捕れるとは?意味や使い方【シーン別30例文で完全マスター】

日常会話やニュース、文章などでよく目にする「捕れる(とれる)」という言葉。なんとなく意味は分かっていても、「採れる」や「取れる」との使い分けに迷うことはありませんか?
例えば、魚が「捕れる」、野菜が「採れる」、犯人が「捕れる」など、同じ「とれる」でも使い分けが必要です。正しく使いこなせると、日本語の表現力がぐっと上がります。
この記事では、「捕れる」の意味や使い方をはじめ、似た言葉との違いやシーン別の例文までを詳しく解説していきます。特に「採れる」「取れる」との違いは、比較表と具体的なシーンを使って分かりやすくまとめました。ぜひ参考にしてください。
「捕れる」の意味

「捕れる(とれる)」は、動詞「捕る(とる)」の可能形で、「つかまえることができる」という意味を持ちます。対象となるのは主に動物や魚、人間など、生きていて動くものです。
- 動物や魚、人などを「つかまえることができる」状態や行為
この言葉は、自然界での狩猟や漁業、あるいは事件などでの逮捕や捕獲といった場面で多く使われます。「物」や「作物」に対しては基本的に使いません。
「捕れる」の言い換え(類語)
「捕れる」は、「つかまえることができる」という意味を持つ言葉ですが、場面に応じて他の表現に言い換えることも可能です。ここでは主な類語とその使い分けについて解説します。
類語 | 意味 | 使用シーンの例 |
---|---|---|
つかまえられる | 逃げたり動いたりするものを手で捕まえられる | 子どもでも小さなカエルならつかまえられる |
捕まる/捕まえられる | 人や動物が拘束される/拘束できる | 犯人が警察に捕まった |
確保できる | 対象を安全に保持・確保できる | 野犬を確保できた |
逮捕される | 法的手続きによって拘束される | 指名手配中の男が逮捕された |
- 「つかまえられる」は比較的やわらかい表現で、子どもや動物など日常的な場面に適します。
- 「捕まる」「逮捕される」は法的・犯罪的な文脈で使われることが多く、ニュース記事でよく見られます。
- 「確保できる」はフォーマルな言い方で、災害時や事件対応などの場面で使われます。
シーン別「捕れる」の例文【30選】

ここでは、「捕れる」が実際にどのように使われるかを、シーン別に例文で紹介します。日常的な表現から専門的な文脈まで、幅広くカバーしています。
①漁業・漁のシーン
- この湾では冬になるとカニがよく捕れる。
- 昨日はタイが50匹以上も捕れた。
- 台風の後は大きな魚が岸近くで捕れることがある。
- 深海魚がこの地域で捕れるのは珍しい。
- このあたりではアサリが簡単に捕れる。
- 夜釣りではイカがよく捕れるという。
②狩猟・動物の捕獲
- 罠にかかったイノシシが捕れた。
- 今朝、猟師が山で鹿を捕ったそうだ。
- 狐が鶏小屋に現れ、仕掛けた罠で捕れた。
- サルが農地を荒らすので、捕獲作戦が始まった。
- カラスがネットに引っかかって捕れた。
- 鳥獣保護区内では捕れる動物が制限されている。
③動物園・ペットの捕獲
- 逃げ出したサルがようやく捕れた。
- 飼っていたウサギが庭で捕れた。
- 動物園の職員が脱走したオウムを捕えた。
- 保護猫活動で5匹の子猫が捕れた。
④警察・犯罪のシーン
- 逃走していた犯人が深夜に捕れた。
- 指名手配中の男が市内で捕れた。
- 窃盗犯が現行犯で捕れた。
- 監視カメラの映像が決め手となって容疑者が捕れた。
- 覚醒剤の密売人がついに捕れた。
- 複数の容疑者が同時に捕れたという。
⑤害虫・害獣駆除のシーン
- 粘着シートで害虫が5匹捕れた。
- ネズミ駆除の罠で1晩に3匹捕れた。
- ハチの巣に薬をまいたら多数のスズメバチが捕れた。
- ハクビシンが倉庫で捕れたとの報告があった。
⑥昆虫採集・自然観察
- 夏休みにカブトムシがたくさん捕れた。
- クワガタは夜のほうがよく捕れる。
- トンボが池の近くでたくさん捕れた。
- 子どもたちが夢中になってセミを捕っていた。
「捕れる」と「採れる」の違い
「捕れる」と「採れる」は、どちらも「とれる」と読むため混同されやすいですが、意味や使い方はまったく異なります。それぞれの違いを表とともに整理し、具体的な使い分けのシーンも解説します。
項目 | 捕れる | 採れる |
---|---|---|
読み方 | とれる | とれる |
基本の意味 | 生き物をつかまえることができる | 自然のもの(作物・資源)が得られる |
主な対象 | 動物・魚・虫・人などの生き物 | 野菜・果物・鉱石・薬草などの資源 |
使用シーン | 漁・狩猟・警察・動物園など | 農業・山菜採り・鉱山・漁(海藻など) |
例 | 「魚が捕れる」「犯人が捕れる」 | 「りんごが採れる」「薬草が採れる」 |
「〇〇の時はどっち?」シーン別使い分け
1. 野菜や果物を収穫する時
- 使うべき言葉:採れる
- 例:この畑では甘いトマトがたくさん採れる。
2. 魚を網で捕まえる時
- 使うべき言葉:捕れる
- 例:この海域ではサバが大量に捕れる。
3. 山で山菜を収穫する時
- 使うべき言葉:採れる
- 例:春になるとタラの芽が採れる。
4. 罠でイノシシをつかまえる時
- 使うべき言葉:捕れる
- 例:罠を仕掛けた場所でイノシシが捕れた。
5. 海で昆布やわかめを収穫する時
- 使うべき言葉:採れる
- 例:この海では良質な昆布が採れる。
「捕れる」と「取れる」の違いと使い分け
「捕れる」と「取れる」も、同じ「とれる」という音を持つため混乱しやすい表現です。しかし、意味や使われる対象に明確な違いがあります。以下に表で整理し、具体的なシーンごとの使い分けも解説します。
項目 | 捕れる | 取れる |
---|---|---|
読み方 | とれる | とれる |
基本の意味 | 生き物をつかまえることができる | 手に入れる・外れる・得られるなど幅広い |
主な対象 | 動物・魚・虫・人などの生き物 | 物体・資格・時間・理解・成果など |
使用シーン | 狩猟・漁業・犯罪捜査・動物の保護など | 部品が外れる・資格が取れる・写真が取れる等 |
例 | 「野良猫が捕れる」「犯人が捕れる」 | 「ボタンが取れる」「休みが取れる」 |
「〇〇の時はどっち?」シーン別使い分け
1. 動物を罠で捕まえる時
- 使うべき言葉:捕れる
- 例:山に仕掛けた罠でシカが捕れた。
2. シャツのボタンが外れた時
- 使うべき言葉:取れる
- 例:洗濯したらボタンが取れた。
3. カメラで良い写真が撮れた時
- 使うべき言葉:取れる(撮れる)
- 例:この角度からだと綺麗な写真が取れる(撮れる)(※同音異字)。
4. 資格を取得する時
- 使うべき言葉:取れる
- 例:勉強すればTOEIC800点は取れる。
5. 犯人を逮捕する時
- 使うべき言葉:捕れる
- 例:通報により犯人が捕れた。
よくある質問

ここでは、「捕れる」という言葉に関して、読者の方からよく寄せられる疑問をQ&A形式でまとめました。
Q1:「捕れる」は人に対して使ってもいいの?
A: はい、使えます。ただし、警察や事件など法的な文脈で使用されます。例えば「犯人が捕れた」「容疑者が捕まった」などのように、「つかまえる」「逮捕する」意味で用いられます。日常会話で人に対して使うとやや強い印象になるため注意が必要です。
Q2:「捕れる」と「狩れる」の違いは?
A: 「捕れる」は生き物をつかまえること、「狩れる(かれる)」は獲物を追って仕留める(殺す)ことを指します。
- 捕れる:対象を生け捕りにする、または生きたまま確保する
- 狩れる:動物などを殺して獲得する(主に狩猟文脈)
例:イノシシが罠で捕れた(生け捕り)、イノシシを銃で狩った(仕留めた)
Q3:ニュースでは「捕れる」と「逮捕される」はどう使い分けられている?
A: 「捕れる」は広い意味で「つかまった」ことを示し、「逮捕される」は法的手続きに基づいた行為を指します。
- 捕れる:事件の初期報道などで「逃走中の犯人が捕れた」と速報的に使われる
- 逮捕される:その後の詳細報道で「容疑者が窃盗の疑いで逮捕された」など、正式な処理を伝えるときに使われます
まとめ
「捕れる」という言葉は、主に生きて動く対象を「つかまえることができる」という意味を持つ、非常に具体的な動詞の可能形です。使われるシーンは、漁業・狩猟・警察活動・動物保護など、生き物に関わる場面に限定されることが多いです。
また、「採れる」「取れる」など、同じ読み方をする言葉との違いを明確に理解することが大切です。それぞれの言葉は対象や行為の性質が異なるため、適切に使い分けることで、文章や会話の正確さが増します。
今回ご紹介した比較表やシーン別の例文を活用することで、「捕れる」という言葉の使い方をより具体的に、そして実践的に身につけることができるでしょう。日本語の語感を大切にしながら、適切な表現力を磨いていきましょう。