安全衛生に効果的なスローガン【例文100選】作り方と成功事例

企業における「安全衛生」は、すべての業務活動の基盤です。どれだけ素晴らしい製品やサービスを提供していても、社員の安全や健康が確保されていなければ、持続的な成長は望めません。特に近年では、労働災害やメンタルヘルスの問題が社会全体で注目されており、「企業の安全配慮義務」に対する意識も一層高まっています。
こうした背景の中で、多くの企業が注目しているのが 「安全衛生スローガン」です。スローガンとは、いわば会社全体の安全への「合言葉」のようなもの。毎日目にする短いフレーズが、従業員一人ひとりの意識に働きかけ、日常の行動を変えるきっかけになるのです。
たとえば、「今日もゼロ災、明日もゼロ災」といった言葉が社内に掲示されていれば、出社時にそれを目にした社員が「今日は慎重に作業しよう」と思うかもしれません。小さな意識の積み重ねが、大きな事故を未然に防ぐのです。
また、スローガンは単なる掲示物ではなく、企業文化の象徴としても重要です。安全を大切にする価値観を言語化し、誰もが共有する。それがスローガンの力です。
この記事では、企業で活用できる安全衛生スローガンの意義や効果、具体的な作り方、実際の事例を紹介しながら、スローガンをどのように活かしていけばよいかを丁寧に解説していきます。さらに、すぐに使える「スローガン100選」も掲載していますので、導入のヒントにもなるはずです。
目次
安全衛生スローガンとは?

安全衛生スローガンは、単なる「かけ声」ではありません。企業が安全衛生活動を推進するうえで、具体的な目的と効果を持った「行動喚起のツール」として、大きな力を発揮します。ここではその主な目的と、実際にどのような効果があるのかを詳しく見ていきましょう。
①従業員の意識を高める
スローガンの最も大きな目的は、従業員一人ひとりの安全意識を高めることです。例えば、「確認ヨシ!」や「急がば確認、焦らず安全」といった短いフレーズは、作業前や移動時に自然と頭に浮かぶようになります。繰り返し見ることで意識が潜在的に刷り込まれ、無意識のうちに「安全を考える行動」へつながるのです。
✅ ポイント
- 言葉で「安全行動の基準」を明確にできる
- 潜在的な注意喚起として機能する
②組織全体に共通意識をもたせる
スローガンは、全社員で共有する「共通言語」としての役割も果たします。部署や職種、役職を問わず、誰もが同じ言葉を認識し、同じ方向を向くことで、組織としての一体感と安全文化の醸成が可能になります。たとえば、全社共通のスローガンを朝礼やポスターで毎日確認することで、「安全は会社全体のテーマである」という意識が自然と根づくようになります。
✅ ポイント
- 部署間の意識のバラつきを減らせる
- 「会社としての安全方針」が明確になる
③行動変容のきっかけになる
スローガンが単なるスローガンで終わらないためには、行動の変化につながることが重要です。たとえば、「指差し確認、命を守る」など、具体的な行動をイメージさせる言葉は、実際の作業に直結しやすくなります。また、「〇〇してから作業に入る」といった手順やルールの重要性を喚起するスローガンも、誤操作やヒューマンエラーを防ぐ効果があります。
✅ ポイント
- 「何をすればいいか」が明確になる
- 手順・ルールの再確認につながる
④安全文化の定着を促す
スローガンは短期的な安全対策だけでなく、中長期的に安全文化を根付かせる役割も担います。たとえば、毎年スローガンを刷新したり、社員から公募したりすることで、継続的な関心や自発的な参加を促すことができます。また、スローガンを通じて事故や災害の事例を共有したり、問題意識を可視化したりすることも、組織全体の安全意識の成熟につながります。
✅ ポイント
- 長期的な安全意識の醸成ができる
- スローガンが「安全文化の象徴」になる
安全衛生スローガンは、目的を明確にして運用することで、はじめて意味を持ちます。単なる「掲げているだけの言葉」になってしまわないように、どんな行動を促し、どんな意識を育てたいのかを意識して選定・活用していくことが大切です。
優れた安全衛生スローガンの特徴

効果的な安全衛生スローガンは、ただ目立つだけではありません。記憶に残り、行動を促し、現場の意識を変える力があるものこそ、真に優れたスローガンといえます。この章では、実際に社内で活用されやすく、効果を発揮するスローガンの「5つの特徴」について詳しく解説します。
特徴①:短く、覚えやすい
良いスローガンは、一読で意味が伝わり、記憶に残る言葉で構成されています。長くて難解な表現は避け、語呂やリズムがよいフレーズが理想的です。
✅ 例:
- 「確認ヨシ!命ヨシ!」
- 「急がず焦らず確実に」
- 「ゼロ災は明日の安心」
このような短い言葉は、ポスターや張り紙だけでなく、朝礼・ラジオ体操後のかけ声などにも活用しやすく、日常の中に自然と溶け込むことができます。
特徴②:具体的な行動がイメージできる
抽象的なスローガンよりも、「どうすればよいか」が具体的にわかる言葉が効果的です。現場の動作や手順、注意点に直結していれば、すぐに行動につなげやすくなります。
✅ 例:
- 「作業前に3つの確認:手順・工具・周囲」
- 「持ち帰るのは作業服だけ、疲れは職場に置いて帰ろう」
- 「足元ヨシ!指差し確認を忘れずに」
具体的な行動を促すことで、ヒューマンエラーの予防や手順遵守の定着にもつながります。
特徴③:前向きなメッセージ性がある
ネガティブな表現ではなく、ポジティブな言い回しで行動を後押しすることが重要です。「〜してはいけない」ではなく、「〜しよう」「〜で守ろう」といった語尾にすることで、受け手の印象が大きく変わります。
✅ 比較例:
- ×「油断するな」 → ○「油断しない習慣を」
- ×「ルールを破るな」 → ○「ルールを守ってゼロ災害」
前向きな言葉は、職場の雰囲気改善にも貢献し、安全活動をネガティブに捉えさせません。
特徴④:企業・現場に合った内容である
一律のスローガンではなく、自社の業種・職種・文化に合った内容であることが重要です。現場で実際に起こりやすい事故や、取り組んでいる改善活動に沿った内容にすることで、リアリティと説得力が増します。
✅ 例:
- 建設業:「高所作業、命綱は命の約束」
- 製造業:「ベルトの安全カバー、つけてこそプロ」
- オフィス:「座りすぎ注意!立ってリフレッシュ」
現場で「自分ごと」として受け止められる言葉が、安全意識の浸透を加速させます。
特徴⑤:継続して使える、または季節・テーマに応じて変えられる
優れたスローガンは、一定期間継続して使っても色あせないメッセージ性を持っています。一方で、季節や社内キャンペーンに合わせて定期的に更新することで、常に新鮮な意識を持続させるという方法もあります。
✅ 活用アイデア:
- 年間スローガン(例:「2025年 安全スローガン」)を全社で掲示
- 季節ごとのミニスローガン(夏の熱中症対策、冬の転倒防止 など)
- 社員公募で毎年更新 → 表彰制度と連携
こうした仕組み化により、形だけで終わらない、安全文化の定着につながります。
効果的な安全衛生スローガンの作り方

安全衛生スローガンを効果的に活用するためには、単に「良さそうな言葉」を並べるだけでなく、現場の実情や社員の声を反映させた“納得感のあるメッセージ”である必要があります。ここでは、実際に企業がスローガンを作成・運用していく際の具体的な手順やポイントをご紹介します。
ステップ①:目的と対象を明確にする
まず、なぜスローガンを作るのか? 誰に伝えたいのか? をはっきりさせましょう。
目的が曖昧だと、スローガンの内容もぼやけてしまいます。
✅ 例:
- 目的:作業手順遵守を徹底させたい →「確認行動」を促すスローガン
- 対象:若手社員が多い職場 → 親しみやすく、口にしやすい言葉に
明確な目的があることで、言葉の選び方に一貫性が生まれ、伝わりやすいスローガンになります。
ステップ②:現場の声を拾い上げる
スローガンを“トップダウン”で決めるのではなく、現場の意見を取り入れるプロセスがとても重要です。
実際に働いている人たちが「これは自分たちの言葉だ」と思えるような内容にすることで、共感と定着率が高まります。
✅ 方法例:
- 社員アンケートやヒヤリハット報告の活用
- ワークショップやブレインストーミング
- 社内公募 → 最優秀スローガンを表彰
このような参加型の取り組みは、安全意識の向上にもつながるため、プロセスそのものが安全活動の一部とも言えます。
ステップ③:キーワードを整理する
スローガンに盛り込みたいキーワード(意識させたい行動・注意点など)をリストアップしましょう。
これを元に言葉を組み合わせていくと、自然と現場に合ったスローガンが生まれます。
✅ 例(建設現場の場合):
- 高所作業、安全帯、確認、命、声かけ、足元、手順、ヨシ!
このようなキーワードを活用して、
「命を守る声かけ確認」
「足元ヨシ! 高所作業に油断なし」
といった、状況に即した言葉に落とし込んでいきます。
ステップ④:言葉を整える(語呂・リズム・前向きな表現)
次に、キーワードを組み合わせた文を読みやすく、覚えやすく調整します。
ここでは以下のような工夫が有効です。
✅ ポイント:
- 3~5語程度にまとめる(視認性・記憶定着)
- 語尾は「しよう」「守ろう」など前向きな表現
- 語呂合わせや韻(いん)を活用(例:「よし!よし!ヨシ確認」)
特に「朝礼で復唱できる」「ポスターでパッと伝わる」など、場面に応じた語感の調整が重要になります。
ステップ⑤:社内で共有・活用する
作成したスローガンは、ただ掲示するだけでなく、日常業務の中で繰り返し使うことが重要です。
✅ 活用方法:
- 朝礼・終礼での読み上げ
- ポスターやステッカーへの印刷
- 社内SNS・掲示板での展開
- 安全教育や研修時のテーマとして使用
さらに、年ごと・月ごとのスローガンを設定し、定期的に入れ替えることでマンネリ化を防ぎ、常に新しい意識を喚起できます。
ある製造業の中小企業では、毎年安全週間に合わせてスローガンを社員から公募し、社内投票で優秀作品を選定。選ばれたスローガンは、工場の入り口や休憩室、ヘルメットに貼られるステッカーなどに使われています。
このような取り組みは、社員の当事者意識を高め、スローガンを「自分たちの言葉」にする効果があると好評です。
効果的な安全衛生スローガン【例文100選】

安全衛生スローガンは、シンプルで覚えやすく、具体的な行動を促すことが重要です。カテゴリーに分けたオリジナルのスローガンの例文を100個紹介します。
製造業・建設業向けスローガン
- ヨシの一言、命の合図
- 声かけで守る、ゼロ災ロード
- ヘルメットは命のシンボル
- 安全確認、毎日ルーティン!
- 手順を守れば、事故ゼロ一直線
- 「まぁいいか」が命取り!
- その一歩、止まってミライ確認
- ルール厳守で家族の笑顔を守ろう
- 油断は小さく、事故は大きい
- 危険を見える化、安全を見える職場
- ゼロ災チャレンジ、今日もスタート!
- 焦らず、慌てず、安全に勝つ
- 指差し確認でミスにストップ!
- 手を抜くな、命は軽くない
- 安全作業、それが一流の証
- 一人ひとりが安全リーダー!
- 危険な場所は見せる勇気で守ろう
- 5Sで作るゼロ災フロア
- 心と体のゆとりが一番の保護具
- いつでも、どこでも、安全モードON
オフィス・事務職向けスローガン
- 動こう!座りすぎはリスクです
- 整理整頓がミスと事故を遠ざける
- 美姿勢で集中力&健康キープ
- 無理しない、それが最高の判断
- 安全意識も仕事のひとつ
- 小さな段差が大きなケガに
- STOP!スマホ見ながら歩き
- ストレスを抱える前に相談を
- コンセント抜いて安全終了
- キープしよう!手洗い・換気で健康職場
物流・運送業向けスローガン
- 安全運転、信頼も一緒に運びます
- 出発前チェックで安心を積もう
- 眠気にはSTOP&休憩で対応
- 荷崩れゼロで信頼アップ
- 荷台チェックもプロの証!
- 追い越しは、しない勇気が守る命
- ベルト&ヘルメット、命のダブルロック
- 荷物も命も、無事に届けよう
- ハンドル握る前に心の整備
- 時間より安全!プロの優先順位
メンタルヘルス・健康管理系
- 健康あっての仕事力!
- 心の異変、見逃さない職場づくり
- 疲れたら「休む」も仕事のうち
- 無理しない、周囲に相談しよう
- 朝ごはん、命のエネルギー
- 睡眠・栄養・笑顔の3点セット
- 自分チェック、今日も忘れずに
- 一人で悩まず、声を出そう
- 働きやすさは安全意識から
- 元気な笑顔は、チームの守り神!
防災・火災予防系
- 火の始まりは「ちょっとの油断」から
- コードは丁寧に、配線チェックも忘れずに
- 防火扉、ふさがない。それが命の扉
- 火災報知器は命のセンサー
- 消火器、場所わかる?使える?
- 電源オフで1日の安全締め
- 火気厳禁!目を離す前に火を消そう
- 喫煙ルールで職場を守ろう
- 災害時、まずは落ち着き・身を守る
- 避難訓練、本気でやるから命が守れる
経営層・管理職向けスローガン
- 安全を守って、企業を育てる
- 安全を語れないトップは語る資格なし
- 安全投資=未来への最高のリターン
- 現場の声、聞いてこそ真の管理者
- 数字より大事なのは「命の重み」
- 小さな違和感を拾える目を持て
- 報告しやすさが職場を救う
- 管理職が安全の見本になろう
- 責任の所在を明確に、曖昧は事故のもと
- 安全文化=経営品質そのもの
環境・衛生意識向上系
- 清潔は安全のはじまり
- ゴミのルール、守って事故ゼロ
- エネルギー節約、安全意識と一緒に
- エコと安全は“考える力”から
- 環境配慮が信頼を生む企業力
- 有害物質は細心の注意で!
- 換気はこまめに、空気も健康も守る
- 衛生管理はみんなのために
- 水回りもキレイにしてこそ安心
- 身だしなみも、安全の一部!
ユーモア(面白い)・覚えやすさ重視系
- ケガしない、それが一番モテる道
- 合図なし、それは事故の前兆です
- 3秒で一生守る安全確認
- ピカピカ職場で気持ちもピカッ!
- その油断、SNSに載せられますよ
- ピカピカ職場はミスもゼロ
- ヘルメット、あなたの名刺です
- 「安全ボケ」にはご注意を
- 挨拶より大事かも、ヨシ確認
- 危ない橋は、渡らないが大正解!
汎用性の高いスローガン(業種問わず使える)
- 今日も安全、明日も元気
- 安全はチームでつくるもの
- 意識が変われば行動が変わる
- ヒヤリはチャンス、安全のヒント
- みんなで築くゼロ災職場
- 知る・守る・伝える、それが安全
- 「当たり前」をちゃんとやる
- あなたの安全が、みんなの安心
- 危険を見抜く、力を育てよう
- つづけよう、守ろう、ゼロ災害
成功した安全衛生スローガンの事例

安全スローガンは、ただ掲げるだけでは効果を発揮しません。成功したスローガンの多くは、具体的な行動を促し、従業員や市民の意識を変えることに成功しています。ここでは、企業や自治体で実際に活用され、安全文化の定着に貢献した事例を紹介します。
企業での成功事例
自動車メーカー:「安全はすべてに優先する」
🔹背景:
自動車メーカーでは、製造現場の安全管理を徹底するために「安全はすべてに優先する」というスローガンを掲げています。
🔹成果:
このスローガンは、単なる標語ではなく、具体的な安全活動とセットで運用されています。たとえば、「指差し呼称」(作業前に指をさして確認する)や「ヒヤリハット活動」(危険の芽を事前に摘み取る取り組み)が定着し、工場内での事故率を大幅に低下させることに成功しました。
大手建設会社:「ゼロ災害 継続は力なり」
🔹背景:
建設業は労働災害が発生しやすい業種の一つであり、安全管理が非常に重要です。ある大手建設会社では、「ゼロ災害 継続は力なり」というスローガンを掲げ、安全意識を高めました。
🔹成果:
このスローガンのもと、「安全朝礼」(毎朝、安全に関する注意事項を共有する)や「危険予知訓練(KY訓練)」(作業前に危険ポイントを確認する)を徹底し、事故ゼロを継続する現場が増加しました。
鉄道会社:「止まって確認 進んで安全」
🔹背景:
鉄道業界では、安全確認ミスが大事故につながるリスクがあります。ある鉄道会社では、「止まって確認 進んで安全」というスローガンを掲げ、乗務員や作業員の行動を意識づけました。
🔹成果:
「動作を止めて確認する」文化が根付き、ミスの削減と事故防止につながりました。このスローガンは駅構内にも掲示され、乗客にも安全意識を持ってもらう取り組みが行われています。
自治体・公共機関での成功事例
警視庁:「飲んだら乗るな 乗るなら飲むな」
🔹背景:
飲酒運転による事故を防ぐため、警視庁が広めたスローガンの一つが「飲んだら乗るな 乗るなら飲むな」です。
🔹成果:
このフレーズは分かりやすく、覚えやすいため、多くのドライバーの意識に浸透しました。結果として、飲酒運転の件数が減少し、交通事故防止に貢献しました。
消防庁:「備えあれば憂いなし」
🔹背景:
地震や台風などの自然災害が多い日本では、事前の備えが重要です。消防庁は「備えあれば憂いなし」というスローガンを掲げ、防災意識を高めるキャンペーンを実施しました。
🔹成果:
このスローガンとともに、防災マニュアルの配布や避難訓練の強化が行われ、住民の防災意識が向上しました。結果として、災害時の避難行動がスムーズになり、被害の軽減につながりました。
学校での成功事例
小学校:「走らない!ふざけない!安全第一!」
🔹背景:
学校の廊下や階段での転倒・衝突事故を防ぐため、多くの学校で使われているスローガンです。
🔹成果:
このスローガンは、子どもたちが分かりやすく覚えやすいようにシンプルに作られています。ポスター掲示や先生の呼びかけと組み合わせることで、事故の減少につながりました。
スローガンの浸透と活用方法

せっかく作った安全衛生スローガンも、掲示するだけでは意味がありません。
スローガンは「目にする・口にする・意識する」機会を増やすことで、はじめて社員の行動に影響を与える力を発揮します。
この章では、作成したスローガンを職場にしっかり浸透させ、日常的に活用するための具体的な方法を紹介します。
社内に「見える化」する(視覚的訴求)
まずはスローガンを視覚的に浸透させる仕組みをつくることが基本です。
どの部署・どの作業現場でもスローガンが自然と目に入るように配置しましょう。
✅ 活用例:
- 玄関・休憩室・更衣室などの掲示板にポスターを貼る
- 工場や作業エリアの入り口に大型バナーを設置
- 社員証やヘルメット、作業服にスローガン入りステッカーを貼付
- パソコンの壁紙・スクリーンセーバーに設定
💡 コツ: あらゆる「導線」にスローガンを配置し、無意識に目に入る環境をつくることが効果的です。
日常業務に組み込む(習慣化)
「見える化」に加えて、口に出して使う・行動と結びつけることが大切です。
スローガンを単なるスローガンで終わらせず、日々の業務と結びつけて定着させましょう。
✅ 活用例:
- 朝礼・終礼でスローガンの唱和
- ラジオ体操のあとに一言スローガンコール
- パトロールや点検時に、確認の合図として使用
- メール署名や社内文書にスローガンを記載
💡 コツ: 毎日のルーティンの中にスローガンを組み込むことで、意識しなくても安全行動が習慣化されます。
教育・研修に活用する(意味づけ)
スローガンの言葉に込められた意味を正しく理解してもらう機会を設けることで、表面的ではない「納得感のある意識改革」につながります。
✅ 活用例:
- 安全教育や新入社員研修でスローガンの背景・目的を解説
- ヒヤリハット事例と関連づけてスローガンを紹介
- ワークショップで「自分の職場に必要なスローガン」を考えさせる
💡 コツ: 言葉の意味を共有することで、社員一人ひとりの「自分ごと」意識が高まる効果があります。
表彰・公募制度で継続的に盛り上げる
スローガンを社員が参加できる活動にすることで、安全意識そのものの向上にもつながります。
✅ 活用例:
- 社内スローガン公募 → 優秀作品を全社で採用
- スローガン浸透活動に貢献した部署を表彰
- 年間スローガン発表式を社内イベント化
💡 コツ: ただ決められた言葉を使わせるのではなく、「自分たちで作った」という当事者意識が大きな効果を生みます。
定期的な見直しとフィードバック
スローガンは一度作ったら終わりではありません。
実際に使われているか?行動に変化が起きているか?など、定期的なチェックと見直しが必要です。
✅ 実施例:
- 年に1回、安全活動の振り返りとともにスローガンを再検討
- アンケート調査で「どれくらい覚えているか」「浸透しているか」を確認
- 現場ヒアリングを通じて改善点を抽出
💡 コツ: PDCA(計画・実行・評価・改善)サイクルにスローガン活用も組み込むと、継続的な安全文化の定着に繋がります。
まとめ
安全衛生スローガンは、企業の「安全文化」を社員一人ひとりに浸透させる強力なツールです。短く覚えやすく、行動を促す言葉は、日々の業務の中で自然と安全意識を高める効果があります。
ただし、掲げるだけでは不十分で、朝礼での唱和やポスター掲示、社員参加型の公募など、活用方法と運用の工夫が重要です。現場の声を反映し、定期的に見直すことで、スローガンは単なる標語ではなく「安全な職場づくり」の原動力となります。
安全は、一人では守れません。スローガンを通して、職場全体で意識を高め合い、ゼロ災害の実現を目指しましょう。