虹の色の順番・覚え方|ピンクは何番目?世界では6色が基本?

虹

私たちがふと空を見上げたときに出会う、美しい自然現象「虹」。誰もが一度は、その神秘的な光のアーチに見とれたことがあるのではないでしょうか。でも、こんな疑問を持ったことはありませんか?

「虹って何色あるの?」
「色の順番は決まってるの?」
「なぜピンク色は入っていないの?」
「世界中で虹の色の見え方は同じ?」

この記事では、虹の7色の順番や覚え方、光の性質に基づいた科学的な理由、さらに国によって異なる虹の色の認識まで、やさしく解説します。自然現象にちょっとした「知識」が加わると、虹がもっと面白く見えてきますよ。

虹の色の順番とは?

虹

虹の色は、太陽光が雨粒の中で屈折・反射・再屈折されることによって生じる光のスペクトルです。日本では一般的に虹は「7色」とされ、以下の順番で現れます。

虹の7色とその順番

順番読み方色の特徴(波長順)
1あか最も波長が長く、虹の外側に見える
2だいだい赤と黄の中間の暖色系
3きいろ明るく目立つ色
4みどり視覚的に最も認識しやすい色
5あお涼しげで落ち着いた色
6あい青と紫の中間色、日本でのみ独立した扱いが多い
7むらさき波長が最も短く、虹の内側に見える
  • 虹の色は「赤→紫」へと徐々に波長が短くなる順で並んでいる
  • ニュートンが音階と合わせて7色に分けたのが起源とされる
  • 英語圏では6色とされることも多く、藍は省略されがち

虹の色の順番は自然の物理法則に基づくものであり、見る角度や場所によって変化することはありませんが、文化によって数え方は変わることがあります。

虹の色にピンク色はある?

光のプリズム

虹を見たときに「ピンク色があったような気がする」と感じる人もいるかもしれません。しかし、虹にピンク色は含まれません。その理由は科学的に説明できます。

項目内容
ピンクの正体赤と紫(または青)が混ざってできる「混合色」
光の性質虹は単一波長の光(スペクトル)で構成されるため混合色は出ない
ピンクの分類ピンクは「非スペクトル色」に分類され、自然の虹には現れない
よくある誤解撮影画像の色補正や空の明るさの影響でピンクに見えることがある
  • 虹に現れる色はすべてスペクトルの一部(単一波長)
  • ピンクや茶色は複数の光の混合によって知覚される色
  • カメラやフィルターの影響で、ピンクっぽく写ることがあるが、それは実際の虹の色ではない

つまり、虹には科学的にピンクは存在しないというのが正しい理解です。ただし、私たちの目やカメラが環境によってそう見せてしまうことがあるため、誤解が生まれやすいのです。

世界の虹の色の違い

自由の女神

虹の色は自然現象として世界中で共通に現れますが、その色の数や分類方法は国や文化によって異なります。これは、言語や教育、色に対する文化的な認識の違いによるものです。

国・地域一般的な虹の色の数色の構成例藍色(あい)の扱い
日本7色赤・橙・黄・緑・青・藍・紫独立した色として認識
アメリカ・イギリス6色赤・橙・黄・緑・青・紫藍は青または紫に含まれる
中国6~7色地域・教材により異なる場合により「藍」として認識
フランス6~7色資料により異なる必ずしも明確な区別はない
アフリカ・南アジアの一部地域5色以下色名で分けないこともある藍という概念自体がないことも
  • 日本では7色が常識とされ、学校教育でもそう教えられている
  • 英語圏では6色が主流で、藍(indigo)は省略されることが多い
  • 中国やフランスでは教育や地域により色数が異なる
  • 色名や色の数え方そのものが文化によって違うため、虹に対する見え方やとらえ方が異なる
  • 言語によっては「青」にも複数の表現がある(例:ロシア語には「голубой=明るい青」「синий=濃い青」)

このように、虹の色の見え方は物理的には共通でも、文化的には多様性があるということが分かります。私たちが「当たり前」と思っている七色の虹も、世界から見れば一つのローカルな捉え方なのです。

虹の色の順番を覚える語呂合わせ

三つ葉と虹

虹の色は自然の法則によって決まっていますが、覚えにくいと感じる人も多いかもしれません。特に「藍(あい)」や「橙(だいだい)」など、日常生活であまり使わない色が含まれているためです。そこで活躍するのが語呂合わせ(ごろあわせ)です。親しみやすく覚えやすい語呂で、虹の色の順番を記憶することができます。

代表的な語呂合わせ

語呂合わせ対応する色
せきとうおうりょくせいあいし赤・橙・黄・緑・青・藍・紫

「せきとうおうりょくせいあいし」は、理科の授業でよく使われる定番の語呂で、それぞれの音が虹の色の頭文字になっています。単語のようにリズムよく発音できるため、子どもから大人まで覚えやすいのが特徴です。

子ども向けの覚え方

  • 歌やリズムに乗せて覚える(例:「あかだいだいきみどりあおあいむらさき」)。
  • 虹の絵を描いて、色と順番を一致させながら視覚で覚える。
  • 折り紙や色鉛筆を使って、実際に並べるアクティビティも効果的。

オリジナル語呂を作るコツ

  • 各色の頭文字(あ、お、き、み、あ、お、む)を組み合わせる。
  • 覚えやすいストーリーや短い文章にしてみる(例:「あきみがあおあいむらさき」)。
  • 興味のあるテーマやキャラクターに関連付けて作ると記憶に残りやすい。

語呂合わせは記憶の助けになるだけでなく、楽しく学ぶための手段でもあります。自分なりの語呂を作ってみることで、より深く虹の順番を理解することができるでしょう。

なぜ虹には順番があるのか?

ハテナマーク

虹の色の順番は、自然に決まっていて、いつも同じです。それには、光の性質(しくみ)が関係しています。

太陽の光は白く見えますが、実はたくさんの色が混ざった光です。この光が空の水滴に入ると、「屈折(くっせつ)」という現象で光の進む方向が少し曲がります。水滴の中で反射して、また外に出るときに、色ごとに進む角度が少しずつ違って見えるのです。このことを「光の分散(ぶんさん)」といいます。

赤い光はあまり曲がらず、紫の光はたくさん曲がるので、赤は虹の外側、紫は内側に見えるようになります。これが、虹の色が「赤→橙→黄→緑→青→藍→紫」の順番になる理由です。

つまり、虹の色の順番は、光が水滴の中で曲がるときの違いによって自然に決まっているのです。

虹に関する豆知識

山にかかる虹

虹は「7色の光のアーチ」として知られていますが、実はまだまだ知られていない不思議や面白い事実がたくさんあります。この章では、虹に関するちょっとした豆知識やトリビアを紹介します。

二重虹の色は逆になる

まれに、虹が2本見える「二重虹(ダブルレインボー)」が出ることがあります。外側の虹は、内側の虹よりも色が反対の順番になっています。これは、水滴の中で光が2回反射されるためで、赤が内側、紫が外側になります。しかも、外側の虹は色が薄く、幅も広く見えるのが特徴です。

虹の端はどこにもない

「虹のふもとを探してみたい」と思ったことがあるかもしれませんが、実は虹にははっきりした「始まり」や「終わり」はありません。虹は本来、円形をしていて、私たちはその一部だけを地上から見ています。飛行機に乗って見ると、虹が丸く見えることもあります。

虹は本当は何色あるの?

私たちは虹を「7色」と習いますが、実際には色がはっきり分かれているわけではありません。虹は「連続的な光のグラデーション」で、色と色の間に境目はありません。見る人の目や感覚によって、色の数が違って見えることもあります。

夜に出る虹もある?

夜でも虹が出ることがあります。これは「月虹(げっこう)」と呼ばれ、満月など明るい月の光が水滴にあたってできる虹です。ただし光が弱いため、色がとても薄く、白っぽく見えるのが特徴です。肉眼では白い弧のようにしか見えないことが多いですが、カメラで撮影すると色が写ることもあります。

まとめ

虹は太陽の光と水滴が生み出す自然の芸術であり、その美しさの裏には光の屈折や分散といった科学的なしくみが隠れています。色の順番が決まっているのは、光の波長ごとに屈折の角度が異なるためで、常に赤が外側、紫が内側に現れます。

日本では七色とされる虹も、国や文化によって色の数や捉え方が異なるのは興味深い点です。また、虹にピンクは含まれないことや、語呂合わせを使った覚え方、二重虹や月虹などのトリビアも知ることで、虹への理解がより深まったのではないでしょうか。

何気なく見ていた虹も、知識を得ることで新たな発見に変わります。自然現象としての虹を、これからは少し違った視点で楽しんでみてください。