冬はいつからいつまで?何月?気象庁の定義とは

「冬」と聞いて思い浮かぶものは何でしょうか?白く降り積もる雪、凛と澄んだ空気、温かい鍋料理、年末年始のイベントなど、日本には冬ならではの風物詩がたくさんあります。しかし、「冬は何月から何月までなのか?」と問われると、意外と曖昧なまま過ごしている方も多いのではないでしょうか。
実は、季節の区分には「気象庁が定めるもの」と「暦(こよみ)に基づくもの」の2種類が存在します。これらは似ているようで少し異なり、それぞれに根拠があります。また、日常的な感覚としての「冬」と、気象や暦における「冬」も微妙にずれていることがあります。
この記事では、気象庁や二十四節気といった公式な基準に基づいて「冬はいつからいつまでなのか?」を詳しく解説するとともに、冬に関する季語、行事、花なども紹介していきます。これを読めば、冬についての理解が深まり、より季節を楽しむ手助けになるはずです。
冬はいつからいつまで?何月?

「冬は何月から何月までか?」という問いに対しては、いくつかの見方があります。ここでは、気象庁が定義する冬、伝統的な暦(二十四節気)に基づく冬、そして日常的な感覚での「冬の月」についてそれぞれ解説します。
気象庁が定義する「冬」
気象庁では、四季を以下のように3か月ずつに区分しています。
- 春:3月〜5月
- 夏:6月〜8月
- 秋:9月〜11月
- 冬:12月〜2月
この定義に従えば、冬は12月から2月までの3か月間です。この区分は気象統計や気候の比較などに使用されるもので、平均気温などのデータに基づいています。
二十四節気に基づく「冬」
日本の伝統的な暦である二十四節気では、冬の始まりは立冬(りっとう)、終わりは**立春(りっしゅん)**とされています。
- 立冬:11月7日ごろ
- 立春:2月4日ごろ
このため、暦の上での冬は11月上旬から2月上旬までということになります。実際の気温とはズレがあるものの、自然の変化を細やかに反映した暦です。
「冬は何月?」に対する答え
一般的に、日本で「冬」とされるのは以下の通りです:
- 気象庁の定義:12月〜2月
- 暦(二十四節気)に基づく:11月上旬〜2月上旬
- 体感的・文化的には:12月〜2月が主流ですが、11月下旬ごろから寒さが強まり、冬と感じる人も多いです。
このように、「冬は何月か?」という質問には複数の正解があることがわかります。
気象庁による四季
気象庁では、長年の気温や気候データをもとに、日本の四季を以下のように3か月ごとに区分しています。これは主に統計や気象報告で用いられる定義であり、実際の気候変化を比較的正確に反映しています。
気象庁が定義する四季の区分
季節 | 月 | 主な気候の特徴 |
---|---|---|
春 | 3月〜5月 | 気温が上昇し、桜の開花や新生活の始まりを迎える季節 |
夏 | 6月〜8月 | 梅雨、猛暑、台風などが特徴。気温と湿度が高い |
秋 | 9月〜11月 | 気温が徐々に下がり、紅葉や収穫の季節 |
冬 | 12月〜2月 | 寒さが厳しく、雪が降る地域も多い。年末年始の行事も含む |
この区分は、日々の生活の中で感じる「季節感」と完全に一致するわけではありませんが、年間を通じた気温や天気の傾向を把握するうえで非常に有効です。
また、この区分によると、冬は12月〜2月で、ちょうど年末から新年にかけての時期が冬にあたることになります。
暦の上での四季(二十四節気)
日本では古来より「二十四節気(にじゅうしせっき)」という暦が用いられてきました。これは、太陽の動きに基づいて1年を24等分し、季節の移ろいをより細かく表したものです。
この暦では、四季の始まりと終わりがそれぞれ「立春」「立夏」「立秋」「立冬」で定められており、現代の気象庁の区分とは少し異なります。
春(立春〜立夏前)
節気名 | 月 | 新暦の日付(目安) |
---|---|---|
立春(りっしゅん) | 2月 | 2月4日頃 |
雨水(うすい) | 2月 | 2月19日頃 |
啓蟄(けいちつ) | 3月 | 3月5日頃 |
春分(しゅんぶん) | 3月 | 3月20日頃 |
清明(せいめい) | 4月 | 4月4日頃 |
穀雨(こくう) | 4月 | 4月20日頃 |
夏(立夏〜立秋前)
節気名 | 月 | 新暦の日付(目安) |
---|---|---|
立夏(りっか) | 5月 | 5月5日頃 |
小満(しょうまん) | 5月 | 5月21日頃 |
芒種(ぼうしゅ) | 6月 | 6月5日頃 |
夏至(げし) | 6月 | 6月21日頃 |
小暑(しょうしょ) | 7月 | 7月7日頃 |
大暑(たいしょ) | 7月 | 7月23日頃 |
秋(立秋〜立冬前)
節気名 | 月 | 新暦の日付(目安) |
---|---|---|
立秋(りっしゅう) | 8月 | 8月7日頃 |
処暑(しょしょ) | 8月 | 8月23日頃 |
白露(はくろ) | 9月 | 9月7日頃 |
秋分(しゅうぶん) | 9月 | 9月23日頃 |
寒露(かんろ) | 10月 | 10月8日頃 |
霜降(そうこう) | 10月 | 10月23日頃 |
冬(立冬〜立春前)
節気名 | 月 | 新暦の日付(目安) |
---|---|---|
立冬(りっとう) | 11月 | 11月7日頃 |
小雪(しょうせつ) | 11月 | 11月22日頃 |
大雪(たいせつ) | 12月 | 12月7日頃 |
冬至(とうじ) | 12月 | 12月22日頃 |
小寒(しょうかん) | 1月 | 1月5日頃 |
大寒(だいかん) | 1月 | 1月20日頃 |
このように、暦の上での冬は11月上旬(立冬)から2月上旬(立春)までとなります。現代よりも一足早く季節の変化を捉えるため、旧暦ではこの節気が生活に密接に結びついていました。
冬を表す季語や挨拶

冬の季節は、俳句や手紙、年賀状などで特有の表現が多く使われます。これらの言葉には、日本人の季節感や自然観が色濃く反映されており、文化的にも非常に重要です。ここでは、冬を代表する季語や、文書に使える冬の挨拶文例を紹介します。
冬の代表的な季語
俳句に使われる「冬の季語」は、自然現象や動植物、行事、人々の暮らしに関するものなど、さまざまです。以下に代表的な冬の季語を紹介します。
分類 | 例 |
---|---|
天候 | 霜、雪、寒波、氷雨、北風、冬晴れ |
動植物 | 冬鳥(鴨・白鳥など)、寒椿、南天、冬菊 |
行事 | 冬至、大晦日、初雪、除夜の鐘 |
暮らし | 火鉢、炬燵(こたつ)、年越し、寒稽古、しもやけ |
これらの季語は、自然や人々の生活の様子を詩的に表現するために使われ、情景を想像しやすくする効果があります。
冬の挨拶文例(ビジネス・手紙)
冬の手紙やメールでは、季節感を表す挨拶がよく使われます。以下は一般的な文例です。
冒頭の挨拶:
- 「寒さが日ごとに厳しくなってまいりましたが、いかがお過ごしでしょうか。」
- 「年の瀬も押し迫り、何かと慌ただしい毎日が続いております。」
結びの挨拶:
- 「お風邪など召されませぬよう、どうぞご自愛ください。」
- 「本年も大変お世話になりました。良いお年をお迎えください。」
これらの表現は、相手への思いやりを伝えるとともに、日本独特の礼儀や季節感を表現する大切な要素です。
冬の行事やイメージ

冬は、一年の締めくくりと新たな年の始まりを迎える、特別な季節です。寒さの中にも人々の営みや伝統行事が色濃く存在し、日本の四季の中でもとりわけ印象深い風景が広がります。ここでは、冬に行われる代表的な行事と、それに伴うイメージを紹介します。
主な冬の行事
行事 | 時期 | 内容・特徴 |
---|---|---|
クリスマス | 12月25日 | キリスト教の行事。日本ではプレゼントやイルミネーションが定番 |
冬至 | 12月22日頃 | 一年で最も昼が短い日。ゆず湯に入る習慣がある |
大晦日 | 12月31日 | 一年の終わりの日。年越しそばを食べ、除夜の鐘を聞く |
正月 | 1月1日〜 | 新年を祝う行事。初詣、年賀状、おせち料理など |
成人の日 | 1月第2月曜 | 新成人を祝う祝日。振袖やスーツで式典に参加 |
節分 | 2月3日頃 | 季節の変わり目。豆まきで邪気を払う風習がある |
冬のイメージ
冬には次のような自然や生活風景が思い浮かびます:
- 雪景色:真っ白な雪に包まれた町や山々の風景
- 寒さ対策:こたつ、ストーブ、湯たんぽなどの暖房器具
- 冬の味覚:鍋料理、みかん、おでん、カニなど
- イルミネーション:街中が光で彩られる冬ならではの夜景
- 静けさと厳しさ:寒さの中で感じる静寂や自然の厳しさ
これらの行事や風景は、冬ならではの情緒や日本文化を象徴する大切な要素です。
冬を代表する花【10種】

冬は植物の少ない季節と思われがちですが、寒さの中でも美しく咲く花は数多く存在します。ここでは、冬を代表する花を10種類厳選し、それぞれの特徴や見頃を紹介します。
1. 椿(つばき)
- 開花時期:12月〜3月
- 特徴:厚みのある花びらと光沢のある葉が特徴。赤・白・ピンクなど多彩。
- 花言葉:控えめな美、気取らない魅力
2. 山茶花(さざんか)
- 開花時期:10月〜12月
- 特徴:椿に似ているが、花びらがバラバラに散る。庭木や垣根に人気。
- 花言葉:ひたむきさ、謙虚
3. 水仙(すいせん)
- 開花時期:12月〜3月
- 特徴:白や黄色の清楚な花。香りが強く、切り花としても人気。
- 花言葉:自己愛、尊敬
4. 寒椿(かんつばき)
- 開花時期:11月〜2月
- 特徴:椿の一種で、寒い季節に咲く。冬の庭を彩る花木。
- 花言葉:謙譲、申し分のない愛らしさ
5. 蝋梅(ろうばい)
- 開花時期:1月〜2月
- 特徴:蝋細工のような黄色い花。芳香があり、観賞用に人気。
- 花言葉:慈愛、先見の明
6. 梅(うめ)
- 開花時期:1月〜3月
- 特徴:春を告げる花として知られるが、寒中に咲く品種も多い。
- 花言葉:上品、忍耐
7. クリスマスローズ
- 開花時期:12月〜3月
- 特徴:ヨーロッパ原産。地面にうつむくように咲く。半日陰を好む。
- 花言葉:追憶、私を忘れないで
8. 葉牡丹(はぼたん)
- 観賞時期:12月〜2月
- 特徴:花ではなく葉が美しい植物。お正月の飾りとしても人気。
- 花言葉:祝福、慈愛
9. スノードロップ
- 開花時期:1月〜2月
- 特徴:白く小さなベル型の花。雪の中でも咲く強さが魅力。
- 花言葉:希望、慰め
10. 福寿草(ふくじゅそう)
- 開花時期:1月〜3月
- 特徴:黄金色の花が新春を彩る。縁起物としても知られる。
- 花言葉:永久の幸福、幸せを招く
よくある質問

ここでは、「冬はいつから?」というテーマに関連して、多くの人が抱きやすい疑問をQ&A形式でまとめました。
Q1. 冬至は冬の始まりですか?
A. いいえ。冬至は「一年で最も昼が短い日」であり、二十四節気の中では冬の真ん中にあたります。冬の始まりは「立冬(11月7日頃)」とされており、冬至(12月22日頃)はすでに冬の期間中です。
Q2. 一番寒い時期はいつですか?
A. 日本では、1月下旬から2月上旬が最も寒くなる「寒(かん)の内」と呼ばれる時期です。特に「大寒(1月20日頃)」から「立春(2月4日頃)」までが寒さのピークです。
Q3. 暦と気象庁の「冬」はどちらを基準にすればよいですか?
A. 目的によります。生活や文化、行事に関しては二十四節気などの暦に基づいた季節感が重視されます。一方で、気温や気象情報、統計に関しては気象庁の定義(12月〜2月)を参考にするのが適しています。
Q4. 冬の前後(秋や春)はいつですか?
A. 気象庁の定義では、秋は9月〜11月、春は3月〜5月です。暦(二十四節気)では、秋は立秋(8月7日頃)〜立冬(11月7日頃)、春は立春(2月4日頃)〜立夏(5月5日頃)とされています。
Q5. 雪が降ると「冬」になるの?
A. 雪の降り始めは冬の象徴の一つですが、季節の始まりを示すものではありません。気象的には11月に雪が降ることもあり、その年の気温や天候によって変動します。
まとめ
「冬はいつからいつまで?」という疑問には、気象庁と暦の両方に異なる定義があることがわかりました。気象庁では12月から2月、暦(二十四節気)では11月上旬から2月上旬までが冬とされます。この違いは、現代の気象データと古来の自然観の違いによるものです。
また、冬にはクリスマスやお正月、節分などの行事があり、椿や水仙、福寿草といった冬に咲く花々が私たちの目を楽しませてくれます。季語や手紙の挨拶にも冬の風情が表れており、日本人の感性が色濃く反映されています。
冬の寒さは厳しいものですが、その分、静けさや清らかさ、暖かさのありがたみを感じられる季節でもあります。この記事を通して、冬の本質を知り、より豊かに冬を楽しむきっかけになれば幸いです。