部屋の魚の臭いを消す方法【10選】やってはいけない対処法も紹介

焼き魚

美味しい魚料理を楽しんだあとの部屋に残る、あの独特な臭い。焼き魚や煮魚を作った後、「なんか部屋が魚臭い…」「翌朝まで臭いが残ってる」と感じた経験はありませんか?

実はこの魚の臭い、ただの“料理の匂い”ではなく、空気中に漂う微細な脂やたんぱく質由来の成分が原因。その成分が壁や家具、カーテンなどに染み込むことで、思った以上に長く残ってしまうんです。

さらに困るのは、次の日に来客があるときや、自分では慣れてしまっていて気づきにくい“生活臭”になってしまうこと。特に、賃貸やマンション暮らしで換気がしづらい環境では、より深刻になることもあります。

この記事では、そんな「魚の臭いが部屋に残ってしまった!」というときに役立つ、すぐに実践できる消臭方法10選を詳しくご紹介します。また、臭いを予防するための調理時の工夫やNG対処法も取り上げていきます。あなたの部屋をスッキリ快適に保つために、ぜひ参考にしてください。

目次

なぜ魚の臭いは部屋に残りやすいのか?

魚を食べる夫婦

魚の臭いが部屋に残りやすい理由は、魚に含まれる特有の成分と、調理時の揮発性物質に関係しています。

まず、魚の臭いの主な原因となるのは「トリメチルアミン」という成分です。これは魚が時間の経過とともに分解される過程で発生するもので、特に内臓や血合い部分に多く含まれています。トリメチルアミンは非常に揮発性が高く、空気中にすぐに拡散する性質があります。そのため、調理中に発生した臭いが部屋中に広がりやすく、壁紙やカーテン、家具などの布製品に吸着してしまうことがあります。

また、魚を焼いたり揚げたりする際には、油やタンパク質が熱によって分解され、臭い成分を含む煙や蒸気が発生します。これらの臭い成分も空気中に広がりやすく、部屋にこもりやすいのです。特に換気が不十分な場合や、調理時間が長くなるほど臭いは強く残ります。

さらに、魚の臭いは人の嗅覚に敏感に感じ取られやすい種類の臭いであるため、少しでも残っていると不快に感じやすく、「臭いが取れにくい」と感じる要因にもなっています。このように、魚の臭いが部屋に残りやすいのは、成分の揮発性と吸着性の高さ、そして人間の嗅覚の敏感さが重なっているためです。

今すぐできる!部屋の魚の臭をを消す方法【10選】

魚料理の後に残る独特の臭いは、空気中に漂う揮発性の化合物や油分が原因です。これらを素早く取り除くことで、不快な臭いの定着を防ぐことができます。以下の10の方法は、どれも自宅にあるものや簡単に手に入る道具で実践可能です。


①窓とドアを開けて強力に換気する

窓を開ける

魚の臭いは、空気中に含まれる揮発性の化学成分によるものです。換気はそれらの成分を物理的に屋外に排出するための最も基本的で効果的な方法です。

  • 部屋の2か所以上の窓やドアを開けて、空気の流れ(通風)を作ります。可能であれば、対角線上にある窓を開けると効率的です。
  • 換気扇を回すだけでなく、サーキュレーターや扇風機を使って空気を循環させると、より広い範囲にわたって臭いを追い出すことができます。
  • 短時間の換気では不十分なことも多く、最低でも30分から1時間を目安に空気を入れ替えるようにします。
  • 調理中から換気を始めると、臭いが部屋全体に広がるのを未然に防ぐことができます。

②調理直後に重曹を使って消臭する

重曹スプレー

重曹(炭酸水素ナトリウム)は、臭いの元となる酸性や中性の化学成分を中和する性質を持ち、消臭や脱脂に効果があります。特に調理直後に使用することで、臭いが壁や家具に染み込む前に対処できます。

  • スプレーボトルに水200mlと重曹小さじ1杯を入れてよく混ぜ、即席の消臭スプレーを作ります。
  • 魚を調理したキッチン周辺、壁、床、換気扇周りなど、臭いがこもりやすい場所にスプレーします。
  • 拭き取りは基本的に不要ですが、表面に白く粉が残ることがあるため、気になる場合は乾いた布で軽く拭き取ってください。
  • 重曹は環境にも身体にも優しいため、頻繁に使っても安心です。

③クエン酸スプレーで酸性中和する

クエン酸スプレー

魚の臭いの主成分であるトリメチルアミンはアルカリ性です。そのため、酸性のクエン酸を用いて中和することで、臭いを根本的に抑えることができます。

  • スプレーボトルに水200mlとクエン酸小さじ1杯を入れてよく溶かします。
  • 臭いがこもりやすい壁紙、カーテン、家具の布地部分にスプレーします。ファブリックへの使用前には、目立たない部分で色落ちしないかテストしておくと安心です。
  • クエン酸は天然由来成分で、安全性が高く、レモンやみかんなどの柑橘類にも含まれています。
  • 酸性の性質が魚の臭いに対して非常に有効で、即効性もあります。

④コーヒーかすを皿に入れて置く

コーヒーかす

コーヒーかすには微細な孔が多数あり、空気中の臭い成分を吸着する効果があります。香ばしいコーヒーの香りも相まって、部屋全体の空気が和らぎます。

  • 使用済みのコーヒーかすを一度乾燥させてから、小皿や空き瓶などに入れ、キッチンやリビングに数か所置きます。
  • 湿ったままのコーヒーかすはカビの原因になるため、必ず乾かしてから使用してください。
  • 効果はおよそ1〜2日ほど持続するため、定期的に交換する必要があります。
  • 臭いが気になるときだけでなく、常時置いておくことで予防にもなります。

⑤活性炭や備長炭を部屋に配置する

備長炭

活性炭や備長炭は、表面に無数の微細孔があり、臭い分子を物理的に吸着する力が非常に高い素材です。

  • 通気性のある袋(布やメッシュ素材)やカゴに炭を入れ、部屋の隅や臭いがこもりやすい場所に設置します。
  • 吸着効果を維持するために、週に1回程度は天日干しをして湿気を飛ばすことが推奨されます。
  • 脱臭だけでなく、湿気対策やカビ予防にもなるため、長期的に設置しておくと空気環境が改善されます。
  • 木炭はナチュラルな素材でインテリアにもなじみやすいです。

⑥消臭機能付きの空気清浄機を使う

空気清浄機

空気清浄機の中には、脱臭に特化した高性能なモデルがあり、魚料理後の空気中の臭いを素早く除去できます。

  • 「脱臭」「ニオイ除去」「タバコ臭対応」などの記載がある製品を選びましょう。
  • 活性炭を使用した脱臭フィルターがついている機種は、魚のような強い臭いにも効果を発揮します。
  • フィルターは使用を重ねると効果が薄れるため、メーカーの推奨に従って定期的な掃除・交換を行うことが重要です。
  • 調理後すぐに使用することで、臭いが部屋全体に染み込むのを防げます。

⑦ファブリック(布製品)の洗濯・消臭スプレー使用

洗濯機

魚の臭いは布製品に吸収されやすいため、空気がきれいになってもソファやカーテンから臭いが再発することがあります。

  • クッションカバー、カーテン、ラグなど洗える布製品は、できる限り早く洗濯するのが効果的です。
  • 洗えない家具やソファには、布製品専用の消臭スプレーを使用します。成分に注意し、家具に適したものを選びましょう。
  • 天日干しにすることで、紫外線による殺菌と消臭効果が期待できます。
  • 臭いが染みついたまま放置すると、除去が困難になるため早めの対応が重要です。

⑧床・壁を拭き掃除する

拭き掃除

魚を焼いたり揚げたりした際の煙や油は、目には見えなくても壁や床に付着し、臭いの元になります。

  • 重曹水(前述)やクエン酸水を使って、雑巾やスポンジで床や壁を丁寧に拭き取ります。
  • ベタつきが強い場合は、台所用中性洗剤を水で薄めて使用するのも有効です。
  • 壁紙は素材によって傷みやすいため、強くこすらず優しく拭き上げることが大切です。
  • 特にコンロ周辺や換気扇下、床の隅などは念入りに掃除しましょう。

⑨お湯に柑橘類の皮を入れて煮る

レモン

レモンやみかんの皮には、天然の消臭成分「リモネン」が含まれており、爽やかな香りで魚臭を中和する効果があります。

  • 鍋に水を張り、柑橘類の皮を数枚入れて火にかけ、沸騰させます。
  • 10分ほど煮立てると、リモネンを含んだ蒸気が部屋中に広がり、臭いを包み込むように打ち消してくれます。
  • 水が少なくなりすぎると焦げる危険があるため、火加減や水量には注意が必要です。
  • 調理後すぐに行えば、臭いのこもりを防ぐと同時にリラックス効果も得られます。

⑩布団乾燥機やスチームアイロンで熱消臭

スチームアイロン

熱を加えることで、臭い成分を蒸発させたり分解したりすることができます。特に布製品に染み込んだ臭いには効果的です。

  • 布団乾燥機をソファや布団の上にかけて温風を当てると、臭いと湿気が一緒に飛んでいきます。
  • スチームアイロンは、クッションやカーテンなどの表面に蒸気を当てることで、臭いを押し出す効果があります。
  • 熱処理は臭いの除去と同時にカビやダニの繁殖も抑制でき、衛生的な効果も期待できます。
  • 素材によっては熱に弱いものもあるため、使用前に確認しておくと安心です。

やってはいけないNG対処法

NG

魚の臭いが部屋に残ったとき、慌てて行動してしまいがちですが、間違った方法を取るとかえって逆効果になることがあります。
この章では、魚臭対策で「やりがちだけど実はNG」な対応についてご紹介します。


消臭スプレーをとにかく大量に使う

市販の消臭スプレーは便利ですが、使いすぎると臭いが“混ざる”だけで、根本的な解決にならないことがあります。

NGな理由:

  • 臭い成分を中和するのではなく、「別の香りでごまかす」ものが多い
  • 魚の臭い+人工的な香りが混ざって、不快なニオイになることも
  • 大量に使うと空気がこもり、かえって悪化する場合も

✅ 正しい使い方:
消臭スプレーは「空間に噴射する」のではなく、臭いの元に直接スプレーすることが基本です。


換気せずに芳香剤だけを置く

部屋に芳香剤を置くのはよくある対処法ですが、換気をしないまま香りでごまかすのはNGです。

NGな理由:

  • 臭いの元が残ったままなので、表面上は香っても、根本の臭いは取れていない
  • 時間が経つと、香りと魚臭が混ざって不快感が増す
  • 空気がこもることで、臭いが壁や家具にさらに染み込む

✅ 芳香剤を使う場合は、必ず十分な換気をした後に使用しましょう。


臭いが気になる布製品を放置する

カーテン、クッション、ソファなどの布製品は、魚の臭いを吸着しやすい素材です。
それらをそのまま放置しておくと、臭いが深く染み込んでしまい、簡単には取れなくなります。

NGな理由:

  • 空気中の臭い分子は、繊維に吸収されて蓄積される
  • 放置するほど、臭いが素材に定着してしまう
  • 最悪の場合、洗っても取れない“染みついた臭い”になってしまう

✅ 対策としては、早めに洗濯・天日干し・スチーム処理を行うことが重要です。


空気清浄機を使っていれば安心と思い込む

空気清浄機は確かに効果的な道具ですが、“置いておくだけ”では完全な消臭にはなりません。

NGな理由:

  • フィルターが汚れていたり、脱臭機能がついていなければ効果が薄い
  • 吸引力が弱い機種だと、部屋全体の空気を十分に浄化できない
  • 臭いの元(布・壁・床)に対する対策が不十分

✅ 空気清浄機はあくまで補助的な存在として使い、他の方法と併用しましょう。


「時間が経てば消える」と放置する

「一晩経てば臭いは消えるだろう…」と放置してしまう方も多いですが、これは大きな誤解です。

NGな理由:

  • 空気中の臭い成分は、時間が経つほど布や壁に染み込みやすくなる
  • 初期対応が遅れると、市販の消臭グッズでは対応しきれなくなる
  • 臭いが蓄積されると、「生活臭」として定着してしまう恐れも

✅ 魚の臭いは、調理直後〜1時間以内に対応するのがベストです。

魚を調理する前にできる!臭い予防対策

料理するカップル

魚の臭いは、調理後に消すよりも「そもそも発生させない工夫」をした方が、断然ラクです。この章では、魚を調理する前にできる簡単な臭い予防テクニックを詳しくご紹介します。少しの手間で、臭いの発生を大きく抑えられます。


①調理前に換気扇を「強モード」で回す

臭い対策の基本は「換気」です。
特に魚を焼く・揚げる場合は、調理前から換気扇を強モードで稼働させておくのが効果的です。

なぜ調理前から?

  • 調理開始と同時に臭いが発生するため、スタート時点で空気の流れを作っておくことで、臭いの拡散を防げる

②窓を開けて空気の通り道を確保

窓やキッチン扉を1カ所だけ開けるのではなく、空気が流れるように“2カ所以上”開けることが大事です。

ポイント:

  • 対角線上の窓を開けると通気が良くなる
  • 調理中は5〜10分おきに換気するのも効果的

③魚にレモンや酢をふりかけてから調理する

魚の臭い成分(トリメチルアミン)は酸性の調味料で抑えられる性質があります。

方法:

  • 魚にレモン汁、酢、日本酒などを軽く振ってから調理する
  • 特に焼き魚やフライの前におすすめ

④クッキングシートやホイルで脂の飛散を防止

魚を焼くときに油や脂が周囲に飛び散ると、そこから臭いが発生します。

対策:

  • フライパンにクッキングシートを敷いて焼く
  • グリルを使うときはグリル用のアルミホイルや受け皿シートを使うと、後片付けもラクで臭いも軽減

⑤魚の下処理を丁寧にする

魚の内臓や血合いが残っていると、生臭さの原因になります。

ポイント:

  • 内臓や血をよく洗い流す(流水で5分程度)
  • キッチンペーパーで水分をしっかり拭き取る

⑥フタ付きの調理器具を使う

焼き魚などをフライパンで調理する場合、フタ付きのグリルパンを使うことで臭いの拡散を大きく減らせます。

メリット:

  • 油の飛び散り防止
  • 蒸し焼き効果でふっくら仕上がる
  • 調理後の臭いが部屋に広がりにくい

⑦魚料理は「最後に調理」する

一汁三菜など複数の料理を作るときは、魚料理を一番最後に調理するのが賢いやり方。

なぜ最後に?

  • 他の料理をしている間に魚の臭いが広がるのを防げる
  • 調理後すぐに換気・掃除ができ、臭いがこもる時間を短縮

⑧換気扇のフィルター掃除をしておく

換気扇のフィルターが汚れていると吸引力が弱まり、臭いが室内に残りやすくなります。

対策:

  • 月1回程度のペースでフィルターを掃除
  • 油汚れは重曹やセスキ炭酸ソーダで簡単に落とせます
  • フィルターに使い捨てのフィルターカバーをつけておくと掃除もラク

どうしても無理な時はプロに依頼するのもおすすめ

ハウスクリーニング

どうしても魚の臭いが取れないときの最終手段としては、プロのハウスクリーニング業者に依頼するのが最も確実で効果的です。しつこい臭いが壁や家具に染み込んでしまうと、家庭用の掃除や消臭剤だけでは完全に除去するのが難しくなるため、専門的な技術と機材による対応が必要になります。

プロのハウスクリーニングでは、専用の洗剤や機材を使って、壁・天井・床など広範囲を徹底的に洗浄します。さらに、家庭では手が届きにくいエアコン内部や換気扇の清掃にも対応可能です。また、臭いが染みつきやすい布製の家具やカーテンのクリーニングオプションを用意している業者も多く、総合的な臭い対策が期待できます。

💡ポイント: 「魚の臭い対策」や「ペット臭・たばこ臭除去」など、ニオイに特化したプランを提供している業者を選ぶと、より高い消臭効果が期待できます。業者選びの際は、口コミや実績も参考にして、信頼できるサービスを選ぶことが大切です。

まとめ

魚料理を楽しんだ後に部屋に残る独特な臭いは、空気中の脂や臭い成分が壁や布製品に付着することで長引いてしまいます。本記事では、その臭いを効果的に取り除くための10の実践的な方法を紹介しました。換気、重曹やクエン酸スプレー、炭やコーヒーかすなどを使った自然派の消臭法から、空気清浄機や布製品のケアまで、多角的なアプローチが有効です。

また、調理前からの臭い予防も重要で、レモンや酢の活用、クッキングシートによる脂の飛散防止など、ちょっとした工夫が後のニオイ対策に大きく影響します。間違った対処法を避け、どうしても取れない場合はプロのクリーニングやオゾン脱臭機などの最終手段も視野に入れるとよいでしょう。魚料理の後も快適な空間を保つため、予防と対処の両方を習慣化することが大切です。