1分は何センチ?【100分までの換算表】分を使う場面は?

「分(ぶ)」という単位を、皆さんはどこかで聞いたことがあるでしょうか?日常生活では「分」と言えば時間の単位を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、日本には長さを表す「分」という単位も存在します。
この「分」は、主に建築業界や大工仕事、伝統工芸などの分野で今も使用されている、いわゆる尺貫法(しゃっかんほう)の一部です。現代ではメートル法が一般的となりましたが、ミリ単位では表現しにくい微妙な長さを測るために、「分」は非常に便利な単位として使われ続けています。
本記事では、以下のような疑問を解決していきます。
- 1分って何センチ?何ミリ?
- 「分」ってどこで使うの?
- 100分ってどれくらいの長さ?
- センチとの換算方法は?
さらに、1分から100分までの換算表や、使用場面別の事例も交えて、わかりやすく解説していきます。
伝統的な単位でありながら、今なお実用的な「分」。この記事を通じて、あなたも長さの新しい感覚をつかんでみませんか?
目次
1分は何センチ?何ミリ?

結論から言うと、1分(ぶ)は約3.03ミリメートル(mm)、つまり約0.303センチメートル(cm)です。
これは、昔の日本で使われていた「尺貫法(しゃっかんほう)」という単位体系に由来しています。この単位系では、以下のような階層的な関係があります:
- 1寸(すん) = 約3.03cm
- 1寸 = 10分
- よって、1分 = 約3.03cm ÷ 10 = 約3.03mm
また、もう一段階細かい単位として「厘(りん)」というものもあり、
- 1分 = 10厘
という構成になっています。つまり、1厘は約0.303mmとなります。
実感としての「1分」
この3.03mmという長さ、どの程度かイメージしにくいかもしれません。以下のように考えると、感覚がつかみやすくなります:
- 1円玉の厚さ:約1.5mm → 2枚重ねると約3mm
- スマートフォンの画面の縁(ベゼル)の幅 → 3mm程度のものも多い
- シャープペンシルの芯:0.3mm、0.5mm、0.7mm → ちょうど10本並べて1分程度
つまり、1分は、非常に細かい単位であり、精密な作業に向いていることが分かります。
1分の由来

「分(ぶ)」という単位は、日本の伝統的な長さの単位体系である尺貫法(しゃっかんほう)の一部です。この体系は古代中国から日本に伝わり、独自に発展を遂げてきました。
尺貫法の基本構造
まずは、尺貫法における長さの単位の構成を見てみましょう。
単位名 | 読み方 | 換算値(近似) |
---|---|---|
尺 | しゃく | 約30.3cm |
寸 | すん | 約3.03cm(1尺 = 10寸) |
分 | ぶ | 約3.03mm(1寸 = 10分) |
厘 | りん | 約0.303mm(1分 = 10厘) |
このように、「分」は1寸の10分の1にあたる非常に小さな単位であり、より微細な長さを表現するために生まれました。
「分」の語源と意味
「分」という漢字はもともと「分ける」「別ける」などの意味を持ちます。つまり、「寸」という単位を10等分したものとして「分」が誕生したのです。
また、1分(ぶ)=約3.03mmという数値は、現代のメートル法に換算した結果であり、もともとは人体や道具のサイズ感を基に決められたとも言われています。たとえば「1尺」は成人男性の前腕の長さが基準だったという説もあります。
歴史的背景
尺貫法は、飛鳥時代から江戸時代にかけて全国で広く使われていました。明治時代にメートル法が導入され、昭和34年(1959年)には法的にも「尺貫法の使用は原則禁止」となりましたが、建築や伝統工芸などの分野では今も根強く使用されています。
とくに、木造建築や仏壇・着物など、伝統技術が残る分野では「分」は実用的かつ感覚的にも使いやすい単位として重宝されています。
分とセンチの換算方法

「分(ぶ)」は日本の伝統的な長さの単位ですが、現代ではメートル法(mm・cm・m)が一般的です。そのため、分をセンチやミリに換算する方法を知っておくと便利です。
基本換算式
分とセンチメートル(cm)・ミリメートル(mm)の換算は、以下のように行います:
- 1寸 = 約3.03cm
- 1寸 = 10分
- よって、
- 1分 = 3.03cm ÷ 10 = 約0.303cm
- 1分 = 0.303cm × 10 = 約3.03mm
この値を基に、分単位をセンチやミリに換算する際は、次のような式を使います:
- センチ換算式:分 × 0.303 = cm
- ミリ換算式:分 × 3.03 = mm
換算の例
分 | センチ(cm) | ミリ(mm) |
---|---|---|
1分 | 約0.303cm | 約3.03mm |
2分 | 約0.606cm | 約6.06mm |
3分 | 約0.909cm | 約9.09mm |
5分 | 約1.515cm | 約15.15mm |
10分(1寸) | 約3.03cm | 約30.3mm |
換算の際には「約(およそ)」という表現を使っているのは、尺貫法がメートル法と完全に一致する数値で定義されているわけではないからです。日本では1尺=30.303cmと定義されているため、1寸=3.0303cm、1分=0.30303cm…と少数第5位まで続くことになりますが、実用上は「約0.303cm」や「約3.03mm」で十分です。
分の換算表(1分~100分)
この表は、1分(ぶ)から100分までの長さを、センチメートル(cm)とミリメートル(mm)で換算した一覧表です。
以下の項目で構成されています。
- 分:日本の伝統的な長さの単位。1分 ≒ 3.03ミリメートル
- cm(センチ):センチメートル換算値(1分 ≒ 0.303cm)
- mm(ミリ):ミリメートル換算値(1分 ≒ 3.03mm)
分 | cm(センチ) | mm(ミリ) |
---|---|---|
1分 | 約0.303cm | 約3.03mm |
2分 | 約0.606cm | 約6.06mm |
3分 | 約0.909cm | 約9.09mm |
4分 | 約1.212cm | 約12.12mm |
5分 | 約1.515cm | 約15.15mm |
6分 | 約1.818cm | 約18.18mm |
7分 | 約2.121cm | 約21.21mm |
8分 | 約2.424cm | 約24.24mm |
9分 | 約2.727cm | 約27.27mm |
10分 | 約3.030cm | 約30.30mm |
11分 | 約3.333cm | 約33.33mm |
12分 | 約3.636cm | 約36.36mm |
13分 | 約3.939cm | 約39.39mm |
14分 | 約4.242cm | 約42.42mm |
15分 | 約4.545cm | 約45.45mm |
16分 | 約4.848cm | 約48.48mm |
17分 | 約5.151cm | 約51.51mm |
18分 | 約5.454cm | 約54.54mm |
19分 | 約5.757cm | 約57.57mm |
20分 | 約6.060cm | 約60.60mm |
21分 | 約6.363cm | 約63.63mm |
22分 | 約6.666cm | 約66.66mm |
23分 | 約6.969cm | 約69.69mm |
24分 | 約7.272cm | 約72.72mm |
25分 | 約7.575cm | 約75.75mm |
26分 | 約7.878cm | 約78.78mm |
27分 | 約8.181cm | 約81.81mm |
28分 | 約8.484cm | 約84.84mm |
29分 | 約8.787cm | 約87.87mm |
30分 | 約9.090cm | 約90.90mm |
31分 | 約9.393cm | 約93.93mm |
32分 | 約9.696cm | 約96.96mm |
33分 | 約9.999cm | 約99.99mm |
34分 | 約10.302cm | 約103.02mm |
35分 | 約10.605cm | 約106.05mm |
36分 | 約10.908cm | 約109.08mm |
37分 | 約11.211cm | 約112.11mm |
38分 | 約11.514cm | 約115.14mm |
39分 | 約11.817cm | 約118.17mm |
40分 | 約12.120cm | 約121.20mm |
41分 | 約12.423cm | 約124.23mm |
42分 | 約12.726cm | 約127.26mm |
43分 | 約13.029cm | 約130.29mm |
44分 | 約13.332cm | 約133.32mm |
45分 | 約13.635cm | 約136.35mm |
46分 | 約13.938cm | 約139.38mm |
47分 | 約14.241cm | 約142.41mm |
48分 | 約14.544cm | 約145.44mm |
49分 | 約14.847cm | 約148.47mm |
50分 | 約15.150cm | 約151.50mm |
51分 | 約15.453cm | 約154.53mm |
52分 | 約15.756cm | 約157.56mm |
53分 | 約16.059cm | 約160.59mm |
54分 | 約16.362cm | 約163.62mm |
55分 | 約16.665cm | 約166.65mm |
56分 | 約16.968cm | 約169.68mm |
57分 | 約17.271cm | 約172.71mm |
58分 | 約17.574cm | 約175.74mm |
59分 | 約17.877cm | 約178.77mm |
60分 | 約18.180cm | 約181.80mm |
61分 | 約18.483cm | 約184.83mm |
62分 | 約18.786cm | 約187.86mm |
63分 | 約19.089cm | 約190.89mm |
64分 | 約19.392cm | 約193.92mm |
65分 | 約19.695cm | 約196.95mm |
66分 | 約19.998cm | 約199.98mm |
67分 | 約20.301cm | 約203.01mm |
68分 | 約20.604cm | 約206.04mm |
69分 | 約20.907cm | 約209.07mm |
70分 | 約21.210cm | 約212.10mm |
71分 | 約21.513cm | 約215.13mm |
72分 | 約21.816cm | 約218.16mm |
73分 | 約22.119cm | 約221.19mm |
74分 | 約22.422cm | 約224.22mm |
75分 | 約22.725cm | 約227.25mm |
76分 | 約23.028cm | 約230.28mm |
77分 | 約23.331cm | 約233.31mm |
78分 | 約23.634cm | 約236.34mm |
79分 | 約23.937cm | 約239.37mm |
80分 | 約24.240cm | 約242.40mm |
81分 | 約24.543cm | 約245.43mm |
82分 | 約24.846cm | 約248.46mm |
83分 | 約25.149cm | 約251.49mm |
84分 | 約25.452cm | 約254.52mm |
85分 | 約25.755cm | 約257.55mm |
86分 | 約26.058cm | 約260.58mm |
87分 | 約26.361cm | 約263.61mm |
88分 | 約26.664cm | 約266.64mm |
89分 | 約26.967cm | 約269.67mm |
90分 | 約27.270cm | 約272.70mm |
91分 | 約27.573cm | 約275.73mm |
92分 | 約27.876cm | 約278.76mm |
93分 | 約28.179cm | 約281.79mm |
94分 | 約28.482cm | 約284.82mm |
95分 | 約28.785cm | 約287.85mm |
96分 | 約29.088cm | 約290.88mm |
97分 | 約29.391cm | 約293.91mm |
98分 | 約29.694cm | 約296.94mm |
99分 | 約29.997cm | 約299.97mm |
100分 | 約30.300cm | 約303.00mm |
2分は何センチ?何ミリ?
約0.606センチメートル(cm) ※2分 × 0.303cm = 0.606cm
約6.06ミリメートル(mm) ※2分 × 3.03mm = 6.06mm
例:鉛筆の直径(約6mm)とほぼ同じ長さ
3分は何センチ?何ミリ?
約0.909センチメートル(cm) ※3分 × 0.303cm = 0.909cm
約9.09ミリメートル(mm) ※3分 × 3.03mm = 9.09mm
例:一般的なUSB端子の幅と同じくらい
4分は何センチ?何ミリ?
約1.212センチメートル(cm) ※4分 × 0.303cm = 1.212cm
約12.12ミリメートル(mm) ※4分 × 3.03mm = 12.12mm
例:1円玉の直径(約2cm)の約6割程度
5分は何センチ?何ミリ?
約1.515センチメートル(cm) ※5分 × 0.303cm = 1.515cm
約15.15ミリメートル(mm) ※5分 × 3.03mm = 15.15mm
例:消しゴムの短辺と同じくらい
6分は何センチ?何ミリ?
約1.818センチメートル(cm) ※6分 × 0.303cm = 1.818cm
約18.18ミリメートル(mm) ※6分 × 3.03mm = 18.18mm
例:SDカードの幅よりやや大きい
7分は何センチ?何ミリ?
約2.121センチメートル(cm) ※7分 × 0.303cm = 2.121cm
約21.21ミリメートル(mm) ※7分 × 3.03mm = 21.21mm
例:500円玉の直径(約26.5mm)よりやや小さい
8分は何センチ?何ミリ?
約2.424センチメートル(cm) ※8分 × 0.303cm = 2.424cm
約24.24ミリメートル(mm) ※8分 × 3.03mm = 24.24mm
例:単三乾電池の直径(約1.4cm)の約1.7倍
9分は何センチ?何ミリ?
約2.727センチメートル(cm) ※9分 × 0.303cm = 2.727cm
約27.27ミリメートル(mm) ※9分 × 3.03mm = 27.27mm
例:名刺の短辺(約5.5cm)の半分くらい
10分は何センチ?何ミリ?
約3.03センチメートル(cm) ※10分 × 0.303cm = 3.03cm
約30.3ミリメートル(mm) ※10分 × 3.03mm = 30.3mm
例:定規の3cm目盛りと同じ長さ(=1寸)
100分は何センチ?
100分(ぶ)は、約30.3センチメートル(cm)、約303ミリメートル(mm)です。
※ 計算式:100分 × 0.303cm = 30.3cm(または 100分 × 3.03mm = 303mm)
100分はちょうど10寸(すん)に相当し、1尺(しゃく)と同じ長さです。
1尺は日本の伝統的な基準長であり、昔の建築や着物の寸法でもよく使われていました。
例としては、30cm定規とほぼ同じ長さで、A4用紙の長辺(29.7cm)よりわずかに長いサイズです。
1000分は何センチ?
1000分(ぶ)は、約303センチメートル(cm)、約3,030ミリメートル(mm)です。
※ 計算式:1000分 × 0.303cm = 303cm(または 1000分 × 3.03mm = 3,030mm)
1000分は、100寸(すん)に相当し、10尺(しゃく)になります。
日本の伝統的な建築では、1間(けん)=6尺とされており、10尺は約1.67間にあたります。
現代的な感覚で言うと、3メートルちょうどなので、以下のようなサイズに近いです。
- 一般的な天井の高さ(2.4〜2.7m)よりやや高め
- 家具や建具(ふすま・障子)の高さの最大規格サイズ
- 大工仕事では柱や梁の長さとして使われる寸法帯
1000分という長さは、建築資材や木材など大型部材の設計時に使われることが多い単位です。
分が使われる場面とは?
「分(ぶ)」という単位は、日常生活ではあまり目にすることはありませんが、特定の業界や職人の現場では今も重要な役割を果たしています。ここでは、「分」が使われる主な場面を、具体例とともに紹介します。
建築・大工

木造建築やリフォームの現場では、「分」は今でもよく使われる単位です。
柱の太さ、板の厚さ、溝の幅など、mm単位ではなく「分」で表現されることで感覚的に伝わりやすいという理由があります。
例:
- 柱の厚み:3寸5分(約10.6cm)
- 隙間の調整:2分詰める → 約6mm詰める
木工・家具制作

家具職人や木工作家の間でも、「分」は頻繁に使われます。木材の接合部や装飾の彫り込みなど、微妙なサイズ調整が求められる場面では、「分」が便利です。
例:
- 引き出しのクリアランス調整:1分(約3mm)だけ狭くする
- 棚板の厚み指定:5分(約15mm)
伝統工芸

仏壇・襖・畳・刀・和服など、日本の伝統工芸では「分」は欠かせない単位です。熟練職人は、指先の感覚で「1分」「半分」などを正確に測り、作品に仕上げていきます。
例:
- 和服の裾の長さ調整:1寸3分伸ばす
- 仏壇の飾り部分:幅2分の金箔細工
医療・歯科技工

歯科技工士や義歯・補綴(ほてつ)物を扱う専門職では、ミリ以下の単位での調整が日常的です。古い慣習で「分」を使って指示されることもあります。
例:
- 義歯の微調整:「0.5分削る」→ 約1.5mm削る
分が使われる場面別 一覧表
使用分野 | 使用例 | なぜ分を使うのか |
---|---|---|
建築・大工 | 柱の太さ、木材の切断寸法 | 感覚で伝えやすく、現場での共有が早い |
木工・家具 | 引き出しの隙間、板の厚み | 微調整が必要な作業に向いている |
伝統工芸 | 着物の寸法、仏具の細工 | 伝統文化として単位が定着している |
医療・歯科技工 | 義歯の調整、技工物の厚み | ミリ単位よりも視覚的に伝えやすい場合がある |
よくある質問

Q1. 「分(ぶ)」と「分(ふん)」は違うのですか?
はい、まったくの別物です。
- 「分(ぶ)」は長さの単位(1分 ≒ 3.03mm)
- 「分(ふん)」は時間の単位(1分 = 60秒)
漢字は同じでも、意味・用途・読み方が異なります。
Q2. 尺貫法は法律で禁止されているのでは?
尺貫法は1959年にメートル法の使用が義務化されましたが、禁止されたわけではありません。
特に建築や伝統工芸の世界では、今でも慣習的に使われ続けています。
Q3. なぜミリやセンチではなく「分」を使うのですか?
「分」は、感覚的に分かりやすく現場で伝えやすいというメリットがあります。
例えば、「2分詰める(約6mm)」のように職人同士でイメージを共有しやすく、作業効率が上がるのです。
Q4. 「分」でもメジャーで測れますか?
はい、通常のメジャーやスケールで測れます。
1分 ≒ 3.03mm と覚えておけば、ミリ・センチ換算は簡単です。
「分・寸」が併記されたスケールも市販されています。
Q5. 学校では「分」は教えないのですか?
現在の学校教育ではメートル法が標準なので、「分」は教えられていません。
ただし、建築・和裁・工芸系の専門学校では必要に応じて教えられることがあります。
まとめ
「分(ぶ)」は、現代の生活ではあまり見かけない単位ですが、建築・工芸・木工・医療など、精密な作業を要する現場では今も重要な役割を果たしています。
1分は約3.03ミリ(0.303センチ)で、非常に細かい長さを直感的に伝えることができるため、プロの職人たちの間では今でも広く使われています。
本記事では、1分から1000分までの換算や、各分に対応するセンチ・ミリ表示、実際にどのような場面で使われるのかを具体例とともに紹介しました。
「分」という単位を理解することで、日本の伝統的なものづくりや設計の考え方に触れるきっかけにもなるかもしれません。
もし、建築や工芸に興味がある方であれば、「分」という単位の感覚を知っておくことで、より深い理解や表現ができるようになるでしょう。
今後、ものづくりの場面で「○分」という言葉を耳にしたら、ぜひこの記事を思い出してみてください。