会わせてとは?ビジネスや日常での使い方【例文80】敬語では?

日常会話やビジネスシーンで、意外とよく使われる表現の一つが「会わせて」という言葉です。
たとえば、「〇〇さんに会わせてください」や「日程を会わせておきますね」など、自然に使っている方も多いのではないでしょうか。とはいえ、あらためて「会わせて」とはどんな意味なのか、また、丁寧に言うとどうなるのかを問われると、少し考えてしまう方も少なくありません。
特にビジネスの場面では、相手や状況に応じて適切な敬語表現を使い分けることが求められます。「会わせてください」というカジュアルな表現では失礼になることもあるため、正しい言い換えを理解しておくことが重要です。
この記事では、
- 「会わせて」の意味
- 敬語での言い換え方
- ビジネスと日常での具体的な使い方(例文40ずつ)
- よくある質問とその回答
などを詳しく解説していきます。
基本をしっかり押さえれば、あらゆる場面で自然に使えるようになります。言葉の選び方に自信を持ちたい方は、ぜひ最後までお読みください。
「会わせて」の意味

「会わせて」は、動詞「会う」の使役形である「会わせる」に、接続助詞「て」がついた形です。文法的に「誰かを誰かに会わせる」、つまり人と人を引き合わせる行為を意味します。よく似た表現である「合わせて(調整する)」と混同されがちなので、明確に区別して理解することが大切です。
「会わせて」は「人と人を引き合わせる」意味
「会わせて」は、誰かを別の誰かに会うようにさせる、つまり「引き合わせる・紹介する」といった意味で使われます。
例文:
- 「来週、部長に新しい担当者を会わせてください」
- 「いつか両親にあなたを会わせたいと思っている」
このように、「会わせて」は第三者との面会の機会をつくる行為を指す言葉で、ビジネス・プライベートを問わずよく使われます。
「会わせて」と「合わせて」の違いに注意
似たような響きを持つ「合わせて」は、「調整する」「一致させる」といった意味で、まったく別の語です。
表現 | 意味 | 用例 |
---|---|---|
会わせて | 人と人を引き合わせる | 「部長に会わせてください」 |
合わせて | 都合や条件などを一致させる | 「予定をあなたに合わせて調整します」 |
❌ 間違った使い方:
- 「予定を会わせておきます」→ 誤用
- 正しくは:「予定を合わせておきます」
文法的なポイント
- 「会う」:自動詞 → 人が誰かに会う
- 「会わせる」:使役動詞 → 人を誰かに会わせる(引き合わせる)
- 「会わせて」:使役+接続助詞 → 会わせた上で何かを行う
例文構造:
- 「彼に彼女を会わせて、話をしてもらった」
(彼に→彼女を→会うようにさせる)
「会わせて」の敬語

「会わせてください」という表現は、日常会話ではよく使われますが、ビジネスの場やフォーマルなやり取りでは少しカジュアルすぎる印象を与えることがあります。特に、目上の人や取引先に対して使う場合には、より丁寧で配慮のある表現に言い換えることが大切です。
「会わせてください」は丁寧語だが不十分
たとえば、「部長にこの方を会わせてください」という言い方は、言葉としては間違いではありませんが、相手に対して「お願い」というよりも「指示」に近いニュアンスになってしまうことがあります。目上の人や社外の人に使うには、ややぶっきらぼうに感じられることもあるため、注意が必要です。
もっと丁寧に言いたいときの言い換え方
「会わせてください」と言いたい場面でも、相手や状況に応じて次のような表現に置き換えると、より丁寧で自然な印象になります。
相手に紹介をお願いするとき
- 「○○様にお引き合わせいただけますでしょうか」
- 「○○様をご紹介いただけますと幸いです」
このような表現は、「会わせる」ことをより柔らかく、丁寧に依頼する形です。
自分が紹介したいとき
- 「○○様を弊社の担当者にご紹介させていただきます」
- 「この者を○○様にお引き合わせしたく存じます」
このように、「ご紹介させていただきます」や「お引き合わせいたします」といった表現は、謙譲語を使って相手に敬意を示す丁寧な言い方です。
よくある間違いに注意
よく使われがちな表現の中には、実は正しい敬語とは言えないものもあります。
たとえば、「会わせていただきます」という言い方。これは一見丁寧に見えますが、「会わせる(=誰かを誰かに会うようにさせる)」という使役の意味に、「いただく(=自分が何かをさせてもらう)」をつけてしまうと、文法的に違和感が出てしまいます。
正しくは、「○○様を△△にご紹介させていただきます」や、「お引き合わせいたします」などのように、行為を丁寧に表現する方法を使いましょう。
ポイント
「会わせて」は便利な言葉ですが、敬語として使うには注意が必要です。特にビジネスの場では、「ご紹介」「お引き合わせ」「ご面会の機会」といったより丁寧な言い換え表現を使うことで、印象が大きく変わります。
丁寧に言いたいときほど、「言い換え」が重要です。相手との関係や場面に応じて、自然で失礼のない表現を選ぶように心がけましょう。
ビジネスでの使い方【例文40】

「会わせて」はビジネスにおいて、人を引き合わせる、紹介する、面談の機会を作るといった場面で頻繁に使われます。ただし、口語表現の「会わせて」をそのまま使うのではなく、適切な敬語や言い換え表現を使うことで、よりスムーズなコミュニケーションが可能になります。
ここでは、目的別に実践的な例文をご紹介します。
【社内】上司や同僚に人を紹介する
- 新入社員を課長に会わせておきます。
- 本日の来客は、○○主任にお引き合わせいたします。
- このプロジェクトの担当者を部長に紹介いたします。
- 来週の打ち合わせ前に、○○さんに顔を合わせてもらいたいです。
- 先方との関係強化のため、営業リーダーに会わせましょう。
【社外】顧客や取引先への人材紹介・引き合わせ
- 「弊社の担当者を○○様にご紹介させていただきます」
- 「技術責任者と一度お引き合わせできればと考えております」
- 「必要に応じて、開発担当をお会いいただけるよう手配いたします」
- 「新担当者に交代となりましたので、改めてご紹介いたします」
- 「折を見て、弊社の代表とご面会の機会を設けさせていただきます」
【調整・段取り】面会のセッティング・依頼
- 「○○様と△△様をお引き合わせする場を設けたいと考えております」
- 「本件については、弊社担当とお会いいただける日程をご相談させてください」
- 「上司にお会いいただけるよう、日程を調整いたします」
- 「スケジュールを確認のうえ、後ほど面談の調整をいたします」
- 「関係部署の責任者との面会の機会をセッティングいたします」
【メール文面】丁寧な表現(目上・社外向け)
- 「来週、弊社の○○を貴社のご担当者様にご紹介させていただきたく存じます」
- 「関係者同士のお引き合わせの機会を頂戴できますと幸いです」
- 「○○様を△△部長にお引き合わせいただけますでしょうか」
- 「貴社のご都合に合わせて、ご面談の場を設けたく考えております」
- 「何卒、○○とお会いいただける機会を賜りますようお願い申し上げます」
【面談・会議】紹介の場で使う
- 「本日同席しておりますのは、弊社の営業責任者です。お引き合わせいたします」
- 「まず初めに、○○部長と△△様をご紹介いたします」
- 「本件の担当者をご紹介させていただきますので、お時間を少々頂戴できますか?」
- 「本日は、○○様にお会いいただけるよう段取りさせていただきました」
- 「お忙しい中、○○との面談の場を設けていただき、ありがとうございます」
【採用・人事】選考・面接関連の表現
- 「最終面接では、部門長に会っていただきます」
- 「候補者を上層部に紹介する予定です」
- 「人事責任者との面談の機会を設定いたします」
- 「実際の業務担当者と会って話す場を設けました」
- 「最終的に役員にお引き合わせする予定です」
【軽い依頼・相談】同僚・部下への口頭指示
- 「この件、○○に会わせておいてもらえる?」
- 「新人を課長に紹介しておこうと思ってる」
- 「午後、来客があるから△△に会ってもらって」
- 「顧客の要望について、開発側にも顔を出させるようにして」
- 「先方の意向を聞くには、○○さんと会ってもらうのが一番かも」
【お礼・フォロー】面会後のフォローアップ
- 「先日は、弊社担当とお会いいただきありがとうございました」
- 「貴重なお時間を頂戴し、○○とご面会いただき感謝申し上げます」
- 「ご多用の中、○○との引き合わせの機会をいただきありがとうございました」
- 「本日はお引き合わせの場を設けていただき、誠にありがとうございます」
- 「今後とも、弊社の者と良い関係を築いていただければ幸いです」
ポイント
- 「会わせて」という言葉は、ビジネスでは敬語への言い換えが基本。
- 「ご紹介」「お引き合わせ」「ご面談の機会」などが丁寧で自然。
- メール・口頭での使い分けを意識し、相手との距離感や関係性に応じて表現を調整することが大切。
日常での使い方【例文40】

「会わせて」は、ビジネスの場面だけでなく、日常生活でも幅広く使われる表現です。特に、人を紹介する場面や誰かと誰かを引き合わせたいときによく使います。
この章では、家族、友人、恋人、学校・趣味の関係など、日常的なシーンに合わせた使い方を、状況別に40例ご紹介します。
【家族・親戚に紹介する】
- 「今度、彼を両親に会わせたいんだ」
- 「週末、妹に彼女を会わせる予定なの」
- 「母があなたに会いたがってるから、今度会わせるね」
- 「おじいちゃんに赤ちゃんを会わせてあげたいな」
- 「兄が帰省するから、旦那にも会わせたいと思ってるの」
【友人同士の紹介】
- 「絶対ウマが合いそうだから、今度会わせてみるね」
- 「サークルの友達に、君を会わせたい人がいるの」
- 「高校の友達と職場の同僚を会わせたら盛り上がったよ」
- 「飲み会のときに、先輩に会わせてみようかな」
- 「旅行好きな友達に君を会わせたいって思ってたんだ」
【恋人・パートナーに関する場面】
- 「親に紹介する前に、姉に会わせておきたいな」
- 「そろそろ家族に会わせてもいい頃かなって思ってる」
- 「一度、友達に彼を会わせたけど評判良かったよ」
- 「前の彼氏とは両親に会わせる前に別れたんだよね」
- 「結婚前に、祖父母にも会わせておきたかったな」
【学校や趣味などの人間関係】
- 「先生に○○ちゃんを会わせてあげようか?」
- 「習い事の先生に、一度会わせておきたいのよね」
- 「ペット仲間に彼氏を会わせたら、意外と打ち解けてた」
- 「一緒にカメラやってる友達に会わせたいなと思ってるの」
- 「今度、同級生の集まりに彼女を会わせてもいい?」
【カジュアルな人間関係・知人など】
- 「バイト先の先輩に、友達を会わせてみたんだけど…」
- 「仲良くなれそうだから、○○に会わせようかなって」
- 「昔の友達に、今の仲間を会わせたら懐かしがってたよ」
- 「うちの犬好きの友達に、あの子を会わせたくてさ」
- 「就活中の弟に、先輩を会わせてあげたいんだ」
【場面の説明・振り返り】
- 「あの日、初めて親に彼を会わせたんだよね」
- 「○○と△△を会わせたときの空気、まだ忘れられない」
- 「最初に会わせた時は緊張してたよ、彼も」
- 「母が昔、父を祖母に会わせた日があったって話してた」
- 「友達を会わせるのって、意外と気を遣うよね」
【調整や依頼の会話】
- 「ねえ、今日○○に会わせても大丈夫?」
- 「もし時間があったら、△△に会わせたいんだけど」
- 「ちょっとでもいいから、□□に会わせてくれない?」
- 「今日彼が来るから、両親に会わせておくね」
- 「その前に○○ちゃんに会わせておきたい気もするけど…」
【感謝・フォローの会話】
- 「昨日は、彼を会わせてくれてありがとう」
- 「素敵な人に会わせてもらえてうれしかったよ」
- 「○○に会わせてくれて助かったよ。あの話すごく参考になった」
- 「あのタイミングで会わせてもらえたのがよかったんだと思う」
- 「またいい人がいたら会わせてね!」
ポイント
- 日常では「会わせて」は紹介や人と人をつなぐ自然な表現としてよく使われます。
- 友人・恋人・家族など、関係性によって言葉の柔らかさやトーンを変えるのがポイント。
- カジュアルな会話でも、相手への気遣いや配慮を含んだ言い回しができると好印象です。
よくある質問

「会わせて」という言葉は、意味が似ている言葉が多いため、使い分けや敬語の使い方で迷う方が少なくありません。この章では、よくある疑問をQ&A形式で分かりやすく解説します。
Q1:「会わせていただく」と「お会いする」の違いは?
A:意味がまったく異なります。
- 「会わせていただく」は、誰かを誰かに引き合わせる行為を自分が行うときに使います。
例)「彼を部長に会わせていただきます」 - 「お会いする」は、「自分が相手に会う」ことを謙譲語で表現したものです。
例)「本日、○○様にお会いします」
🔸つまり、「会わせる」は他人同士を引き合わせる、「お会いする」は自分が会うという違いがあります。
Q2:「会わせて」と「合わせて」の違いは?
A:「会わせて」は人を引き合わせる、「合わせて」は調整する意味です。
- 「会わせて」は、「AさんをBさんに紹介する」といった人と人を引き合わせる動作を表します。
- 一方で「合わせて」は、「予定を合わせる」「タイミングを合わせる」など、調整する・一致させるという意味になります。
🔸例文で比較:
- 「母に彼を会わせたい」(紹介する)
- 「スケジュールを彼に合わせたい」(予定を調整する)
※発音が似ているため混同しやすいですが、使う動詞の意味がまったく異なります。
Q3:「引き合わせる」「紹介する」との違いは?
A:「引き合わせる」は物理的に会わせる、「紹介する」は情報を伝える行為にも使えます。
- 「引き合わせる」は、実際に人と人を対面させる行為を強く意識した表現です。
例)「会ってもらう機会を作る」「同席させる」など。 - 「紹介する」は、「こんな人です」と情報を伝える行為も含むため、対面だけでなく電話やメールでも成立します。
🔸「紹介」→ 広く情報を伝える
🔸「引き合わせ」→ 実際に会わせる(対面のニュアンスが強い)
Q4:敬語で迷ったとき、どう表現すれば無難?
A:「ご紹介いたします」や「お引き合わせいたします」が基本の丁寧表現です。
ビジネスやフォーマルな場面で「会わせて」を使う際には、以下のような表現が無難で丁寧です。
- 「弊社の担当をご紹介いたします」
- 「○○様と△△様をお引き合わせいたします」
- 「ご面談の機会を設けさせていただきます」
🔸迷ったら、「紹介」や「面談」といった言い換えで表現を調整するのがコツです。
まとめ
「会わせて」という表現は、日常でもビジネスでもよく使われる言葉ですが、その意味や使い方には注意が必要です。本来の意味は、誰かを誰かに引き合わせる(紹介する)ことであり、「予定を調整する」という意味で使う「合わせて」とはまったく異なります。
特にビジネスシーンでは、「会わせてください」という表現がカジュアルに響いてしまう場合があるため、敬語への言い換えが重要です。たとえば、「ご紹介させていただきます」や「お引き合わせいたします」といった言い回しを使うことで、より丁寧で好印象なやりとりが可能になります。
この記事では、「会わせて」の正しい意味から、敬語表現、ビジネス・日常での具体的な使い方まで、例文を交えて詳しく解説しました。言葉の使い方に不安を感じる場面でも、自信を持って使えるようになるはずです。
人と人をつなぐ「会わせて」という言葉は、使い方次第で人間関係をより良くする力があります。場面に応じて自然な言い回しを身につけ、丁寧で伝わるコミュニケーションを心がけていきましょう。