることです)
benefit(ベネフィット)
受け手にとっての恩恵・利点というニュアンスで、主にマーケティングや製品説明で使われます。
- 意味:利益、恩恵、利点
- 使用例:
A major benefit of this product is ease of use.
(この製品の特長は使いやすさです)
superiority(スーペリオリティ)
少しフォーマルで硬い表現ですが、他よりも明確に優れていることを強調したい場面に使います。
- 意味:優越性、卓越性
- 使用例:
The product’s superiority lies in its innovative design.
(この製品の特長は革新的なデザインにあります)
文脈 | 適した英語表現 |
---|---|
商品やサービスの利点 | advantage / benefit |
ビジネス上の強み・競争力 | strength / advantage |
プラン・制度の良さ | merit / benefit |
他と比べて圧倒的に優れている点 | superiority |
「特長」は、ポジティブな評価を伴うため、英語では advantage, strength, benefit などの表現が主に使われます。誰にとっての特長か(提供側 or 受け手)に注意しながら、文脈に応じて適切な単語を選ぶことが重要です。
よくある質問

「特徴」と「特長」の使い分けについて、学んでいく中で多くの方が抱く疑問をQ&A形式でまとめました。知識の整理や理解の補足にご活用ください。
Q1. 「特徴」と「特長」は辞書ではどう定義されている?
A.
両者は、辞書では以下のように定義されています。
- 特徴:他のものと比べて特に目立つ点。外見や性質、機能などの違いを含むが、良し悪しは問わない中立的な意味。
- 特長:他よりも特に優れている点。長所や強みなど、良い面を強調する表現。
つまり、「特徴」は違いそのもの、「特長」は違いの中でも良い部分を意味します。
Q2. 履歴書や職務経歴書では「特徴」と「特長」どちらを使うべき?
A.
基本的には「特長」を使うのが適切です。
履歴書や自己PR文では、自分の長所や強みをアピールする目的があるため、「私の特長は責任感と継続力です」のようにポジティブな意味を持つ「特長」を選ぶのが自然です。
Q3. 商品やサービスの紹介文ではどちらがよい?
A.
使い分けが必要です。
- 「特徴」:商品の形状・仕様・構造など客観的な情報(例:このスマートフォンの特徴は、画面が大きいことです)
- 「特長」:機能の優位性やメリット(例:このスマートフォンの特長は、暗い場所でも鮮明に撮影できることです)
同じ文章内で両方を使い分けるケースも多く見られます。
Q4. 間違って使うと、どんな印象を与える?
A.
文脈によっては、知識不足や違和感のある表現として受け取られることがあります。
たとえば、「この商品の特徴は高性能な点です」といった場合、本来「特長」がふさわしいため、違和感を持たれる可能性があります。特にビジネスシーンや文章表現においては、細かな言葉の違いが信頼性や説得力に影響を与えるため注意が必要です。
Q5. 学術的な文章や論文ではどちらを使うべき?
A.
原則としては「特徴」を使います。
学術論文や技術資料では、評価を避け、中立的・客観的な事実の違いを記述するのが基本です。特に比較や分析を行う場合、「A群とB群の特徴を比較した」といった表現がよく使われます。
まとめ
「特徴」と「特長」は非常に似た言葉ですが、その使い方には明確な違いがあります。
「特徴」は、物事や人の他と異なる点を中立的・客観的に表現する言葉であり、評価を含まない説明や比較に使われます。一方、「特長」は他より優れている点、長所や強みなどをポジティブに表現する言葉で、アピールや推薦の文脈で使われます。
本記事では、意味の違いだけでなく、使い分けのルールや具体例(計60の例文)を通じて、実践的に理解できるよう構成しました。また、類語・英語表現・間違いやすい例も網羅し、あらゆるシーンで迷わず正しく使える力を養えます。
文章力を高めたい方や、正確な日本語表現を身につけたい方にとって、本記事がその一助になれば幸いです。