【夏の言葉集め】200種類一覧|子どもも大人も使える夏のコトバ図鑑

日本には四季があり、それぞれの季節には独特の空気、匂い、光、そして人々の営みがあります。そのなかでも、夏はとくに五感を刺激する季節です。蝉の声、入道雲、夕立の匂い、打ち上げ花火の音、冷たいかき氷の舌触り。そんな夏の情景は、言葉にすることでより鮮やかに私たちの心に刻まれます。

「夏の言葉」とは、夏という季節を表現するための語句やフレーズ、季語のことです。これらの言葉には、ただの説明を超えた情緒風情が込められています。一つひとつの言葉が、短くてもその背景に広がる情景や感情を想起させてくれるのです。

本記事では、そんな「夏を彩る言葉」を200種類にわたってご紹介します。ジャンルごとに分類しながら、それぞれの言葉の魅力をじっくりと味わっていただけるよう構成しました。読み進めながら、子どもの頃の夏休みの記憶や、旅先で出会った風景など、あなた自身の「夏」を思い出していただけたら嬉しいです。

それでは、さっそく夏の言葉の世界へとご案内いたします。

夏の言葉200種類一覧

日本には四季折々の表現があり、言葉ひとつでその季節の風景や空気を思い描くことができます。なかでも「夏」は、青空に入道雲、虫の声、浴衣姿、ひと夏の恋――五感すべてに訴えかけるような豊かな情景が詰まった季節です。そんな夏を言葉で味わってみませんか?

このページでは、「天気・自然現象」「植物・花」「動物・昆虫」「行事・風習」「食べ物・飲み物」「暮らし・風物詩」「感情・印象・イメージ」の7つのジャンルに分けて、合計200種類の「夏の言葉」を厳選し、それぞれに簡単な意味・説明を添えてご紹介します。

読み進めるごとに、心の中に懐かしい夏の記憶や情景が浮かんでくるはずです。ぜひ、ひとつひとつの言葉を味わいながら、日本の夏を「ことば」で旅してみてください。

天気・自然現象(30種類)

言葉簡単な説明
青空雲が少なく、透き通るような晴れた空。夏の象徴的な景色。
入道雲夏の午後に現れる、もくもくとした大きな積乱雲。雷雨を伴うことも。
梅雨明け長雨の季節が終わり、夏本番に入るタイミング。
夕立夏の午後に急に降る激しいにわか雨。短時間で止むことが多い。
雷鳴雷の音。夏の空に響く自然の大音響。
真夏日最高気温が30度以上の日。日本の気象用語。
猛暑極端に暑いこと。最高気温35度以上の日を指すことも。
熱波広範囲で猛暑が続く気象現象。健康被害の原因にもなる。
湿気空気中に含まれる水分の量。夏は蒸し暑さの要因に。
夕焼け夕方、空が赤く染まる現象。夏の終わりを感じさせる光景。
朝焼け早朝に空が赤く染まる現象。清々しい夏の朝に多く見られる。
夏の星座夏の夜空に見られる星の並び。例:はくちょう座、さそり座。
夏至一年で最も昼が長い日。6月下旬に訪れる。
自然に吹く空気の流れ。夏はそよ風や南風が心地よい。
南風(みなみかぜ)南から吹く風。暖かく湿った空気を運ぶことが多い。
窓風窓から入り込む風。昔ながらの家屋では貴重な涼をもたらす。
乾いた空気湿度の低いサラッとした空気。夏の高原や夕方に感じられることがある。
夏の空入道雲と青空が広がる、典型的な夏の空模様。
夜風夜に吹くやさしい風。涼を感じさせ、心地よさを運ぶ。
陽炎(かげろう)地面から立ちのぼるように見えるゆらゆらとした空気のゆがみ。暑さの象徴。
日盛り太陽が最も高く、気温がピークに達する時間帯。
照り返し地面や壁から反射して戻ってくる強い日差し。夏の暑さを増幅させる。
雨上がりに太陽の光が水滴に反射して現れる七色の弧。夏の夕立後によく見られる。
ひぐらしの声夏の終わりに鳴くセミの一種の声。物寂しさを感じさせる。
雷雨雷を伴った激しい雨。入道雲の発達により発生する。
雨上がり雨が止んだ直後の空気。涼しさや清涼感を感じる瞬間。
木漏れ日木々の間からこぼれる日の光。夏の森や公園での癒しの光景。
立秋暦の上で秋が始まる日(8月上旬)。実際はまだ暑い。
地熱地面から感じる熱気。夏のアスファルトなどに強く感じる。
短夜(みじかよ)夏は夜が短く感じられること。すぐに夜明けが訪れる印象。

植物・花(30種類)

ひまわり畑
言葉簡単な説明
朝顔夏の代表的な花。朝に咲き、昼にはしぼむ清楚な花。
向日葵(ひまわり)太陽の方向を向く黄色い大輪の花。元気や希望の象徴。
青葉初夏に見られるみずみずしい緑の葉。新しい季節の始まりを告げる。
若葉春から初夏にかけて芽吹く柔らかい葉。生命の芽生えを感じさせる。
葉桐(はぎ)秋の花としても知られるが、夏から咲き始めることもあるマメ科の植物。
水芭蕉(みずばしょう)湿地帯に咲く白い花。高原の初夏を彩る植物。
合歓の木(ねむのき)ピンクのふわふわした花をつける木。夜には葉が閉じる性質がある。
睡蓮(すいれん)水面に咲く幻想的な花。昼に咲き、夜に閉じる。蓮とよく似ているが別の植物。
百合夏から初秋にかけて咲く香り高い花。純白やオレンジなど色も豊富。
すだれ草暑さをしのぐためのすだれとともに飾られる、夏にふさわしい植物。
桔梗(ききょう)星形の花を咲かせる多年草。秋の七草だが、初夏から咲き始めることもある。
藤の花紫の房状の花。春が主だが、種類によっては夏にも咲く。
川辺や街道に生える細長い葉を持つ木。涼しげな印象を与える。
桑の実初夏に熟す黒紫色の果実。昔は子どもたちのおやつだった。
グラジオラス色とりどりの花を縦に咲かせる夏の球根植物。切り花として人気。
蓮の花池や沼に咲く清らかな花。仏教とも深い関わりがある。
萩の葉秋の花として有名だが、夏に青々と葉を茂らせる。
芙蓉(ふよう)ハイビスカスに似た花。夏から秋にかけて咲く大型の花。
ひょうたん実の形がユニークなつる性植物。昔は水筒にも使われた。
青梅梅の実が熟す前の青く固い状態。梅酒や梅シロップに使われる。
つる草夏によく育つ巻きひげを持つ植物。朝顔やゴーヤなどが代表。
芝生夏に青々と茂る草地。公園や庭での涼を感じさせる存在。
稲の穂夏の終わりに実り始めるお米の原型。秋の収穫に向けた成長を示す。
草いきれ夏の強い日差しで温められた草むらから立ち上がる熱気。夏の風物詩。
緑陰(りょくいん)木陰のこと。木々の葉が作り出す涼しい影。夏の憩いの場。
小豆夏に花を咲かせる豆。和菓子などの材料として親しまれている。
柿の若葉柿の木の新芽。初夏の田舎風景のひとつ。
ハスの葉水面に広がる大きな葉。水をはじく様子が美しい。
青じそ夏に香りを放つ薬味野菜。食欲をそそる爽やかな風味。
ゴーヤ沖縄料理でおなじみの苦味のある夏野菜。つる植物で緑のカーテンにも使われる。

動物・昆虫(25種類)

虫取り
言葉簡単な説明
蝉(せみ)夏の代表的な昆虫。特に朝や昼に大きな声で鳴き、暑さをより一層感じさせる。
蛍(ほたる)初夏の夜に光を放ちながら飛ぶ昆虫。幻想的な風景をつくり出す。
カブトムシ子どもに人気の昆虫。力強い姿で、夜行性。
クワガタカブトムシと並ぶ夏の昆虫。立派なアゴを持つ。
トンボ夏から秋にかけて見られる虫。池や田んぼの上を飛ぶ姿が印象的。
カエル田んぼや水辺に生息し、夏の夜に鳴き声が響く。雨の前兆とも言われる。
カナブンキラキラとした光沢をもつ甲虫。木の樹液に集まる。
ツバメ初夏に日本に渡ってくる渡り鳥。民家の軒先に巣を作る。
ウグイス「ホーホケキョ」と鳴く美しい声の小鳥。夏にもさえずりが聞けることがある。
メダカ夏の水槽や池でよく見られる小さな淡水魚。学校の教材としてもおなじみ。
カニ海や川辺で見られる甲殻類。浜辺の夏の風景に欠かせない存在。
アリ夏に活発に活動する身近な昆虫。砂地や庭などに巣を作る。
モンシロチョウ白い羽のチョウ。春から夏にかけて野原で舞う姿が見られる。
イナゴ田んぼ周辺でよく見られるバッタの一種。かつては佃煮にもされた。
バッタ草むらを跳ねる昆虫。夏の野原で簡単に見つけられる。
クモ夏になると家の中や外でよく見かける。益虫としても知られる。
カモメ海辺に生息する白い鳥。海水浴場などで見かけることも。
金魚夏祭りの金魚すくいでおなじみ。涼しげな夏の風物詩。
カエルの鳴き声雨の前や夜によく聞こえる。日本の田園風景に欠かせない音。
田んぼのカエル田植えの時期から夏にかけて鳴き声を響かせるカエル。
コオロギ(早くも秋の兆し)秋の虫だが、夏の終わりに鳴き始める種類もある。季節の移ろいを感じさせる。
ヤモリ家の壁などに出没する小さな爬虫類。害虫を食べてくれる益獣。
スズメ一年中見られるが、夏はひなが巣立つ季節。身近な鳥。
イモリ水辺に生息する両生類。黒くて小さな姿が特徴。
ホトトギス初夏に鳴き声を響かせる鳥。「てっぺんかけたか」と鳴く。

行事・風習(30種類)

縁日
言葉簡単な説明
夏祭り地域ごとに開催されるお祭り。屋台や盆踊りなど、にぎやかな夏の風物詩。
花火大会夜空に咲く大輪の花。日本の夏を代表するイベント。
盆踊りお盆の時期に行われる踊り。先祖供養の意味も込められている。
七夕7月7日に行われる星に願いをかける行事。短冊に願いを書く。
海開き海水浴場の安全祈願をして、海水浴が正式に始まる日。
山開き登山シーズンの開始を知らせる行事。高山では安全祈願も行われる。
迎え火お盆の初日に先祖の霊を迎えるために焚く火。
送り火お盆の終わりに先祖の霊を送るための火。灯籠流しと並ぶ行事。
盂蘭盆会(うらぼんえ)先祖の霊を供養する仏教行事。一般に「お盆」として親しまれる。
灯篭流し川に灯篭を流して先祖の霊を送る、幻想的な儀式。
ラジオ体操夏休みの朝の定番。地域で集まって行う健康習慣。
地蔵盆子どもの守り神である地蔵を供養する地域行事。関西地方で特に盛ん。
夏越しの祓(なごしのはらえ)6月末に行われる、半年の穢れを祓う神事。茅の輪をくぐる。
スイカ割り目隠しをしてスイカを棒で割る遊び。海や野外での定番。
流しそうめん竹を割った樋に水を流し、そうめんを流して食べる夏の風物詩。
夏詣(なつもうで)初詣の夏版。夏に神社へ参拝して感謝と祈願をする新習慣。
縁日神社の祭礼や夏祭りに開かれる市。金魚すくいやくじ引きなどが楽しめる。
田植え祭り田植えの時期に行われる神事。豊作を祈って開催される。
夏合宿学校やクラブ活動で行う宿泊型の研修。部活動の強化などが目的。
林間学校山や自然の中で体験学習を行う学校行事。夏の自然とふれあえる。
夕涼み会夏の夜に行われる集まり。浴衣を着て風鈴の音を聞きながら涼を楽しむ。
プール開き学校や施設のプールが夏季にオープンする行事。
魚釣り大会川や海で行われる釣りイベント。家族連れにも人気。
地域の盆踊り町内会などが主催する地元の盆踊り。住民同士の交流の場にもなる。
キャンプファイヤー夏のキャンプで夜に行われる火を囲んだイベント。歌や語らいが魅力。
自治会の夏イベント地域の人々が集まる夏の催し。ゲームや縁日風の出店なども多い。
お化け屋敷夏の定番アトラクション。暑さを「怖さ」で忘れる日本特有の文化。
野外フェス音楽を楽しむ野外イベント。夏の風物詩として人気。
天体観測星空を眺める夏の夜の楽しみ。ペルセウス座流星群などが見られる時期も。
夏の修行(滝行など)精神修養のための修行。夏の滝で行われることが多い。

食べ物・飲み物(25語)

かき氷
言葉簡単な説明
かき氷氷を細かく削って、シロップをかけた冷たいデザート。暑い日にぴったり。
冷やし中華冷たく冷やした中華麺に野菜や卵をのせ、タレをかけて食べる夏の定番料理。
スイカ夏を代表する果物。水分が多く、甘くて冷やして食べると格別。
ところてん寒天を押し出して作る細長い麺状の和スイーツ。酢醤油や黒みつで食べる。
そうめん極細の白い麺。冷たくして薬味と一緒に食べると涼しさを感じられる。
冷麦そうめんより少し太めの冷たい麺料理。似ているが食感が異なる。
麦茶大麦を煎って作るノンカフェインのお茶。香ばしく、夏の水分補給に最適。
ラムネガラス瓶にビー玉が入った炭酸飲料。懐かしい味と音で人気。
アイスキャンディー棒に刺した氷菓子。フルーツ味やあずき味など種類が豊富。
枝豆茹でて塩をふって食べる夏のおつまみの定番。ビールとの相性も抜群。
トマト夏野菜の代表。冷やしてそのまま食べても、料理に使っても美味しい。
きゅうり水分たっぷりの野菜。ぬか漬けやサラダにして清涼感を楽しめる。
冷奴(ひややっこ)冷たい豆腐に薬味をのせて食べるシンプルな夏の一品。
うなぎ土用の丑の日に食べる風習があるスタミナ料理。蒲焼きが定番。
ざるそば冷たいそばをざるに盛り、つゆで食べる。のど越しと香りを楽しむ一品。
カレー(夏野菜カレー)ピーマン、ナス、ズッキーニなどの夏野菜を使ったカレー。食欲増進に◎。
シークワーサー沖縄の柑橘系果物。爽やかな酸味で、ジュースやドレッシングに使われる。
杏仁豆腐なめらかな白い中華風デザート。冷やして食べると夏にぴったり。
ジェラートイタリア発祥のなめらかなアイスクリーム。果物や抹茶などフレーバーも豊富。
しそジュース赤しそを使った手作りジュース。鮮やかな赤とさっぱりした味が特徴。
塩飴汗をかく夏に不足しがちな塩分を補う飴。熱中症対策にも効果的。
ゴーヤチャンプルーゴーヤ(苦瓜)と豆腐・卵・豚肉などを炒めた沖縄の代表的な夏料理。
冷しゃぶ薄切り肉をさっと茹でて冷やし、ポン酢などで食べるさっぱり料理。
夏に旬を迎える果物。香り高くみずみずしい甘さが魅力。
シャーベット凍らせたフルーツジュースなどを使った氷菓。軽やかな口あたりで人気。

暮らし・風物詩(30種類)

風鈴
言葉簡単な説明
風鈴涼やかな音を鳴らす夏の飾り。風を感じることで涼を取る、日本の伝統的な工夫。
打ち水玄関先や庭に水をまいて温度を下げる習慣。見た目にも涼しさを演出する。
うちわ手に持って仰ぐ扇具。昔ながらの夏の必需品で、祭りの景品にも使われる。
扇風機電気で風を送る冷房器具。エアコンよりも自然な風が特徴。
蚊取り線香蚊を追い払うための渦巻き状のお香。独特の香りは夏の記憶を呼び起こす。
虫取り網昆虫採集に使う道具。子どもたちの夏の遊びの定番。
日傘強い日差しを防ぐために使う傘。日焼け対策としても人気。
サンダル足元を涼しく保つための履物。海や祭りなど、夏の外出にぴったり。
浴衣夏祭りや花火大会などで着る軽装の着物。涼やかな見た目で人気。
水着海やプールで泳ぐための衣類。夏のレジャーの必需品。
麦わら帽子日差しを防ぐための大きな帽子。農作業や外遊びで重宝される。
サンオイル肌に塗って日焼けを促すためのオイル。海水浴の象徴的アイテム。
夏布団夏用の薄くて軽い布団。蒸し暑い夜でも快適に眠れる工夫。
網戸虫の侵入を防ぎながら風を通す窓の装備。夏の家の定番。
日焼け紫外線を浴びて肌が黒くなる現象。夏の「勲章」とも言える存在。
洗濯物の香り夏の日差しで干した洗濯物の爽やかな匂い。季節を感じる瞬間。
虫よけスプレー蚊などの虫を避けるために使うスプレー。屋外での必需品。
草刈り夏になると伸びる草を刈る作業。草の香りと共に夏の訪れを実感。
水風船水を入れて膨らませた風船。投げ合って遊ぶ夏の定番アイテム。
水鉄砲水を飛ばして遊ぶおもちゃ。子どもたちに人気の涼を感じる遊び。
鉄棒の熱さ炎天下で熱くなった鉄製の遊具。夏の公園ならではの注意点でもある。
スイカの種飛ばしスイカを食べた後に種を遠くまで飛ばして競う遊び。無邪気な夏の風景。
冷房エアコンの冷たい風で部屋を冷やすこと。猛暑には欠かせない。
氷枕氷や保冷剤を入れて頭を冷やす枕。熱帯夜や発熱時にも使われる。
冷却シート額や体に貼って冷やすジェルシート。暑さ対策として広く利用されている。
夏用マスク通気性がよく涼しさを感じる素材で作られたマスク。夏でも快適に使える。
サマータイム日照時間を有効に使うために、時計を1時間早める制度。日本では未導入。
ビニールプール自宅の庭などに設置して水遊びを楽しむ簡易プール。小さな子どもに人気。
ハンモック木と木の間につるして寝転がる布ベッド。夏の昼寝や読書に最適。
暑中見舞い夏の暑さが厳しい時期に送る季節の挨拶状。日本特有の風習。

感情・印象・イメージ(30語)

夏休み
言葉簡単な説明
夏休み学校が長期間休みになる夏の期間。自由と冒険の象徴でもある。
夏バテ暑さや冷房などで体力や食欲が落ちる状態。夏の疲労感を表す言葉。
清涼感涼しさを感じる感覚。見た目や音、香りからも感じ取れる。
開放感窮屈さから解き放たれたような自由な気分。夏の青空に似合う感情。
ノスタルジー過去の思い出を懐かしく感じる心の動き。夏は特に記憶と結びつきやすい。
懐かしさ昔を思い出して心が温かくなる気持ち。夏の風景が呼び起こすことも多い。
高揚感気分が高まるワクワクした感覚。夏祭りや花火の前などに感じる。
焦がれる気持ち強く何かを求める想い。恋や自由への憧れが夏に膨らむことも。
青春若さと情熱の象徴。夏は青春の舞台として描かれることが多い。
帰省お盆などに実家へ帰ること。家族との時間を大切にする季節行事。
ひと夏の思い出夏だけの特別な出来事や出会いを指す言葉。短くも強く心に残る体験。
虚しさ活気のある夏が終わった後などに感じる空虚感や寂しさ。
熱気気温だけでなく、人の集まりや感情が高まったときの空気の重さも含む。
眠れぬ夜暑さや騒がしさで寝苦しい夜。夏特有の悩みの一つ。
照りつける太陽強烈な日差しが地面を焼きつける様子。夏らしい天候の表現。
早朝の静けさ朝早くの涼しくて静かな時間。夏の清々しさを感じられる瞬間。
旅情旅に出たときの感傷的な気持ち。夏の旅行では特に感じやすい。
風の匂い季節によって変わる風の香り。夏は草や海、土の匂いが混ざる。
汗ばむ肌湿度と暑さで汗がにじむ状態。夏の日常の感覚。
日焼け止めの匂い夏に特有の香り。季節の始まりを感じさせる。
一期一会一生に一度の出会いという意味。夏の偶然の出会いに重なる言葉。
自由研究夏休みの宿題として出される学習活動。好奇心を育てる夏の学び。
胸の高鳴り期待や不安、喜びで心がドキドキする感情。夏の冒険や恋にぴったり。
夏恋(なつこい)夏に始まる恋。季節限定のような切なさと情熱を併せ持つ。
夏の終わり秋が近づき、夏が過ぎていくこと。物悲しさや感傷を含む表現。
濃い影夏の強い日差しでできるくっきりとした影。時間帯や情景を際立たせる。
夕暮れの寂しさ夏の一日が終わる頃の切なさ。虫の声や風景が気持ちを引き立てる。
移りゆく季節季節が少しずつ変わっていく様子。夏の終わりに感じる移ろい。
残暑お盆を過ぎた後の暑さ。秋の始まりとともに訪れる暑さの名残。
夏の記憶夏に体験した出来事の思い出。音や匂いと共に長く心に残る。

言葉が紡ぐ「夏」の情景

「夏の言葉」には、それだけで情景や空気、感情を呼び起こすがあります。言葉はただの記号ではなく、記憶と結びつき、想像をかき立てるもの。ここでは、先ほどご紹介した言葉たちを使って、短い情景描写印象的な一文として再構成してみました。

読んでいるうちに、心のなかに夏の風景がじわっと広がる――そんな体験をお届けできればと思います。


朝の夏

薄曇りの空に、朝顔が一輪だけ静かに咲いていた。
窓から流れ込む風はほんの少し冷たく、昨日よりも夏が近づいていることを感じさせる。

🌿キーワード:朝顔、風、窓風、夏の空


真夏の昼下がり

うだるような暑さのなか、蝉しぐれが響く。
照り返すアスファルト、麦茶を一気に飲み干す音、遠くで子どもたちの水鉄砲の笑い声が交差する。

☀️キーワード:蝉しぐれ、麦茶、水鉄砲、照り返し


夕暮れ時の町角

夕焼け色に染まった商店街。
遠くで風鈴が鳴り、浴衣姿の親子が手をつないで歩く。
打ち水された路面から立ちのぼる熱気に、夏の一日が終わりを告げる。

🎐キーワード:風鈴、浴衣、夕焼け、打ち水


夏の夜

蚊取り線香の煙がゆらゆらと揺れる縁側で、星空を見上げる。
遠くで花火の音が鳴り、ラムネの瓶からは「カラン」とビー玉の音がした。

🌙キーワード:蚊取り線香、縁側、花火、ラムネ


海辺の午後

砂浜を素足で歩きながら、貝殻を拾う。
子どもたちのはしゃぐ声と波の音が混ざり合い、冷たいスイカの甘さが舌に残る。

🌊キーワード:砂浜、スイカ、海開き、波


田舎の夏休み

夕立のあとの濡れた畦道。
カエルの声、金魚すくいの残り香、祖母の家の縁側で食べる冷やし中華。
時間がゆっくり流れる、そんな夏の記憶。

🏡キーワード:夕立、カエル、縁側、冷やし中華


このように、言葉一つひとつに物語が宿っているのが「夏の言葉」の魅力です。それは風景だけでなく、感情や記憶とも深く結びついています。

普段使っている言葉のなかに、こんなにも多くの「夏」が詰まっていることに、少しでも気づいていただけたら幸いです。

夏の言葉を日常で楽しむヒント

ポイント

200もの「夏の言葉」を眺めていると、それだけで一つの夏が頭の中に立ち上がってくるような感覚があります。日差し、音、香り、そして人々の営み。日本語の美しさは、こうした季節を映す言葉の豊かさにこそ宿っているのかもしれません。

では、こうした夏の言葉を、私たちは日常の中でどう楽しめるのでしょうか?
ここではいくつかのヒントをご紹介します。


1. 日記やメモに季節の言葉を添える

毎日のちょっとした記録にも、季節の言葉をひとつ加えるだけでグッと情緒が増します。

例:「今日は朝顔が咲いていた。夏が来たなぁ。」
  「夕立のあと、涼しい風が吹いた。」

こうした記録は、数年後に読み返したとき、自分だけの“夏の記憶”として鮮明によみがえります。


2. 詩や短文、俳句に使ってみる

夏の言葉は、そのまま詩や俳句にしても美しい表現になります。
あえて難しいことを考えず、心に浮かんだまま書いてみましょう。

例:
風鈴の 音にゆれたる 夕涼み
蚊取り火 細く消えゆく 夏の夢


3. 写真のキャプションやSNSの投稿に

SNSに写真をアップする際、何気ない一言を「夏の言葉」で彩ると、見る人の印象に残ります。

例:
「蝉時雨のなか、麦わら帽子でお散歩」
「入道雲が空いっぱいに広がっていた」

短いフレーズでも、情景や空気を伝えることができます。


4. 子どもや家族との会話に取り入れる

日常の会話にも、風情のある言葉を自然に織り交ぜることで、言葉の豊かさを伝えることができます。

「今日は夕立が来そうだね」
「風鈴の音、なんだか涼しく感じるね」

子どもたちにも、こうした言葉を通して四季を感じる感性が育まれていきます。


5. 季節のカードや手紙に

暑中見舞いや残暑見舞いなど、夏の挨拶に一言季語を添えるだけで、相手の心に届くやさしい手紙になります。

「立秋とはいえ、まだまだ暑い日が続きますね」
「打ち水が恋しい季節になりました」


まとめ

言葉は、私たちの心を表す大切な道具です。
そして、季節の言葉は、その時々の空気感や心情を、もっともやさしく、やわらかく伝えてくれます。

200の「夏の言葉」には、自然、暮らし、感情、そして記憶が込められていました。これらをただ知識として覚えるのではなく、感じて、使って、味わうことで、あなた自身の中にある「夏」が、より深く、美しく残っていくことでしょう。

どうか、この言葉たちが、あなたの夏のひとときを少しでも豊かにしてくれますように。