「暖かくしてお過ごしください」使い方【50例文】温かくも正解?

冬になると、手紙やメール、SNSなどで「暖かくしてお過ごしください」という言葉を目にする機会が増えます。このフレーズは、相手の体調や健康を気遣う、温かみのある一言として親しまれています。しかし、いざ自分で使おうとしたときに、「暖かい?温かい?どっちが正しいの?」と迷ったことはありませんか?
また、「この言い方は目上の人に使っても大丈夫なのか」「ビジネスシーンでの適切な表現方法は?」など、使い方に関する疑問を持つ方も多いでしょう。
この記事では、そんな「暖かくしてお過ごしください」という表現の正しい意味と使い方について、徹底的に解説していきます。さらに、実際に使える例文をビジネス・日常・その他のシーン別に50個ご紹介しますので、すぐに実践で活用できます。
「丁寧に気遣いを伝えたい」「季節感のある言葉を使いたい」と思っている方に、ぜひ読んでいただきたい内容です。
目次
「暖かくしてお過ごしください」「温かくしてお過ごしください」どっちが正解?

正解と理由
「暖かくしてお過ごしください」と「温かくしてお過ごしください」——どちらも見かける表現ですが、正しいのは「暖かくしてお過ごしください」です。
その理由は、「暖かい」と「温かい」という言葉の使い分けにあります。
「暖かくしてお過ごしください」は、寒さ対策を促す言葉であり、気温や体感温度に関わる表現です。たとえば、コートやマフラーなど外気の寒さから身を守る行動に対して「暖かく」と言います。
一方、「温かく」は人の心や物(料理など)に対して使うことが多く、「温かいスープ」「温かい拍手」「温かい気持ち」などのように、物理的・心理的なぬくもりを指す場合に使われます。
「暖かい」と「温かい」の使い分け
表記 | 主な意味 | 使用シーン例 |
---|---|---|
暖かい | 気温や服装など、外部環境の温かさ | 暖かい服、暖かい部屋、暖かい春の日 |
温かい | 人の気持ちや料理など、内部的な温もり | 温かい心、温かい言葉、温かい料理 |
したがって、「寒さが厳しいので、体を冷やさないように」という外的環境に対する配慮の言葉である「暖かくしてお過ごしください」は、「暖」の字を使うのが正解です。
「暖かくしてお過ごしください」の意味

「暖かくしてお過ごしください」というフレーズは、寒い季節に相手の体調や健康を気遣う表現として使われます。「体を冷やさないように」「寒さ対策をして快適に過ごしてくださいね」という、思いやりの気持ちを込めた一言です。
フレーズの構造 | 意味の解説 |
---|---|
暖かくして | 服装や暖房などで体を冷やさないようにする |
お過ごしください | 丁寧な依頼表現で、「過ごしてください」の敬語 |
「暖かくしてお過ごしください」は、日常的にもビジネスでも使える丁寧な言い回しです。特に年末年始や寒中見舞いなど、冬の挨拶文やメールの結びの言葉としてよく使われます。
使われる主なシーン
- 年末年始の挨拶メール
- 寒中見舞いのはがき
- 冬の季節のLINEやSNS投稿
- お見舞いや別れ際の一言
この表現には、単なる健康への気遣いだけでなく、相手への優しさや思いやりが込められています。温かい言葉として相手に安心感を与え、好印象を与えることができる便利なフレーズです。
「暖かくしてお過ごしください」を目上の人に使ってもOK?

「暖かくしてお過ごしください」という表現は、目上の人やビジネス相手にも使える丁寧な言い方です。ただし、相手との関係性や文脈によっては、より丁寧な言葉を添えることで、さらに好印象を与えることができます。
基本的には「敬語表現」として使える
「~してください」は、一般的な敬語の形であり、「お過ごしください」となることで、より丁寧な表現になっています。そのため、上司・取引先・年配の方など、幅広い相手に使って問題ありません。
例:
- 年末のメール:
「寒さが厳しくなってまいりました。どうぞ暖かくしてお過ごしくださいませ。」 - 寒中見舞いのはがき:
「まだまだ寒い日が続きます。どうか暖かくしてお過ごしくださいますようお祈り申し上げます。」
より丁寧にしたい場合
相手が特に目上である場合や、フォーマルな場面では、「ご自愛ください」などの表現と組み合わせると、より格式のある言い回しになります。
例:
- 「寒さが続いております。どうぞご自愛のうえ、暖かくしてお過ごしくださいませ。」
- 「ご多忙の折、どうぞお身体を大切に、暖かくしてお過ごしください。」
避けたほうがよいカジュアルな表現
以下のような表現は、目上の人にはやや軽すぎる印象を与えるため注意が必要です。
- 「ちゃんと暖かくしてね!」
- 「風邪ひかないように、ぬくぬくしてね!」
これらは友人や家族など、親しい間柄で使うのが適しています。
「暖かくしてお過ごしください」の使い方【例文50】

「暖かくしてお過ごしください」は、フォーマルなビジネスの場面から日常のちょっとした会話まで、さまざまなシーンで使える便利な言い回しです。ここでは、ビジネス・日常・その他の場面に分けて、計50の例文をご紹介します。
ビジネスでの使い方【例文20】
- 本格的な寒さが続いております。どうぞ暖かくしてお過ごしください。
- 年末年始、体調など崩されませんよう、暖かくしてお過ごしくださいませ。
- 本年も大変お世話になりました。ご自愛のうえ、暖かくしてお過ごしください。
- 寒中お見舞い申し上げます。どうぞ暖かくしてお過ごしください。
- ご多忙の折とは存じますが、どうぞ暖かくしてお過ごしください。
- お打ち合わせの際はお足元にお気をつけて、暖かくしてお越しください。
- 寒さ厳しき折、どうぞ暖かくして体調管理にお気をつけください。
- 年末のご挨拶に代えて、皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。暖かくしてお過ごしください。
- 急な冷え込みが続いております。どうぞ暖かくしてお過ごしくださいませ。
- お忙しい中ご返信ありがとうございます。どうぞ暖かくしてお過ごしください。
- お身体が資本です。どうぞ暖かくして、良い年末をお迎えください。
- 来年もどうぞよろしくお願いいたします。暖かくしてよいお年をお迎えください。
- 体調を崩されませんよう、暖かくしてお過ごしください。
- 風邪が流行っておりますので、暖かくしてお過ごしくださいませ。
- 引き続き、暖かくしてお過ごしください。
- お忙しい日々かと存じますが、どうぞ暖かくしてご自愛ください。
- 厳しい寒さが続きます。皆様の健康を願っております。暖かくしてお過ごしください。
- 寒暖差が激しくなっております。暖かくして体調にお気をつけください。
- 社員一同、感謝申し上げます。どうか暖かくしてよいお年をお迎えください。
- お取引先の皆様にも、暖かくしてご自愛くださいますようお伝えください。
日常での使い方【例文20】
- 寒くなってきたね!暖かくして過ごしてね。
- 風邪ひかないように、暖かくしてね〜!
- 朝晩冷えるから、ちゃんと暖かくしてね。
- 今日は雪が降るらしいよ。暖かくして出かけてね。
- 体調どう?無理しないで、暖かくして休んでね。
- 最近寒すぎない?お互い暖かくして頑張ろう!
- 実家に帰るときも、暖かくして行ってきてね。
- マフラー忘れずに!暖かくしてね。
- すっかり冬だね。風邪ひかないように暖かくして!
- 暖かくして、ぬくぬくおやすみ〜!
- 寒波が来るらしいから、気をつけて暖かくしてね。
- お風呂上がりは冷えるから、すぐに暖かくしてね。
- 子どもにも厚着させて、暖かくしてあげてね。
- 布団から出たくない季節だね〜。暖かくしてね。
- ストーブの前から動けない…。暖かくしてる?
- 遠距離だけど、気持ちはそばにいるよ。暖かくしてね。
- 今日はこっちもすごく冷えてるよ。そっちも暖かくしてね。
- 帰ってきたらすぐ暖かくして!
- ココアでも飲んで、暖かくして休んで〜。
- 寒い中ありがとう。ゆっくり暖かくしてね。
その他シーンでの使い方【例文10】
- 保護者の皆さまへ:寒さが厳しくなってまいりました。暖かくしてお越しください。
- 地域掲示板にて:凍結の恐れがございます。暖かくして外出ください。
- 病院からの案内文:通院の際は、暖かくしてお越しください。
- 冠婚葬祭の移動案内:当日は冷え込みが予想されます。暖かくしてお越しください。
- 老人ホームからの通信:入所者の皆様も、暖かくしてお過ごしいただいております。
- 学校からのお知らせ:児童・生徒の皆さんも暖かくして登校しましょう。
- バス車内アナウンス:外は大変冷えております。どうぞ暖かくしてご利用ください。
- 観光案内メール:冬の●●も見どころです。暖かくしてお越しください。
- 地域イベント告知:夜間は冷え込みますので、暖かくしてご参加ください。
- 小売店のお知らせ:ご来店の際は、暖かくしてお越しくださいませ。
「暖かくしてお過ごしください」に対する返事

「暖かくしてお過ごしください」と言われたとき、どのように返すのが適切か悩むこともあるかもしれません。相手の気遣いに対して、感謝の気持ちと相手への配慮を込めて返すことがポイントです。
ここでは、フォーマルな場面とカジュアルな場面に分けて、使える返答例をご紹介します。
フォーマルな返事(ビジネス・目上の人への返信)
「お気遣いありがとうございます。○○様もどうぞ暖かくしてお過ごしくださいませ。」
→ 丁寧で落ち着いた印象。メールなどで使いやすい表現です。
「ご配慮いただきありがとうございます。○○様もご自愛くださいませ。」
→ 「ご自愛ください」は、体調や健康への配慮を表す丁寧な表現です。
「恐れ入ります。○○様もどうぞ暖かくして、健やかにお過ごしください。」
→ さらに改まった場面や、年末年始の挨拶にぴったりの表現。
「ありがとうございます。どうか○○様もご自愛のうえ、良いお年をお迎えください。」
→ 年末の締めくくりとして好印象を与える文です。
「ご丁寧にありがとうございます。○○様も温かくしてお過ごしくださいませ。」
→ 「温かくして」も誤りではありませんが、「暖かくして」がベターです。
カジュアルな返事(友人・家族など)
「ありがとう!そっちも暖かくして過ごしてね!」
→ 親しみやすいフランクな言い方。
「優しい言葉ありがとう。○○も風邪ひかないようにね!」
→ 心のこもったお礼と気遣いを返す一文。
「うん、ちゃんと暖かくしてるよ〜!○○もね!」
→ ラインやSNSなどで気軽に返せる一言。
「ありがと!あったかい飲み物飲んでぬくぬくしてるよ♪」
→ 冬の雰囲気を伝える、ほっこりした返し。
「ありがとう!お互い元気に冬を乗り切ろうね!」
→ 共感と前向きな気持ちを伝えるフレーズ。
補足:
「暖かくしてお過ごしください」はあくまで優しい気遣いの言葉なので、難しく考えすぎず、感謝+相手への気遣いを返すだけで十分に良い印象を与えることができます。
「暖かくしてお過ごしください」の英語表現

「暖かくしてお過ごしください」は、日本語特有の丁寧で気遣いのこもった表現ですが、英語にもそれに近いニュアンスの言い方があります。ここでは、カジュアルからフォーマルまで使える英語フレーズをご紹介します。
基本的な表現
①Stay warm and take care.
最もよく使われる表現です。
- 「暖かくして、気をつけてね」という意味。
- メールやチャットなどのカジュアルなやりとりでよく使われます。
②Keep yourself warm.
- 「自分を暖かく保ってね」という直訳に近い表現。
- 日常会話で親しい人に向けて使うのが自然です。
③Hope you stay warm this winter.
- 「この冬、暖かく過ごせますように」
- 季節の挨拶としてSNSや手紙で使うと効果的です。
少しフォーマルな表現
④Please make sure to stay warm during this cold season.
- 「この寒い季節、どうか暖かくしてお過ごしください」
- ビジネスメールや手紙での締め言葉としても使えます。
⑤Wishing you warmth and health during the cold days.
- 「寒い日々の中でも、温もりと健康をお祈りします」
- 年末年始や季節の挨拶状にぴったりな上品な表現です。
状況別の応用フレーズ
シチュエーション | 英語表現例 |
---|---|
メールの結び | Stay warm and safe. |
冬の挨拶(SNSなど) | It’s getting colder. Stay warm! |
会話の別れ際 | Don’t forget your coat. Stay warm out there! |
家族や恋人に | I hope you’re staying warm and cozy. |
お見舞いの一言 | Please keep warm and take care of yourself. |
英語では、日本語ほど「季節の挨拶」の文化が根付いていないため、「Stay warm」や「Take care」はあくまで優しい気遣いのフレーズとして使われます。ただし、文脈や相手に応じて一言添えるだけで、印象がぐっと良くなります。
よくある質問

「暖かくしてお過ごしください」に関して、よくある疑問をまとめてお答えします。使い方や言葉の選び方に迷ったときの参考にしてください。
Q1. 「あたたかくして」の漢字表記は「暖かく」「温かく」どちらが正しい?
A:正しいのは「暖かく」です。
「暖かい」は気温や服装、環境など物理的な温度に対する表現で、「寒さを防ぐ」といったニュアンスが含まれます。一方、「温かい」はスープや気持ちなど、内側からの温もりや感情に使われます。
したがって、「寒さに備える」という意味合いを持つ「暖かくしてお過ごしください」が正しい使い方です。
Q2. メールと会話では表現を変えたほうがいい?
A:はい、文脈に応じて使い分けるのが自然です。
- メールや手紙(フォーマル)
→「どうぞ暖かくしてお過ごしくださいませ」など丁寧な言い回しが適切です。 - 会話やSNS(カジュアル)
→「暖かくしてね」「寒いから気をつけて」など、くだけた表現で構いません。
Q3. 「ご自愛ください」と「暖かくしてお過ごしください」はどう違う?
A:使い方の範囲と丁寧さが異なります。
表現 | 意味・ニュアンス | 主な使いどころ |
---|---|---|
暖かくしてお過ごしください | 寒さ対策を促す、ややカジュアル | 季節の挨拶、日常的な一言 |
ご自愛ください | 健康全般への配慮を願う、より丁寧な表現 | ビジネスメール、フォーマルな文 |
両方を併用することも可能です。
例:「寒さが厳しくなってまいりました。どうぞ暖かくしてお過ごしくださいませ。ご自愛ください。」
Q4. 春や秋でも使えるの?
A:基本的には冬限定ですが、気温が下がる時期なら使って問題ありません。
「暖かくしてお過ごしください」は、気温が寒くなるタイミングなら秋や早春にも使えます。ただし、真夏などの暑い時期には不自然になるので避けましょう。
Q5. 「寒い中、来てくれてありがとう」も「暖かくして〜」に言い換えられる?
A:ケースによって可能です。
たとえば、以下のように置き換えることで、丁寧かつ柔らかい印象を与えられます。
- 元の表現:「寒い中、来てくれてありがとう」
- 言い換え:「寒い中お越しいただきありがとうございました。どうぞ暖かくしてお過ごしください。」
このように、感謝と気遣いを組み合わせた表現としても活用できます。
まとめ
「暖かくしてお過ごしください」は、寒い季節に相手の体調を気遣う優しく丁寧な挨拶表現です。このフレーズは、「寒さ対策をして健康に過ごしてほしい」という思いやりを伝えるものであり、ビジネスでもプライベートでも幅広く活用できます。
ポイントは、「暖かい(暖)」が気温や服装など外的な温もりに使われるのに対し、「温かい(温)」は料理や感情など内的な温もりに使われるという使い分け。「暖かくしてお過ごしください」の場合は、外気の寒さに備える意図があるため、「暖」の字が正解です。
また、目上の人にも使える丁寧な言い方ですが、よりフォーマルにしたい場合は「ご自愛ください」などを添えると安心です。英語では “Stay warm” や “Keep yourself warm” などが同様の意味を持ちます。
記事内で紹介した例文50選を参考に、状況に応じた適切な表現で、思いやりの気持ちを言葉にして伝えてみてください。きっと、相手に温かな印象を残すことができるでしょう。