読書感想文の書き方「魔法の5ステップ」1時間完成【中学生】

夏休みの宿題といえば、ドリルや自由研究、絵日記などさまざまですが、その中でも多くの中学生が「苦手…」と感じているのが読書感想文ではないでしょうか。
「何を書けばいいのかわからない」「感想ってどうやって書くの?」「本を読むのも大変」——そんな悩みを抱える中学生は少なくありません。
しかし、実はちょっとしたコツを知るだけで、読書感想文はぐんと書きやすくなります。むしろ、自分の気持ちを表現するチャンスだと考えると、楽しく書けるようになる人も多いのです。
本記事では、誰でも1時間で読書感想文を完成させるための方法「魔法の5ステップ」をご紹介します。さらに、読書感想文全国コンクールの入賞作品に見られる共通点や、本選びのコツ、実際の感想文例文まで、役立つ情報をたっぷりとお届けします。
読書感想文に悩むあなたも、この記事を読めばきっと「もう大丈夫」と思えるはず。まずは気楽な気持ちで読み進めてくださいね。
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【中学生】読書感想文の書き方「魔法の5ステップ」

読書感想文は「感想を書くだけ」と思われがちですが、自由すぎて逆に難しく感じる人も多いはず。ここでは、誰でも1時間で完成できる「魔法の5ステップ」を紹介します。順番にやれば、読書感想文がサクッと書けるようになりますよ!
ステップ1:本を決める
まずは読む本を決めましょう。ポイントは以下の3つ。
- 興味があるテーマ:好きなジャンル(冒険、友情、感動、歴史など)から選ぶと読みやすい。
- 共感できる登場人物:自分と似た悩みや考えを持つキャラが出てくると感想が書きやすい。
- 分量はほどほどに:短めでも内容がしっかりしている本がベスト。
おすすめの本については後の章で詳しく紹介します。
ステップ2:読みながらメモをとる
ただ読むだけでなく、感情が動いたところにメモを入れましょう。ふせんを使ってもOK。
メモするポイントは以下の通り:
- 驚いたシーン
- 感動したセリフ
- 自分と似た経験をした登場人物
- 「どうして?」と思ったこと
あとで感想文を書くとき、このメモが宝の山になります!
ステップ3:構成を考える
感想文には構成が大切。以下の5段構成が基本です。
- 書き出し(本を選んだ理由や第一印象)
- あらすじ(簡潔に。ネタバレはOK)
- 印象に残った場面
- 自分の考え・体験とつなげる
- まとめ・気づき・これからどうしたいか
この流れで書けば、自然と読みやすい感想文になります。
ステップ4:書く
構成が決まったら、いよいよ執筆スタート。ここでは各段落に何を書くかの目安を示します。
- 書き出し(100〜200字)
例:「この本を選んだ理由は、タイトルにひかれたからです。」 - あらすじ(300字程度)
主人公がどんな人で、どんな出来事があったかを簡単に。 - 印象に残った場面(400字程度)
なぜその場面が印象的だったか、自分の感情や気づきを書く。 - 自分の体験とつなげる(500字程度)
「私もこんなことがあった」「この考え方は参考になる」など。 - まとめ(200〜300字)
「この本を読んで、○○な気持ちになった」「これからは○○したい」
ステップ5:見直す
最後に読み直して、以下をチェックしましょう。
- 誤字脱字はないか?
- 文章のつながりは自然か?
- 感情や考えが伝わるか?
声に出して読んでみると、違和感に気づきやすくなります。
この「魔法の5ステップ」を使えば、読書感想文はぐんとラクに、そして楽しく書けるようになります。次は、全国コンクール入賞作品の傾向から、もっと良い感想文を書くためのヒントを見ていきましょう。
読書感想文全国コンクール入賞作品の傾向

読書感想文全国コンクールでは、毎年多くの中学生が作品を応募し、その中から特に優れた感想文が選ばれています。では、入賞作品にはどんな共通点があるのでしょうか?
ここでは、過去の入賞作品から見えてきた「5つの傾向」をご紹介します。
①自分の体験と結びつけている
単なる「本の感想」ではなく、自分の生活や体験と結びつけて書かれた作品が多くあります。
たとえば、
「主人公が友だちとの関係に悩む場面を読んで、私も同じような経験を思い出しました。」
このように、自分の人生と本の内容を重ねることで、感想に深みが出てきます。
②素直な感情がこもっている
上手な文章よりも、「正直な気持ち」が伝わることの方が大切です。
「読んでいて悲しくなりました」「なぜか涙が出ました」
このような率直な表現が、読む人の心を動かします。入賞作品は、自分の心の動きを丁寧に表現しているのが特徴です。
③印象に残った場面を具体的に書いている
「あのシーンがよかった」と言うだけでなく、なぜ良かったのかをしっかり説明しています。
たとえば、
「主人公が初めて本音を打ち明ける場面に心を打たれました。私も親に言えなかったことを、思い出しました。」
読者にもその場面の「感情」が伝わるように、具体的に描写することがポイントです。
④問いかけや気づきがある
読書感想文は、「本を読んで自分がどう変わったか」を書くものでもあります。入賞作品には、「この本を読んで、○○に気づいた」「これから○○してみたい」といった気づきや成長の言葉がよく見られます。
「自分ももっと人にやさしくできるかもしれない、と思いました。」
感想の中に、自分への問いかけや未来への視点があると、作品に深みが出ます。
⑤書き出しが工夫されている
入賞作品は、最初の1文で「おっ!」と引き込まれるものが多いです。よくある書き出しではなく、意外な質問や印象的なエピソードから始めるのが効果的です。
例:
「もし自分があのとき、勇気を出していたらどうなっていただろう?」
読者の興味を引くような書き出しで、作品の印象がグッとよくなります。
読書感想文が楽しくなる!本(テーマ)選び

読書感想文がうまく書けない原因のひとつは、「本選び」にあります。興味のない本を読んでも、なかなか感想は出てきません。
でも、自分に合った本を選べば、読書も感想文もぐっと楽しくなります。
ここでは、中学生が感想文に書きやすい本の選び方と、おすすめの本を紹介します。
①自分の「好き」や「関心」から選ぶ
まずは、「自分が今どんなことに興味があるか」を考えてみましょう。
- スポーツが好きなら → スポーツに関する物語
- 人との関係に悩んでいるなら → 友情や家族がテーマの本
- 不思議な世界が好きなら → ファンタジーやSF
「読まなきゃいけない本」ではなく、「読んでみたい本」を選ぶことで、自然と感想が出てくるようになります。
②共感できる主人公がいるか?
読書感想文では、「登場人物にどれだけ共感できるか」が大事です。
「この人、私に似てる!」と思えるようなキャラが出てくる本は、感想も書きやすいです。
例:
- 友だちとケンカしてしまった話 → 中学生の友情を描いた作品
- 親に言えない悩みがある → 家族との関係をテーマにした物語
③読みやすさと深さのバランスを見る
本の長さは大事なポイント。あまりにも長い本は、夏休み中に読むのが大変です。
200〜300ページ程度の中編小説が読みやすく、内容も深いのでおすすめです。
また、「漢字にふりがながあるか」や「1ページの文字量」も確認しておくと安心です。
④中学生におすすめの本(感想文向け)
以下の本は、中学生の読書感想文におすすめです:
- 『君たちはどう生きるか』 吉野源三郎
→ 考える力と行動する勇気がテーマ。現代にも通じる内容。 - 『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』 ブレイディみかこ
→ 多様性、社会との関わりを学べるノンフィクション。 - 『西の魔女が死んだ』 梨木香歩
→ 自分と向き合うことの大切さを静かに描いた作品。 - 『走れメロス』 太宰治
→ 友情と信頼を描いた名作。短くて感想文に書きやすい。 - 『アルジャーノンに花束を』 ダニエル・キイス
→ 知性とは?人間らしさとは?深い問いを投げかける感動作。
読みやすくて心に残る本を選べば、読書感想文はもっと「自分らしい」作品になります。
次は実際に、「どんなふうに書けばいいの?」という疑問に答えるため、例文をご紹介します。
読書感想文の例文(中学生)

タイトル:『西の魔女が死んだ』を読んで
1.書き出し(約150字)
「『西の魔女が死んだ』というタイトルに、私は老いと別れを感じました。けれど読み進めるうちに、“私自身”の成長や、自然と向き合う時間の大切さを教えてくれる物語だと気づきました。」
2.あらすじ(約350字)
主人公のまいは、おばあちゃん(西の魔女)の住む森の近くへしばらく預けられます。そこでまいは、料理や草木の手入れ、毎日の散歩を通して、自分と向き合う時間の大切さを学びます。しかし、おばあちゃんが病に倒れ、まいは深い悲しみを味わいます。最終的に、まいは自分なりの“生きる力”を見つけて、再び学校へ戻る決心をします。
3.印象に残った場面(約400字)
特に印象的だったのは、まいがおばあちゃんと森で過ごす午後のシーンです。木漏れ日の中でおばあちゃんが言った「自然の声に耳を澄ませなさい」という言葉が心に響きました。私は友達との関係や部活のことで忙しく、“じっくり考える時間”を忘れていたことに気づきました。この場面を読んで、私も自分と向き合う時間が必要だと感じました。
4.自分の体験とつなげる(約600字)
私もこの夏、塾の授業や友達との予定で一日があっという間に過ぎていきました。でも、この本を読んで、少し歩いたり、考えたりする「自分だけの時間」を意識的に取るようにしました。たとえば、朝の10分を使って近くの公園を散歩し、好きな音楽を聴きながら、今日の自分の気持ちを整理しました。その結果、友達との会話でイライラしにくくなり、部活にも集中できました。この変化を通して、私にとって“自分時間”の大切さを実感しました。
5.まとめ(約300字)
この本を読んで、自分のペースで過ごす時間の価値に気づきました。これからは「忙しい」だけではなく、「忙しい中でも自分と向き合う瞬間」を大切にしていきたいと思います。そして、自分らしく毎日を送るための第一歩として、小さな“魔法”を大事にしていきます。『西の魔女が死んだ』は、私にとってそのヒントをくれた大切な一冊になりました。
よくある質問

読書感想文を書くとき、多くの中学生が同じような悩みを抱えます。ここでは、よくある質問に分かりやすくお答えします。
Q1. 「感想」って、どんなことを書けばいいの?
A. 感想とは、「その本を読んで自分がどう思ったか」「どんなことに気づいたか」「どんな感情が動いたか」を書くことです。
「主人公がかわいそうだと思った」「自分も同じような経験がある」といった、正直な気持ちをそのまま書くことが大切です。上手に書こうとするより、自分の言葉で表現することを意識しましょう。
Q2. 本を最後まで読まないと感想文は書けない?
A. 基本的には、最後まで読んだほうが内容がよく分かり、感想も深く書けます。でも、どうしても時間がない場合は、特に印象に残った部分に絞って感想文を書くのも方法のひとつです。
ただし、あらすじを書く場合は、結末まで分かっているほうが読み手に伝わりやすいので、できれば最後まで読んでおきましょう。
Q3. 書き出しが浮かばないときはどうすればいい?
A. 書き出しは感想文の「顔」ともいえる大切な部分ですが、迷ったら以下の3つのどれかを試してみましょう。
- 本を選んだ理由を書く(例:「タイトルにひかれて手に取りました」)
- 自分の体験や気持ちから始める(例:「私は人と話すのが苦手です」)
- 印象的な言葉や場面を紹介する(例:「主人公の“〇〇”という言葉が忘れられません」)
迷ったら、まずは書きやすい言葉から始めてみましょう。あとで書き出しを変えるのもOKです。
Q4. 何文字くらい書けばいいの?
A. 学校によって違いますが、中学生なら800~2000文字程度が多いです。原稿用紙でいうと、2~5枚くらい。
「魔法の5ステップ」を使えば、各段落の目安字数に沿って書くことで、自然と指定文字数に近づけます。
Q5. 他の人と同じようなことを書いても大丈夫?
A. 大丈夫です。同じ本を読んでも、感じ方は人それぞれです。
大切なのは、「自分の言葉」で書くこと。同じ本、同じ場面でも、自分だけの視点や体験を交えて書けば、立派な感想文になります。
まとめ
読書感想文は、「何を書けばいいの?」と悩む中学生にとって、夏休みの難関かもしれません。けれど、今回紹介した「魔法の5ステップ」を使えば、誰でもスムーズに、しかも1時間以内で完成させることが可能です。
さらに、全国コンクールの入賞作品から学べる5つの傾向や、本選びのコツ、実際の感想文例までを押さえれば、ワンランク上の感想文を書くことも夢ではありません。
大切なのは、自分の気持ちに素直になること。正解を探すのではなく、「あなたにしか書けない物語」を、自分の言葉でつづってみてください。きっと、それが読む人の心に届く、素敵な作品になるはずです。