「県立」と「公立」の違いをズバリ!使い分け完全ガイド【例文40】

「県立」と「公立」という言葉、日常生活の中で一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
たとえば、「県立高校に進学した」「公立の病院を利用する」といった使い方がよく見られます。しかし、「県立」と「公立」は本当に同じ意味なのでしょうか? 実は、この2つの言葉には明確な違いがあります。
この記事では、
- 「県立」と「公立」の基本的な意味
- それぞれの具体例や使い方
- 「都立」「市立」「私立」などの関連語との違い
- 英語での表現
- よくある質問への回答
などを通して、「県立」と「公立」の違いと正しい使い分け方をわかりやすく解説していきます。
「なんとなく使っていたけど、正しい意味がわからなかった…」という方も、この記事を読み終えるころには自信を持って使い分けられるようになりますよ!
目次
「県立」と「公立」の違い

違いの本質は「設置主体」
「県立」と「公立」の最大の違いは、設置・運営している主体の範囲にあります。
- 「県立」=都道府県が設置・運営しているもの
- 「公立」=国・都道府県・市区町村など、すべての公共団体によるものの総称
つまり、「県立」は「公立」の一部に含まれる、より限定されたカテゴリということです。
比較表でスッキリ!
以下に、「県立」と「公立」の違いを中心に、関連用語との違いも含めた比較表をまとめました。
項目 | 県立 | 公立 | 都立 | 市立 | 私立 |
---|---|---|---|---|---|
設置主体 | 都道府県 | 国・都道府県・市区町村など | 東京都 | 市区町村 | 民間法人・個人 |
種類 | 公立の一種 | 公共施設全般 | 公立の一種(東京限定) | 公立の一種(市町村) | 非公立 |
対象範囲 | 県全体 | 地域や国全体 | 東京都全域 | 市町村単位 | 制限なし |
例 | 県立高校、県立病院 | 公立中学校、公立図書館 | 都立高校 | 市立小学校 | 私立大学、私立病院 |
学費・利用料 | 安価(税金で運営) | 安価(同上) | 安価(同上) | 安価(同上) | 高め(自費運営) |
「県立」とは

「県立」の意味
「県立(けんりつ)」とは、「都道府県が設立・運営している施設や学校など」を指す言葉です。つまり、都道府県の自治体が主体となって設立・管理しているものが「県立」と呼ばれます。
ここで重要なのは、「県立」とはあくまで都道府県レベルの行政機関が関与しているという点です。市町村が設立した施設は「県立」とは呼ばれません。
✅ ポイント:
「県立=都道府県が設置・運営するもの」
「県立」の具体例
以下に「県立」が使われる典型的な例をいくつか挙げてみましょう。
種類 | 名称例 | 説明 |
---|---|---|
学校 | 県立高校、県立中等教育学校 | 都道府県教育委員会が設置する |
医療機関 | 県立病院 | 地域住民の医療を担う広域的な病院 |
文化施設 | 県立図書館、県立美術館 | 広範囲の住民を対象とした施設 |
公園・自然施設 | 県立自然公園 | 県が整備・保全する自然エリア |
- 通常、広い地域(県全体)を対象としてサービスを提供
- 設置には県の予算が使われる
- 教育、医療、文化、福祉などの多分野にわたる
- 通学区域などが広域に設定されることが多い(特に高校)
「公立」とは

「公立」の意味
「公立(こうりつ)」とは、国や地方自治体(都道府県、市区町村など)が設立・運営している施設や機関のことを指します。つまり、「公」=「公共(政府や自治体)」によって運営されているもの全般が「公立」と呼ばれます。
✅ ポイント:
「公立」は、国・都道府県・市町村のいずれかが設立した施設の総称。
そのため、「県立」も「市立」も「都立」も、すべて「公立」の一種です。
「公立」の具体例
「公立」という表現は、主に以下のような場面で使われます。
種類 | 名称例 | 管轄 |
---|---|---|
学校 | 公立小学校、公立中学校、公立高校 | 市区町村、または都道府県 |
医療機関 | 公立病院、公立診療所 | 市町村や都道府県が設立 |
文化施設 | 公立図書館、公立博物館 | 地域の公共施設として自治体が運営 |
たとえば「公立小学校」は通常、市区町村が設置・運営していますが、広い意味では県が運営している「県立高校」なども公立に含まれます。
- 管理主体が複数存在(国、都道府県、市区町村)
- 税金によって運営され、学費や利用料金が比較的安価
- 住民へのサービス提供が目的
- 設置主体によって名称が変わる(例:市立=市が設置)
「県立」の使い方【例文20】

ここでは、「県立」という言葉がどのような文脈で使われるのか、具体的な例文を20個ご紹介します。これらの例文を通して、自然な使い方や応用パターンを確認してみましょう。
学校に関する例文
- 私は県立高校に通っています。
- 彼は県立中等教育学校の教員をしています。
- 県立の特別支援学校に進学を希望しています。
- あの県立高校は進学実績が高いことで有名です。
- 県立高校の文化祭に行ってきました。
医療・福祉施設に関する例文
- 母は県立病院で手術を受けました。
- 県立の精神科病院が市内にあります。
- 県立リハビリセンターの利用には紹介状が必要です。
- 県立の高齢者福祉施設で働いています。
- 県立医療大学との連携事業が始まりました。
文化・教育施設に関する例文
- 週末に県立図書館で勉強しています。
- 県立美術館の特別展が人気です。
- 子どもを県立博物館に連れて行きました。
- 県立の文化センターで講演会が開かれます。
- 県立体育館は地域のスポーツ活動の拠点です。
自然・公園に関する例文
- 県立自然公園でハイキングを楽しみました。
- この地域には県立のキャンプ場があります。
- 県立水族館では地元の川魚が展示されています。
- 県立植物園で季節の花を鑑賞しました。
- 県立動物園で動物の保護活動を学びました。
「公立」の使い方【例文20】

「公立」は、国・都道府県・市区町村が設立・運営する施設や学校などに使われる、広い意味をもつ総称です。ここでは、「公立」がどのような文脈で使われるかを示す例文を20個ご紹介します。
学校に関する例文
- 子どもは近くの公立小学校に通っています。
- 公立中学校では地域の教育方針が反映されます。
- 公立高校の学費は私立に比べて安いです。
- 公立の夜間中学が社会人にも門戸を開いています。
- 多くの公立学校では制服が指定されています。
医療・福祉施設に関する例文
- 公立病院は救急医療にも対応しています。
- 公立の診療所では定期健診が受けられます。
- 地元の公立福祉センターで介護相談をしています。
- 公立の保育園は待機児童が多いです。
- 高齢者向けの公立介護施設に祖母が入居しました。
文化・教育施設に関する例文
- 市内には公立図書館が3つあります。
- 公立の博物館で地元の歴史に触れました。
- 公立美術館の入館料はとても安いです。
- 公立音楽ホールで地元の演奏会が開催されました。
- 公立の公民館で英会話教室に通っています。
その他の施設・サービスに関する例文
- 公立の動物園では保護活動も行われています。
- 公立大学への進学を目指しています。
- 公立の研究機関が新しい治療法を発表しました。
- 公立のキャンプ場は家族連れに人気です。
- 公立のスポーツ施設は市民に開放されています。
「都立」「市立」「府立」「私立」とは?

「県立」や「公立」と似た言葉に、「都立」「市立」「府立」「私立」などがあります。これらは設置・運営主体によって名称が異なるもので、それぞれの違いを正しく理解することで、混乱なく使い分けることができます。
都立(とりつ)
- 意味:東京都が設置・運営している施設や学校
- 特徴:
- 「県立」の東京都版と考えると分かりやすい
- 「都立高校」「都立病院」などでよく見られる
- 例文:
- 都立高校は東京都全域から生徒を募集しています。
市立(しりつ)
- 意味:市(市区町村)が設置・運営している施設や学校
- 特徴:
- 市が管理するため、より地域密着型のサービス
- 「市立図書館」「市立小学校」などが典型例
- 例文:
- 子どもが通う市立小学校は家から徒歩5分です。
府立(ふりつ)
- 意味:大阪府・京都府が設置・運営している施設
- 特徴:
- 「県立」の大阪・京都バージョン
- 「府立高校」「府立大学」「府立病院」などがある
- 例文:
- 府立大学では看護学部が人気です。
私立(しりつ/わたくしりつ)
- 意味:個人や法人(学校法人、医療法人など)によって設立された施設
- 特徴:
- 「公立」ではなく、民間によって運営される
- 授業料や利用料が高めになる傾向
- 教育理念やカリキュラムの自由度が高い
- 例文:
- 私立高校は特色あるカリキュラムを導入しています。
💡「しりつ」は「市立」「私立」の両方の読み方になるので、文脈で判断するか、混乱を避けたい場合は「わたくしりつ」と読むと明確です。
一覧でまとめ
用語 | 設置主体 | 主な使用地域 | 例 |
---|---|---|---|
都立 | 東京都 | 東京都 | 都立高校、都立病院 |
市立 | 市区町村 | 全国 | 市立小学校、市立図書館 |
府立 | 大阪府・京都府 | 大阪・京都 | 府立大学、府立体育館 |
私立 | 民間(法人・個人) | 全国 | 私立大学、私立病院 |
「県立」「公立」の類語(言い換え)

「県立」や「公立」といった言葉は、日常生活だけでなくビジネス文書や教育現場でも頻繁に使われますが、言い換えや類語を知っておくと表現の幅が広がります。この章では、それぞれの言い換え表現と、その使い方を解説します。
「県立」の類語・言い換え
類語 | 説明 | 使用場面の例 |
---|---|---|
都道府県立 | 県だけでなく、都や府を含む広義の表現 | 「都道府県立の高校では…」 |
広域公立 | 主に広い地域(県単位)で運営される公立機関を指す | 「広域公立の医療施設」 |
県設(けんせつ) | 県が設置したという意味で使われる技術的な表現 | 公共事業の報告書などで使用 |
県営(けんえい) | 特にインフラや住宅、交通施設などの運営で使われる | 「県営住宅」「県営バス」など |
✅ 「県立」→「都道府県立」「県設」「県営」などが文脈に応じて使い分け可能。
「公立」の類語・言い換え
類語 | 説明 | 使用場面の例 |
---|---|---|
公共 | 公立のニュアンスを含むより広義な表現 | 「公共施設」「公共サービス」など |
公営(こうえい) | 主に自治体が直接運営する事業に使われる | 「公営住宅」「公営競技」など |
公設(こうせつ) | 自治体など公的機関が設置したことを示す表現 | 「公設市場」「公設民営」など |
自治体立 | 地方自治体が設立したものという意味 | 「自治体立の医療機関」などで使用可能 |
✅ 「公立」→「公共」「公設」「自治体立」などに言い換えると、文調や対象に合わせた柔軟な表現が可能になります。
言い換えのポイント
- 正式な文書や報告書では「県設」「公設」などが好まれることがあります。
- 会話や一般的な文章では「県立」「公立」の方が親しみやすく、理解されやすいです。
- 「公立」と「公共」は似ていますが、「公共」はより広い意味(民間との対比)で使われます。
「県立」「公立」の英語表現

日本語の「県立」や「公立」は、英語にする際に行政制度の違いに注意が必要です。英語圏には「都道府県」や「市区町村」といった区分が日本ほど明確ではないため、直訳というよりは意味に合わせた翻訳が求められます。
「県立」の英語表現
「県立」は、都道府県(Prefecture)によって設置・運営されている施設を指します。英語では以下のように訳されます:
日本語 | 英語表現 | 解説 |
---|---|---|
県立高校 | prefectural high school | 「prefectural」は「都道府県の」という意味 |
県立病院 | prefectural hospital | 都道府県が運営している病院 |
県立図書館 | prefectural library | 県の文化施設としての意味合いを持つ |
🔍 「Prefectural」は日本特有の行政区画を説明する必要がある場合に便利ですが、ネイティブスピーカーにはやや馴染みが薄いため、補足説明を加えるのがベターです。
補足例:
I graduated from a prefectural high school in Japan (a public school run by a prefectural government).
「公立」の英語表現
「公立」は「政府や自治体が設置・運営している」ことを示すので、英語では "public" を使うのが一般的です。
日本語 | 英語表現 | 解説 |
---|---|---|
公立学校 | public school | アメリカ英語で「州や市が運営する学校」 |
公立病院 | public hospital | 公共資金で運営される病院 |
公立大学 | public university | 州立・市立を含めた非私立大学 |
✅ アメリカ英語では「public school」は公立学校を意味しますが、イギリス英語では「名門私立学校」を意味することもあるため、文脈に注意が必要です。
比較表:英語での使い分け
用語 | 英語表現 | 備考 |
---|---|---|
県立 | prefectural ○○ | 日本特有の区分、説明付きが理想 |
公立 | public ○○ | 国際的に通じやすい表現 |
私立 | private ○○ | 民間による運営 |
よくある質問(FAQ)

この章では、「県立」と「公立」に関して、読者の方からよく寄せられる質問とその答えをQ&A形式でまとめました。混同しやすい表現や、知っておくと便利な知識を整理してご紹介します。
Q1. 「県立」と「公立」は同じ意味ですか?
A. 部分的には同じですが、正確には違います。
「県立」は都道府県が設置・運営する施設を指し、「公立」はそれを含むもっと広い概念です。つまり、「県立」は「公立」の一部という関係になります。
Q2. 「市立」と「県立」の違いは?
A. 設置している自治体の違いです。
- 「市立」は市区町村が運営
- 「県立」は都道府県が運営
この違いにより、予算・対象地域・施設の規模なども変わることがあります。
Q3. 「都立高校」と「県立高校」の違いは?
A. 設置している自治体が異なるだけで、基本的な運営方針は似ています。
- 「都立高校」は東京都が設置
- 「県立高校」は他の都道府県が設置
どちらも「公立高校」の一種であり、入試制度やカリキュラムは都道府県ごとに異なります。
Q4. 「私立」と「公立」の違いは?
A. 運営者が民間か公的機関かの違いです。
- 公立:国や地方自治体によって設置・運営(税金で賄われる)
- 私立:学校法人や医療法人などの民間団体が設立・運営
私立は教育方針や運営の自由度が高く、授業料が高めになる傾向があります。
Q5. 「県立大学」と「公立大学」はどう違いますか?
A. 「県立大学」は「公立大学」の中の一つです。
「公立大学」は、都道府県・市区町村が設置する大学の総称。「県立大学」はそのうちの都道府県が運営しているものです。
Q6. 英語で「県立高校」と言いたい時はどう言えばよい?
A. "Prefectural high school" または "a high school run by a prefectural government" と表現します。
「prefectural」という言葉はやや専門的なので、補足を加えると親切です。
Q7. 「公立」には国立も含まれますか?
A. 通常は含まれません。
「国立」は国(文部科学省や厚生労働省など)が設置した機関です。「公立」は都道府県や市区町村が設置したもので、国立とは別の区分です。
まとめ
「県立」と「公立」は、どちらも公共性のある施設や学校を指す言葉ですが、その意味には明確な違いがあります。
「県立」とは、都道府県が設置・運営する施設のことであり、「県立高校」「県立病院」などがその代表です。一方、「公立」はより広い概念で、国・都道府県・市区町村のいずれかの自治体によって設立・運営されているものすべてを含みます。
つまり、「県立」は「公立」の一部という位置づけになります。
また、「都立」「市立」「府立」「私立」といった関連用語も、設置主体によって分類される名称であり、それぞれ異なる意味を持っています。
このように、「○○立」という言葉は、その施設が「誰によって設置・運営されているのか」を示す重要なヒントになります。普段何気なく使っている言葉にも、行政や制度の仕組みが深く関わっていることを、この記事を通して感じていただけたのではないでしょうか。
今後は、場面に応じて「県立」と「公立」の使い分けを意識し、正しく伝わる言葉選びを心がけましょう。