「以降」とはその日を含む?含まない?「以後」との違い

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日常会話やビジネスの現場でよく耳にする「以降」という言葉。たとえば、「会議は15時以降に行います」「提出は10日以降でお願いします」など、予定や期日を伝える際によく使われます。しかし、「以降」という言葉が「その日を含むのか、含まないのか」で迷ったことはありませんか?

また、「以降」と似た言葉に「以後」もありますが、この二つはどのように違うのでしょうか。なんとなく使っているけれど、正確な意味や使い分けが曖昧なままになっている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、「以降」の正しい意味と使い方、そして「以後」との違いを分かりやすく解説していきます。また、実際の例文や類語、英語での表現も紹介し、今日から自信をもって使えるようになることを目指します。

「以降」はその日を含む?含まない?

注意

「○月10日以降にご来社ください」や「18時以降の電話対応は控えてください」など、「以降」という言葉は時間や日付を示す表現として頻繁に使われます。しかし、その際に「○月10日を含むのか?」と疑問に思う人も多いのではないでしょうか。

「以降」は“その日を含む”

結論から言うと、「以降」は基本的にその日を含みます。つまり、「10日以降」は「10日を含めて、それより後の期間」を意味します。

【例】

  • 「10日以降にご連絡ください」→10日も含めて、それ以降のすべての日
  • 「18時以降に対応します」→18時ちょうどを含めて、それ以降の時間帯

この使い方は、辞書的な定義や公的文書でも確認されています。

「以降」と「以後」の違い

発見マーク

「以降」と似た言葉に「以後」があります。どちらも「ある時点より後」を意味する表現ですが、厳密には使い方やニュアンスに違いがあります。ここでは、違いを表で整理したうえで、文章でも詳しく説明していきます。

「以降」と「以後」の違い比較表

項目以降以後
読み方いこういご
意味ある時点を含めて、それ以降のことある時点のあと(含むこともあるが、曖昧)
主な使い方日付・時間・予定など具体的に示す状況や出来事の変化を示す抽象的な文脈が多い
使用される場面日常会話、ビジネス、事務連絡など歴史的・物語的・文章語など堅めの表現
含むかどうか含む(基本的に)あいまい(含む・含まない両方あり得る)

「以降」は具体的な日時や時間に使われる

「以降」は「○月○日以降」「17時以降」など、具体的な時点を起点とした時間の流れを示すのが特徴です。ビジネスメールや公的な案内など、明確なスケジュールを伝える場面に適しています。

例:

  • 「5月1日以降に順次発送いたします」
  • 「営業時間は18時以降となります」

「以後」は出来事や抽象的な表現に使われる

一方、「以後」はその時点を境とした変化や、それ以降の状態の継続を表す文語的な表現です。少し堅めのニュアンスがあり、物語や文章、歴史的な記述などで多く使われます。

例:

  • 「事故以後、彼は外出を避けるようになった」
  • 「明治以後、日本は急速に近代化した」

どちらを使うか迷ったら?

  • 具体的な日時・時間が絡む場合 → 「以降」
  • 抽象的な出来事や変化を語る場合 → 「以後」

と覚えておくと、使い分けに迷うことが少なくなります。

「以降」の使い方【例文30】

年間カレンダー

「以降」は日常生活からビジネスシーンまで幅広く使われる便利な言葉です。ここでは、使用場面ごとに「以降」を使った例文を30個紹介します。時刻や日付、イベント、行動のタイミングなど、さまざまなケースを参考にしてください。


【ビジネスでの使用例】

  1. ご注文は5月1日以降に受付いたします。
  2. このサービスは、2025年4月30日以降はご利用いただけません。
  3. 18時以降は担当者が不在となります。
  4. 面接は水曜日以降にご予約ください。
  5. 申請書は7月15日以降に提出してください。
  6. この価格は6月末以降、変更となります。
  7. アップデートは5月10日以降に順次配信されます。
  8. 契約内容の変更は来月以降可能です。
  9. 今後の問い合わせはメール以降にお願いします。
  10. 新制度は2025年1月1日以降に適用されます。

【日常生活での使用例】

  1. 雨天以降、洗濯物が全然乾かない。
  2. 子どもは18時以降、ゲームは禁止にしている。
  3. 旅行は夏休み以降に計画する予定だ。
  4. 電車は22時以降、本数が減ります。
  5. 引っ越しは4月以降の予定です。
  6. 花粉の飛散は2月以降に増える傾向があります。
  7. 試験以降、少し気が抜けてしまった。
  8. 風邪以降、体調が安定しない。
  9. 深夜0時以降は静かにお願いします。
  10. 誕生日以降、プレゼントが続々届いた。

【公式・案内文などでの使用例】

  1. 2025年3月1日以降、手続き方法が変更になります。
  2. この通達は通知日以降に有効となります。
  3. キャンセルは搭乗日3日前以降は不可となります。
  4. 本規約は2024年12月31日以降に適用されます。
  5. 出願は4月以降の受付となります。
  6. 年末年始以降は営業時間が通常通りとなります。
  7. 保険の適用は診察日以降の治療が対象です。
  8. 通信速度制限はデータ使用量が上限を超えた以降に適用されます。
  9. 本商品は発売日以降、全国の店舗で順次販売予定です。
  10. 採用通知は面接日以降、一週間以内にご連絡いたします。

「以降」の類語

ノートパソコン

「以降」と似た意味を持つ言葉はいくつかありますが、それぞれ微妙に使い方やニュアンスが異なります。以下の表では、代表的な類語の意味・使い方・例文を簡潔にまとめました。

類語意味・特徴例文
以後「以降」と同じく「その時点を含めてそれから先」。やや文語的。事故以後、彼は運転を控えている。
以来「その時点から今までずっと継続していること」を強調。留学以来、彼とは会っていない。
後(あと)口語的で柔らかい表現。「以降」と入れ替えやすい。昼食のに打ち合わせがあります。
~のちにフォーマルで文章的。時間の経過を強調したい時に使う。会議終了のちに報告書を提出してください。
次回以降「次の機会から先」を意味し、継続的な機会に使う。この特典は次回以降のご購入時に適用されます。
  • 明確な日時や時刻 → 「以降」
  • 抽象的・物語的な文脈 → 「以後」
  • 継続していることを強調 → 「以来」
  • 口語でシンプルに言いたい → 「後(あと)」

「以降」の英語

ENGLISH

「以降」は英語でも、文脈によっていくつかの表現があります。ここでは代表的な訳と、その使い方を簡単な例文とともに紹介します。

英語表現意味・使い方
from [日付] onward「○日以降ずっと」を意味する定番の表現
after [日付/時間]「○日以降」のカジュアルで簡潔な表現(含まない場合が多い)
starting [日付]「○日から始まって」を意味し、含むニュアンスが強い
following [日付]フォーマルな文書などでよく使われる「以降」

例文:

  • The meeting is scheduled from May 10 onward.
     (会議は5月10日以降に予定されています。)
  • We will no longer accept returns after June 1.
     (6月1日以降、返品は受け付けません。)
  • The new policy applies starting July 1.
     (新しい方針は7月1日以降に適用されます。)
  • The regulation will take effect following the announcement.
     (発表以降、その規制が施行されます。)

よくある質問

Q&A

「以降」という言葉を使ううえで、よく寄せられる疑問について簡潔にお答えします。


Q1.「○月10日以降」は10日を含みますか?

A. はい、基本的には10日を含みます。
「以降」は「その日を含めて、それより後」という意味です。ただし、誤解を避けたい場合は「10日を含めて」や「10日から」と表現するのが安心です。


Q2.「明日以降にお願いします」は、明日も含まれますか?

A. 含まれます。
「明日以降」は「明日を含めて、それより先の日時」を意味します。


Q3.「以降」と「以来」の違いは?

A. 「以降」は“ある時点から先の未来”、「以来」は“ある時点から今までの継続”を意味します。

表現意味例文
以降その時点以後(未来方向)4月1日以降に価格が変更されます。
以来その時点から現在まで(継続)入社以来、この部署で働いています。

Q4.「以降」を使うときの注意点はありますか?

A. 文脈によって「含むかどうか」が誤解される可能性があるため、必要に応じて補足すると安心です。
たとえば「10日以降は受付不可」と書くと、「10日がOKかNGか」が不明確になるため、「10日を含む」と明示するか、「9日まで受付」と書き換えるとよいでしょう。

まとめ

「以降」という言葉は、「その時点を含めて、それより先」を意味する表現で、ビジネスや日常生活で幅広く使われます。よく似た「以後」はやや文語的で抽象的な場面に用いられることが多く、使い分けが大切です。また、「10日以降」などの表現では、「10日を含むのか?」という疑問が生まれやすいため、誤解を防ぐためにも明確な補足を心がけると安心です。

この記事では、意味の違い、例文、類語、英語での表現など、実践的な内容を網羅しました。「以降」の正しい使い方を理解し、誤解のないスムーズなコミュニケーションに役立ててください。